中条省平のレビュー一覧
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「マダム・エドワルダ」と「目玉の話」という二つの中編が収められた小説。
「マダム・エドワルダ」は神にも感じられる娼婦に対して、死と生を同時に感じることを抒情的に歌ったもの。小説の体ではあるがどことなく散文詩に感じられた。大理石の人物彫刻を見ているようだった。
「目玉の話」は思春期の男女が自分たちの好奇心のまま変態的な行為に拘泥していく話。目玉、卵、睾丸、排尿に執着を見せ、場所を変え人を変え行為を続け、人の死をも興奮に変えていく衝動の激しさに若さと作者の美学を感じたが、正直嫌悪感を抱いてしまったのもあってあまりよく分からなかった。個人的には以前に読んだ粕谷栄市の詩集に近しいものを感じた。 -
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本当にフランス語のことを何も知らずに読んだ1冊。試しにDuolingoをしばらくやってみて、さすがに意味がわからなさすぎると思って、次にこちらの本を読んでみた。文法書ではなく新書で、気軽な読み物のように始められるのは、とてもありがたかった。この1冊でフランス語の発音の雰囲気をつかむことができた。ただ、やはり文法の話になってくると、個人的には構造がわからないまま、エッセイのような雰囲気で説明がパラパラと入っていても理解することはできず、後半になるにつれて、この本とは別に何か入門書を読もうと言う気持ちになった。ハードルを下げてスタートさせてくれるという意味で、読んで良かった。
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悪名高い伯爵と結婚した末に、幼い息子と実父を一度に失う悲劇に見舞われたヴェロニク。十四年後、彼女は悲しみを忘れるべく遠くの町で働き成功していたが、偶然見た映画の一場面で、見知らぬ土地の小屋に自分のサインが刻まれていることに気づく。探偵の情報をもとにその小屋に行ってみると、中には男性の遺体が!それは新たな惨劇の始まりに過ぎなかった。
こんな怖い話だったっけ・・・まあタイトルからしてアレだけど。子供の頃にルパンシリーズは全部読んだはずだが記憶がない。序盤から中盤、もはや後半までマジ救いのない展開すぎで苦笑い。後半はあっさりルパンの正体が明かされて若干拍子抜けした部分も。ヴェロニクがここまで追い込まれても耐え抜いていく精神力がすごい。フランソワも天真爛漫ながらルパンを信じて諦めない姿にぐっとくる。この親子はやはり似ているなあ。ヴォルスキの狂気
思い込みで事件がここまで残虐になってしまう悲劇であり、ルブランのドイツに対する不快感が強く出ていて第一次世界大戦の影を感じた。 -
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目玉の話のボリュームがありすぎて、マダム・エドワルダが吹っ飛んだわ。
200ページないのに読み終わるのに無茶苦茶時間がかかった。いわゆるエログロス〇トロのオンパレードで、その行為にちっともエロスを感じさせない描き方をしているので、多分その手の趣味の持ち主が読むとたまらんのでしょうが、興味のない人間にはひたすら苦痛…というより飽きた。
なぜそういう嗜好になるのか(なったのか?)という部分が書かれていたらもう少し面白く思えたのかな…。
アンモラルな世界に哲学的な意味を見出すことのできない凡人には難しい本でした。
そういえば「城の中のイギリス人」も同じ理由(飽きた)で挫折したのを思い出した。
いやぁ、変〇さんはパワフルだなぁ。 -
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ルパンシリーズと言えば、うん十年前の少年時代、ポプラ社版の南洋一郎訳にお世話になった。本書『三十棺桶島』も読んだはずなのだが、ほとんど内容を覚えていないことに愕然。
舞台となるサレク島の島民が大量虐殺され、予言通り女たちが十字架に磔にされるなど、残酷な場面が多いのだが、解説にもあるとおり、第一次世界大戦での大量死の影響がきっとあるのだろうな、と思いながら読み進めた。
正直、子どものときのようにハラハラドキドキする愉しみは薄かったが、主人公のヴェロニクが謎に導かれてサレク島に渡り、恐ろしい苦難に遭うところにスリルを感じたし、ルパンの活躍も多少鼻につくところはあるが、冒険活劇としてはそれなりに楽しめた。本書のスピーディな展開に、新訳は良くマッチしていると思う。
また、本書には挿画が収録されているのだが、場面場面のイメージ喚起に大いに助けとなった。 -
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巻末に、ジョジョの各部における普遍的テーマの解説があり意外に読みごたえがある。
本書のタイトルはpart1~3とあり、名言集の出典としては第一部~第三部となっているが、巻末のテーマ解説は第六部まで記載がある。
「人間であること、生きること」という強いメッセージが根底にあることのほかにも、ジョジョに特有の例えばどんなに絶望的な状況でも他者が助けてくれることがない、というような過酷な展開からも読み取れるように、細かな哲学もちりばめられている。
ジョジョには敵も味方も魅力的なキャラクターが多い。それはそれぞれのキャラクターがなんらかの信念や哲学を持っていて、忠実に動いているからであり、その信念なりをフックのあるセリフでストレートにぶつけてくるからでもある。
ジョジョがその絵柄の濃さにもかかわらず多くの人に愛され読み継がれているのは、人間の心に響くその「アツい」メッセージがあるからだと思う。
漫画原作に勝るものは無いが、本書でもそのアツいハートの一端を感じ取れるだろう。