あらすじ
東京都藍出市で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘も狙われるのでは、と恐怖を覚える。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。娘を守るため、母がとった行動とは。結末を知った時、世界は一変する。驚愕の長編サスペンス・ミステリー!
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Posted by ブクログ
男性目線で読んでいました。
小さい子どもが殺されていくことに悲しみと怒りを覚えながら読み進めましたが、次第に性犯罪者に怒りの矛先がむかい作者の巧みな技に誘導されてしまった。
読み終えて、母の行きすぎた愛情が強く全力で我が子を守る姿に驚きを覚えた。
確かにタイトル『聖母』がピッタリでした。
Posted by ブクログ
なんて秀逸なタイトル!!
初めからラストまでずっと面白かったです。
騙されないぞ!!って読んでいたけどまさかなぁ、、、
真琴が女性な事しか分からず笑
綿貫がなんか怪しいぞなんて思っていた、、、
母親って強いし怖い。
Posted by ブクログ
ある街で起こった幼稚園児の悲しい事件のお話です。
主人公は、自分の娘が同じ目に遭わないかと心配しているお母さん。
でも、物語にはもう一人、秘密を抱えた高校生も出てきます。
読み進めていくと、この二人が実は意外な形で繋がっていて、
最後に「えっ!」と驚くような事実が明かされるんです。
タイトルの「聖母」という言葉の意味も、
読み終わると「そういうことなんだ」
と深く納得できました。
Posted by ブクログ
ラストで「うぉっ」と声が出た。
母性の暴走と性暴力、子供の残酷さ
被害者の子供が問題児とされているが、その背景に虐待が垣間見える。しかしそれについては多くは語られない。多くを語らないことで、全体的な善悪の焦点をズラされ、半ば犯人達に共鳴してしまった。
Posted by ブクログ
友人に勧められて読んでみました。叙述トリック物はあまり読まないのですが、いや〜すごかったです。後半に畳み掛ける種明かしが驚きの連続です。特に最後の章は鳥肌立ちました。タイトルにある"聖母"たる様が、最後2ページで書かれていますが、その表現描写もグッときます。まさかこういうハッピーエンド(?)に持っていくとは。
そういえば、途中途中で心理描写にどことなく違和感を感じていたもののスルーしていたのですが、もう一度読み返してみると、あえてそういう表現をとっていたのだと気付かされ、ストンと腑に落ちるとともにやられたなと思いました。ヒントはちょくちょく出ているんですね。ミステリ好きの方なら気付けるのでしょうか。二度読んでも楽しい本です。
物語の本筋とは逸れますが、この作品の良いところがもう一つあるなと思いまして、それは、このような誰でも読みやすいエンタメ性の高い作品の中に、女性に課せられる社会問題(男女格差、不妊治療、強姦被害など)のエッセンスが、違和感なくサラッと端々に散りばめられている点です。他の方の感想では、読後の叙述トリックに対する衝撃ばかりに触れられますが、取り扱っているテーマについてもグッと考えさせられる側面もあります。そして、それが物語の深みを増してくれているとも感じました。
心からおすすめする作品です。
Posted by ブクログ
自分にも子供がいるので、他人事には思えない内容だった。
真琴の性別って本当に男なのかな?とちょっと疑うこともあったが、やっぱり性別トリックあったか!
でも真琴の母が保奈美は気付かなかった。
保奈美が真琴を想う気持ち、真琴が薫を想う気持ちに、心にくるものがあったし、結局真実が暴かれていないというところも、この話においてはいいなと思った。
どんな理由があろうと絶対に人の命を奪ってはいけないけれど、どんな手を使っても自分の子供を守ろうとする母の気持ちには感銘を受けたし、自分の子への思いにも通づる部分があると思った。
Posted by ブクログ
色々ミスリードしてた。させられたのか。まず、真琴って、女の子やったんかって。警察も犯人は男前提で捜査してたし、剣道してて道義入れ担いで筋トレ代わりにみたいな表現で、男友達とつるんでて女子から人気があって…て、最後の方になって女の子なの?って。そこから最後の数ページですごい巻き返し。そこまでも面白くて一気に読み進めたけど、急に読み進めていた内容が変わって、そういうことだったのか!って。面白かったー満足!
