重松清のレビュー一覧

  • 旧友再会

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    なんだかせつない、このようにせつない気持ちにさせてくれる重松先生、ありがとうございます。せつないとかなつかしいとか、読み手の気持ちが動く素晴らしい作品です。どこかで出会ったことがあるような気がするのよ、どの物語に出てくる中年おじさんが。良い作品です。

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    2025年05月30日
  • ステップ

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    30歳で旅立った妻への想いを胸に、夫と娘が歩む日々の物語。

    最近同じようなテイストの本ばかり読んでるからか少し食傷気味ですが、大切にしたいと思う言葉が散りばめられていて良かったです。

    この本は亡くなった妻の両親や家族がお話に密接に絡んできて、主人公である二人に影響を与えるのがリアルなところと思いました。

    以下、いいなと思った文章。


    p239美紀がおとなになったらーーと、ふと思う。みんなとうまくやっていくことが一番大切なんだと考えるひとより、一所懸命がんばることのほうを大事にするひとになってほしい。
    →自分が周り見るタイプだからか、刺さりました。周りと足並みが合っていなくたって、一生懸命取り組む人であることのほうが自分にとっても悔いのない生き方につながると思う。

    p246それでも、ゆっくりでいいんだ、と思う。おとなになることも、仲直りをすることも、そして、いなくなってしまった誰かを忘れていくことも。
    →優しい言葉。人には人の事情があって、ペースがある。

    p289空港からバスを乗り継いでお寺に向かうのはナナさんのこだわりだった。
    時間もかかるし、乗り合わせたお客さん次第では針のむしろになっちゃいますけど、
    でもレンタカーやタクシーですうーっとお寺に着いちゃうのって、ちょっと違うと思うんです。
    →ちょっとわかるなーって思います。道中いろんなことを考えながら目的地に向かうことって気持ちを整理したり、その人のことを考えたり、無駄じゃないと思う。

    p343悲しみや寂しさを早く消し去りたいと思っていたのは、いつ頃までだっただろう、今は違う。悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとーー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。
    →たぶん本書で一番伝えたいこと。悲しみと冷静に向き合って付き合うことって時間を要すると思います。すぐには難しい。それが世に言う「時間が解決してくれる」ってやつなのかなと思いました。

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    2025年05月26日
  • カシオペアの丘で(上)

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    幼馴染4人の、大人になってからの関係性再構築のお話

    詳細な感想は下巻の方でまとめて

    以下、公式のあらすじ
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    重松清のすべてがここにある。渾身の長編小説
    平凡だけど、幸せな日々だった。これからもずっと幸せでいられると信じていた。

    丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった――。肺の悪性腫瘍を告知された39歳の秋、俊介は2度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。「王」と呼ばれた祖父がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪(しょくざい)の物語が、静かに始まる。
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    2025年05月19日
  • くちぶえ番長

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    小学4年生という最上級生でもなく、かといって低学年でもない楽しいことも、辛いことも、嬉しいことも、悲しいことも経験した一年の物語。
    読みながら自分の少年時代にタイムスリップして思い出と重ね合わせながら読んでいました。

    読後もほっこり心が暖まる物語です。

    弱きを助ける番長になると宣言した強いけど心優しい転校生の女の子マコトと学級委員で優等生で何事にも気弱なツヨシ。マコトとの出会いからツヨシが少しずつ成長していく姿が気持ちいい作品です。

    とても読みやすいと思ったら、雑誌「小学四年生」に連載していたそう。大人が読んでも楽しめました。私にはちょうど良かった⁉︎笑

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    2025年05月18日
  • また次の春へ

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    東日本大震災にまつわる短編集。いったいどれだけの人が日常の幸せを奪われたのだろう。ツライ。どの作品も考えさせられることばかりで被災者と被災者を思いやる人の考え方の違いに驚いた。あの日を忘れず巡ってくる春が希望の光に満ちていますように。

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    2025年05月15日
  • きよしこ

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    つい転校回数を比べてしまった
    (小学校では負けたけどトータルでは同点(勝ち負けではない))

