重松清のレビュー一覧

  • かあちゃん

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    夫が仕事で運転中に交通事故で即死、助手席の上司も即死。『かあちゃん』は責任を感じて、上司のために償う日々を、笑わない生活を始める。何十年も。

    そこまで背負う必要あるんだろうかとも思ったけど、30年後に被害者の孫がその様子を見て『忘れないことが大事』と気付く。自分がいじめてしまった友人に会いに行く決断をする。

    お話は、その孫の中学生活で関わる『母親』たちが描かれている。

    育休明け中学教師が、家事育児仕事に翻弄される様子がリアル。子供ってすぐ熱出すし、夫は『迎えに行けない』と平気で言うし。お母ちゃんは大変な職業だなーと改めて思う。

    最後がキレイにまとまってるけど、なんかキレイ過ぎて興醒めし

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    2022年04月29日
  • 小学五年生

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    自分の小学生の頃を、いっぱい思い出して甘酸っぱい気持ちなった
    優しい気持ちにもなれて、読んで良かった

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    2022年04月28日
  • ポニーテール

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    小さな身体で、色んなことを思い倦ねる様子に胸がぎゅんぎゅんしたし、「仲良くするってそういうことじゃない」っていうのにはっとした。
    自分も気にしいだから尚更。

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    2022年04月24日
  • また次の春へ

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     東日本大震災をテーマにした7つの短編集。特に『記念日』が良かった。被災した人たち全員が納得する配慮なんてないけれど、被災者を想った真心は必ず伝わることを訴える温かい物語だった。『トン汁』や『しおり』、『五百羅漢』も好き。
     表題作のように、亡骸もなく行方不明となった人たちを死んだと受け入れるのはとても難しいのだろう。ニュースを見ているだけでは気づかない被災者の方の思いに触れることのできる1冊。

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    2022年04月19日
  • めだか、太平洋を往け

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    2022/3/25〜4/10

    教師を目指している人に読んでほしい本。

    小学校の時、担任の先生は僕らを常に正しい方向に導いてくださる存在で、わからないことなんかなくて、ある種別の人間だと思っていた。
    実は先生もおんなじ人間で、先生なりの考えや悩みがあったんだな〜ってわかった。

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    2022年04月10日
  • 定年ゴジラ

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    購入後に奥付を見ると21年前だった。当時の定年は60才。まだまだカラダが充分元気な頃と思う。
    孫にブラブラしていると言われるとショックを受けると思う。作者もまだ若く、自分の父親世代を書いたとのこと。戸建のニュータウンは建て替え等あり、まだマシかも知れない。古い団地などは老年の家庭が増え、建て替え出来ずにゴーストタウン化しているとも聞く。内容的には、良くあるホームドラマに近い。
    都会の割に緑があり、数年前に男性長寿日本一になったところに住んでいて、私も主人公達と近い世代だが、どこの集まりに行っても60代の男性に会わない。定年すぐ後、皆んなは何処で何をしているのだろう?

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    2022年04月09日
  • カシオペアの丘で(下)

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    久々の重松作品。
    相変わらず涙腺を崩壊させられました。

    許す、許されるという大きい核を中心に家族愛や友情を描いており、登場人物が同年代であることから自分に置き換えて読んでしまいました。

    シュンが病にかかることから、止まっていた時間が大きく動き出す。普段何気に生活しているが、こういう大きなキッカケがないと人間なかなか動き出すことは出来ないのかもしれない。

    4人それぞれが主人公で、各々が一人称で語られることでそれぞれの本音や気持ちが読み取れるようになっている。個人的にはユウちゃんに肩入れしたくなりました。

    あと子供はいかん。もう涙腺が。。。
    親目線になると、弱くなります。

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    2022年04月07日
  • 小学五年生

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    子どもが小学五年生だから、興味持って楽しく読めました。
    レトロな感じではありますが、心理描写が面白かったです。
    10歳くらいになると、生まれた頃とだいぶん大人たちの事情も変わってきますよねー。たしかに。

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    2022年04月03日
  • みぞれ

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    重松せんせいの短編集。「ひとしずく」と「みぞれ」が個人的なお気に入りです。数年前に読んだ時、「みぞれ」なんて意味不明で、主人公の気持ちは理解不能だったけど、この数年で知ってる人が亡くなることが増えてきて、自分自身の一生って実はそんなに長いものじゃないんだとか、与えられたいのちに尊くないものなんて1つもないんだとか、そういうことを考えてきたのでとても心に沁みました。どのお話も、抱えた問題が最後に解決方向に向かうわけではないけれど、それでもじんわり心の中で溶けていくようなものでした。

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    2022年03月31日
  • 小学五年生

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    文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    男子の心情を少しでも理解したい、と手に取りました。

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    2022年03月31日
  • ハレルヤ!(新潮文庫)

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    ビタミンFもそうだけれど、登場人物たちの年齢に近づいて初めて、この小説の良さがわかってくる気がする。

