中条省平のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

    Posted by ブクログ

    書店で必ずあるのがNHKテキストのコーナー。そこに「筒井康隆」と大きく書かれた薄い本が山積みで置かれていた。なぜ筒井康隆の本がNHKテキストなのか?と混乱しながら本を手に取ってみたら、別冊NHK100分de名著のシリーズ関連図書とのこと。他にも、有名人の本がいくつも置かれていた。この本は、今年のお正月にNHKで放送された内容を基に纏められたもの。筒井康隆大好き人間4人とカズレーザーが出演していたとのこと。4人それぞれが自分のスタイルで筒井康隆作品を解説する。そう言えば、昨年もNHK-BSで筒井康隆の特集番組が組まれていた。一時期、「残像に口紅を」がSNSで話題になり、どの書店でも文庫本がこれも

    0
    2025年11月25日
  • 愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える

    Posted by ブクログ

    これを紹介する時正直悩んだ。冒頭が
    「トンプソンが殺すべき男はおかまだった。」
    だし、ヒロインが精神病院から出てきたばかりだし、タイトルがこれだし。だし、だし、だし。だいたい、おかまはその後の物語に全然絡まないんだから、殺す相手がおかまでなくてもいいじゃないか。ほら、ね、このように、この本を差別用語を使わずに紹介するのは難しい。仕事としてレビューを頼まれると言葉を選ぶのに苦労する。この本を知ったのはトヨザキユミさんが主宰する書評合評会で、もう一つの課題図書は西村賢太さんの『どうで死ぬ身の一踊り』これもまた…忌み言葉を使わず紹介するのは難易度高い。ちなみに合評会はアマチュアの作品を審査するものだ

    0
    2025年09月14日
  • 三十棺桶島

    Posted by ブクログ

    癖がない翻訳で読みやすかった。
    ルパン シリーズだが、なかなかルパンが登場しない。ルパンが変装した姿で舞う描写は、アニメのルパンの動きを思い出して想像してクスリとした。

    0
    2025年08月10日
  • 三十棺桶島

    Posted by ブクログ

    ひまわりめろんさんの本棚から
    アルセーヌ・ルパン、モーリス・ルブラン、そしておどろおどろしいタイトル三十棺桶島…
    懐かしさをひもとく感じで手にしました。

    舞台は異国の神秘的な孤島で、ヴェロニク(女性であり母でもある)視点の物語はとても読みごたえがありました。
    「絶好調」もいいところに出てくるし、何度救われたことか。
    ハラハラドキドキしながら、最後はスカッとしました。スカッとする感覚は久しぶりです。

    モーリス・トゥーサンの挿絵も物語の場面をイメージできて、挿絵を目指して読んでいた部分もあります。
    新鮮な読書時間でした。

    0
    2025年08月03日
  • 三十棺桶島

    Posted by ブクログ

    ルパンルパーン

    まっかな〜ば〜らは〜♪
    あいつの〜くちびる〜♪

    やさしく〜だきしめ〜て〜♪
    くれと〜ね〜だる〜♪

    ひとみの〜お〜くに〜♪
    えものを〜うつして〜♪

    さびしく〜といかけ〜る〜♪
    あいの〜あ〜りか〜♪

    お〜とこには〜〜〜♪
    じぶんの〜〜せかいが〜〜〜

    いやどこまで歌うねん!( ゚д゚ )クワッ!!

    というわけで、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンです

    うーむ、さすがや!
    さすがすぎるよ『光文社古典新訳文庫』!
    ついにモーリス・ルブランですよ
    しかも『三十棺桶島』ってチョイスがまた良い

    そして新訳読みやす!
    ルパンかっこよ!

    もうね、わい小学生の時に全部読んでますから、夢中

    0
    2025年07月05日
  • 小説家になる! ――芥川賞・直木賞だって狙える12講

    Posted by ブクログ

    【どんな本?】
    小説とは何かを、多角的な視点から学べる本。

    【まとめ】
    物語の構造を初めて研究した人の紹介から始まり、レトリックの重要性(特に比喩)を学び、他作品を例に良い物語とは何かを理解できるようになる。
    ぼんやりと頭に浮かんでいた「小説らしさ」をはっきりと自覚できるようになるため、おすすめです。

    0
    2025年05月14日
  • 世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!

    Posted by ブクログ

    すでにDuolingoをやったり文法書を他にも読んでからだったが、説明の量や語り口の雰囲気がちょうどよかった。
    ルーブル美術館の表示が(文法構造的に)わかるようになる、をめざしており、たしかに一冊で基本はわりとカバーされていそう。「旅行中にこんなことは言わない」とかの記載もあり潔い感じもする。
    発音は他の本であまりよくわかってなかったところが腑に落ちた感じがする。

    新書なので表の視覚的なわかりやすさや、一冊通して単語の語彙量は少なめだが(後者はむしろ狙ってそうだが)本気で勉強する人はそもそもこの新書一冊で済まさないだろうし、初心者にはこれでちょうどいい。

    0
    2024年07月28日
  • 別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都

    Posted by ブクログ

    俄然、『ポーの一族』シリーズを読み返したくなる。
    そして読んだことのない、『バルバラ異界』が気になる。

    0
    2024年04月21日
  • 世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!

