中条省平のレビュー一覧

  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ネタバレ

    多分求めてるものがまず違った。パウロ・コエーリョの「11分間」に感じたものを求めながら読んでしまったのがまず違った。

    尿や糞に全くエロティックさを感じないのでひたすら汚かったし、解説の言葉を借りれば「ヘミングウェイ的な」文体もそこまで好きではなかった。ラディゲとかコクトーの方が個人的に好きだし、こういう「エロティック」な (尿とか糞ではなく)な題材でラディゲとかコクトーが書いたらどうなるんだろう、そっちの方が読みたくなった。

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    2023年09月21日
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる

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    50年前の最初のテレビ漫画のゲゲゲの鬼太郎は見た。実写版の悪魔くんもうっすら覚えている。昭和ヒトケタの父親が鬼太郎は面白いと云っていたなあ。
    子供時分は、水木さんの絵は少し苦手だった。手塚さんや石ノ森さんの丸っこい描線が好きだった。今見ると、背景や妖怪の緻密な描写や点描の凄さに驚きつつ、人物、人間側の鬼太郎達の描き方と奇麗な女性やイケメンの描き方にギャップがあるなと思う。
    4人の語り手が水木さんを解き明かす。境港での幼少期、食うや食わずの紙芝居描き、貸本時代。死地を彷徨った軍隊時代、幻想怪奇譚好きが水木さんを形づくったとのこと。
    成程、改めて、この人は野放図な天才だと知ったよ。

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    2023年05月20日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    「眼球譚」として読んだ際は、これが村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の親玉かと感慨深かった。
    新訳でもバタイユのエロティシズムは地獄絵図だった。限界、禁忌を突き破って堕ちる。汚物、血に塗れる。耽美なんてのは甘いとでも言わんばかり。本書はバタイユの作家論的な側面にも触れつつ作品の成り立ちを解説しているが、生の欠落部を埋めるには余りにも作品が強烈では‥。

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    2023年05月01日
  • 肉体の悪魔

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    三年半ほど前、
    高校生のときに古書店で古い文庫を買って積んだまま
    読まずに〈引っ越し処分〉していたことを思い出し、
    反省しつつ光文社古典新訳文庫を購入。
    早熟・夭折の天才と言われる
    レーモン・ラディゲの(短めの)長編小説。

    作者の分身と思しい語り手〈僕〉の思い出。
    分けても15歳からの激動の日々について。

    第一次世界大戦下のフランス。
    〈僕〉は四つ年上の画学生マルト・グランジエと出会い、
    興味を募らせていったが、
    彼女には婚約者ジャック・ラコンブがいた。
    しかし、彼女が予定通り結婚した後も
    互いに秋波を送り続け、
    ジャックが戦線に送られた不在のうちに、
    当然のように一線を超えてしまった――

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    2022年12月15日
  • にんじん

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    さよなら『にんじん』

    ということで「あら、素敵な本棚ね。と思われたくて読み直す世界の名作シリーズ」第一弾『にんじん』です

    以前から気になっていた「光文社古典新訳文庫」名作と呼ばれるようなんは一通り読んでるんですが、やっぱりあらかた中身は忘れちゃってるので、せっかくなら【新訳】で気長に読み直そうと思い立ち、馬鹿みたいに手を広げておりますw

    本当は『あしながおじさん』が気になってたんですが、みんみんの読書ストーカーと思われたらプライドが許さないので、やっぱり中身は忘れちゃってるんですが、子供の頃大好きだった記憶だけは残ってるフランスはルナールの『にんじん』からです

    なぜ大好きだったかとうっ

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    2022年10月31日
  • ペスト

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    予想だにしない不条理に見舞われた時、小生のような普通の人間はどうしたらいいのか。それが本作においてカミュが立てた問いだと思う。
    不条理であろうとなかろうと、小生たちには日常があり、歩むべき人生がある。どんな状況下にあろうと、困難と闘い、日々を生きるだけだ。それがカミュが出した答えだと思う。
    思えば「夜と霧」も「グスコーブドリの伝記」もそうだった。人はいつも不条理の中で生きてきたのだった。そういう意味でこの小説は普遍的な小説だといえる。