    きよしこの成長が泣けてしまった

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    2025年05月13日
  • 定年ゴジラ

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    ネタバレ

    重松清さんの24年前の作品を読みました。タイトルまま。東京郊外のニュータウンで定年を迎えた4人のおじさんを軸に、さまざまなストーリーが描かれています。とはいっても、おじさん達だけの内容ではありません。それぞれの家族とのやり取りが丁寧に描かれていて、パートナーや子どもとのコミュニケーションについて考えさせたり、共感するシーンも多いです。特に、主人公である山崎さんと奥さん、2人の娘さんとのやり取りは心に響きました。4人のうちの1人、野村さんの破天荒なキャラも大好き。ふうまん、雪かきのシーンも印象的でした。

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    2025年05月12日
  • せんせい。

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    これまでに出会った先生達を思い浮かべながら読み進める中で、せんせいも一人の人間で、私たちと接しながら日々成長してくれたのかな、と感じた。

    白髪のニールとにんじんが印象的だった。特ににんじんは、日常生活の中ではなかなか触れることができないだろう先生の、聖職者とは思えない人間の醜さを感じられて、人生で忘れられない一作になると思う。

    久しぶりの重松清作品だったが、老若男女楽しめる作品だと感じた。子どもの頃から変わらず思っているが、どうしてこの人は大人であるにも関わらず子どもの感情をここまで的確に描くことができるのだろうか。年を重ねるごとに子どもの頃の気持ちを忘れてしまっているような悲しさを時々感じるが、年齢を言い訳にせず、子どもたちの若くも大人な感情を受け入れ、ひとりの人間として接してくれる、重松清のような大人になりたいと思う。

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    2025年05月01日
  • 定年ゴジラ

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    定年を迎えたニュータウンで暮らすおっちゃんの日常を描いた小説。自分も数十年後にはこんな感じになるのかと思いながら読んだ。
    まぁまぁ面白い。男性の方が読んでいて共感できて面白いかもしれない

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    2025年05月01日
  • かあちゃん

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    事故で夫を亡くしただけでも、幼子を育てている専業主婦であった「かあちゃん」にとっては苦しい出来事であっただろうに、同情していた同僚の死までも背負い込んで、笑顔で過ごさないように生きる。
    そんなことが出来る母親、いや、人間がいるのだろうか。
    まず、事故の経緯も片方がゼロはありえないと言うのには納得がいかないし、少なからず自分達も被害者なんだと思ってしまうだろう。
    しかし、同じように幼子を抱える同僚の家族を思い、ひたすら償いながら生きている。

    その姿は息子であるヒロシをはじめ、いじめに苦しむ中学生、いじめる側にまわってしまった子供達、立派な母の影に苦しむ新人教師、仕事と育児の狭間でやらせない思いを抱える教師、なにより、被害者の家族たちに深く届きそれぞれの人生に影響を与えていく。

    いろんな側面からそれぞれの苦悩に触れられる物語だと思う。
    いつの時にも、母という存在は大きく子供に影響を与える。
    その姿はいつでも、偉大で暖かく強いものである。
    私は娘たちにそんな姿を見せられているだろうか…

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    2025年04月22日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    久しぶりに小説を読もうと思い、十数年前に読みふけったいた重松清さんの小説を読んだ。重松さんの本は現実に落とす影をそのまま書いている、少し重たい話が多い印象だったが、この話はラストにかけてカラッと明るく解決していく。とても読みやすく、「やっぱり小説って面白い」と思い直した。

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    2025年04月19日
  • 木曜日の子ども

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    面白かったぁ。
    晴彦には何かある、何か変だとずっと思いながら読んでいくんだけど、なかなか本質がわからない。
    後半、ついに第二の事件が起こり、そこからは怒涛の展開。一気読みだった。

    これはこの先いい方向に進むのか?希望の見えるラストのようだが、いやいや絶対うまくいかないでしょうと思ってしまった。

    それにしても、みんなカプセルを水なしで飲めるのすごいな。のどに貼り付かないの?

