福島県いわき市の実業家・志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。二人は、1980年代にいわきで出会い、数々の驚くべき「作品」を生み出してきた。そんな二人の最大の作品が、東日本大震災後に制作した「いわき回廊美術館」。その周辺の山々では、志賀が、99,000本の桜を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めている。原発という「負の遺産」を残したことを激しく悔いて、未来のいわきを世界に誇れる場所にするために。型破りな二人の巨人の足跡を辿りながら、美術、ひいては「文化」の底力を問う。スタジオジブリ・鈴木敏夫氏絶賛! 第16回開高健ノンフィクション賞受賞作。
Posted by ブクログ 2022年12月25日
夢を忘れない二人の男の物語。
特に滋賀忠重という人の行動力に圧倒される。
夢を見続けるには一歩踏み出す勇気が必要。
でもまず自分を突き動かす夢の見かたを見つけるにはどうすればいいのか?
小心者の私は戸惑う。
蔡國強という偉大なアーティストを通して
理解しがたかった現代アートの見方を教えてもらえる本...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月15日
この本を開いたとき、強烈な違和感があった。
今まで川内有緒さんの書く文章は、川内有緒さん自身が体験したこと(とりわけ旅に関すること)しか読んだことがなかったからだ。
その意味では、この本は初体験なのである。何しろ、そういう文章は「文庫版あとがき」にしか存在しない。
その違和感故に、一度本を閉じてし...続きを読む