中条省平のレビュー一覧

  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    極限までのエロスへの追求と死の匂いが常に傍にあることで、物語全体に暗さと狂気を感じるまでの淫欲が漂っている。
    神聖な存在である司祭を性で弄び殺すというところに、暗に神は死んだということを示すと同時に、今までの神の拠り所であった場所に、極限まで高めた全く異質なものをぶっ込もうとする意欲を感じる。

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    2018年11月26日
  • 肉体の悪魔

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    フランス文学。
    第一次世界大戦の時期にも重なってくる約100年前にラディゲが著した。

    結末にショックを受ける。
    誰にとっても救われない淋しく切ない恋の物語。

    戦争というのは直接的なだけでなく、間接的にこんな不幸の爪痕も残すのか。

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    2018年11月25日
  • 消しゴム

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    往来堂書店「D坂文庫2015春」からの一冊。
    選者の「初期のオースターが好きな方は是非」というコメントを見て迷わず手にした。そして、内容はそのコメント通り。と言うか、この作品がなければオースターのNY三部作はなかった、と言える内容。
    寒い冬、自転車、跳ね橋、路面電車、運河…丁寧に綴られたこの街が何ともいい雰囲気を醸しだしている。そして、ある事件の犯人を追ってその街をひたすら歩く捜査官。ミステリーの要素ももちろんふんだんなのだが、その街の描写と、捜査官の揺れ動く心と行動の描写が、本書をミステリーの枠から飛び出させている。
    冒頭の選者のコメント通り、オースターの初期作品が好きならば必ずや満足を覚え

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    2018年11月18日
  • 世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!

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    男性名詞や女性名詞、発音など難しいフランス語ができるように思わせてくれます。ページ数も少ないので読みやすいです。

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    2018年05月06日
  • 反=近代文学史

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    目次に並ぶ作家名に目を通した瞬間ワクワクする。作家のチョイスだけで、十分に本書が語るメッセージ性を感じることができる人は、本文まで読む必要はないかもしれない。
    語り手の内面描写に特権を与えた私小説が、自意識の袋小路において無力であるとき、「本物である」乱歩なら、三島なら、また筒井ならどのように書いてきたのか。
    私小説がはらむ宿命も、ポストモダンという頭でっかちな概念も、歯牙にかけずマイウェイを貫いた者たちが素描される。
    何気なくいにしえのアンチミステリとして読んでいた夢野久作 ドグマグだったが、徹底的に登場人物の内面描写を拒否し破壊した反時代的作品として再読しようと思う。

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    2018年11月19日
  • 小説家になる! ――芥川賞・直木賞だって狙える12講

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    小説家志望の読者向けに、章毎に題材となる小説を選び、小説の引用をしながら、丁寧に小説表現の説明をしている。
    なるほど、こういう視点で読むと小説の奥深さがよく分かるのだな。という指摘が多々。

    なるほどと思ったフレーズは以下。
    ・説明や描写ではなく、アクションで示す。
    ・小説家は会話を巧みに書く能力がないといけません。
    ・普通、風景描写は視角を通すものですが、優れた風景描写は実は五感を総動員します。
    読んでみたいと思ったのは、
    パトリシア・ハイスミス→卑屈な男性と気の強いいじわるな女との組み合わせ。女性作家ならではの女性への厳しい目線。(でも作者は女性好きとのこと)
    丸山健二「夏の流れ」→的確に

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    2017年07月01日
  • 消しゴム

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    『覗くひと』より数倍読みやすい。
    ヌーヴォーロマンの先駆けとしても実験的な探偵小説としても素晴らしい作品。
    描写された事物がたんなる記号に過ぎないという点ではとりわけ物理トリックをメインとした探偵小説的でありながら、作者=犯人、読者=探偵の関係性が保たれていない点では反探偵小説的である。

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    2017年06月17日
  • マダム・エドワルダ/目玉の話

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    ポスト構造主義が流行った時によく聞かれたバタイユ。思想家だと思っていた本が「古典新訳」で出ているではないか。背表紙には「・・・あからさまな変態行為を描いた・・・」の紹介文。むむむ

    ・・・これはただのエロ話ではないのは感じるが、しかしどのように読んだらいいのだろう。汗。異様な迫力に圧され完全に消化不良。

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    2016年02月07日
  • マンガの論点 21世紀日本の深層を読む

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    マンガの見方
    売れる面白いには理がある
    あらすじの説明よりも内容の深読みがある
    漫画は日本の文化である

    海外発信するようになった

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    2016年01月22日
  • 肉体の悪魔

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    少年の愛と性欲に翻弄され葛藤しながらもがく心理状態がすばらしく描写されている。そのなかに時に恐ろしい冷酷さも入ってきて、人間の底知れぬ怖いものも垣間見える。
    コクトーといいラディゲといいこの時期のフランス文学いいですね。