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    2022年08月08日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    たかだか140頁くらいのお話なのに、読み始めて読み終えるまで16日も掛かってしまうくらい、食傷気味。。

    バタイユさんの最高傑作らしい「マダム•エドワルダ」よりも、「目玉の話」のインパクトが凄すぎた。

    冒頭の、猫用のミルク皿にシモーヌがお尻を浸す、という場面が有名らしいが、その後も、ひたすら変態的場面が続く。

    闘牛場で、シモーヌの要望により、仕留められたばかりの闘牛の睾丸がふたつ生のまま銀の皿で供され、シモーヌは、闘牛の(文字通り目玉が飛び出る)死亡事故を観ながら、ひとつは食べ、ひとつは隠部に入れる、という意味不明の倒錯の世界へ。。

    最後の方のセビリアの教会での出来事は、キリスト教会がど

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    2022年05月02日
  • 肉体の悪魔

    A

    購入済み

    難しい

    難しいですね。
    若いうちに読んでたらなにか思うところもあったかもしれないけれど、
    今の私にはなんと言ったら良いのかわかりません。
    私の感受性の問題だろうか。
    ともかく一つ言えるのは、若いうちに読んだほうが良いと思います、そのときは理解できないとしても。
    初めて読むのが歳を取ってからだと、
    理解はできてもどう評価したら良いのかわからない感じになってしまいます。

    0
    2022年03月16日
  • 肉体の悪魔

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    訳者中条省平さんの解説から引くと、筋書きは、

    早熟な少年が、人妻に恋をし、その夫が戦争に行っているのをいいことに肉体関係を続け、彼女の生活をめちゃめちゃにしてしまう、

    というもの。
    作者の実体験に基づいて、16〜18歳のときに執筆されている、というのが、まず驚き。
    ヒロインであるマルトの人格がよく分からないというか共感し難いのだけど、古典新訳の対象として選ばれたのは何となく理解できるような。
    『カフェ古典新訳文庫』で思い入れのあるひとの文章を先に読んだからかもしれないが。
    少なくとも100年前の小説には思えなかった。

    三島由紀夫が惚れ込んだ作者と作品らしい。

    赤ちゃんの父親が誰か、とい

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    2022年02月12日
  • にんじん

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    見るのが辛い。読みすすめていくごとに非情な現実に打ちのめされて気分が沈む。途中で限界がきて投げ出してしまった。現実の苦痛ってこんな感じだよね。ドラマチック的な悲劇と救済なんてものはなく、ただひたすらに平坦とのっぺりとした苦痛が続く。反抗には及ばずただ凌ぐことに精一杯の毎日。日常という平坦な戦場で生きていくことは、あまりにも長く、退屈で、味気がない。そうゆう日常を直視するのが苦痛な私にこの本はまだ早い。

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    2022年06月30日
  • ペスト

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    不条理と戦うためにやることはただ一つ。祈らず、焦らず、ヒロイズムに酔わず、できることを粛々とこなす。果てしない敗北は連帯感で紛らわす。われ反抗す、ゆえに我らあり。コタールと結核持ちの爺さん、猫につばはく爺さんがいい味出してる

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    2022年01月21日
  • 肉体の悪魔

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    ネタバレ

    意図的に入りこまないで読んでしまったのは反省。態度の問題。

    心身がどうにもならない恋愛をしているとき、またその記憶が新しいときに読んだらすごいのだろうなと思った。そういう意味では時期も悪かった。この主人公の当事者感というのは当事者として感じれたらほんとうによかったのに。そういう意味ではサガンは読みやすいな。あと出てくる人物が身体的というよりは、精神の動きだけが全面に押し出されていたのも、この主人公なり人妻を誰かとしてイメージできるとつよいが、普通に読もうとするとどうしても文章が流れる。でもやっぱり態度の問題。反省。

