中条省平のレビュー一覧
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巻末に、ジョジョの各部における普遍的テーマの解説があり意外に読みごたえがある。
本書のタイトルはpart1~3とあり、名言集の出典としては第一部~第三部となっているが、巻末のテーマ解説は第六部まで記載がある。
「人間であること、生きること」という強いメッセージが根底にあることのほかにも、ジョジョに特有の例えばどんなに絶望的な状況でも他者が助けてくれることがない、というような過酷な展開からも読み取れるように、細かな哲学もちりばめられている。
ジョジョには敵も味方も魅力的なキャラクターが多い。それはそれぞれのキャラクターがなんらかの信念や哲学を持っていて、忠実に動いているからであり、その信念なりを -
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十人十色の「孤独論」とあるが、実際に20人近くの知識人、著名人による寄稿の寄せ集めなので、ダイジェストとしての読み応えはあるが、全てが皮層的で浅い。なんだか格言や至言を探し出したり、その言葉の周辺を少しだけ肉付けしたような文章。それでも思考のきっかけを得たり、脳内に連鎖して考えさせられるのだから、読書は面白い。複数人分を読んで、余韻で考えるのが、私自身のオリジナルな「孤独論」というわけだ。
人は、社会的分業をしているために完全な自給自足にはなり得ない。また、直接会話をする相手がいなくても、本や看板など、目に入る日本語は、その集団に帰属している証拠。ゆえに言葉が分からぬ海外での孤独感は一層強ま -
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50年前の最初のテレビ漫画のゲゲゲの鬼太郎は見た。実写版の悪魔くんもうっすら覚えている。昭和ヒトケタの父親が鬼太郎は面白いと云っていたなあ。
子供時分は、水木さんの絵は少し苦手だった。手塚さんや石ノ森さんの丸っこい描線が好きだった。今見ると、背景や妖怪の緻密な描写や点描の凄さに驚きつつ、人物、人間側の鬼太郎達の描き方と奇麗な女性やイケメンの描き方にギャップがあるなと思う。
4人の語り手が水木さんを解き明かす。境港での幼少期、食うや食わずの紙芝居描き、貸本時代。死地を彷徨った軍隊時代、幻想怪奇譚好きが水木さんを形づくったとのこと。
成程、改めて、この人は野放図な天才だと知ったよ。 -
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三年半ほど前、
高校生のときに古書店で古い文庫を買って積んだまま
読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
早熟・夭折の天才と言われる
レーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。
作者の分身と思しい語り手〈僕〉の思い出。
分けても15歳からの激動の日々について。
第一次世界大戦下のフランス。
〈僕〉は四つ年上の画学生マルト・グランジエと出会い、
興味を募らせていったが、
彼女には婚約者ジャック・ラコンブがいた。
しかし、彼女が予定通り結婚した後も
互いに秋波を送り続け、
ジャックが戦線に送られた不在のうちに、
当然のように一線を超えてしまった―― -
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さよなら『にんじん』
ということで「あら、素敵な本棚ね。と思われたくて読み直す世界の名作シリーズ」第一弾『にんじん』です
以前から気になっていた「光文社古典新訳文庫」名作と呼ばれるようなんは一通り読んでるんですが、やっぱりあらかた中身は忘れちゃってるので、せっかくなら【新訳】で気長に読み直そうと思い立ち、馬鹿みたいに手を広げておりますw
本当は『あしながおじさん』が気になってたんですが、みんみんの読書ストーカーと思われたらプライドが許さないので、やっぱり中身は忘れちゃってるんですが、子供の頃大好きだった記憶だけは残ってるフランスはルナールの『にんじん』からです
なぜ大好きだったかとうっ -
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たかだか140頁くらいのお話なのに、読み始めて読み終えるまで16日も掛かってしまうくらい、食傷気味。。
バタイユさんの最高傑作らしい「マダム•エドワルダ」よりも、「目玉の話」のインパクトが凄すぎた。
冒頭の、猫用のミルク皿にシモーヌがお尻を浸す、という場面が有名らしいが、その後も、ひたすら変態的場面が続く。
闘牛場で、シモーヌの要望により、仕留められたばかりの闘牛の睾丸がふたつ生のまま銀の皿で供され、シモーヌは、闘牛の(文字通り目玉が飛び出る)死亡事故を観ながら、ひとつは食べ、ひとつは隠部に入れる、という意味不明の倒錯の世界へ。。
最後の方のセビリアの教会での出来事は、キリスト教会がど -
購入済み
難しい
難しいですね。
若いうちに読んでたらなにか思うところもあったかもしれないけれど、
今の私にはなんと言ったら良いのかわかりません。
私の感受性の問題だろうか。
ともかく一つ言えるのは、若いうちに読んだほうが良いと思います、そのときは理解できないとしても。
初めて読むのが歳を取ってからだと、
理解はできてもどう評価したら良いのかわからない感じになってしまいます。 -
Posted by ブクログ
訳者中条省平さんの解説から引くと、筋書きは、
早熟な少年が、人妻に恋をし、その夫が戦争に行っているのをいいことに肉体関係を続け、彼女の生活をめちゃめちゃにしてしまう、
というもの。
作者の実体験に基づいて、16〜18歳のときに執筆されている、というのが、まず驚き。
ヒロインであるマルトの人格がよく分からないというか共感し難いのだけど、古典新訳の対象として選ばれたのは何となく理解できるような。
『カフェ古典新訳文庫』で思い入れのあるひとの文章を先に読んだからかもしれないが。
少なくとも100年前の小説には思えなかった。
三島由紀夫が惚れ込んだ作者と作品らしい。
赤ちゃんの父親が誰か、とい