あらすじ
由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。彼女の正義感は異常で、法から逸れることを絶対に許さない。由美子たちも、やっと掴んだ夢や恋人との関係、家族までも壊されそうになり……。このままでは人生を滅茶苦茶にされてしまう!追い詰められた四人は範子を殺した。五年後、死んだはずの彼女から一通の招待状が届く!
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和樹、由美子、理穂、麗華のグループに入った高規範子。すべては正義、情に訴えるなどなく法律に則り、自分だけでなく周りの人にも自分の正義を振りかざす。たまらなくイヤな人で、細かいエピソードにはプラスで女の嫌なところも加味されていて、最高に楽しめた。友達になりたくないけど読んでる分にはこれぞイヤミスって感じ。言葉では表現しづらい違和感を誰が読んでも分かるように書いてあるのはさすが。
秋吉理香子ワールドを堪能。
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面白かった!4人こ女性がそれぞれに範子との間に何があってどうしてそうなったかを飽きさせずに書かれていてスゴく読みやすく一気読みしました!最後も唸る展開でまさに秋吉ワールドな作品でした!
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「絶対正義」を貫く高規範子(たかき のりこ)が怖すぎです。
和樹、由美子、理穂、麗香ら4人の範子に対する気持ちの変化が丁寧に微細に描かれそれが感謝から違和感、恐怖、殺意に変化して行く様は共感も出来、絶えず息苦しさが伴いました。
4人が犯行を決意したそれぞれの理由の決定打も納得しやすく 殺したはずの範子から届いた招待状の謎解きのミステリーも堪能出来ます。
そしてそれだけでは終わらないゾワリと来るエピローグも見事です。
決して気持ちが良い読後感ではないけれどイヤミス好きには堪らない、魅力ある1冊です。
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流れもオチも分かりきっているはずなのに
4人それぞれのエピソードや、もしかして範子生きてる、、?みたいなハラハラ感が面白かったなぁ〜
友達にも親族にも絶対居て欲しくない
正義ってこんなに難しいとは。
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読んでいて苦しかった。
身近な人の事で、正しくないよな。と思うことはあるけど、範子のように何が何でも正そうとしたことはない。本当に正義だけが1番大切なんだな。感情が欠落している。
この範子を作った過去を知りたくなりました。それもまた苦しいはず。
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「正義」が全てにおいて本当の意味で「正しいこと」だとは言えない。
感情を一切考慮しない範子の正義は暴走し、窮屈さと歪みはどんどん膨らんでいく。
正義も行き過ぎると毒になるのだなぁと感じた。
私の周りにはこんな人がいなくて良かった。
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4人の生活圏にどんどん入ってきて誰もが自然に行っている『悪』の行為を見つけては大騒ぎする範子。
確かに法的には間違っていないが・・・
本文の展開も秀逸で4人で範子殺害至った状況がそれぞれの状況で明らかになり、招待状の謎もしっかりと明かされる。ホラーチックな終結かと予想していたが、現実感のあるイヤミスであった。
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正義、正論か…
普通は、正論言うけど、お前言うだけで、自分できてないやろ!ってのが多いけど(今もそんなヤツ近くにおる!ハァ…)、自分自身もちゃんとしてるヤツには、ぐうの音も出んわな…
私自身が、ええ加減なだけに、こういう人とは付き合えんかも?(なので、私は、そんな正論めいた発言はしないように注意してる。自分出来てないのに言えん…)
「清濁併せ呑む」って、言葉があるやろ。それを実践して欲しいところ。
でも、ここまで来ると、法を守った上で、少しでも非がある人を落とし込むというある意味ゲームを楽しんでる感じ。
正義とか以前に、病んでるやろ〜!
普通は、こんな人に友達出来んと思うけど…
正義なんて、解釈も色々ありそうで難しいで!
