あらすじ
いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。
『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo!News|本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた日経新聞、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」・・・・・・。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。ユーモラスで味わい深い文章に、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。
川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。この本そのものが、冒険で、旅なのだ。――岸本佐知子(翻訳家)
並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる。――こだま(作家・エッセイスト)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
色鮮やかな日常が保存されてた。
最後の章は、少し苦しくなるものも多かったけれど、「未完成な人生」という考え方は新鮮でホッとする部分もあった。
いつの間にか時間は過ぎていって、この一瞬が二度と訪れないと思うととても怖くなる。こんなふうに人との出会いや大切な人との思い出をもう少し意識して自分なりに保存したいと思った。
Posted by ブクログ
前評判はあまり読まず、装丁だけでホラーとすら思っていた。
初めて行くキャンプ地で、この本を読む。
何という巡り合わせなのだろう。
旅であり日常であり行動力の賜物である筆者。
思ったことをどんどんやってみるバイタイリティ。
あぁこんな風に歳をとっていきたい。
今自分の人生を生きているか、問うてくれる。
Posted by ブクログ
自分とは違う誰かの日常のはずなのにその中に自分と似た何かがあったり、新しい世界や気づきを与えてくれたり…
そんなエッセイが大好きです
川内さんのエッセイはまさにそんな作品
楽しくておかしくて、そしてほろ苦い
癖になります
Posted by ブクログ
川内さんの行動力が並外れてすごいから、周りの人たちの行動力も影響を受けるのか
周りの人たちの行動力がすごいから、川内さんもそれに影響されたのか
それくらい、川内さんやその周りの人たちが主体的に自分の人生を生きている感が伝わってくるエッセイでした。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取った。
なんだろう、ちょっと違う視点で物事を見ているというか、シャッターを切るタイミングがすごくいいというか。
まえがきにも書かれているが、エッセイというのはおもしろい。このエッセイ集は、書かれた時も場所も内容も違うけれど、全て川内さんの人生で、全編に通底するパターンがあって、それはフラクタルなのだと。こういう視点もおもしろいーと思う。
イザベル・アジェンデの『精霊たちの家』の原稿を知人から託され出版社に持ち込んだ教授の話とか、教習所の話とか…
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を書いた方でした。
Posted by ブクログ
エネルギッシュな人に憧れがあります。
チャレンジ精神が旺盛で、良い意味で我が道を行ける人。
「新しい海に無計画にダイブする癖がある」という著者の川内有緒さん。
仕事も日常の生活も、自分ならではの生き様を追い求めている。
そんな姿勢が伺えて、最高に魅力的でした。
彼女の緩さとストイックさのバランス、すっごくいいなぁ。
第一章の「コスタリカのバスのなかで」から、私の好奇心は煽られっぱなし。
私の全然知らない国、全然知らない人たちの「マジーー?!」と思うような日常のひとコマひとコマが読んでて楽しかった。
印象に残った話はいくつかあるけど、今の私にちょっと響いて、好きだと感じたのが「真夜中の演奏会」。
“そんなことして何になるの?”“意味ある?”
外野は何気にそう言うけどさ、成果としては残らなくても、やり切った人にしか得られないものって絶対あるよね。
Posted by ブクログ
大好きな川内有緒さんの本。
川内有緒さんのレンズを通してみる世界のおもしろさと、人生の思い出というか豊かさを与えてくれるひとに囲まれてるその交友関係といい、いつ文章を読んでも惹かれるなと。
西荻とか中央線沿い、『急に具合が悪くなる』、不妊治療について、などなど、タイムリーに親近感のあることに触れてるところもまたキュンとしてしまうポイント。
普段はあんまり本を2周することがないけどこの本は線を入れたり付箋を貼ったり、別のノートに心に響いた文章を写したりと内省のためにしっかり読み直したいなと思った!