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    2016年01月10日
  • マンガの論点 21世紀日本の深層を読む

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    クソ長くクソ分厚いのだが1章1章が力が入っていて読み応えがある。マンガを作品単品の批評だけに留めず、現代政治、芸術、音楽、歴史、哲学など幅広いものと比較し考察している。どれも元のマンガが読みたくなるという意味でも最高の漫画紹介本である。

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    2015年09月21日
  • 恋愛書簡術 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座

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    「ラブレターは、相手に向かって自分の愛が本物だと説得する技術的な作文」である。あとがきに書かれたこの一文にうんうん頷いてしまう、そんな一冊でした。
    恋愛書簡術のキーワードはあけすけ、破廉恥、このふたつです。文豪なり音楽家なり、巨匠のラブレターが収録されてますがそのなんたる破廉恥なことか。相手の肉体のすばらしさ、肉欲の深さが思いがけず直截な表現で書かれていて、文学的エロ極まりって感じでした。
    出会いから破局までをたどる破廉恥もといラブレターの映す求愛の必死さ、それによって表面化する本人の本性。手紙っていいなあ、と読み返したくなる本です。

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    2015年05月26日
  • 眠りなき狙撃者

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    殺し屋小説。主人公が何故殺し屋を生業にしているのか、依頼者の真の目論見はなんなのかということはどうでもよく、(ラスト付近で明かされるけど)ただただマルタン・テリエという殺し屋がカッコよくてしょうがない。
    ピエール・モレル監督で映画化予定だとか。楽しみー。
    しかしアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴでも映画化されているらしく、そちらを先に見ようかな。

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    2015年04月24日
  • 愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える

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    ネタバレ

    【本の内容】
    精神を病み入院していたジュリーは、企業家アルトグに雇われ、彼の甥であるペテールの世話係となる。

    しかし凶悪な4人組のギャングにペテールともども誘拐されてしまう。

    ふたりはギャングのアジトから命からがら脱出。

    殺人と破壊の限りを尽くす、逃亡と追跡劇が始まる。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    2015年01月18日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    自分の中でいいと思った言葉は、Dioというキャラクターの名言です。「人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる」確かにそうだと思いました。

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    2014年02月21日
  • 肉体の悪魔

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    お話の内容は単純でした。でも主人公の感情が痛いほど伝わってきて、その単純さをいい意味でぶち壊した。ラディゲが私と同じくらいの歳でこの小説を書いたなんてとても思えない…。深すぎます。

    こんなにすごい小説久しぶりに読んだ気がします。次はもう少し大人になってからまたこの本を手に取りたいです。

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    2012年10月27日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    僕はファントムブラッドが一番好きです。ジョナサン最高d(^_^o)ふるえるぞハート燃えつきるほどヒート刻むぞ血液のビート、山吹色波紋疾走d(^_^o)

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    2012年09月02日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    やっぱり、ジョジョはいい!リアルタイムに連載を読んでいたガキの頃の興奮が甦ってくるな。この歳になっても胸に響く名言もあり、マイ座右の書の一冊に登録決定。

    ステキな名言たち
    「貧弱!貧弱ゥ!」
    「お前は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」
    「ねーちゃん!あしたって今さッ!」
    「俺が最期に見せるのは代々受け継いだ未来に託すツェペリ魂だ!人間の魂だ!」
    「やれやれ・・・犬好きの子供は見殺しには・・・できねーぜ!」
    などなど

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    2012年07月15日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    オレの一番好きな名言(1部〜3部)は・・・・・・・・・・・・・・・・
    『さすがディオ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッそこにシビれる!あこがれるゥ!』ですね。やはり。

    唐突にエリナの唇を「ズキュウウゥン!」と奪うディオに仲間は大興奮。
    と書かれてる。ウケる(笑)

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    2012年05月26日
  • ジョジョの奇妙な名言集 Part1~3

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    早いものでもう25年になる、"ジョジョの奇妙な冒険"のシリーズ。
    ちゃんと"終わる"物語として続いているのも、その人気の一つでしょうか。

    今現在で第8部まで、そのうちの1部から3部のなかでの名言を集めたのがこちら。
    決して色褪せないフレーズが、所狭しと踊っています。

    - 人間賛歌は「勇気」の讃歌ッ!!
      人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!

    物語として一番好きなのは2部なんですが、
    フレーズとして最初に思い浮かべるのは、このセリフ。

    ん、"人間"が紡いでいく物語なのは最初から続いているんだなと、思います。

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    2012年04月20日