川内有緒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ五転六転くらい先入観を覆された
全盲の白鳥さんは美術館によく行く
同行者が、この絵はこんなのが描いてあるよ〜あれ!?でも違うかも?とかワイワイ話すのを聴きながら美術鑑賞を楽しむ
白鳥さんは耳で聴いて絵を観てるのか!と気づきを得た著者は、コロナ期間中、白鳥さんをオンライン鑑賞に誘うが乗ってこない
コロナが落ち着いて白鳥さんとまた会えるようになった著者は一緒にお酒を飲みながら、今この場に自分がいることが大事という白鳥さんの話を聞いて、彼が聴覚だけで美術鑑賞をしていた訳ではないことに気づく
『鑑賞のときも言葉とか会話はひとつの情報でしかなくって、空気とか雰囲気とか、そういうものからも多くのものを受け取ってるってことだよね』
『そして美術作品もまた物体としてのエネルギーを発している。』
そういうものを五感で感じるとき、白鳥さんは自分が生きてるぅぅぅという実感を得ているのかもしれない
そしてそんな瞬間はきっと楽しい (^^)v
My preconceptions were overturned five or six times.
Shiratori-san, who is completely blind, often goes to art museums.
While his companions excitedly chat saying, "This painting shows this…" or "Maybe it's something else…", he enjoys art appreciation by listening to them.
The author, realizing that Shiratori-san is "viewing the paintings through his ears," invited him to online art appreciation sessions during the COVID period, but he did not join.
After COVID calmed down and the author could meet Shiratori-san again, they drank together. Listening to Shiratori-san say that simply being present there together was important, the author noticed that he was not appreciating art only through his hearing.
"'Words and conversations are only one piece of information during appreciation. You also receive a lot from the air, the atmosphere, and things like that.'"
"'And artworks themselves also emit energy as physical objects.'"
When Shiratori-san feels such things with all five senses, maybe he experiences the vivid sense of being alive.
And surely those moments are joyful. -
Posted by ブクログ
タイトルが面白くて手に取った。
そりゃあそうだよね、全部押されてしまったら皆迷惑を被るもの。
で、このタイトルのエッセイが期待通り面白かった。何だか世の中うまくできてるなと思った。
いたずらしたのは別の人なのに、やってない人がフォローし、うまいこと事態がおさまっている。やってない人は完全にとばっちりだが、無事、緊迫した場から逃れられ、場は和んでいて、終わり良ければ全て良し感があった。
『レモンを置きに京都まで』も好きなエッセイだ。小説『檸檬』を今の今まで忘れていたし、未だにこの小説がなぜ有名なのかよく分からないが、その内分かる日が来るのだろうか。そして、私もそっと檸檬を本の上に置きたくなるのかもしれない。
青い装丁の本の上に黄色いレモンの組み合わせ…好きなコントラストだ。
最後の方のエッセイに、亡くなった夫の遺灰を世界の色んな場所に撒きに行く方の話が出てきた。素敵だと思う。私も遠い未来、そうしたいと思うが、夫は旅行に興味がないところがネックだ。
日本人は故人を悼む時間が少な過ぎるというのは確かだ。もっと好きなだけ故人を悼めば良いし、立ち直らなくても良い。そう思わせてくれる不思議なエッセイだった。 -
Posted by ブクログ
『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』で知った川内さんのエッセイ集。
海外を飛び回っているイメージが強くて、とてもアクティブな方だと思った。
彼女の回りではただの日常が、とてもスリリングだったり面白かったりで驚かされる。
家族もさそうだが、友だちもみんな結局は楽しんで生きているというのを強く感じた。
「エレベーターのボタンを押さないでください」は、茶色いランドセルを選んだ妹・サチコが2年になったときの担任・マストヨ先生がやったことだとは…。
「小津安二郎のゆかりの「茅ヶ崎館」で書く」で作品を生み出す話も決めては「二番」なのか…
「非常に大きな贈り物」に唖然となる。
「呪いのピアノ」は、実は好きだったのかも…と。
ちょっと違う角度の面白いものをいくつかあげてみた。
知れば知るほどたくさんの引き出しを持っている方だと感じる。
まだまだ埋もれているエピソードはあるのだろう。
-
Posted by ブクログ
楽しい一冊だった。なんだか、パリを舞台にした本は、どこかアンニュイな雰囲気の人々が出てくることが多いけれど、この作者の周りはみんなあっけらかんとしていて、悩みが(正職員になれないと最低賃金の半分くらいしかもらえないとか!黒人が一緒に行くと不動産やさんはアパートを貸さないとか!)ないわけではないけれど、それぞれが自分の良いように人生を切り開いていっている感じが良い。
アーティストたちの不法占拠アパートでのパーティーなんて、なかなか参加できそうにない!