Posted by ブクログ
タイトルの文章だけでなく、何とも愉快な経験をする人だなと感じた。
それをのびのびとした文体で読ませてくれる。
本線であるノンフィクションをまだ読んでいないのだけれど。
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すごく密度の高そうな人生。類は友を呼ぶ、とはこういうことなのだろうか。あふれる好奇心と行動力があって、人の人生に興味を持っている人の周りには、さまざまな個性や才能が集まるのかも。
Posted by ブクログ
川内さんは自分とは全然違う(当たり前だけど)人生を送っていて、ただただすごいなあと感心する。ひとつひとつの話が本当におもしろく、楽しい読書だった。
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タイトルが面白くて手に取った。
そりゃあそうだよね、全部押されてしまったら皆迷惑を被るもの。
で、このタイトルのエッセイが期待通り面白かった。何だか世の中うまくできてるなと思った。
いたずらしたのは別の人なのに、やってない人がフォローし、うまいこと事態がおさまっている。やってない人は完全にとばっちりだが、無事、緊迫した場から逃れられ、場は和んでいて、終わり良ければ全て良し感があった。
『レモンを置きに京都まで』も好きなエッセイだ。小説『檸檬』を今の今まで忘れていたし、未だにこの小説がなぜ有名なのかよく分からないが、その内分かる日が来るのだろうか。そして、私もそっと檸檬を本の上に置きたくなるのかもしれない。
青い装丁の本の上に黄色いレモンの組み合わせ…好きなコントラストだ。
最後の方のエッセイに、亡くなった夫の遺灰を世界の色んな場所に撒きに行く方の話が出てきた。素敵だと思う。私も遠い未来、そうしたいと思うが、夫は旅行に興味がないところがネックだ。
日本人は故人を悼む時間が少な過ぎるというのは確かだ。もっと好きなだけ故人を悼めば良いし、立ち直らなくても良い。そう思わせてくれる不思議なエッセイだった。
Posted by ブクログ
『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』で知った川内さんのエッセイ集。
海外を飛び回っているイメージが強くて、とてもアクティブな方だと思った。
彼女の回りではただの日常が、とてもスリリングだったり面白かったりで驚かされる。
家族もさそうだが、友だちもみんな結局は楽しんで生きているというのを強く感じた。
「エレベーターのボタンを押さないでください」は、茶色いランドセルを選んだ妹・サチコが2年になったときの担任・マストヨ先生がやったことだとは…。
「小津安二郎のゆかりの「茅ヶ崎館」で書く」で作品を生み出す話も決めては「二番」なのか…
「非常に大きな贈り物」に唖然となる。
「呪いのピアノ」は、実は好きだったのかも…と。
ちょっと違う角度の面白いものをいくつかあげてみた。
知れば知るほどたくさんの引き出しを持っている方だと感じる。
まだまだ埋もれているエピソードはあるのだろう。
Posted by ブクログ
「空をゆく巨人」や「目の見えない白鳥さんとあーとを見に行く」などで知られるノンフィクション作家の初エッセイ集。「生まれ変わったら冒険家になりたい」そうだけど、十分人生で冒険していることがわかるエッセイ。
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著者と同い年ということもあり、『うる星やつら』とか学校で迷い犬を飼うとか、「クラムボン」も知ってるし、『ある行旅死亡人の物語』も読んだし、共通点があって、面白く読めました。でもその捉え方とか、エピソードがいちいちスケールが大きくて、私はただ「同い年」なだけなんだと自らの人生の薄っぺらさに苦笑。国連で働くってどんな就活すんだろ?!
そして、全般に漂うポジティブシンキング!岡本太郎の著書からの引用が、真逆の人間には眩しすぎましたぁ。憧れます。ほんとに、こんなふうに生きれたら話すネタに事欠かない。そりゃ本も出したくなる。
「だよね」「わかる」「人生そうでなきゃ」「たのしそう」と思いつつも、これを行動に移せないのもやっぱり私なのでした。文中のカッコいいセリフ「10年後も同じ場所で同じ仕事をしていると想像するほうが怖かった」
言ってみてぇ〜!!
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自分とは違うひとの日常のなかに、自分の日常を見直すきっかけが隠れている。色んな人やモノに出会い、自分を変えたくなったり既に変わってしまった自分に気づく日々が鮮やかに切り取られている素敵なエッセイがたくさん。
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人生のレールを自分の手で敷いていけるひと
自分の人生が敷かれたレールだと思うほど子供ではないにしろ、自らの明確な意思を全力で生きてきたかといわれれば言葉に詰まる
有緒さんは眩しい
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アメリカに留学、民間企業や国連に就職しパリに居住した経験も長い著者が学生時代からこれまでのエッセイをまとめたもの。同世代であり同じ時期にこんな生き方ができているってすごいなあと思う。筆致が軽く読んでいてこちらも気持ちが明るくなった。
Posted by ブクログ
パリで国連職員やってた人や。名前素敵やわ。タイトルおもろいな。で手に取った。
くすっとも行ききれない、がはは!ともならない。淡々と読み進めた。ご自身、家族や近しい人のことがたっぷりやけど、ちょっと引いたところから見てるような。
私はなんでこの本を読み進めているのやろう、とどこかで思いながら読んでいた気もする
でも、未完成な人生に花束を、のラスト2本で気がついた。
私は川内さんの感性が、生き方が、うらやましいんやなと。
Posted by ブクログ
引きこもり気味の私には、著者のフットワークがとても軽くてうらやましい。人生は何度もやり直せると仰っていて、確かにそう考えると初めの一歩は軽くなり色々挑戦出来そう。「表題作」「2匹の猫」「向田邦子を追いかけて」「病と恋と最後の読書」「未完成な人生に花束を」が好きでした。
Posted by ブクログ
星3.5
ずっと前に読んだ『パリの国連で夢を食う。』がとても面白かったので、同じ著者のエッセイ集を手に取る。
いろいろな媒体に掲載されたエッセイをまとめたものなので、時系列はばらばら。
『パリの国連ー』から10年以上が経ち、その間に出産され、娘さんも小学生になっているということだが、今もフットワーク軽く、外国にも仕事ででかけたりしているようだ。
私が好きだったのは、やはり外国関係のエッセイが多いが、自宅で飼っていた猫の話もよかった。破天荒なお父さんのことを書いた『晴れたら空に骨まいて』も読んでみたい(海外でいろんなところで夫の骨を散骨する女性の話が出てきたが、許可とかいらないのだろうか)