川内有緒のレビュー一覧

  • 空をゆく巨人

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    中国人の現代美術家蔡國強氏と福島いわき市との繋がり、特に志賀氏との個人的な繋がりを描いたノンフィクション作品。
    東北大震災、原発問題もテーマの柱としてストーリーが進んでいく。
    中国と日本との繋がり、911と震災との繋がりと、ドットが結びつく過程をモチーフとしてうまく取り上げている。
    個人的には蔡氏も志賀氏も、いわき回廊美術館のことも知らなかったので、この本を通じて自らが知らない領域に導かれる心地よさを感じながら読み進めることができた。
    そして人生を大きく、太く生きている人の人生観は興味深い。

    ノンフィクションの場合、テーマ選びがとても重要だと思うのだが、著者が海外で生活し、勤務した経験がある

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    2018年12月30日
  • 空をゆく巨人

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    中国人芸術家の蔡國強氏と、友人で共同制作者でもある志賀忠重氏のお話し。川内作品は何冊か読んでいるが今回もまたプロローグから面白い。

    本作を読むまで全然知らなかったが蔡氏は世界的なアーティストで、美術界のオリンピックと呼ばれているヴェネツィア・ビエンナーレで国際金獅子賞を受賞しているそうだ。たしかに沢山のオオカミが宙を舞う作品「壁撞き」は自分も見たことがあった。

    そして蔡氏を無名の頃からサポートし続けている志賀氏は、芸術家ではなくいわゆる市井の人なのだが、親分肌で非常に使命感が強い人物である。たまたまテレビで見た冒険家に資金を援助し、資金援助だけではなく実際に北極まで物資を届けに行ってしまっ

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    2018年12月02日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    川内有緒さんのあたたかい文体で、それぞれ5人の方の物語と死への向き合い方が書いてあった。2組の夫婦の出会い方がまるで小説みたいで、こんな風に出会ってみたいと思った。

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    2018年11月23日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    死に方は生き方でもあるし、生きることは死に一歩一歩向かうことだなと。自分や近しい人の生き方死に方を含めた人生を考えさせられる。そして最後の死んだ人が重なるという感覚はわかるような気がする。ふとした瞬間に自分の中に死んだ人が入ってくるような感覚。
    後悔しない死に方はないかもしれないけど、そういう死に方したいし送り方をしたい。

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    2017年08月19日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    川内有緒さんの文章って、ほんとにいいなあと思う。力みがなく、いつも爽やかな風が吹いているような感じだ。本書は、大切な家族や友人を失い、その見送り方として「散骨」を選んだ人たちに取材したもの。著者自身もお父さんをそういう形で送っている。自由に生きた(生きる)人たちは、見送ったり見送られたりするのも軽やかだなあ。

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    2017年06月21日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    肉親を散骨で弔った5人の物語を川内有緒氏が綴る。それぞれが感動的な物語であり、素敵な人たちの人生である。特に「マカルーで眠りたい」に記載してある、医師登山家である原真に嫁いだ仏人エリザベスの人生には、その率直な生き方に心を打たれる。二人の養子を引き取って育てるのもおおらか。真摯で優しく、こういう人たちが世にいることを知るだけでも有難い。また、社会的な葬送システムが希薄になった今、散骨という葬送もいいものであり、決して命のつながりを軽視したやり方ではないのだと感じた。

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    2017年05月24日
  • バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録

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    この本を読んで少しでも感動した時点で、本当の自分を知りたいとか全ての事象にもっと寛容になりたいとか余裕を持ちたいとか、何ならバウルの様に生きてみたいとか、今の自分からは到底辿り着けないものを望んでるのは確かなんだと思った。だってそんな思いにふけっていたら今の日本での豊かな生活は不可能だし、もし両立させたとしたらそれは多くの矛盾を孕むから。
    読みながら内面の旅へ誘ってくれる本で、いつの間にか読むのを止めて何か考え事をしてる事が時折あった。この本を読んで小さいけど確実な変化は、今後の人生は今自分が望むものと生活の矛盾と葛藤しながら生きる修行が始まったと言う事だろう。

    ちなみに元国連職員として様々

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    2017年02月18日
  • バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録

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    解説で高野秀行さんが、「酸欠になった肺に新鮮な空気がいっぱい入ってくるような爽快感」と書いている、まさにその通りの読後感だった。これ見よがしの感じが全くない自然な書きぶりが好感度大。お気に入りの一冊になりそうだ。

    「パリの国連で夢を食う」を読んだとき、この方のスーパーな経歴や、それをまたあっさり捨ててしまう度胸の良さに驚いたものだが、この本で書かれている旅も「普通」からはほど遠い。観光地とはとても言えないバングラデシュに、ちょっと興味を持った「バウル」を探しに行く。連れは男性の友だち(川内さんには夫もいるのだが)。

