中条省平のレビュー一覧
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目次の並べ方が絵本みたいで可愛らしい。けど内容は全然可愛らしくなんかない。母親のルピック夫人は、にんじんを否定し続ける。父親は、不在がち。ひどい話しでにんじんのスープには、自分のを。昨日の夜のが入っていて。飲んじゃった。汚い子だと言われた時にそんなことだろうと思ったよって。そんな返しあるか?と思った。にんじんのアルバムでにんじんは夫人に撮られたことがなく写真がない。なぜにんじんと呼ぶのです。髪の毛が黄色いからですか?ときかれでも、心はもっと黄色です。と夫人が答えた。黄色には薄汚れたという意味がある。にんじんは、ルナールの自伝ではないが、自伝的事実を大量に含んでいるという。見たくないだろう過去か。つらいな。
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800ページ近い分厚い新書。直近10年間のマンガ評論
著者はフランス文化専門の大学教授。
マンガ評論も歴史感を持って取り組むべしとの持論あり。
しかし、公平な評論などある訳もなくかなり著者の好みによる評論も多い。
著者の好み
ポスト団塊世代で、いわゆる「マンガ読み」が好む作品が好み。
何かしらの歴史、伝説などの暗喩が認められる作品を好む。
エロいメタファーも大好き(ありがち)
「へうげもの」「海獣の子供」いがらしみきお、山上たつひこetc
フランスコミック(BD)、メチャ推し(微妙に違う気がするのだが)
マンガランキングについて
単なる人気投票、期待感でのランキングを嫌う。
「このマンすご」嫌い。「このマン読め」好き(ハイブローw)。
「デスメタ」大嫌い。「テラフォーマーズ」なぜか好き。
しかし、現代のマンガジャンルが膨大にあるため複数のランキングを利用したアンテナの必要性を痛感している。
しかし、800ページ近い本を通勤に持ち運び、電車で読むのは苦労しました。
電子書籍を本気で考えたくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『柔らかく、軽く、もろい消しゴムで、こすっても変形せず、しかし、消しかすは埃のように 細かく、さらに簡単に割ることができて、その割れ目が真珠の貝殻のようになめらかに 輝くもの。友人の家で数か月前に一度見たことがあったが、友人はそれをどこで手に入れたか覚えていなかった。ヴァラスは似たものを容易に手に入れることができると思っていたが、それ以来、いくら探しても見つからない。一辺が二、三センチの黄色っぽい立方体で、各は―たぶん使用したせいで―わずかに丸くなっている。一つの面に製造会社の商標が記されていたが、消えかかって、良く読めなかった。ただ、真ん中のふたつの文字、「di」だけは判読できた。』
『「ほんとにねえ、なんてことでしょう!」
しかし、老女の声は大きすぎて、衝撃に沈んでいるというより、演劇の舞台でへたくそな感嘆の叫びをあげているように響いた。そうするとずらりと並んだ鍋は壁に書かれた書き割りのように見えてきた。もはやダニエル・デュポンの死はマネキン人形が議論しあう抽象的な出来事にすぎない。
「あの人は死んだんですよね?」がなり立てるような家政婦の声はあまりに勢いが強く、ヴァラスは椅子を数センチ後ろにずらしたほどだ。』
意味がわからず、1日かけて2回目読破。描写が長すぎて、場面の中心が誰なのか、自分が今どこにいるのか理解できない。2度読むと、まるで別の本を読んでいるかのように読みやすかったのだが、しかし、ぼんやりとしか輪郭はつかめなかった。
月曜日の19:30に殺されたはずのデュポン、しかし本当は死んでおらず、自らの安全のため?に死んだことにして行方をくらます。刑事ヴァラスは必死に迷いやすい街で犯人を追い求める。
しかし、目撃者はみな、犯人はヴァラスと見間違うくらい似ていると言う。
実際、なぞなぞ好きな酔っ払いなどは、酒場に入ってきたヴァラスを初対面にも関わらず、夕べ会ったと言い張る。
・・・そして運命の瞬間、デュポンが殺されたはずの月曜日の19:30からきっかり24時間後、他ならぬヴァラス自身が誤ってデュポンを殺すはめになる。酔っぱらいは夕べの晩、ヴァラス(犯人)に絡んだが無視され、しつこく追いかけたと証言していたのだが、ヴァラス自身が運命の瞬間に向けてデュポン邸に向かうとき、24時間前とまるっきり同じように絡まれているところが絶妙。
ヴァラスの時計はずっと19:30で止まっているが、運命の瞬間から再び動き出す。
時系列のトリックでもなく、幻想小説でもない、ただ、それが起きただけ、ということ。
安部公房の好きだった本と聞いて、読んでみたが、すぐに「燃えつきた地図」がこの作品の影響を受けているのだとわかった。
2回読んでも完全には理解できなかったが、ヌーヴォー・ロマン、新しい小説の試みと言われ、多くの小説に影響を与えた、新ジャンル開拓、ということはわかったので、2回読んで良かったと思う。本当はどんな小説も2回くらいは読むべきなのかもしれない・・・。でもそれだと一生に読める本が半分に減ってしまうし・・・。 -
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ラディゲと言われても良く知らない。コクトーと言われると「オルフェ」を思い出す。その程度の知識で読んでみた。
物語自体は刹那的で破滅的なひたすら身勝手な若者の恋愛悲劇で、正直、だから何?的なものではある。だがしかし、一人称の語りが一貫して第三者的であり、なおかつ詩的で、この小説を単なる恋愛悲劇と呼ばせない文学的な厚みを持たせている。実際、その表現力は実に的確で、詩的だ。
「猫だって一生軽いコルクに悩まされるより、ひと月だけ重い鍋を引きずるほうがましだと思うにちがいない。」
「この残忍な愚弄は、愛が情熱に成長するときの声変わりだった。」
「妻を亡くし、これほど誇り高く絶望を克服する男を見て、いつかは世の中の秩序が自然に回復していくことを悟った。」
肉体の悪魔というタイトルだが、悪魔は出てこない。ここにあるのは、永遠に刹那的には生きられない人間の運命と、実態としての肉体をもって続いていく人間の血縁と、その檻に囚われて叫び声をあげる人間の精神なのだと思った。 -
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ネタバレマンシェットをこれで2冊読んだ。
ともにタイプは似ていて、ハードボイルトというよりピカレスクに近い。登場人物の多くが自分の欲に忠実、ともすればその欲求すらあいまいな中で、逃走劇を繰り広げる。
当然、追うものも追われるものも己のことしか考えないので、通常の善悪の基準は当てはまらず、それゆえ感情移入がしにくい。本来は被害者であるはずのヒロインですら、逃走劇においては不要な被害者を生み出しているのだから。
マンシェットはどこまでも人間のエゴをギリギリの行動の中で描きこみ、その寂寥感が好きな人は良いかもしれないが。
どうしても読んでてスジっぽく感じてしまう。
皮肉なことに、自分の命を差し出してすら請け負った仕事を全うしようとする殺し屋が一番まともに見えてしまう。
しかし、この強いヒロインのキャラって、リュック・ベッソンの「ニキータ」やピエール・ルメートルの「その女アレックス」を彷彿とさせる。