Posted by ブクログ
完全に騙されてしまった...。
狂気的な母親と異常な変質者と刑事の視点で進んで行く物語がこういう形で終息していくのかという驚きとどんでん返しぶりが面白かったです。
真琴という犯人が直ぐに登場し保奈美と真琴の攻防戦のような内容かと思わされました。真琴が殺した男児の指が切り取られたり、性的暴行を行ったりという偽装工作を行ったのは誰なのかという謎やなぜ性器を切り取るのか、なぜそこまでして護りたいのかという謎が物語を盛り上げていてとても面白かったです。そしてその謎の答えを出すかのような形での”あのどんでん返し”が全てを説明していてスッキリしました。
真琴が実は女性という事実が明かされたのが驚きだったのもののそれはまだどんでん返しの序の口でしかなく、保奈美と真琴という母親と殺人者という別々の関係かと思いきや、まさかの親子だったというのはとても驚きmした。あらすじの中にある、「娘」が薫の事だけではなく真琴のことも指していたという二重の意味になっていたのがびっくりでした。
それにしても真琴の本当の動機が分かったときは少し切なかったのと同時に、それを護ろうとする母の保奈美は真琴からすれば全てを覆う”聖母”だったんだなと思いました。
どんでん返しの物語がお好きな方は是非読んでみてください。
Posted by ブクログ
幼稚園児事件を追う刑事、子供が被害にあわないか心配する保奈美、怪しい高校生真琴の3シーンで物語が進む。
途中混乱したけど、
終盤での伏線回収が凄かった
めちゃくちゃ面白かった
この一言に尽きます
Posted by ブクログ
狂気なまでの母親の愛。
真琴が男性だと思ったままずっと読んでいたので、女性だと分かった途端脳みそフリーズしました…笑
叙述トリックにはまりそう。
Posted by ブクログ
真琴が女性なのは初めから疑っていたので、女性だという描写が出てきた時に「そうだと思った!騙されないぞ!」と意気揚揚としていましたが、暴行=男性、3人家族、と結果まんまと騙されてました笑
みんな気が狂っていて好きなお話でした。
Posted by ブクログ
幼稚園児の遺体が発見され、死後に性的暴行を加えられていたという凄惨な事件。
そのニュースを見た保奈美はひとり娘は無事なのかと不安に。
「この子を、娘を守ってみせる。そのためなら何でもする」
この文もすでにミスリードだったんですね。
聖母というタイトルとしての終わり方はこれでいいのだろうが、イヤミス感はだいぶありますね。
Posted by ブクログ
タイトルが秀逸。
不妊治療のくだりも描写が丁寧なので余計に切ない気持ちが募る。
一つだけ気になったのは、刑事二人組が「田中くん」と呼ぶこと。普通女子高生を、くん付けするかな?叙述トリックだから仕方ないだろうけど、そこは違和感があった。
Posted by ブクログ
久々に面白かった!途中から味方してるのは、、、、って気づいたんだけど、それがまさか!笑
最近どんでん返し系多いけど、ここまで不自然なくどんでん返しも珍しい。
Posted by ブクログ
ほんのり後味が悪くイヤミスという感じでおもしろかった。
聖母というタイトルから、母が隠蔽工作をしてくれていることには気付いたが、まさかそれが保奈美とは思わなかった。
この後警察と話して、蓼科が犯人でしたので安心してくださいと説明を受けて終わるのだろうか?
