中条省平のレビュー一覧

  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

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    寂しさや不安から来る孤独や一人ぼっちの孤独なら分かる気がする。17人の作家陣の考える孤独と孤独へのアプローチが様々で、孤独って奥が深いんだなと思った。想像力や創造力を生み出す有意義な孤独を味わいたいと思った。

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    2024年09月14日
  • にんじん

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    大昔にくもんで読んだ記憶。
    読み直しても母親はやはり胸糞悪い。父はわりとまともで、兄弟はそこまで悪気ないようにも見える。
    にんじんが100%被害者で正しいということもないのはリアルかも。
    大人になって読むと、解説にもある通り母親がこうなった背景(多忙な夫とのすれ違い?)も考えてしまう

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    2024年08月04日
  • 消しゴム

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    んーミステリーとして読むと消化不良になる気がする。客観的な筆致や意味があるような無いような細かい描写は嫌いじゃない。プロットが複雑になる後半は、さすがに時系列に混乱。そういう意味でヴァラスとともに不可解な体験ができたと思う。読書体験としては悪くない。

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    2024年06月22日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    巻末に、ジョジョの各部における普遍的テーマの解説があり意外に読みごたえがある。
    本書のタイトルはpart1~3とあり、名言集の出典としては第一部~第三部となっているが、巻末のテーマ解説は第六部まで記載がある。
    「人間であること、生きること」という強いメッセージが根底にあることのほかにも、ジョジョに特有の例えばどんなに絶望的な状況でも他者が助けてくれることがない、というような過酷な展開からも読み取れるように、細かな哲学もちりばめられている。
    ジョジョには敵も味方も魅力的なキャラクターが多い。それはそれぞれのキャラクターがなんらかの信念や哲学を持っていて、忠実に動いているからであり、その信念なりを

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    2024年06月16日
  • にんじん

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    百年文庫で『フィリップ一家の家風』がよかったのでこちらも読んでみた。「にんじん」と呼ばれる少年の成長物語とのことで、多少はほのぼのしたものを何となく予期していたのだがとんでもない。登場人物全員悪人、とまでは言わないが、けっこうアクのある小説だった。飾り気のないスケッチ的な文体がそのアクを引き立てている。しかし訳は岸田國士のほうが味があるかな。それにしても家族というもののむずかしさよ

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    2024年06月08日
  • 孤独のレッスン(インターナショナル新書)

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    十人十色の「孤独論」とあるが、実際に20人近くの知識人、著名人による寄稿の寄せ集めなので、ダイジェストとしての読み応えはあるが、全てが皮層的で浅い。なんだか格言や至言を探し出したり、その言葉の周辺を少しだけ肉付けしたような文章。それでも思考のきっかけを得たり、脳内に連鎖して考えさせられるのだから、読書は面白い。複数人分を読んで、余韻で考えるのが、私自身のオリジナルな「孤独論」というわけだ。

    人は、社会的分業をしているために完全な自給自足にはなり得ない。また、直接会話をする相手がいなくても、本や看板など、目に入る日本語は、その集団に帰属している証拠。ゆえに言葉が分からぬ海外での孤独感は一層強ま

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    2024年05月25日
  • 別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都

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    そもそも「11人いる!」と「イグアナの娘」
    しか読んだことがないのだから、
    (それにしても2つとも秀逸な題名!)
    本書は深くは理解できていないのだが。
    理解できないながらも、タダモノではない、
    というのは理解できる。
    もう少し作品を読み進めようと思います。

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    2024年04月29日
  • ペスト

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    新潮文庫の訳より読みやすかったが、カミュの原文が難解なのか、文章の理解が難しかった。
    内容はたんたんと、手記を読んでいくような形で進んでいき、心理描写は少なく、客観的な事実(小説の中の虚構であるが)が書かれている。

    難解な小説であるが、一生で一度は読んでおくべき小説だと思う。

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    2023年12月17日
  • 世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!

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    確かにすらすら読める良い本だった。本当に全くフランス語を知らない人向けで、ある程度の文法の知識を得ることができる。ここからどれだけ力を伸ばせるか。

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    2023年10月29日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    多分求めてるものがまず違った。パウロ・コエーリョの「11分間」に感じたものを求めながら読んでしまったのがまず違った。

    尿や糞に全くエロティックさを感じないのでひたすら汚かったし、解説の言葉を借りれば「ヘミングウェイ的な」文体もそこまで好きではなかった。ラディゲとかコクトーの方が個人的に好きだし、こういう「エロティック」な (尿とか糞ではなく)な題材でラディゲとかコクトーが書いたらどうなるんだろう、そっちの方が読みたくなった。

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    2023年09月21日
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる

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    50年前の最初のテレビ漫画のゲゲゲの鬼太郎は見た。実写版の悪魔くんもうっすら覚えている。昭和ヒトケタの父親が鬼太郎は面白いと云っていたなあ。
    子供時分は、水木さんの絵は少し苦手だった。手塚さんや石ノ森さんの丸っこい描線が好きだった。今見ると、背景や妖怪の緻密な描写や点描の凄さに驚きつつ、人物、人間側の鬼太郎達の描き方と奇麗な女性やイケメンの描き方にギャップがあるなと思う。
    4人の語り手が水木さんを解き明かす。境港での幼少期、食うや食わずの紙芝居描き、貸本時代。死地を彷徨った軍隊時代、幻想怪奇譚好きが水木さんを形づくったとのこと。
    成程、改めて、この人は野放図な天才だと知ったよ。