作家さん自身は、私は行き当たりばったりで、と書いているけれど、ある意味、知らず知らずコツコツ努力したりアンテナはったりしてるために、チャンスが転がり込んできたときにそれを逃さずに捕まえることができているんだろうと思う。
パリの日本人たちの話も読んでみたいな。 -
Posted by ブクログ
日芸からのアメリカの大学院からの大手コンサルからのパリの国連...目が眩むようなエリートの著者。
初めは自分もこの方は育った環境からして何もかもが違うと、ややひねくれながら読んでいたのだけど、
著者をエリートにしたのは前向きで物怖じしない心の強さゆえと気づき、憧れの気持ちに変わっていった。
国連で通用するくらいの英語スキル、ビジネススキルは、私からしたら途方もない努力と苦悩が必要に思えるけど、著者は「その時々にやりたいことに流されただけ(意訳)」というんだからすごい。
今のままではなく、なにか変えたいと思っている自分に気づかされた本でもあった。 -
Posted by ブクログ
著者が国連職員としてパリで過ごした5年半の生活をおもしろおかしく綴ったエッセイ。バイタリティ溢れる著者の素敵な人柄が伝わってきます。
海外での生活や国連の仕事内容、気になる方も多いのでは?この本で少し覗いてみることができますよ。
2000倍という募集倍率から選ばれ、晴れて国連職員となり、パリでの生活をスタートさせた著者。その彼女を待ち受けていたものは、
・パリでの住宅探しの苦労
・パリでの理不尽な仕打ち(不幸話ではない)
・優秀でクセのある各国の愉快な同僚たち
・お役所感満載のカオス組織
・国連内の珍常識、時間感覚 などなど。
スラスラと楽しく読めました。
興味の赴くままに突っ走る著者もさることながら、それを無条件に受け入れるパートナー、実家の家族、友人達も素敵です。新しいことにもっと挑戦してみよう!人生を楽しもう!と前向きになれる本でした。
-
Posted by ブクログ
この作品で取り上げらているのは、中国人の現代美術家蔡國強(とはいっても知らなかったけど)と福島県いわき市在住の実業家志賀忠重…この一見してつながりが見えない2人、でも強固な絆が2人にはありました。蔡國強が無名の時から支援をしていた志賀忠重、どこまでもつづく2人の関係性にはちょっと羨ましいものを感じたりしました。
だって、蔡國強が舟を使って作品を作りたいから海外まで持ってきてほしい…持っていくまでだって大変、その後組み立てるのだって…それを仲間を連れて海外に行っちゃうんですよ、この志賀忠重って人!!そして、東日本大震災後に、何かに役立ててほしいと蔡國強が寄付したお金を子どもたちからの絵画作品を募集して絵画展を開催してその賞金やら、回廊美術館を作るとか…もう色々が、大物すぎて凄すぎるんですよ!そして、いわきに99000本の桜を植える活動も現在進行形で行っておられる…。もう、スケールが大きすぎて!!
いつか、いわて回廊美術館も訪れてみたいし、桜の植樹にも参加してみたいな…。あと蔡國強の作品(火薬を使った作品)も見てみたいです。川内有緒さんの作品は、やっぱ読みやすいですね!東日本大震災からまもまく14年…このタイミングでこの作品を読めて、よかったと思っています。