まぁ、一人で頭の中で楽しんどいて〜
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まるで規範そのものであるかのようなかつての同級生。常に正しい彼女をみんな尊敬している。しかし「私」は……。というお話。
ルールや法律はなくてはならないものだけど、それ以上に、情や融通をきかすことが大切だと、嫌というほどわからせられた。
そして今の世の中が、いかに小さな違反で溢れているか、小さな悪や、見逃しで成り立っているかがよくわかる。
最後の少女の独白にはゾクっとさせられた。代々ずっとそうだったのだろうか。
でも、悪を裁きたい気持ちって、きっと誰にでもあるんだよな。
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由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。彼女の正義感は異常で、法から逸れることを絶対に許さない。由美子たちも、やっと摑んだ夢や恋人との関係、家族までも壊されそうになり……。このままでは人生を滅茶苦茶にされてしまう!追い詰められた四人は範子を殺した。五年後、死んだはずの彼女から一通の招待状が届く!招待状を送ったのは、何者なのか?
「暗黒女子」の秋吉理香子が描く「絶対正義というモンスター」の恐怖。
厳格な祖母が酔っ払い運転の事故により死んだことがきっかけで、過ちはたとえ友人でも許さない高規範子。
生徒の喫煙を見逃した教師をマスコミに告発し退職に追い込む。電車で痴漢した男性には写真で証拠を抑え、男性を告発した。範子の絶対正義は友人にも容赦せず、ジャーナリストの和樹には、友人との会食の食費を経費で落とそうとしたことを脱税と糺したり、著書を適正に執筆したか検証した。女優の麗香には、既婚男性との不倫をマスコミに告発しようとした。
友人の事情を斟酌せず、法律に則った絶対正義を振り回し傷つけても容赦ない範子は、心がないサイボーグ。
冷徹な正義モンスター範子が正義を実行して友人が追い詰められていく描写が、サイコサスペンスのような背筋が凍る前半。死んだはずの範子が友人に送った「思い出の会」の招待状をきっかけにしたクライマックスと招待状の送り主の正体は、絶対正義と「正義を執行する快感」に取り憑かれた者のどす黒いサイコさが見えて、「正義は本当に人を幸せにするのか?」考えたくなるイヤミス小説。
Posted by ブクログ
読み終わって、「怒ってる?」と聞かれました。よほど険しい顔をしていたようです。
怖い。とてつもなく。
範子を殺す友人たちは、一度ならず範子に助けられ、深く感謝しているんですよね。人は自分に有利な、あるいは自分の利害に関係しない正義しか受け入れられないんだ、と思わされました。
正義とはなんと恐ろしいものか。わたしはこれからも自分を犯さない正義だけを選び、選ばなかった理由に、情とか、効率とか、状況判断とか、良さげな単語をはめ込んで恐ろしさを減じていきます。
でも、こっちの道でほんとに合ってるの…?
Posted by ブクログ
情のない正義ってこうも狂気なんですね。。。
正義を振りかざし間違ってることは間違ってるとはっきり指摘する姿を最初はかっこいい〜と思っていたのに、その正義が自分に向いて容赦なく追い詰めてくる恐怖感!
範子。絶対に友達になれない!
