重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
30歳で旅立った妻への想いを胸に、夫と娘が歩む日々の物語。
最近同じようなテイストの本ばかり読んでるからか少し食傷気味ですが、大切にしたいと思う言葉が散りばめられていて良かったです。
この本は亡くなった妻の両親や家族がお話に密接に絡んできて、主人公である二人に影響を与えるのがリアルなところと思いました。
以下、いいなと思った文章。
p239美紀がおとなになったらーーと、ふと思う。みんなとうまくやっていくことが一番大切なんだと考えるひとより、一所懸命がんばることのほうを大事にするひとになってほしい。
→自分が周り見るタイプだからか、刺さりました。周りと足並みが合っていなくたって、一生懸命取り組む人であることのほうが自分にとっても悔いのない生き方につながると思う。
p246それでも、ゆっくりでいいんだ、と思う。おとなになることも、仲直りをすることも、そして、いなくなってしまった誰かを忘れていくことも。
→優しい言葉。人には人の事情があって、ペースがある。
p289空港からバスを乗り継いでお寺に向かうのはナナさんのこだわりだった。
時間もかかるし、乗り合わせたお客さん次第では針のむしろになっちゃいますけど、
でもレンタカーやタクシーですうーっとお寺に着いちゃうのって、ちょっと違うと思うんです。
→ちょっとわかるなーって思います。道中いろんなことを考えながら目的地に向かうことって気持ちを整理したり、その人のことを考えたり、無駄じゃないと思う。
p343悲しみや寂しさを早く消し去りたいと思っていたのは、いつ頃までだっただろう、今は違う。悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとーー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。
→たぶん本書で一番伝えたいこと。悲しみと冷静に向き合って付き合うことって時間を要すると思います。すぐには難しい。それが世に言う「時間が解決してくれる」ってやつなのかなと思いました。 -
Posted by ブクログ
幼馴染4人の、大人になってからの関係性再構築のお話
詳細な感想は下巻の方でまとめて
以下、公式のあらすじ
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重松清のすべてがここにある。渾身の長編小説
平凡だけど、幸せな日々だった。これからもずっと幸せでいられると信じていた。
丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった――。肺の悪性腫瘍を告知された39歳の秋、俊介は2度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。「王」と呼ばれた祖父がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪(しょくざい)の物語が、静かに始まる。
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Posted by ブクログ
小学4年生という最上級生でもなく、かといって低学年でもない楽しいことも、辛いことも、嬉しいことも、悲しいことも経験した一年の物語。
読みながら自分の少年時代にタイムスリップして思い出と重ね合わせながら読んでいました。
読後もほっこり心が暖まる物語です。
弱きを助ける番長になると宣言した強いけど心優しい転校生の女の子マコトと学級委員で優等生で何事にも気弱なツヨシ。マコトとの出会いからツヨシが少しずつ成長していく姿が気持ちいい作品です。
とても読みやすいと思ったら、雑誌「小学四年生」に連載していたそう。大人が読んでも楽しめました。私にはちょうど良かった⁉︎笑 -
Posted by ブクログ
これまでに出会った先生達を思い浮かべながら読み進める中で、せんせいも一人の人間で、私たちと接しながら日々成長してくれたのかな、と感じた。
白髪のニールとにんじんが印象的だった。特ににんじんは、日常生活の中ではなかなか触れることができないだろう先生の、聖職者とは思えない人間の醜さを感じられて、人生で忘れられない一作になると思う。
久しぶりの重松清作品だったが、老若男女楽しめる作品だと感じた。子どもの頃から変わらず思っているが、どうしてこの人は大人であるにも関わらず子どもの感情をここまで的確に描くことができるのだろうか。年を重ねるごとに子どもの頃の気持ちを忘れてしまっているような悲しさを時々感じるが、年齢を言い訳にせず、子どもたちの若くも大人な感情を受け入れ、ひとりの人間として接してくれる、重松清のような大人になりたいと思う。 -
Posted by ブクログ
事故で夫を亡くしただけでも、幼子を育てている専業主婦であった「かあちゃん」にとっては苦しい出来事であっただろうに、同情していた同僚の死までも背負い込んで、笑顔で過ごさないように生きる。
そんなことが出来る母親、いや、人間がいるのだろうか。
まず、事故の経緯も片方がゼロはありえないと言うのには納得がいかないし、少なからず自分達も被害者なんだと思ってしまうだろう。
しかし、同じように幼子を抱える同僚の家族を思い、ひたすら償いながら生きている。
その姿は息子であるヒロシをはじめ、いじめに苦しむ中学生、いじめる側にまわってしまった子供達、立派な母の影に苦しむ新人教師、仕事と育児の狭間でやらせない思いを抱える教師、なにより、被害者の家族たちに深く届きそれぞれの人生に影響を与えていく。
いろんな側面からそれぞれの苦悩に触れられる物語だと思う。
いつの時にも、母という存在は大きく子供に影響を与える。
その姿はいつでも、偉大で暖かく強いものである。
私は娘たちにそんな姿を見せられているだろうか…
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Posted by ブクログ
すこし不思議な話を含む、家族のことを考えさせられる短編集です。
一つ一つの独立した九つの掌編から成る、短編集です。とある私鉄沿線で暮らす、生きる人たちの、様々な人生観や家族観に触れることのできるお話で構成されています。時々少しそわっとする、気付くと怖い要素が含まれるものもありますが、それ以上に家族の想い、家族への想いを感じさせられる話が多く収録されているように思います。
・フジミ荘奇譚
・ハードラック・ウーマン
・かげぜん
・漂流記
・よーそろ
・シド・ヴィシャスから遠く離れて
・送り火
・家路
・もういくつ寝ると
収録作品の中でも、『よーそろ』、『送り火』、『もういくつ寝ると』がじんわりと響くお話でした。
自分の幸せは、どういうところにあるのか。そんなこともわからない自分が、どういうところに行くことができるのか、答えのないものを探し求める日々ですが、私も『ロンドン行き』の急行で途中下車しているつもりで、もっと遠くへ遠くへ進んでいきたいものです。 -
Posted by ブクログ
いじめにより自殺してしまったクラスメイトを、見殺しにしてしまった男の子のお話。
ものすごく心に迫るものがあり、あとがきを含めた400ページを一日で読み切りました。
あと、区切って、気持ちを整理して読むのは違う気がして…
たぶん、自分を含めて、誰しもに心当たりがある、もしくは起こりうる内容なんじゃないかなって思います。
色々と思うところはありましたが、私個人としては、
フジシュンのお母さんが闘病の末亡くなった後、お母さんの遺影がフジシュンと一緒に撮った頃のもので、「結局、その頃の幸せを超えることがないまま、お母さんの人生は終わった。」という文章を見て、なんともいえない苦しい気持ちになりました。
その幸せな写真を撮った時は、お母さんはこれから子供の成長を見守り、もっと笑顔で生きていく瞬間などを当たり前に想像していたはずでした。
それがいじめで自殺してしまい(そのいじめに子供が苦しんでいたことに気づけなかったことも無念でならないと思う)、その幸せを超えることが無いまま、お母さんが亡くなってしまったことを想像して、たまらない気持ちでいっぱいでした。
誰もこんな思いをしてはいけないと思う。
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