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    2021年12月06日
  • 狭き門

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    主人公ジェローム。親戚のアリスのことが昔から気に入っており、結婚を希望している。しかし女の方は人間同士の恋愛結婚は、天国への扉を妨げると思い込んでいて、のらりくらり。本当にそう思っているのなら、外国にでも行き姿を消し、きっぱり連絡を取るな。建前は拒絶しておきながら、押しまくればいけるんじゃね?的な匂わせがイライラする。それとも生理的にこの男が嫌で、しかし親戚だから、「神様が」ってことを建前にして、男から距離を置いてるのか?それもなー、男の方の空気読まなさに恐怖。

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    2021年11月29日
  • 世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!

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    ●フランス語の読み方に特化して解説した本。この本に書かれていることを覚えたら、発音はそれなりにできるのかも。

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    2021年09月14日
  • にんじん

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    小学校のときに読み、印象的だったので大人になってから読み返しました。
    あの頃は孤独で、にんじんを読んでいると自分も負けないって気持ちになった。
    今読むとまた少し違う視点で、頑張るにんじんの姿が見えた。

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    2021年08月04日
  • 狭き門

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    神が主体ではなく、あくまでも愛のありかたを語る。
    妹がいなければ、妹が愛さなければ、物語はなかっただろうな。

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    2021年06月16日
  • 狭き門

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    ネタバレ

    ストイックな在家信者のキリスト教徒女子と、神学校に通う男子の、みずみずしくも儚い恋物語。

    キリスト教圏で敬虔な信者の方々には響く話かもしれないが、信仰心がない、せわしい現代人からすると、なんともまどろっこしくて歯がゆい恋。

    プラトニックな初恋を懐かしむにはいいかもしれないが、一言で締めくくると童貞と処女は面倒くさい。怒られるかもしれないが。。。

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    2021年03月11日
  • すべては消えゆく~マンディアルグ最後の傑作集~

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    20世紀フランスの作家、
    アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ(1909-1991)
    最晩年の掌・短・中編をピックアップした新訳版。
    信頼という名の暗黙の了解が粉砕され、男を打ちのめす物語。
    某か自分の思い通りに運ぼうと策を巡らし、
    上手く行くかに見えても、
    最後は肉体的あるいは精神的に
    ひどいダメージを食らう男性の姿が描かれているが、
    彼らは衝撃を受けつつ、
    もしかしたら最初からカタストロフを予見していたのでは……
    という疑念も湧いて来る、
    そんな“カッコつけた”道化師が演じる悲喜劇といった趣の、
    捻じれたダンディズムに彩られた作品群。

    ■クラッシュフー(Crachefeu)
     白水uブ

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    2020年05月02日
  • にんじん

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    目次の並べ方が絵本みたいで可愛らしい。けど内容は全然可愛らしくなんかない。母親のルピック夫人は、にんじんを否定し続ける。父親は、不在がち。ひどい話しでにんじんのスープには、自分のを。昨日の夜のが入っていて。飲んじゃった。汚い子だと言われた時にそんなことだろうと思ったよって。そんな返しあるか?と思った。にんじんのアルバムでにんじんは夫人に撮られたことがなく写真がない。なぜにんじんと呼ぶのです。髪の毛が黄色いからですか?ときかれでも、心はもっと黄色です。と夫人が答えた。黄色には薄汚れたという意味がある。にんじんは、ルナールの自伝ではないが、自伝的事実を大量に含んでいるという。見たくないだろう過去か

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    2019年02月17日
  • 消しゴム

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    諸々の言説は置いておいて、サスペンスとして面白い。冒頭が顕著だが、一読しただけでは物語の筋を追うのに不適切な構成を取っている。カフェ・テ・ザリエ、マスターの描写ではじまり、散逸された対物描写の隙間に、物語的本筋が隠されている。その壁を乗り越えると、何故彼はそうしたのか?あれはなんであったのか?などの謎に出会う。しかし、その謎が綺麗に解き明かされることは無い

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    2018年11月25日