感情タグBEST3
Posted by ブクログ
小説家志望の読者向けに、章毎に題材となる小説を選び、小説の引用をしながら、丁寧に小説表現の説明をしている。
なるほど、こういう視点で読むと小説の奥深さがよく分かるのだな。という指摘が多々。
なるほどと思ったフレーズは以下。
・説明や描写ではなく、アクションで示す。
・小説家は会話を巧みに書く能力がないといけません。
・普通、風景描写は視角を通すものですが、優れた風景描写は実は五感を総動員します。
読んでみたいと思ったのは、
パトリシア・ハイスミス→卑屈な男性と気の強いいじわるな女との組み合わせ。女性作家ならではの女性への厳しい目線。(でも作者は女性好きとのこと)
丸山健二「夏の流れ」→的確に、平明に文章を表現する。
川端康成「眠れる美女」→フェチも極まり、恥ずかしげもなく自分の欲求を表現すれ立派な芸術になることのおどろき。
Posted by ブクログ
これでもか、と言うほどの技術論が詰め込んである。驚くべきは、著者の読解力、分析力だろう。
実際にこの本に書かれてあることをもれなく実践できる人がいるなら、直木賞候補にノミネートされるか、もしくはすでに受賞しているはずだ。それほど理想的ともいえるレベルの技術が並べたてられている。
筆力に頭を悩ませている人が読むと、絶望するかもしれない。しかし、あえてそこで手に取る勇気を見せられる人こそが大きな一歩を踏み出すことができる存在なのかもしれない――と前向きっぽく締めておこう。