Posted by ブクログ
「人間というものは正義によって誰かを断罪すると、脳の快楽をつかさどる部位が活性化し、麻薬を摂取した時と似たような快楽を得られるらしい」という部分が特に面白く感じました。
TwitterなどのSNSでも、「正義は我にあり」と他人や社会を執拗に叩き続ける人っているもんなぁ…としっくりきました。
真面目が行き過ぎると、毒になる。
本当にこわい作品で胸糞悪いですが、面白い。
Posted by ブクログ
頭脳明晰、容姿端麗で曲がったことの大嫌いな子が転向してきて仲間になり、正義こそが全て。最初は小さな正義感だったのが、だんだん大きな正義に変わっていく。友達といって庇うわけでもない。法律に則り違法かそうじゃないか。読むうちにだんだん恐ろしい正義となっていく。最後のところで、4人は犯罪を免れたのか!?と思ったら大どんでん返し!さすがです。
自分の周りにこんな子が居たら誰しも恐ろしいと感じることだろう…
Posted by ブクログ
なんかヤバいものを読んでしまった、と言うのが率直な感想。
何事も程々に、とは言うけれど、これはもう融通がきかないというよりサイコパスレベル。やばい、怖い。
正義、正義とは言うけれど、結局自分の快楽のために容赦なく振りかざして来るし。しかもそれがまた全く隙の無い完璧な法知識で攻めてくるものだから逃げられないし。
更にラスト……。
Posted by ブクログ
読み終わってなるほどねぇ
もう少しパラパラするかと思ったけど~
こんな感じも良いですね。
同じ女性として分かる部分も有ったりしました。
本は、読んでる時が最高ね。
Posted by ブクログ
秋吉さんの著書は4冊目。
いつも登場人物にゾッとさせられる。
今回も非常に怖くて、こんな人が実在したら自分は間違いなく遠ざけてしまうと思う。
4人がそれぞれクライマックスの部分で起こした行動、いけないんだけど賛同してしまう自分が居ます。
Posted by ブクログ
⭐︎3.3
・「正しいかどうか」がすべての判断基準である範子。仲良しグループのメンバー達が範子の性格に惹かれてはその正義感の被害者となっていく様が1人ひとり順に描かれている。終盤までの流れの単調さに加えて範子というキャラクターがとにかくしんどくて面白さをあまり見出せず…。ラストの展開も物足りなさを感じた。
・ボリューム的にも文章的にも非常に読みやすいのが良かった。
Posted by ブクログ
正義を絶対視する範子という友達に翻弄される4人の友達が範子を殺して5年後、謎の招待状が届く。そこで明かされる真実でひっくり返される。完璧な正義とは野蛮で暴力的で禍々しい。全ての価値基準が正しいかどうかの正義モンスターが友人にいたら、周りの人間はどう付き合えば良いのか大変悩まされると思う。場合によっては正義は快楽となり人を依存させる薬物のような物。正義の牙が他人へ向けられた時逃れる事ができるのか、この作品では殺害をして逃れたがそれほどまでに正義のもつ怖さに追い詰められていった。正しいから批判も難しい、それでも絶対的な正義から身を守りたいと思った。
Posted by ブクログ
高校の同級生の範子はいつも正しく、正義感に溢れていた。
ただ、正しいはずなのに、間違っていないのに、受け入れ難いものがあった。
仲の良い5人組であり、範子の正義に助けられたこともあった彼女たちだったが、十数年振りに集まってから後に、各々が範子に突きつけられた正義に追い詰められる。
そして、その限界に4人の想いが殺人へと向いた。
それなのに、数年後に届いた範子からの招待状に怯える。
一体、なんの招待状なのか…彼女は死んでなかったのか…
範子の存在、そして物語の最後にも衝撃。
2024.1.27
Posted by ブクログ
面白かった。正論言ってる時、なんか気持ちよくなっちゃう人自体はいるいるって思った。立場に引き摺られたりして。
誰にでもある感情だけど、自分にとって正しいことでも、それを振りかざしては、人を傷つけてしまうことがあると誰もが成長過程で学ぶはず。また、生きていくうちに、人にはいろいろ事情があると知っていく。
彼女がなぜそれを学ばなかったのか謎すぎる。衝突することも多いだろう、いかに専業主婦でも正義正義では生きていけない気がする。だから、正義の問題点を表す小説上のキャラクターという印象。
