重松清のレビュー一覧
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何故人はイジメをするのか?
何故人はイジメられても親に言わないのか?
これは当事者で無いとわからない事なのかなぁ。
ナイフとキャッチボール日和は突如始まる絶望的なゲーム。家庭内に問題は無いのに子供が標的にされ教室の中でゲームは日常化されて参加者達は貪欲だ。そしてどちらも別の場所で起きている事と重ねて合わせる事でエールを送る。彼等や彼女を救う事が出来ずにいる親達もそしてもっともっと傷つき精神的に肉体的に追い詰められていく彼等を浮かび上がらせている点が凄い。
エビスくんは長編小説を読んだ気分になった。私の1番好きな作品である。松重清のあとがきを読んでもわかる様にSに向けた言葉がはみ出た作品だったようだ。結局最後は優子は健康になり嫁に行くみたいだ。奇跡は起こる。神様はおる。私もそう思った。
どこにおんねんや〜ホンマに
最後のビタースィート・ホームは今の若い世代は皆働きながら子供を育てている。私は専業主婦で子育てしていたから余り感じ無かったが、息子達は完全に二人で働き二人で子育てしていて実に素晴らしいと思う。ここでは元教師で今専業主婦対独身女教師の闘い。でも読み進めていくうち父親がふつうの家庭に自分を当てはめたくなって何かに負けてしまった為妻は仕事を辞めた。でも妻は自分で選んだのだと言う。そして今だったら復職してももっと良い先生になれると言う。そうなんだよね。人間は自分の立場でしか相手の事を思う事が中々出来ない。立場が変わって初めて知る事はたくさんある物だ。後悔とは人生において汚点ではあるけど、それを踏まえてこれからどう生きるかが成長なのではと思えた作品でした。素晴らしい(^^)v -
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中学生のころ、この短編集の中の「にんじん」という話が国語のテストで出題された。それを機に、読んだ
「にんじん」を初めて読んだのは、高校生のときだが、あのときの嫌な気持ちは覚えているし、最後の工藤の言葉も覚えている。
こんなにも、いじめる側の気持ち、嫌がらせをする人の気持ちを克明に描くのか、しかも短編で。
謎の痛快さを楽しんでいるんだな、という冷静な気持ち。しかし、その代償にいつか罪の意識を背負い続けることになる事実を、「妻の出産」という尊い瞬間に感じるあたり、「嫌だな」と感じた。
そして、これをテストの題材に選んだ先生の意図はあったのだろうかと考えられずにはいられない。 -
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小学五年生の『少年』の視点で見た様々な出来事を追体験できる短編集です。
主人公は小学五年生の『少年』。途中で名前が判明することもあれば、記載がないこともあるけれど、『少年』たちは彼らなりのルールと感性と感情と行動をもって、その一瞬一瞬を生きている。全十七編の短編は、一作一作は短いものの、どれも濃厚に『少年』の姿を描き出す。時に驚くほど鋭く世界を捉えたかと思えば、くだらないことに悩み、自分ではどうしようもない大人の事情で振り回され、自分の気持ちを持て余す――小学四年生までのような子どもではなく、中学生や高校生やそのもっと先のような大人でもない、等身大の『小学五年生』の彼らが見る世界を、垣間見ることのできる作品集となっている。
男の人は、どこか子供っぽいところがある時がある、と感じることもあるけれど、この『小学五年生』を読むと、その根底が何なのか少し想像がつく気がしました。支離滅裂なこともあるけれど、一生懸命なその姿が愛しいです。
作中で、喧嘩したり文句を言いたかったりした時に、「ばーか!」「死ね、ばーかばーか」くらいしか語彙がないのがなんとも『らしい』感じがします。やたらと言い訳がましくなったり、理屈をこねようとしてみたり、無理矢理自分を納得させようとしてみたり、どの作品も彼らの素直な心情を書き表していて、作者の方はよくこの頃の少年のことをここまで鮮明に書けるものだと感心してしまいました。
何も知らずに無邪気でいられる『子ども』では、もういられない。けれど、格好いい『大人』にはまだなれない。そんな狭間の、極々微妙なお年頃の少年たち。彼らの日々は、大人が思うよりもずっと複雑で、繊細な彩りに満ちているのだろうと感じました。
とても良い作品集でした。またふらりと読み返せるといいとも思います。 -
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いじめをテーマにした5編からなる短編集。
いじめの描写があまりにリアルで過酷なため、何度も読むのをやめそうになったが、それでも最後まで目を背けずに読み切るべきだと感じた。
いじめという重く深刻なテーマを扱うにあたっては、安易にぼかすのではなく、このくらいの重さがむしろ適切なのかもしれない。
各短編ごとに視点が変わり、いじめを受ける本人だけでなく、苦しむ父親や見守る幼馴染など、立場の異なる人物たちの目を通してその実態が描かれる。それぞれの視点にリアリティがあり、多面的な痛みと向き合う構成になっている。
すべての物語がスッキリと終わるわけではなく、かすかな希望が見えつつも、根本的な解決には至らないリアルな結末が印象的だった。いじめは「なかったこと」にはできない。読後は心がすり減るような重さが残るが、それだけに深く考えさせられる作品集だった。 -
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小学4年生のシュン、ミッチョ、トシ、ユウの4人が思い描いていた遊園地「カシオペアの丘」
年代が私とドンピシャで、とても身近に感じた。
30年後、少年時代の事故が元で車椅子生活になったトシは「カシオペアの丘」の園長になり、小学校教諭の妻のミッチョと共に暮らす。
経営不振で寂れた「カシオペアの丘」へ訪れ、幸せなひとときを過ごす川原さん夫婦と幼い娘。
その1年後に娘は妻の不倫相手に殺害されてしまう。
冒頭から衝撃的で心がざわざわしたが、それに輪をかけるように、シュンの病気、トシとのわだかまり、ユウの思いが荒波のように押し寄せる。
「生と死」、「家族」、「友情」、「夢」など人生の紆余曲折がリアルに描かれている。
「ゆるしたい相手を決してゆるせずに生きていくひとと、ゆるされたい相手に決してゆるしてもらえずに生きていくひとは、どちらが悲しいのだろう。」の思い言葉に考えさせられた。
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本音と建前の入り混じった、心温まる話。
↓以下ネタバレです
美紀は、とうとう中学生へ。心と体が大きく変化する年齢。正直、健一だけではカバーできない部分も出てくると思う。そんなとき、一つ屋根の下に「同性の先輩」がいたほうがいい。
物語が、健一目線で進む。美紀は、健一から見た美紀が描かれている。
美紀の本音は書かれていない。スピンオフで「ステップ・美紀の章」があったらいい。美紀の本音が知りたくなった。
自分に大きな悲しみがふりかかったとき、その悲しみを消し去ろうとしたり、心に空いた穴を違う何かで埋めようとする気持ちはわからなくもないが、悲しみや寂しさを消すのではなく、心に持ったまま共に生きていく。それも一つのイイ生き方だと思ったし自分は賛成。そもそも、消し去ることができたり、何かで埋め合わせできた悲しみなどは、所詮大したことはなかったのだ。
私の知人が、交通事故で息子を亡くした。その時から、子供が生きて家に帰ってくることは日常ではなく、奇跡なんだと思うようになった。しかし、この小説を読んで
親が無事に生きていることも、当たり前の日常ではなく、奇跡なのだと思った。
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