中条省平のレビュー一覧
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訳者中条省平さんの解説から引くと、筋書きは、
早熟な少年が、人妻に恋をし、その夫が戦争に行っているのをいいことに肉体関係を続け、彼女の生活をめちゃめちゃにしてしまう、
というもの。
作者の実体験に基づいて、16〜18歳のときに執筆されている、というのが、まず驚き。
ヒロインであるマルトの人格がよく分からないというか共感し難いのだけど、古典新訳の対象として選ばれたのは何となく理解できるような。
『カフェ古典新訳文庫』で思い入れのあるひとの文章を先に読んだからかもしれないが。
少なくとも100年前の小説には思えなかった。
三島由紀夫が惚れ込んだ作者と作品らしい。
赤ちゃんの父親が誰か、とい -
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20世紀フランスの作家、
アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ(1909-1991)
最晩年の掌・短・中編をピックアップした新訳版。
信頼という名の暗黙の了解が粉砕され、男を打ちのめす物語。
某か自分の思い通りに運ぼうと策を巡らし、
上手く行くかに見えても、
最後は肉体的あるいは精神的に
ひどいダメージを食らう男性の姿が描かれているが、
彼らは衝撃を受けつつ、
もしかしたら最初からカタストロフを予見していたのでは……
という疑念も湧いて来る、
そんな“カッコつけた”道化師が演じる悲喜劇といった趣の、
捻じれたダンディズムに彩られた作品群。
■クラッシュフー(Crachefeu)
白水uブ -
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目次の並べ方が絵本みたいで可愛らしい。けど内容は全然可愛らしくなんかない。母親のルピック夫人は、にんじんを否定し続ける。父親は、不在がち。ひどい話しでにんじんのスープには、自分のを。昨日の夜のが入っていて。飲んじゃった。汚い子だと言われた時にそんなことだろうと思ったよって。そんな返しあるか?と思った。にんじんのアルバムでにんじんは夫人に撮られたことがなく写真がない。なぜにんじんと呼ぶのです。髪の毛が黄色いからですか?ときかれでも、心はもっと黄色です。と夫人が答えた。黄色には薄汚れたという意味がある。にんじんは、ルナールの自伝ではないが、自伝的事実を大量に含んでいるという。見たくないだろう過去か
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800ページ近い分厚い新書。直近10年間のマンガ評論
著者はフランス文化専門の大学教授。
マンガ評論も歴史感を持って取り組むべしとの持論あり。
しかし、公平な評論などある訳もなくかなり著者の好みによる評論も多い。
著者の好み
ポスト団塊世代で、いわゆる「マンガ読み」が好む作品が好み。
何かしらの歴史、伝説などの暗喩が認められる作品を好む。
エロいメタファーも大好き(ありがち)
「へうげもの」「海獣の子供」いがらしみきお、山上たつひこetc
フランスコミック(BD)、メチャ推し(微妙に違う気がするのだが)
マンガランキングについて
単なる人気投票、期待感でのランキングを嫌う。
「このマン -
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ネタバレ『柔らかく、軽く、もろい消しゴムで、こすっても変形せず、しかし、消しかすは埃のように 細かく、さらに簡単に割ることができて、その割れ目が真珠の貝殻のようになめらかに 輝くもの。友人の家で数か月前に一度見たことがあったが、友人はそれをどこで手に入れたか覚えていなかった。ヴァラスは似たものを容易に手に入れることができると思っていたが、それ以来、いくら探しても見つからない。一辺が二、三センチの黄色っぽい立方体で、各は―たぶん使用したせいで―わずかに丸くなっている。一つの面に製造会社の商標が記されていたが、消えかかって、良く読めなかった。ただ、真ん中のふたつの文字、「di」だけは判読できた。』
『「 -
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ラディゲと言われても良く知らない。コクトーと言われると「オルフェ」を思い出す。その程度の知識で読んでみた。
物語自体は刹那的で破滅的なひたすら身勝手な若者の恋愛悲劇で、正直、だから何?的なものではある。だがしかし、一人称の語りが一貫して第三者的であり、なおかつ詩的で、この小説を単なる恋愛悲劇と呼ばせない文学的な厚みを持たせている。実際、その表現力は実に的確で、詩的だ。
「猫だって一生軽いコルクに悩まされるより、ひと月だけ重い鍋を引きずるほうがましだと思うにちがいない。」
「この残忍な愚弄は、愛が情熱に成長するときの声変わりだった。」
「妻を亡くし、これほど誇り高く絶望を克服する男を見て、いつか