    Posted by ブクログ

    さっと読めてフランス語の初めるきっかけとなった本。コンセプトが良く目標を明確にして必要なことだけ勉強することでフランス語が読めるようになる。章ごとの復習の問題は読めるかだけをチェック。できなかったら本文を読むとのシンプルなフードバック方法は理想的です。

    0
    2024年03月24日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    10代で書かれたものとは思えなかった。
    傍からみるとどうかしていると思うくらい強烈な感情を抱いている主人公の様子が淡々と綴られている。コントロールできない強い感情が愛情とは矛盾した行動をとらせるが、それが「僕」の未熟さや利己的な執着心を感じさせた。
    最後、ジャックと子どもの行く末に希望を見つけたように思うが、寂しさが漂っていて印象的な終わりだった。

    0
    2023年09月02日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    ストーリーは非道徳的であることは間違い無い。愛情に狂わされていると言うより10代の自分の感情に自分自身が驚きながらも冷静に女性を弄ぶ主人公(作者の実体験でもあるところがエグい)に嫌悪感を抱く人もいるだろう。そんな小説がなぜ古典として読み継がれるのか。文章の切れ味。感情の描写の巧みさ。戦時下という特別な時間の普通ではない時だからこそ起きたことかもしれない出来事とその悪魔的な引力。全てが奇跡的に組み合わさって書かれた小説。

    0
    2023年09月01日
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる

    Posted by ブクログ

    水木さんに対する愛が込められた一冊。読むべき一冊だと思う。
    今まで戦争がテーマや舞台の作品にばかり注目してきたけれど、そうでない作品にも、やはり時代の風刺や反戦の思いが込められていることを知りました。もっと読みたいです。

    0
    2023年06月10日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    人妻に恋をした少年の倒錯的かつ不安定になるほどの情熱に身を焦がしていく心理が見事で、愛しさだったり憎らしかったり、人間味溢れた情動に加えて不倫という禁忌的な関係にスリルさ・破滅しか待っていないであろう未来への不安・2人だけの特別で確かに幸せを感じられた時間など心にダイレクトアタックしてくるのがたまらない。

    また、エロくないようでエロさを感じさせる表現も素晴らしく、思春期の少年が経験するには早熟過ぎる肉欲やマルトが妊娠してしまってからの後戻りできない片道切符、夫の愛に背いた果ての結末に魂奪われました。

    0
    2023年04月05日
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる

    Posted by ブクログ

    幼少の頃、テレビで悪魔くんを観て、怖かった記憶があります。水木ワールドの深さを知ることができました!

    0
    2023年01月11日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    コロナ禍の今読むと考えさせられるものがある。解説にあるように、ナチスや他の脅威を連想しなくて、ただ単純に疫病の中での人間状況としてだけとらえていいのでは思う。最後の自暴自棄になった人間の恐ろしさも、昨今の事件と重なる。

    0
    2022年07月16日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    ヒロインの言動の理由が最後明らかになったとき、とても胸をしめつけられました。清純な信仰を最期まで貫いた姿勢はとても印象に残りました。

    0
    2022年02月02日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    いつか読もうと思っていたのが、新訳が出てようやく手に取った。舞台が1940年代のアルジェリア(当時フランスの植民地)ということにまず驚いた(もっと昔の話かと思いこんでいた)。それでも疫病の前になすすべもないのは今と変わらない。
    増え続ける感染者、移動の禁止、あふれる病院と墓地、飛び交うデマ。理不尽な力で突然奪われた日常。そんな中でも、診療を続ける医師リュー、冴えない市役所職員グラン、妻に会うため脱出を図るランベール、冷静に手記を綴るタルーなど、登場人物一人一人の個性が鮮やかに胸に残る。

    0
    2021年12月21日
  • 狭き門

    Posted by ブクログ

    すごかった。
    とにかくオモシロかったけど、なにがなんだけ全然わからない。
    いや、分かるんだけど、納得はいかない。
    でもとにかく、おもしれえ。

    若い男女がいて、プラトニックに愛し合っていて、
    両思いなんだけど、なぜだか女の方が現実的にいろいろな意味で愛を受け入れない。
    「それだめなの。許されない」
    みたいな。それがなんでだか、主人公の男も分からないけど、こっちも皆目分からない。
    分からないんだけど、「それがなぜか」という方向ではなくて、
    「で、ふたりはどうなっていくか」ということのみに爆走していく物語。

    雑に楽しんで読んでいく分には、そのあたりが「狭き門」なのか、
    実は愚者たる自分には明確に

    1
    2021年02月28日
  • NHK「100分de名著」ブックス アルベール・カミュ ペスト 果てしなき不条理との闘い

    Posted by ブクログ

    カミュの「ペスト」を自分だけで読んでいたときには読み取れてなかった背景やメッセージが浮き彫りになる。100分de名著シリーズはほんとにいいですね、勉強になりました。

    0
    2021年02月15日
  • にんじん

    Posted by ブクログ

    教訓とか示唆とかはありません。ただ幼少期を凄く懐かしむ気持ちになれた。でもこの「懐かしさ」っていうのが、単なるあの頃は楽しかった〜とか無邪気だったな〜とかじゃない。幼少期ってなんとも言えない不安をずっと感じてたと思う。些細なことでしょっちゅう周りを気にしてた気がする。そういう今から思えば些細な事への巨大な「不安」をこの作品から思い出すことができた。

    0
    2020年07月29日