重松清のレビュー一覧
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ネタバレ読んでいて辛かった。
それはイジメの描写が生々しかったという理由だけではなく、自分の小学生、中学生の頃の行動を思い出させられたからだ。あの頃、自分の周りではイジメはなかったと思っていた。イジメは暴力を振るわれる、あからさまな仲間外れをするといった行動だけだと考えていたからだ。ただ、数十年が経過した今考えてみるとイジメがなかったと断言できず、
さらに自分がそのイジメに加担していなかったとも断言できない。あの頃はふざけて行っていたイタズラやいじりと思っていた言動もイジメであったのではないかと考えさせられた。
短編の中の1つ、キャッチボール日和での一節
"反省と後悔の違いが初めてわかった -
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ネタバレ吃音の国語教師、村内先生が人には打ち明けられない悩みを抱える中学生たちに寄り添い、大切なことに気づかせるハッピーエンド短編集。村内先生は、「自分は上手く話すことは出来ない代わりに、大切なことだけを一所懸命しゃべります。」と言う。その言葉通り、孤独な生徒たちにそっと寄り添い、様々な苦悩に希望を与える。いじめ関連4章、打ち明けられない悩み系4章で構成されている。前者はいじめ発生後に学校が用意した偽善的な学級目標や学校目標、いじめ告発box..etcいずれもどこか表面的で胡散臭く、むしろ歪な友情を作り出してしまう中、村内先生と接することでそれらに違和感を覚え始めるいじめ加害者の心理変容が興味深い。後
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「とんび」も好きだったがこちらも素晴らしい内容だった。
やはり家族を描かせたら重松清。
とんびと同じく、妻を亡くしたシングルファザーの話だけど、こちらは子供が女の子。
女の子を男で一つで育て上げるというのは想像を絶するものがあると思う。
主人公の亡き妻への愛、残された子供への主人公以外の親戚たちからの愛。
子供だけではなく、主人公もまた亡き妻の家族から愛されている。
そして、義父も自らの姿で孫への命の尊さを教えていく。
こうして自分も様々な人に育ててもらったのかなとしみじみと感じた。
亡き妻の小学生時代の話を同窓会の時に同級生から聞かせてもらうエピソードには泣いた。
確かに、自分の親も妻も知 -
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感想
下巻の前半でやっと「ひこばえ」の意味が分かった。萌芽的な意味合いだったのね。
老後のことや死後も子供の迷惑をかけないなど色々なことを考えた。気楽に生きたいw
行きつく先は散骨しかないよなぁ。
あらすじ
父親の49日法要に参加し、自分史の編集を相談していた人の聞き込みにより、父親が本当にお金にだらし無い人だったことが分かる。
施設で厄介扱いされている後藤さんの堕落と転落人生の話を聞いて自分の父親とダブる思いになる。
洋一郎は、父親が50代に一緒に暮らしていた女性に会い、遺骨を母のいるところへ連れていく決意をする。
母親は遺骨のことを聞かされ、会う決心をする。遺骨の前で母親と姉 -
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感想
老後も自分の生活や入る墓、誰が面倒見るのかとか色々あるんだなぁ。
ちゃんと遺言を残して、残された人に迷惑かけないようにしないとなぁ、なんて思ったりする。
あらすじ
長谷川洋一郎は、小学生の時に父親が出て行った。本人はあまり気にしていなかったが、姉は実父に強い憤りを感じ、自分が母親を支えていくという強いが強い。
自分も55歳になり、孫が出来る段になって、老後のことを考え始める。姉は、母親が再婚した相手方の子供に強い不満を抱いている。
ある日、姉から出て行った父親が東京で亡くなったので、洋一郎に家財の処分などを任せたいと言われ、40年以上会っていなかった父親とお骨で再会することにな -
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重松さんの物語はヤバすぎます
ガンの進行が止まらなく迫ってくる絶望や悲しみなど肉親が亡くなった時のことがフラッシュバックして、とても心にきます
始まりからヤバすぎます、序章で子供たちのきらめく時代から一気に大人にワープして始まるところで呆気に取られました
しかも、色々あったみたいであの頃の仲良し4人組はなくなってしまっていて
あの頃思い描いていた夢とは全く違う?遊園地はできたから、一応夢は叶ったのかな?
その場所で、人生の最後で再会するって嬉しいのか?悲しいのか?よくわからない気持ちになります
しかも川原さんと真由ちゃんの思いまで絡まってきてぐちゃぐちゃなところで上巻が終わりました
前半はシュ -
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ネタバレ【作品紹介】
中学校国語の非常勤講師、村松先生は吃音で、うまく喋れない。だから先生は、大切なことしか喋らないー
この本はいじめの加害者、事故加害者の家族、自殺した親の遺族、大きくなった虐待孤児など、さまざまな事情を抱えた中学生たちが村松先生との出会いを通じて学び、救われ、次に進んでいく短編集。
【感想】
1番印象に残ったのは、「青い鳥」。
一学期、クラスでいじめられていた野口くんが自殺未遂をし、転校した。この話は二学期にいじめを見て見ぬ振りし、一度いじめに加担した園部くんと、休職した担任のピンチヒッターとしてやって来た村松先生のお話。
村松先生は、転校した野口くんの机をわざわざ教室に運び込み -
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今まで読んできた震災文学が誰かを失うという視点から書いたものだったのに対して、今回は震災後の[復興]をメインにしている小説だった。
津波、原発事故、避難所生活
2011年の私がテレビで見ていた生活が、より質量を伴って眼前に現れる
絶望とは?希望とは?
大自然の前の人間の余りの無力さ、それでも這いつくばって未来へ進んで行かなければならない残酷さ、震災の後のリアルな部分が描かれていた
どんな困難が目の前に現れても諦めない人たちを見た中学生の少年は、自分を彼らに重ね、成長していく
震災後、被災地とは何か、被災者とは何か、その定義を問われている気がした -
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父と娘の成長物語。
あとがきにより雑誌連載時は「恋まで、あと3歩。」というタイトルだと知って、ケロ先生と成瀬さんの章には大いに納得した。
確かに恋に至るまでもう少しだったなという内容で、こういうことがこれから続いていくのか?と思っていたら、後半からは少し趣が違ってきて、このタイトルには合わない内容になった。
ナナさんと美紀が仲良くなる過程こそ興味があるところなのだが、そこはわりとあっさりと解決していて少し物足りない。
とまぁ「?」と思うところもなくはないのだが、重松節ともいえる登場人物それぞれの細かい心理描写に泣けた。
ジャンプの章で小学校卒業。
晴れ晴れとしていてまた泣ける。
よくここまで一
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