重松清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
復興を伝えるニュースは見ていてとても喜ばしい。でも、それを見て『私達だけ取り残されている』という焦りが生まれ現実を悲観してしまう人もいる。震災からの復興も大切だが心災からの復興が置き去りにされている気がする。震災によって亡くなった人がたくさんいる。大切な友人や恋人、子どもや親を失った人は数知れない。この事実を忘れてはいけない。街が元どおりに戻ってもこの事実だけはこの先もずっと変わらない。震災を語る時そこにはたくさんの『死』があることを忘れてしまってはいないか。あるいは無意識に遠ざけてしまってはいないか。あの日のニュースの中継では高台に向かって走っている車が津波に飲み込まれる映像が流れた。それはまさに人の死を意味する映像だった。でもそれをどこかで直視できない自分がいた。今まで『震災』をありのままに見ることを避け続けてきた。それはあまりにも厳しくて残酷なことだから。そしてそれは多くのメディアやライターも同じなのではないか。私達が知り得る情報はそういう『人』によってろ過された加工品に過ぎないのではないか。震災からの8年以上たった今『被災地』の現状を伝えるニュースもメディアがつくる『物語』以外ではほとんど見なくなった。だからこそこの目で見てみたい。現実がどうなっているのか。今何をするべきなのか。
“震災は過去形ではなく現在進行形で語るべき”
“復興の先頭を伝えることも大切だけど、復興の最後尾を支えてあげることの方がもっと大切なんだと思う” -
Posted by ブクログ
「おめでとうございます!
あなたのクラスはノアに選ばれました!
ノアはきっと、あなたたちのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです」
ある日突然、やってきた黒猫。名前はノアというらしい。何気ない日々のなか、ノアが心に届けてくれる「宝物」。〈帯の紹介文から〉
昔は重松清の文庫本はコンプリートで読んでいた。多作作家なので、いつの間にか追いつかなくなり、ここ10年で読んだのはたった10作ほど。全然追いついていない。だから忘れていたのかもしれない。重松清作品の「大切なこと」。
いつも今どきの「当事者目線」を忘れない。お父さんが主人公の時も、中学生が主人公の時も、こんなふうに小学生が主人公の時も。決していい子だけの描写にしない。悪い子にも中にキラリと光るものを見つける。ともかく、その匙加減が憎いほど上手く、時々涙を誘う。この人はまず時代ものは描かない。(本格)社会派も、サスペンスも、SFも描かない。ともかく現在をじっくり見つめて、その中に「大切なもの」を発見する。
さすらい猫ノアは、子どもにしか見えない。そのクラスの問題が解決したら、他のクラスに移ってゆく。これって、座敷わらしじゃないか。ノアが万能すぎるかもしれないけど、子どもたちもすんなり信じるし、読者の我々にもすんなり設定が入ってゆく。
青い鳥文庫の2冊を一冊に合本。と、感じさせないほどに、大人にも納得のリアルな、びっくりするほどにリアルな小学生たちの大切なお話でした。 -
Posted by ブクログ
またまた重松清さん。
高校三年生で受験を控えたネタロー。
将来のことを決められず悶々とした生活を送る。
レッツビギン!
のフレーズで生徒たちに何か始めようと訴えるジン先生と出会うことで、最初は引きつつも、大きく気持ちに変化が訪れる。
ネタローは、友人のヒコザ、ドカ、そしてネタローに突然愛の告白をしてきた内気な女子、ムクちゃんと共に、街角で芸をするピエロ、フジトモさんのもとでジャグリングに挑戦することに。
ジャグリングと言うテーマを選んだところも面白いし、ネタロー始めキャラクターたちがみんなそれぞれ悩みを抱えているんだけど、人間臭くて不器用で、でも魅力的。
明るくユーモアもあって、でもまっすぐで。彼ら全員を応援したくなる青春小説です。
レッツビギン!
も、こっぱずかしいけど、妙に耳に残るフレーズ。
個人的に嬉しかったのは、文中にSMAPが出てきたこと❣️
ネタローのお母さんがSMAPファンで、「夜空ノムコウ」をお父さんが歌うシーンがあります。
「あの頃の未来に僕らは立っているのかな?」
と言う歌詞。
この曲が発売されたとき、私はまだ学生だったけど、大人になった今の方が、たしかに胸にグッと突き刺さるものを感じる。
ちなみに、一つ前に読んだ「娘に語るお父さんの歴史」にもSMAPの「世界に一つだけの花」をお父さんが歌うシーンが出てきます♫ 二連続だったので余計嬉しかった!
話は飛びましたが、重松清さんは、ストレートな言葉で、心を突き上げてくれる力がある本が多いなぁと思います。そして主人公たちのその後の未来も応援したくなる。
明日もまた重松作品を読む予定です! -
Posted by ブクログ
些細だけど、大事な日常。それが少し崩れるとき。いつかそんな日が、と不安に思っていた日は時折、本当にやってくる。全然、ドラマチックなんかじゃなく。ただ、自然に、当たり前のように、日常は崩れる。そんな微妙なバランスの上で成り立っている日常を生きている。後悔したって、もう崩れる前には戻れない。
だけど、崩れたって案外なんとかなる。崩れたからこそ、そこから歩き出す一歩は強い。日常を壊すきっかけはそこら中に転がっていて、いつかその日が、と怯えながら暮らしているから、日常が崩れてしまったとき、諦めや後悔とともに少し安心するのかもしれない。それでまた、新しい日常に戻っていく。新しい日常を迎えられた人達はきっと強い。 -
購入済み
やはり重松清の作品でした。題名にちょっと違和感がありながら、著者に引かれて購入。
広島を舞台に、題名のとおりカープの躍進をバックとした、原爆と戦争をテーマとした作品。人の繊細さを感じさせてくれる。中高生に読ませたい作品です。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。