重松清のレビュー一覧

  • みぞれ

    Posted by ブクログ

    些細だけど、大事な日常。それが少し崩れるとき。いつかそんな日が、と不安に思っていた日は時折、本当にやってくる。全然、ドラマチックなんかじゃなく。ただ、自然に、当たり前のように、日常は崩れる。そんな微妙なバランスの上で成り立っている日常を生きている。後悔したって、もう崩れる前には戻れない。
    だけど、崩れたって案外なんとかなる。崩れたからこそ、そこから歩き出す一歩は強い。日常を壊すきっかけはそこら中に転がっていて、いつかその日が、と怯えながら暮らしているから、日常が崩れてしまったとき、諦めや後悔とともに少し安心するのかもしれない。それでまた、新しい日常に戻っていく。新しい日常を迎えられた人達はきっ

    0
    2020年07月13日
  • ロング・ロング・アゴー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再会をテーマにした短編集。
    登場人物たちが幼少期を思い出す場面では、自分もこんな頃があったな、と懐かしさを感じると同時に、胸が締め付けられるような思いがした。
    息子や娘に、自分の幼少期を重ね、目を逸らそうとしてしまう登場人物たちを見ると、目を逸らそうとすればするほど、当時を思い出してしまうのだと感じた。
    登場人物たちのキャラクターは、誰もが持っている一面。まるで、自分のことのように登場人物の人生をなぞってしまった。
    昔の友人に、久しぶりに会いたくなった。

    0
    2020年06月25日
  • ぼくはこう生きている君はどうか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     鶴見さんの「教育」に対する考え方がコンパクトに分かる。現代日本の「人材払底」の理由が分かる。
     

    0
    2020年06月18日
  • 赤ヘル1975

    H

    購入済み

    やはり重松清の作品でした。題名にちょっと違和感がありながら、著者に引かれて購入。
    広島を舞台に、題名のとおりカープの躍進をバックとした、原爆と戦争をテーマとした作品。人の繊細さを感じさせてくれる。中高生に読ませたい作品です。

    0
    2020年06月15日
  • 峠うどん物語 上

    Posted by ブクログ

    家族と死についての連作短編集。
    上巻だけでも、大号泣。
    下巻でどうなってしまうのか。
    今から涙腺が緩んでいる。

    0
    2020年06月06日
  • 送り火

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新宿から郊外へと伸びる架空の私鉄「富士見線」を共通の舞台に、様々なストーリーを繋ぎ合わせた短編集。
    ニュータウンに住んでいた重松清ならではの都会と廃れつつある郊外の対比が王道ではあるものの、「流星ワゴン」に似たファンタジー感がどのエピソードの根底にもある。
    ただどちらかというと死者の霊や呪いなどゾッとするストーリーが多く、ハートフルなストーリーが多い重松清作品の中では意外な1冊だった。

    個人的にはタイトルにもなっている「送り火」が胸を締め付けられて、悲しくも温かいお話でお気に入りでした。反対に、小さい子供ができた今、「漂流記」はファンタジーではない怖さを感じたのでしばらくは読まないと思う、、

    0
    2020年05月16日
  • ロング・ロング・アゴー

    Posted by ブクログ

    誰もが一度は過去を思い出して、胸が熱くなったり苦しくなったりしたことがあると思う。この短編集は、過去や人物と「再会」する話となっている。
    誰かにとっては思い出せない出来事だとしても、自分にとっては大切な思い出だったりもする。
    第三者から見て、上手く生きていないように見える人のほうが実は割り切って生きていたり、上手く生きてるように見える人に限って、心の中で葛藤があったり。
    個人的には「いいものあげる」が好きだった。

    0
    2020年05月09日
  • ゼツメツ少年

    Posted by ブクログ

    ちょっと不思議な設定の小説。三層の劇中劇のような体裁を持ちつつ、劇中劇とも微妙に違う。
    これは、ちょっと強引だけど、ファンタジーなんじゃないかと思う。
    おそらく、重松清の他の小説に登場した人物も出てきている。
    空想的なストーリーが印象的だけど、やっぱり、どうしてもこれだけは言いたい。
    どんなことがあっても、自ら死を選んではいけない。

    0
    2020年05月06日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

    Posted by ブクログ

    この本はのめり込むように読めてしまった。話の展開のスピード、わかりやすい特徴的な登場人物、印象的な特徴的なフレーズ。この3点からとてもスピーディーに読めてしまった。
    話の展開については、起承転結がきちんとなされていてとてもわかりやすいものになっていた。疲れている時にでもスラスラ読めてしまう優しさがあった。
    登場人物については、オズの魔法使いのキャラクターとの対比がなされており、キャラの特徴付けがきちんとなされているおかげで濃いキャラクターのイメージが出来上がった。
    特徴的なフレーズについては、ニワトリは一度だけ飛べるというタイトルにもなっているフレーズがところどころ散りばめられており、印象を残