    大人になって、まるでおとぎ話のような純度100%の疑いようのないハッピーエンドの話よりも、一筋の光の中にもほろ苦さがあるような話の方を好むようになった。
    例えばそれは、昔は苦手だったふきのとうを、大人になっておいしいと感じてむしろ好んで食べるようになったのに似ていると思う。まだそれでもビールの苦さは私にはわからない。もしかしたらそれももっと歳を重ねればその良さがいつかわかってきて、かえって好んで飲むようになるのかもしれない。
    この話も、みんなが予想できるような完全無欠のハッピーエンドではなく

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    2022年03月29日
  • 定年ゴジラ

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    1.著者;重松氏は、出版社勤務を経て、フリーライターとして活躍。ドラマ・映画・雑誌等で手広く活動した後、執筆活動に入りました。「ビフォア・ラン」でデビュー。「ビタミンF」で直木賞・「エイジ」で山本周五郎賞・「十字架」で吉川英治文学賞等を受賞、他にも著書多数。矢沢永吉(歌手)、広島カープのファン。
    2.本書;郊外のニュータウンで定年を迎えた山崎さん(主人公)が朝の散歩を通じて、知り合った地域の定年仲間4人と共に自分の居場所を探す日々の哀歓を綴った小説。七章構成(第一章;定年ゴジラ~第七章;家族写真)。仲間達(元広告営業マンで世話好きな町内会長の古葉さん、元転勤族で今は物産巡りを趣味とする野村さん

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    2022年03月29日
  • なきむし姫

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    やっぱり重松清の作品は読みやすい

    はじめアヤちゃんが泣き虫でこんなことで泣く?とイラッとしたけど最終的に1年で大成長を遂げたところが良かった。私はブンちゃんタイプだなと思ったから、チッキの怖いもん知らずで挑んでいく姿がかっこくて憧れた。

    度々出てくる留美子さんのカズくん自慢はやれやれ

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    2022年03月23日
  • 季節風 春

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    春は年度の変わり目であり、人生の転機を季節の移り変わりに重ねて感じやすいタイミングである。

    それぞれのストーリーを読んで、私も沢山思い出した。大学受験失敗、不本意な異動、喧嘩別れした友人、肉親の死別、年度末の繁忙、実家を離れた時の寂しさなど。。

    辛い出来事の後は、良いことに向かうものだが、私の場合は、春風が悲しみを一気に吹き飛ばすというより、三寒四温の気候のように、時間をかけて緩やかに変化していくものだった。春風は事態が好転するきっかけなのだろう。

    第一話から胸を打たれ、涙が出た。そして最後まで読み終えた後は、レミオロメンの「3月9日」が頭の中を流れ続けた。(笑)

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    2022年03月18日
  • カシオペアの丘で(下)

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    美しい文章だった。

    どんなに相手から許しを得ても自分が自分自身を許してあげられなければきっと本当の苦しみからの解放はないのだと思う。それはきっと他人を許すことよりずっとずっと難しいこと。

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    2022年03月15日
  • ファミレス 上

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    ネタバレ

    素晴らしい。
    今の歳が主人公達と一致していて、共感する。
    夫婦も永久ではなく、卒業しても良い。もっと自由に生きていい。
    食事の大切さ。誰かと食べる。手間暇をかけなくても良い。

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    2022年03月12日
  • また次の春へ

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    東日本大地震で被災した人達の生き方を描いた本。
    たまたま手に取ったけど、ちょうど震災の日が近く、色々考えさせられた。
    運が悪かったで片付けられたら楽やけど、そうではない。
    大切な人を失うことを想像したら、今を大切にしないとなと考えさせられる。
    辛い思いをしてる人たちがいることを忘れてたらあかんな

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    2022年03月08日
  • めだか、太平洋を往け

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    「正しさ」をふりかざす、それは大事だけど時には残酷な結果を突きつける。

    私も実利主義だった時期があったのを思い出しました。結果が全てだけど、結果よりも過程から得られた積み重ねを人は褒めるべきだなぁと思いました。

    元教師のアンミツ先生と、血の繋がらない孫と、元教え子のキック、ヒデヨシ、テンコさん、それぞれの異なる生き方を描いている作品です。共通点はアンミツ先生と関わりのある人達だということ。その共通点によって出会う機会を得て影響し合う姿は、学級の内側のようです。何歳になっても、教え子の味方よ!とハッキリ伝えて寄り添うアンミツ先生に愛情深さを感じずにはいられませんでした。

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    2022年03月07日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

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    上巻を読んでからしばらく間が空いてからの下巻。
    色々と問題を抱えたままだった上巻からどうなっていくのだろうかと思いながら読み進めた。
    この作者の本が好きでいくつか読んでいるけれど、登場人物がどんな人でも良い所を見つけられる話になっている。
    そして、子供の視点と大人の視点からも書かれていて読み終えると本のタイトルどうり希望が持てる。
    いくつになっても自分を磨こうとする大人を見て子供も希望を持てる素敵な本でした。

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    2022年02月28日
  • かあちゃん

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    重松さん作品の中で1番好きだったとの思い出があり、6年ぶりに再読。序盤から涙ながらに読みました。色んな母と子の物語が緩やかに繋がる構成です。
    事故やいじめ、被害者が一生背負い続けることになる罪、被害者も一生背負うことになる事実に向き合わせてくれる作品です。

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    2022年02月23日