秋吉理香子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日、秋吉先生の「ガラスの殺意」を読んで2025年に読んだミステリでトップ2!と書いたその4日後に、「聖母」を読み終わり…今年1番としか言いようがない、衝撃の作品でした。
息を潜めるようなシーンでは、ハラハラドキドキ、読み進めながら自分も息を止めていて、心臓の音がまわりに聞こえそうでした。
息を呑むような張り詰めた緊張感が伝わるリアルな描写で、どの物語より読書タイムの通勤電車の時間が短く感じました。
そして、ラストの20数ページで思いもかけないドンデン返し。微塵も予想もしていなかった事実がさらりと書かれていて、え?なんて?と何度も読み返し、うわーーーーーとなりました。
読後にさらにもう一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
高次脳機能障害により数十分で記憶がなくなる麻由子が「人を殺した」と自ら通報する。
殺した相手は、かつて彼女の両親を殺害した通り魔事件で無期懲役の判決を受け、最近出所した男だった。
事件を担当する桐谷刑事は、認知症の母親を介護することが困難で施設に入れたことに関して自分を責め続けている。
記憶障害と介護の実態を交互に描きながら、妻の殺人を認め、刑に服させようとする夫の不可解な行動に対する真意と、事件の真相が少しずつ明らかになっていく。
読み始め早々の場面が衝撃的だった。
桐谷刑事の介護の大変さと、それを安易に考えている兄とのやりとりは、一般世間でも現実的にあるのではないかと思う。
物語のよう -
Posted by ブクログ
ネタバレ考えることの多い作品。
20年前、通り魔に両親を殺害された麻由子はその犯人を刺殺したと自ら通報する。何度もひっくり返るストーリーも良かったが介護や兄弟関係の難しさ、麻由子の数十分しか記憶を保持できない悲しさがリアルに描かれ同じ女性として尊厳を奪われる思い。恥ずべきことではないにしろ生理を夫に管理されることって、傷つく。優香の母親に対する罪悪感と悲しみ、男兄弟の理解の無さ。そんな中、バディの野村と麻由子の夫である光治は理解のある人たちだと思う。こういう人が身近にいるかどうかで人生の豊かさって変わる気がした。ミステリーというより社会問題をうまく取り入れてあるため本当に読んでよかった。