    0
    2020年04月26日
  • 希望の地図2018

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    東日本大震災直後に実際の取材を基に作られたドキュメンタリー小説の続編‥
    かと思いきや、こちらは小説の体裁ではなく作者自身が実際に各地を取材した内容を纏めたもの。
    前作を読んでいたのでてっきり主人公達が成長した体で、実際の被災地の現状を書くのかと思っていたのでちょっぴり残念。
    前作からの間に大阪や岡山といった台風被害の街や熊本地震など「被災地」と呼ばれる場所は増えており、その地も取材対象になっている。もちろん過去の阪神淡路大震災の傷跡も‥
    「被災」はまだ終わっていないことや「被災地」と聞いて東北以外にもあることへ頭が行くか?ということ、メディアが映し出す「悲惨な」被害以外の「小さな」被害を想像で

    0
    2020年04月20日
  • さすらい猫ノアの伝説

    Posted by ブクログ

    だんだん大人になろうとする小学校高学年の心情の描写が絶妙。そして,読み終わった後にほっこりと暖かい気持ちになるお話。

    0
    2020年03月18日
  • 定年ゴジラ

    Posted by ブクログ

    日本が経済成長期で沸いた時代、その最先端の担い手達が住む街だった郊外のニュータウン。
    その街は住人と共に老いていき、その住人は定年を迎えた。
    その時まで必死で仕事をしていた彼らの定年後の生活は決して華々しいとは言えなかった。

    仕事という大きな責務を果たした今、労りどころか煙たがられる日々。
    しかし、そんな中でも日々を生きる主人公達の姿に悲しくも、何か温かなものを感じることが出来た。

    …とりあえず今から考えるのもおかしいけど、自分の定年後が心配になる作品です笑

    0
    2020年03月17日
  • みぞれ

    Posted by ブクログ

    様々な人物の日常を心温まるストーリーとして表現する重松清の短編集。

    何の前触れもなく自殺を図った高校生の幼なじみ、
    テレビ業界の現実に戸惑う女子大生、
    セッカチな夫と夫婦の溝を感じ始めた主婦、
    かつての夢に挫折した中年タクシードライバー、
    同期の社員か自分か…二人に一人のリストラに苦しむサラリーマン、
    晩年を迎えた父への複雑な思いを抱く息子―――


    甘くはない現実、しかしその中にあるわずかな光を垣間見ることができる。

    オススメは
    『拝啓ノストラダムス様』
    『遅霜おりた朝』
    『ひとしずく』
    そして表題作『みぞれ』

    0
    2020年03月17日
  • さすらい猫ノアの伝説

    Posted by ブクログ

    元々児童向けレーベルで出版されていた作品の再文庫化。
    話は小学生視点で、主要である黒猫は悪く言えば都合の良い存在。
    ただ猫の仕草が可愛く描かれており、猫好きには向いている小説かも。
    また、大人でも直面し、悩むシチュエーションが描かれているので、頑張ろうと思わせてくれる。

    0
    2020年02月12日
  • また次の春へ

    Posted by ブクログ

    ─2011年3月11日、午後2時46分。
    ほんのささやかな、日常のひとこまのはずだった。
    本書に描かれている、それぞれの3.11とその後。
    記憶を埋もれさせないために、読む必要がある。
    あの日、あの時、どこで何をしていたのか。
    重松清が思い出させてくれた。

    0
    2020年02月12日
  • 掌篇歳時記 秋冬

    Posted by ブクログ

    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

    0
    2020年02月09日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

    Posted by ブクログ

    「被災地でこんな被害があった」とかそんな内容ではなく、
    もっと人々の本当の暮らし。たとえば水族館とか鉄道とかハワイアンズとか、そういう小さなことに焦点を当てている。

    水族館で魚が死んでしまったとき、飼育員が「皆家族や友人を亡くしているのに、魚が死んだなんて声を大にしては言えない」っていうのに、グッときた。

    でも、誰もがそれぞれの苦しさを背負っていて、その苦しみにレベルをつけることなんて許されないと思うのだ。

    0
    2020年02月06日
  • あすなろ三三七拍子(下)

    Posted by ブクログ

    無条件でひたすらに誰かを応援し、誰かに応援される。そんな人生を送りたいと思った。
    そして何よりこの物語を読み終わった後に読んだ、作者のあとがきが最高なのだ。重松さんと斎藤さん(まさか実在するとは)の関係に思わず笑みが溢れてしまう。

    0
    2020年01月22日
  • あすなろ三三七拍子(上)

    Posted by ブクログ

    ただただ厳しいだけだと思っていた「団」と言う世界はかけがえのない友や家族のような存在を得られる場所だった。
    荒川先輩結構いいこと言うんだよな

    0
    2020年01月22日
  • 定年ゴジラ

    Posted by ブクログ

    およそ20年前に書かれた本なので60歳定年のことや、家族の通信手段が家電であることなど、時代の流れを感じる内容が散見されるものの、サラリーマンが定年後の生活をどう過ごすかといった問題は未だに尽きないテーマです。
    ここに登場する人物たちは 、高度成長時代に東京の郊外に造成されたニュータウンに、移り住んだ人々のその後の物語でもあります。定年後の夫、父親の典型的な悩みである家庭内の居場所を模索する過程も面白かったのですが、ニュータウンという街の在り方も一方では取り上げていて、自分たちの育った頃を思い出して感慨深いところでした。ニュータウンと言われた街がオールドタウン化していく様は、拡大から縮小してい

    0
    2020年01月18日