田中家が捕まる可能性があるとすれば、
・蓼科に盛った睡眠剤の成分が検死で摘出され、蓼科の死因が他殺と推定される
・男児の切り落とした指が発見される
・蓼科の通報をした時の情報を掘り下げて聞かれてボロが出る
・蓼科の部屋から盗んできたDVD等が見つかる
というところだと思うが、そもそも家宅捜査まで踏み切れる情報が見つからないと逮捕には至らないんじゃないかなと思った。
真琴の動機も保奈美の動機も共感しやすいもので、最初に読んだときは「逃げ切れてよかった」と感じてしまったが、冷静に考えると、やはり幼児を殺害する罪は重く、きちんと裁かれてほしかったと感じる。
蓼科の殺害については、車種から真琴が近くに住んでいることを察して、理由はさておき接触してこようとしていたことは伺える。「懐かしくて」という言葉からは、謝罪するつもりだったのか、またよからぬことを企んでいたのか、一概に真意はわからないが、まだ何も危害を与えられていない以上過剰防衛にすぎないなと思った。
なんにせよ短時間で読めて、きちんと驚きもあっておもしろい小説だった。
Posted by ブクログ
初めて読ませて頂いた作者さん。ラスト20ページからの展開で頭が混乱するほどのどんでん返しが待っていました。
読み終えた後に再度本書のタイトルを見ると、なるほどなと思えるほど、合致していましたね。
Posted by ブクログ
2024.4.20
特に前情報なく読んだので、叙述トリックが含まれていたことに驚き、後半は
「どういうこと?!」という衝撃を抱えたまま読み切った。
全く関係のない子持ち主婦と青年だと思っていたのが
こうつながるのか、、と読後もしてやられた、、と思わずこの評価を書いている。
名前や立ち振舞いや言葉遣いで勝手に男性と決めていたが
しっかり伏線回収もされ、すっきりと読み終えられた。
記憶をなくしてもう一度読みたい、と思える作品。
Posted by ブクログ
どんでん返しとは知らずびっくり
2人の母親の物語だったのか
真琴を犯した奴にも復讐できたのはよかったな
正直、不妊治療の回想はちょっとしつこいなと思ってたけど(ごめん)何かあるんだろうな〜という気はしてた…
母は強い…
Posted by ブクログ
特に子どものいる女性、母親には共感を得られて刺さるストーリー。
ミステリーではあるが、社会問題も扱っているような側面もあると感じた。
子どもを愛する母親の強さとその一方で、愛しすぎているがゆえの恐ろしさも描かれていて、面白かった。
Posted by ブクログ
娘の母として生きてる人なら、誰もがグッと、、、思うところがある一冊。
反転ラストの返し、、、、これは壮絶だった。
でも、わからなくもない。ただ、、、、
っていう。
読んでて、、、あれ?、、、あれれ?
あれ?この子って。
このお母さんの狂気。
娘を思う狂気。
そして、娘本人には優しくて理解のある母であり続ける、あまりのまっすぐな思いが、別角度から見た時の狂気。
この視点半端ないです。
秋吉理香子さんの本。まだまだ読みたい、、、、
#聖母
#秋吉理香子
#母親の狂気
#まさに
#わかる
#気持ち
#ただ、ただ娘を守りたい
#本当
#そんな狂気が荒れ狂う
#一気読み
#娘を持つお母さんにおススメ
Posted by ブクログ
トリックはありふれたもので、というか超有名なアレとかなり被っているし、気づく人は気づくでしょうね。えむぎ自分は当然全てに引っ掛かりましたよ
この作品の素晴らしいところは一発驚かせるだけじゃなくて、母親(←大事)が子に注ぐ愛情という主題に帰着していることだろう。犯人のした行為は非難されるべきであるし、理解に苦しむ読者もいると思う。にもかかわらず、あえて危うさを孕んだあの結末を描き切った。タイトルは『聖母』 拍手を送りたい。
Posted by ブクログ
幼児連続殺人犯、娘が被害に遭わないかと憂慮する女性、そして事件を捜査する刑事、三つの視点で物語が展開します。
早い段階で犯人が明かされ、倒叙ミステリの雰囲気も堪能できるのですが、ただそれだけで終わらないところは流石ですね。
母親の子供に対する無償の愛を描く一方で、その強さの裏にある恐ろしさを表現する、作者の確かな技量を感じる一冊でした。
Posted by ブクログ
一気早読み。残酷だった。直視できない
どんでん返し。
母が子を思う気持ちの記述と
残酷シーンや暴力男児がかなり相容れなくて
もう、大切に育てられた安全を望む家庭や親子と
そうでない家庭や親子を完全に分けた方が
治安維持できるのでは?
ある程度地価の高い街に住んでも
100%排除できるわけではないから
アメリカのようなゲーテッドシティを作ったら
日本でも人が殺到しそうだと思った
………
母ではなく、祖母だった
高校生は男の子ではなく、女の子だった
不妊治療に苦しんで、待望の子を産んだ記述は、
祖母と母(子)=PTSDに苦しむ娘、男っぽくしている、この子がレイプされて産んだ子を
祖母が養子にしてお迎えに行ったり、育てていた
胸糞…!
Posted by ブクログ
都内で幼児殺害事件が発生。
死後に性的加害が加えられる残虐な手口に、ニュースを見た保奈美は自分の一人娘も狙われるのではと疑心暗鬼になり…
追い詰められた母親の行動、犯人の正体に驚愕。真相には胸が痛くなるものの、これで平穏になるなら…とも思ってしまう。
なるほど、、
少し、既視感のあるトリックに感じました
こういった叙述トリック作品を多く読む方なら、割とあっさり見えてしまうと思います。
それでも、おもしろいと思える部分もあったので時間のあるときにもう一度読んでみたいと思う。