重松清のレビュー一覧

  • ゼツメツ少年

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    ちょっと不思議な設定の小説。三層の劇中劇のような体裁を持ちつつ、劇中劇とも微妙に違う。
    これは、ちょっと強引だけど、ファンタジーなんじゃないかと思う。
    おそらく、重松清の他の小説に登場した人物も出てきている。
    空想的なストーリーが印象的だけど、やっぱり、どうしてもこれだけは言いたい。
    どんなことがあっても、自ら死を選んではいけない。

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    2020年05月06日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    この本はのめり込むように読めてしまった。話の展開のスピード、わかりやすい特徴的な登場人物、印象的な特徴的なフレーズ。この3点からとてもスピーディーに読めてしまった。
    話の展開については、起承転結がきちんとなされていてとてもわかりやすいものになっていた。疲れている時にでもスラスラ読めてしまう優しさがあった。
    登場人物については、オズの魔法使いのキャラクターとの対比がなされており、キャラの特徴付けがきちんとなされているおかげで濃いキャラクターのイメージが出来上がった。
    特徴的なフレーズについては、ニワトリは一度だけ飛べるというタイトルにもなっているフレーズがところどころ散りばめられており、印象を残

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    2020年04月26日
  • 希望の地図2018

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    ネタバレ

    東日本大震災直後に実際の取材を基に作られたドキュメンタリー小説の続編‥
    かと思いきや、こちらは小説の体裁ではなく作者自身が実際に各地を取材した内容を纏めたもの。
    前作を読んでいたのでてっきり主人公達が成長した体で、実際の被災地の現状を書くのかと思っていたのでちょっぴり残念。
    前作からの間に大阪や岡山といった台風被害の街や熊本地震など「被災地」と呼ばれる場所は増えており、その地も取材対象になっている。もちろん過去の阪神淡路大震災の傷跡も‥
    「被災」はまだ終わっていないことや「被災地」と聞いて東北以外にもあることへ頭が行くか?ということ、メディアが映し出す「悲惨な」被害以外の「小さな」被害を想像で

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    2020年04月20日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    だんだん大人になろうとする小学校高学年の心情の描写が絶妙。そして,読み終わった後にほっこりと暖かい気持ちになるお話。

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    2020年03月18日
  • 定年ゴジラ

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    日本が経済成長期で沸いた時代、その最先端の担い手達が住む街だった郊外のニュータウン。
    その街は住人と共に老いていき、その住人は定年を迎えた。
    その時まで必死で仕事をしていた彼らの定年後の生活は決して華々しいとは言えなかった。

    仕事という大きな責務を果たした今、労りどころか煙たがられる日々。
    しかし、そんな中でも日々を生きる主人公達の姿に悲しくも、何か温かなものを感じることが出来た。

    …とりあえず今から考えるのもおかしいけど、自分の定年後が心配になる作品です笑

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    2020年03月17日
  • みぞれ

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    様々な人物の日常を心温まるストーリーとして表現する重松清の短編集。

    何の前触れもなく自殺を図った高校生の幼なじみ、
    テレビ業界の現実に戸惑う女子大生、
    セッカチな夫と夫婦の溝を感じ始めた主婦、
    かつての夢に挫折した中年タクシードライバー、
    同期の社員か自分か…二人に一人のリストラに苦しむサラリーマン、
    晩年を迎えた父への複雑な思いを抱く息子―――


    甘くはない現実、しかしその中にあるわずかな光を垣間見ることができる。

    オススメは
    『拝啓ノストラダムス様』
    『遅霜おりた朝』
    『ひとしずく』
    そして表題作『みぞれ』

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    2020年03月17日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    元々児童向けレーベルで出版されていた作品の再文庫化。
    話は小学生視点で、主要である黒猫は悪く言えば都合の良い存在。
    ただ猫の仕草が可愛く描かれており、猫好きには向いている小説かも。
    また、大人でも直面し、悩むシチュエーションが描かれているので、頑張ろうと思わせてくれる。

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    2020年02月12日
  • また次の春へ

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    ─2011年3月11日、午後2時46分。
    ほんのささやかな、日常のひとこまのはずだった。
    本書に描かれている、それぞれの3.11とその後。
    記憶を埋もれさせないために、読む必要がある。
    あの日、あの時、どこで何をしていたのか。
    重松清が思い出させてくれた。