    本当におもしろいと思うのは、そういうことをなんでもないようにごく自然に行動

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    2016年03月14日
  • バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録

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    川内さんの本を見つけてすぐさま購入。バウルを追い求めていくなかで、バングラデシュの様子やそこで川内さんが感じたことが描かれていておもしろい。川内さんの文章が好き。引き込まれるし共感できる。

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    2015年11月01日
  • バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録

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    バングラデシュのこと、ましてはバウルのことなど、何も知らなかった。本当に世界は広い。心の豊かさってなんだろう。

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    2015年07月11日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    ネタバレ

    著者と同い年ということもあり、『うる星やつら』とか学校で迷い犬を飼うとか、「クラムボン」も知ってるし、『ある行旅死亡人の物語』も読んだし、共通点があって、面白く読めました。でもその捉え方とか、エピソードがいちいちスケールが大きくて、私はただ「同い年」なだけなんだと自らの人生の薄っぺらさに苦笑。国連で働くってどんな就活すんだろ?!
    そして、全般に漂うポジティブシンキング!岡本太郎の著書からの引用が、真逆の人間には眩しすぎましたぁ。憧れます。ほんとに、こんなふうに生きれたら話すネタに事欠かない。そりゃ本も出したくなる。
    「だよね」「わかる」「人生そうでなきゃ」「たのしそう」と思いつつも、これを行動

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    2025年12月22日
  • パリの国連で夢を食う。

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    こういう人もいるんだなーって感じでバイタリティ溢れて素敵な著者だなと思う。ストーリーとしては、ひたすら簡単な日記を読んでるような文体でちょっと飽きちゃうかもしれないですが、読み易いは読み易いです。

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    2025年12月02日
  • パリでメシを食う。

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    パリで奮闘、活躍、躍動する日本人達のエッセイ集。
    イタリア、オーストラリアに行った事があるけど、
    やっぱり海外で働く、暮らす事には憧れる。価値観の共有がしたい。
    英語ですら読み書きが出来ない私は涙を飲むしかないのです!^_^!

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    2025年11月23日
  • 自由の丘に、小屋をつくる

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    自由で明るい筆者の人柄が見えるエッセイ。
    小屋を建てながら、子育て、コロナ禍など経験していく。
    小屋作りにたくさんの人と関わり合っていて、人付き合いが好きな方の印象。
    人との関わりが多すぎて、小屋作り以前に私には到底辿り着けない領域に思えた。

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    2025年11月16日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    自分とは違うひとの日常のなかに、自分の日常を見直すきっかけが隠れている。色んな人やモノに出会い、自分を変えたくなったり既に変わってしまった自分に気づく日々が鮮やかに切り取られている素敵なエッセイがたくさん。

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    2025年10月17日
  • わたしの名店

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    【三浦しをん、西加奈子、中江有里、美村里江、宇垣美里、清水由美、山田ルイ53世、塩谷舞、稲垣えみ子、道尾秀介、ジェーン・スー、岡崎琢磨、バービー、朝井リョウ、瀬尾まいこ、佐藤雫、清水ミチコ、あさのますみ、畠中恵、はるな檸檬、小川糸、久住昌之、川内有緒、澤村伊智、朱野帰子、最相葉月、藤岡陽子、森見登美彦】
    という顔ぶれの方々が、それぞれ"自身が名店だと思うお店"を紹介している一冊。その店はもちろん実在する店。(現在、閉店してる可能性はある)

    いやー、なんか人が好きなお店っていいやんね。好きって必ずしも「ここのこれが絶品!」っていうだけじゃなくって、別に特別美味しくなくても好

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    2025年10月09日
  • わたしの名店

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    気がついた、私はごはんにまつわるエッセイがとっても好きだ!お腹も心も満たしてくれるエッセイはきっと薬よりも体にいい。

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    2025年10月02日
  • わたしの名店

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    ★3.5

    どれも名文で、読書の幅が広がりそうです。
    「この店行きたい!」と思った店は既に閉店されていて残念。

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    2025年09月19日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    人生のレールを自分の手で敷いていけるひと

    自分の人生が敷かれたレールだと思うほど子供ではないにしろ、自らの明確な意思を全力で生きてきたかといわれれば言葉に詰まる

    有緒さんは眩しい

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    2025年09月17日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    アメリカに留学、民間企業や国連に就職しパリに居住した経験も長い著者が学生時代からこれまでのエッセイをまとめたもの。同世代であり同じ時期にこんな生き方ができているってすごいなあと思う。筆致が軽く読んでいてこちらも気持ちが明るくなった。

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    2025年09月08日