重松清のレビュー一覧
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復興を伝えるニュースは見ていてとても喜ばしい。でも、それを見て『私達だけ取り残されている』という焦りが生まれ現実を悲観してしまう人もいる。震災からの復興も大切だが心災からの復興が置き去りにされている気がする。震災によって亡くなった人がたくさんいる。大切な友人や恋人、子どもや親を失った人は数知れない。この事実を忘れてはいけない。街が元どおりに戻ってもこの事実だけはこの先もずっと変わらない。震災を語る時そこにはたくさんの『死』があることを忘れてしまってはいないか。あるいは無意識に遠ざけてしまってはいないか。あの日のニュースの中継では高台に向かって走っている車が津波に飲み込まれる映像が流れた。それは
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「おめでとうございます!
あなたのクラスはノアに選ばれました!
ノアはきっと、あなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです」
ある日突然、やってきた黒猫。名前はノアというらしい。何気ない日々のなか、ノアが心に届けてくれる「宝物」。〈帯の紹介文から〉
昔は重松清の文庫本はコンプリートで読んでいた。多作作家なので、いつの間にか追いつかなくなり、ここ10年で読んだのはたった10作ほど。全然追いついていない。だから忘れていたのかもしれない。重松清作品の「大切なこと」。
いつも今どきの「当事者目線」を忘れない。お父さんが主人公の時も、中学生が主人公の時も、こんなふうに小学 -
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またまた重松清さん。
高校三年生で受験を控えたネタロー。
将来のことを決められず悶々とした生活を送る。
レッツビギン!
のフレーズで生徒たちに何か始めようと訴えるジン先生と出会うことで、最初は引きつつも、大きく気持ちに変化が訪れる。
ネタローは、友人のヒコザ、ドカ、そしてネタローに突然愛の告白をしてきた内気な女子、ムクちゃんと共に、街角で芸をするピエロ、フジトモさんのもとでジャグリングに挑戦することに。
ジャグリングと言うテーマを選んだところも面白いし、ネタロー始めキャラクターたちがみんなそれぞれ悩みを抱えているんだけど、人間臭くて不 -
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些細だけど、大事な日常。それが少し崩れるとき。いつかそんな日が、と不安に思っていた日は時折、本当にやってくる。全然、ドラマチックなんかじゃなく。ただ、自然に、当たり前のように、日常は崩れる。そんな微妙なバランスの上で成り立っている日常を生きている。後悔したって、もう崩れる前には戻れない。
だけど、崩れたって案外なんとかなる。崩れたからこそ、そこから歩き出す一歩は強い。日常を壊すきっかけはそこら中に転がっていて、いつかその日が、と怯えながら暮らしているから、日常が崩れてしまったとき、諦めや後悔とともに少し安心するのかもしれない。それでまた、新しい日常に戻っていく。新しい日常を迎えられた人達はきっ -
購入済み
やはり重松清の作品でした。題名にちょっと違和感がありながら、著者に引かれて購入。
広島を舞台に、題名のとおりカープの躍進をバックとした、原爆と戦争をテーマとした作品。人の繊細さを感じさせてくれる。中高生に読ませたい作品です。 -
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ネタバレ新宿から郊外へと伸びる架空の私鉄「富士見線」を共通の舞台に、様々なストーリーを繋ぎ合わせた短編集。
ニュータウンに住んでいた重松清ならではの都会と廃れつつある郊外の対比が王道ではあるものの、「流星ワゴン」に似たファンタジー感がどのエピソードの根底にもある。
ただどちらかというと死者の霊や呪いなどゾッとするストーリーが多く、ハートフルなストーリーが多い重松清作品の中では意外な1冊だった。
個人的にはタイトルにもなっている「送り火」が胸を締め付けられて、悲しくも温かいお話でお気に入りでした。反対に、小さい子供ができた今、「漂流記」はファンタジーではない怖さを感じたのでしばらくは読まないと思う、、 -
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この本はのめり込むように読めてしまった。話の展開のスピード、わかりやすい特徴的な登場人物、印象的な特徴的なフレーズ。この3点からとてもスピーディーに読めてしまった。
話の展開については、起承転結がきちんとなされていてとてもわかりやすいものになっていた。疲れている時にでもスラスラ読めてしまう優しさがあった。
登場人物については、オズの魔法使いのキャラクターとの対比がなされており、キャラの特徴付けがきちんとなされているおかげで濃いキャラクターのイメージが出来上がった。
特徴的なフレーズについては、ニワトリは一度だけ飛べるというタイトルにもなっているフレーズがところどころ散りばめられており、印象を残 -
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ネタバレ東日本大震災直後に実際の取材を基に作られたドキュメンタリー小説の続編‥
かと思いきや、こちらは小説の体裁ではなく作者自身が実際に各地を取材した内容を纏めたもの。
前作を読んでいたのでてっきり主人公達が成長した体で、実際の被災地の現状を書くのかと思っていたのでちょっぴり残念。
前作からの間に大阪や岡山といった台風被害の街や熊本地震など「被災地」と呼ばれる場所は増えており、その地も取材対象になっている。もちろん過去の阪神淡路大震災の傷跡も‥
「被災」はまだ終わっていないことや「被災地」と聞いて東北以外にもあることへ頭が行くか?ということ、メディアが映し出す「悲惨な」被害以外の「小さな」被害を想像で