Posted by ブクログ
読んでてイヤ〜な気持ちになる物語でした。
ミステリーではなく、サスペンスものですね。
たまにいますよね。正論しか言わない人。
正論であるだけに間違って無いんですよ。でも
正論で片付けられない事もあるんですよね。
そんなもどかしい気持ちでザワザワしながらも
読み終えました。読後感は非常に悪いです。
ただホラーモノとか好きであれば雰囲気は良い
かも知れません。ゾクゾクもさせられます。
ラストのオチもいい意味で裏切られて、しっかり
とオチてます。この作家さん2作目ですが読むの
がしんどくなってきました。
Posted by ブクログ
秋吉理香子ぽい、現実で有り得る話の誇張をミステリ仕立てに、視点の変わっていく構成とオチもしっかりしていて面白かった。ただしずっと胸糞悪くモヤモヤが続き、精神衛生上良いとは思えない。タイトル通り絶対正義が主題で、正義とは何かよく考えてくださいね的、最近のニュースにもぴったりでは。母に続いての娘の名前、出た時ニヤついちゃった。
Posted by ブクログ
正しさで息が詰まる。すごいなぁ正義モンスター…言ってることは正しいけど優しさが一欠片も無いので醜く見える。共感性の欠如ってサイコパス気質。
正義同士がぶつかると戦争に発展する事もあるので、正義は怖いです。
他人を不幸にしてまで自分の正義を貫きたい欲ってなんだろう。でもこの範子は、私利私欲のために正義を貫くのでなく、単に正しいことが大好きだというのが逆に清々しい。清々しいけど好感は持てる訳がなく、周りに居てほしくないタイプ。
周りがどうなろうと、たとえそれで死者が出ようとお構いなしなんだろう。範子にとっては、自分の正しさが全てであとはどうでもいい。
もし誰かが、範子が反論出来ない程に、範子の正義感のおかしさを述べてたら範子はどうなっていたんだろう。自己崩壊するのかな。そんな恐怖もありました。
律子ちゃんもそんな母親を憎み恐れてたけど、同じ道を歩みそう。受け継がれるのか。。
Posted by ブクログ
私的・夏のホラー特集。こういう、”絶対”正義については、普段から色々と思うところがあるから、内容についても、まあ予想通り。それにしても、この正義人間の徹底ぶりがまあ凄まじくて、まんまと乗せられちゃいました。正論って、そりゃ正しいものなんだけど、これほど息苦しいものもない訳で、やはり肝要なのは適度。その程度を、いかに涵養するのか、ってことですわな。
Posted by ブクログ
うーん。自分には理解できなかった。極端すぎて、ご都合主義的なエピソードが多かった印象。ただ、殺してまうときの描写や、4人のストーリーの構成は良かった。最後までハラハラドキドキさせられました!
Posted by ブクログ
道路を走行中の車の台数としては少ないのに、どうしてここだけ混んでいるんだと思って右車線の行く先を見たら、やたら遅い車がいるということが結構な頻度であります。そういうとき、「〇〇なんたらの何番の車を先頭に渋滞しています」とアナウンスしてほしくなる。ええ、私はそういう人間です。
渋滞のもとを作っている車にすれば、法定速度を守っているだけ。しかし流れに乗るということを知らんのかい!といつも思っていましたが、正義の夜叉には通じない。私も同じ目に遭うところを想像するとゾッとします。そして正義は常に勝つ。
凄いイヤミス。とても面白いけれど、嫌な話すぎる(笑)。
Posted by ブクログ
ミステリーかなと思っていたら、どちらかと言うとサイコホラー系?かな?
偶然ドラマを見たら面白そうだったので、ドラマにネタバレされないうちにと思って急いで読んだ。
理解が及ばない人物って怖いよね…言葉は通じているのに話が通じない人。
ドラマと小説では若干話の展開が違っていて、個人的には小説の終わりかたの方が好きかなあ。
それらしい着地点なんか作らないで、理解できない恐怖はそのまま、薄ら寒いまま放り出される感じ。
うーん
最初が面白かった分
最後の最後で突き落とされた気持ちになりました。
娘さんの行動がイマイチ理解出来ないです。
数日で気持ちの切り替わり早すぎだし
母親の意志を受け継いだような
描写があるのにも関わらず
母親と違いやり方は中途半端。
ドライブレコーダーの件も
気持ちと行動が伴ってないような気がするな...と。
正直何がしたかったのか
良く分からなかったです。