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    2020年02月12日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

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    「被災地でこんな被害があった」とかそんな内容ではなく、
    もっと人々の本当の暮らし。たとえば水族館とか鉄道とかハワイアンズとか、そういう小さなことに焦点を当てている。

    水族館で魚が死んでしまったとき、飼育員が「皆家族や友人を亡くしているのに、魚が死んだなんて声を大にしては言えない」っていうのに、グッときた。

    でも、誰もがそれぞれの苦しさを背負っていて、その苦しみにレベルをつけることなんて許されないと思うのだ。

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    2020年02月06日
  • あすなろ三三七拍子(下)

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    無条件でひたすらに誰かを応援し、誰かに応援される。そんな人生を送りたいと思った。
    そして何よりこの物語を読み終わった後に読んだ、作者のあとがきが最高なのだ。重松さんと斎藤さん(まさか実在するとは)の関係に思わず笑みが溢れてしまう。

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    2020年01月22日
  • あすなろ三三七拍子(上)

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    ただただ厳しいだけだと思っていた「団」と言う世界はかけがえのない友や家族のような存在を得られる場所だった。
    荒川先輩結構いいこと言うんだよな

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    2020年01月22日
  • 定年ゴジラ

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    およそ20年前に書かれた本なので60歳定年のことや、家族の通信手段が家電であることなど、時代の流れを感じる内容が散見されるものの、サラリーマンが定年後の生活をどう過ごすかといった問題は未だに尽きないテーマです。
    ここに登場する人物たちは 、高度成長時代に東京の郊外に造成されたニュータウンに、移り住んだ人々のその後の物語でもあります。定年後の夫、父親の典型的な悩みである家庭内の居場所を模索する過程も面白かったのですが、ニュータウンという街の在り方も一方では取り上げていて、自分たちの育った頃を思い出して感慨深いところでした。ニュータウンと言われた街がオールドタウン化していく様は、拡大から縮小してい

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    2020年01月18日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    最初はあんまり期待してなかったけど、どんどん読んでいくうちにこの本の世界に引き込まれていく感じで休み時間にずっと読んでいて友達に大笑いされました笑
    これは本当に最高の本です!

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    2020年01月08日
  • 赤ヘル1975

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    広島東洋カープが初優勝した1975年の広島を舞台に、ちょうどその年に広島に引っ越してきた「よそモン」のマナブと、ヤス、ユキオの物語。
    戦後30年経ってもまだあちこちに原爆の傷跡が見え隠れする街並みや人々の記憶。
    それら友情や市井の人々の交流や想いを横糸に、そしてカープが初優勝に向かって戦っていく様を熱狂的に応援する様子を縦糸に、物語は突き進んでいく。
    それを原体験を元に、重松清が描くのだから、面白くないわけがない。

    なんだけど、星4つなのは、なぜだろう?
    面白いんだけど、何かちょっと物足りない。

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    2019年12月29日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    重松氏、猫の表紙、ウチの仔と同じ名前(ノア)ということで、あらすじも知らず購入した。
    忘れている大切な何かを思い出させるために小学生の前に現れる黒猫のノア。
    関わった子供たちは、ノアの手助けを得ながら自分たちで問題を解決していく。そしてノアはまた他の学校へ向かうべく、お別れをして去って行く。
    心温まる物語で、続編を期待する。

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    2019年12月27日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    「忘れものはなんですか?」を読む為に借りた。
    読み始めるとなんだかんだで続きが気になるので一気読み。
    児童書だけあって心温まる話。

    ノアの描写が本当に猫!って感じで愛猫に会いたくなるので自宅で猫と一緒に読んだ♪

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    2019年12月25日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • トワイライト

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    人生の折り返し地点を迎えた登場人物はトワイライト・黄昏時を迎えている。
    リストラ、家庭内暴力、盛りを過ぎた予備校講師。
    彼らが夏のある日、小学生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことから、事態は動き出す。
    登場人物はドラえもんのキャラクターになぞらえられる。
    のび太、ジャイアン、スネ夫、静香ちゃん、そしてドラえもん。
    彼らが熱い夏の日をどう過ごし、これからの10年後に向かってどう変わっていったのか。
    最初は辛い話だっだが、最後は希望を感じさせる。

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    2019年12月07日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日