秋吉理香子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「泣きぼくろの鏡」、「ナルキッソスの鏡」、「スタアの鏡」、「奇術師の鏡」、「双生児の鏡」の5篇が入った短編集。それぞれ独立したお話なのかと思っていたら、登場人物こそ違うものの、いずれも同じ鏡がからむ物語だった。
面白かった。すぐに引き込まれた。読みやすいし先も気になる展開だしで、あっという間に読み終えてしまった。
場所も時代も登場人物も違うし、語り口も違うのだけれど、共通するのは何かを願う気持ちの強さ。それが鏡にどう反射されるのか、果たしてどこまでが鏡の力なのか。ざわざわした気持ちで読み進めると、ダークで思いがけない結末を迎えるものだから、余韻がすごい。
どれも面白かったなーーー。哀しい -
Posted by ブクログ
ミステリーであり恋愛小説でもあった。
両親を殺され、通り魔から逃げる際に事故に遭い、その事故を起こした加害者と結婚をした万由子。
高次脳機能障害を患ってしまった万由子は、たった数十分しか記憶を保持できない。
そんな虚ろな記憶と自分がメモした記憶。
ふとした時に流れてくる記憶。
どれが一体正しくて、どれが間違いなのか。
交通事故の加害者であった夫、光治。
そして、物語の途中で現れた米森久江。
どちらが真実を語っているのかは、万由子には絶対にわからない。
読者は記憶を失くさない。
だから、それぞれの違和感を少しずつ感じていくし、万由子に気づいてほしいと思ってしまう。
そう思わされて、どんど -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人に勧められて読んでみました。叙述トリック物はあまり読まないのですが、いや〜すごかったです。後半に畳み掛ける種明かしが驚きの連続です。特に最後の章は鳥肌立ちました。タイトルにある"聖母"たる様が、最後2ページで書かれていますが、その表現描写もグッときます。まさかこういうハッピーエンド(?)に持っていくとは。
そういえば、途中途中で心理描写にどことなく違和感を感じていたもののスルーしていたのですが、もう一度読み返してみると、あえてそういう表現をとっていたのだと気付かされ、ストンと腑に落ちるとともにやられたなと思いました。ヒントはちょくちょく出ているんですね。ミステリ好きの -
Posted by ブクログ
●あらすじ
20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。
自ら殺したと通報したのは、その通り魔事件で両親を殺された柏原麻由子だった。
だが、麻由子は通り魔事件の直後に交通事故に遭遇して記憶障害を患っており、記憶が20分と持たない女性だった。果たして麻由子は本当に両親の復讐を果たしたのか?
●感想
先ず驚かされるのが、主人公が記憶障害という設定。
麻由子は記憶が10分〜20分で消えてしまう。
そう、記憶が保たない女性なのだ。
取調べで状況証拠を前に自白したかと思えば、数分後には学生時代の記憶に遡り、今自分がどこで何をしているのか分からなくなってしまう。
麻由子は本当に復讐を成し遂げたのか?