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    2023年05月20日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    「眼球譚」として読んだ際は、これが村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の親玉かと感慨深かった。
    新訳でもバタイユのエロティシズムは地獄絵図だった。限界、禁忌を突き破って堕ちる。汚物、血に塗れる。耽美なんてのは甘いとでも言わんばかり。本書はバタイユの作家論的な側面にも触れつつ作品の成り立ちを解説しているが、生の欠落部を埋めるには余りにも作品が強烈では‥。

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    2023年05月01日
  • 肉体の悪魔

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    三年半ほど前、
    高校生のときに古書店で古い文庫を買って積んだまま
    読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われる
    レーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    作者の分身と思しい語り手〈僕〉の思い出。
    分けても15歳からの激動の日々について。

    第一次世界大戦下のフランス。
    〈僕〉は四つ年上の画学生マルト・グランジエと出会い、
    興味を募らせていったが、
    彼女には婚約者ジャック・ラコンブがいた。
    しかし、彼女が予定通り結婚した後も
    互いに秋波を送り続け、
    ジャックが戦線に送られた不在のうちに、
    当然のように一線を超えてしまった――

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    2022年12月15日
  • にんじん

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    さよなら『にんじん』

    ということで「あら、素敵な本棚ね。と思われたくて読み直す世界の名作シリーズ」第一弾『にんじん』です

    以前から気になっていた「光文社古典新訳文庫」名作と呼ばれるようなんは一通り読んでるんですが、やっぱりあらかた中身は忘れちゃってるので、せっかくなら【新訳】で気長に読み直そうと思い立ち、馬鹿みたいに手を広げておりますw

    本当は『あしながおじさん』が気になってたんですが、みんみんの読書ストーカーと思われたらプライドが許さないので、やっぱり中身は忘れちゃってるんですが、子供の頃大好きだった記憶だけは残ってるフランスはルナールの『にんじん』からです

    なぜ大好きだったかとうっ

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    2022年10月31日
  • ペスト

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    予想だにしない不条理に見舞われた時、小生のような普通の人間はどうしたらいいのか。それが本作においてカミュが立てた問いだと思う。
    不条理であろうとなかろうと、小生たちには日常があり、歩むべき人生がある。どんな状況下にあろうと、困難と闘い、日々を生きるだけだ。それがカミュが出した答えだと思う。
    思えば「夜と霧」も「グスコーブドリの伝記」もそうだった。人はいつも不条理の中で生きてきたのだった。そういう意味でこの小説は普遍的な小説だといえる。

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    2022年08月08日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    たかだか140頁くらいのお話なのに、読み始めて読み終えるまで16日も掛かってしまうくらい、食傷気味。。

    バタイユさんの最高傑作らしい「マダム•エドワルダ」よりも、「目玉の話」のインパクトが凄すぎた。

    冒頭の、猫用のミルク皿にシモーヌがお尻を浸す、という場面が有名らしいが、その後も、ひたすら変態的場面が続く。

    闘牛場で、シモーヌの要望により、仕留められたばかりの闘牛の睾丸がふたつ生のまま銀の皿で供され、シモーヌは、闘牛の(文字通り目玉が飛び出る)死亡事故を観ながら、ひとつは食べ、ひとつは隠部に入れる、という意味不明の倒錯の世界へ。。

    最後の方のセビリアの教会での出来事は、キリスト教会がど

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    2022年05月02日
  • 肉体の悪魔

    A

    購入済み

    難しい

    難しいですね。
    若いうちに読んでたらなにか思うところもあったかもしれないけれど、
    今の私にはなんと言ったら良いのかわかりません。
    私の感受性の問題だろうか。
    ともかく一つ言えるのは、若いうちに読んだほうが良いと思います、そのときは理解できないとしても。
    初めて読むのが歳を取ってからだと、
    理解はできてもどう評価したら良いのかわからない感じになってしまいます。

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    2022年03月16日
  • 肉体の悪魔

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    訳者中条省平さんの解説から引くと、筋書きは、

    早熟な少年が、人妻に恋をし、その夫が戦争に行っているのをいいことに肉体関係を続け、彼女の生活をめちゃめちゃにしてしまう、

    というもの。
    作者の実体験に基づいて、16〜18歳のときに執筆されている、というのが、まず驚き。
    ヒロインであるマルトの人格がよく分からないというか共感し難いのだけど、古典新訳の対象として選ばれたのは何となく理解できるような。
    『カフェ古典新訳文庫』で思い入れのあるひとの文章を先に読んだからかもしれないが。
    少なくとも100年前の小説には思えなかった。

    三島由紀夫が惚れ込んだ作者と作品らしい。

    赤ちゃんの父親が誰か、とい

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    2022年02月12日
  • にんじん

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    見るのが辛い。読みすすめていくごとに非情な現実に打ちのめされて気分が沈む。途中で限界がきて投げ出してしまった。現実の苦痛ってこんな感じだよね。ドラマチック的な悲劇と救済なんてものはなく、ただひたすらに平坦とのっぺりとした苦痛が続く。反抗には及ばずただ凌ぐことに精一杯の毎日。日常という平坦な戦場で生きていくことは、あまりにも長く、退屈で、味気がない。そうゆう日常を直視するのが苦痛な私にこの本はまだ早い。

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    2022年06月30日
  • ペスト

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    不条理と戦うためにやることはただ一つ。祈らず、焦らず、ヒロイズムに酔わず、できることを粛々とこなす。果てしない敗北は連帯感で紛らわす。われ反抗す、ゆえに我らあり。コタールと結核持ちの爺さん、猫につばはく爺さんがいい味出してる

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    2022年01月21日