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    2025年04月13日
  • 送り火

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     すこし不思議な話を含む、家族のことを考えさせられる短編集です。

     一つ一つの独立した九つの掌編から成る、短編集です。とある私鉄沿線で暮らす、生きる人たちの、様々な人生観や家族観に触れることのできるお話で構成されています。時々少しそわっとする、気付くと怖い要素が含まれるものもありますが、それ以上に家族の想い、家族への想いを感じさせられる話が多く収録されているように思います。

    ・フジミ荘奇譚
    ・ハードラック・ウーマン
    ・かげぜん
    ・漂流記
    ・よーそろ
    ・シド・ヴィシャスから遠く離れて
    ・送り火
    ・家路
    ・もういくつ寝ると

     収録作品の中でも、『よーそろ』、『送り火』、『もういくつ寝ると』がじんわりと響くお話でした。
     自分の幸せは、どういうところにあるのか。そんなこともわからない自分が、どういうところに行くことができるのか、答えのないものを探し求める日々ですが、私も『ロンドン行き』の急行で途中下車しているつもりで、もっと遠くへ遠くへ進んでいきたいものです。

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    2025年04月12日
  • 疾走(下)

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    地獄すぎる。吐き気がとまらん。本当に凄い作品。

    毎日何の澱みもなく幸せに暮らせていることに感謝しなくてはならない。。

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    2025年04月11日
  • 疾走(下)

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    ネタバレ

    つらい展開ばかりだったけど読むことを止められない、そんな物語。
    救いなしを好む私でも読んでいる最中、どうかシュウジは救われてくれ…と。
    自分は孤独で孤立、人とつながりたい…と願っていた少年。ひとりで駆け抜けていってしまったけどちゃんと人とつながっていたと思う。

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    2025年04月10日
  • トワイライト

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    ネタバレ

    数十年ぶりにタイムカプセルを開封するべく集まった団地の元小学生たち。かつてはのび太やジャイアンとあだ名で呼び合った仲だが、大人になりどこかよそよそしく、それぞれに問題を抱えている状況がリアル。
    作中で、登場する恩師で尚且つ殺人犯の白石先生の「あなたたちはいま、幸せですか?」という一言が重く突き刺さる。子供の時は無邪気に振る舞っていたが、大人になると昔の自分を演じる感じの描写が妙にリアルで何とも言えない気持ちにされた。
    太陽の塔の世代ではないから若干のズレを感じたが、読み進むにつれてじわじわと面白さの増す一冊。

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    2025年04月07日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

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    ・テーマ/世界観 ★★★★
    ・背景描写    ★★★★
    ・キャラクター  ★★★★★
    ・インパクト   ★★★★
    ・オリジナリティ ★★★★★
    ・テンポ/構成  ★★★
    ・文章/語彙   ★★★★
    ・芸術性     ★★★
    ・感動/共感   ★★★★
    ・余韻      ★★★

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    2025年04月03日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

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    ・テーマ/世界観 ★★★★
    ・背景描写    ★★★★
    ・キャラクター  ★★★★
    ・インパクト   ★★★
    ・オリジナリティ ★★★★★
    ・テンポ/構成  ★★★
    ・文章/語彙   ★★★★
    ・芸術性     ★★★
    ・感動/共感   ★★★★
    ・余韻      ★★★

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    2025年04月03日
  • 疾走(下)

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    普段あまり小説は読まないのですが面白くてページをめくる手が止まりませんでした。

    暗くて鬱々とした雰囲気が好きでした。

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    2025年03月23日
  • 十字架

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    いじめにより自殺してしまったクラスメイトを、見殺しにしてしまった男の子のお話。

    ものすごく心に迫るものがあり、あとがきを含めた400ページを一日で読み切りました。
    あと、区切って、気持ちを整理して読むのは違う気がして…

    たぶん、自分を含めて、誰しもに心当たりがある、もしくは起こりうる内容なんじゃないかなって思います。
    色々と思うところはありましたが、私個人としては、
    フジシュンのお母さんが闘病の末亡くなった後、お母さんの遺影がフジシュンと一緒に撮った頃のもので、「結局、その頃の幸せを超えることがないまま、お母さんの人生は終わった。」という文章を見て、なんともいえない苦しい気持ちになりました。
    その幸せな写真を撮った時は、お母さんはこれから子供の成長を見守り、もっと笑顔で生きていく瞬間などを当たり前に想像していたはずでした。
    それがいじめで自殺してしまい(そのいじめに子供が苦しんでいたことに気づけなかったことも無念でならないと思う)、その幸せを超えることが無いまま、お母さんが亡くなってしまったことを想像して、たまらない気持ちでいっぱいでした。

    誰もこんな思いをしてはいけないと思う。

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    2025年03月10日