重松清のレビュー一覧

  • カモナマイハウス

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    題名通り家を絡めての家族の物語。
    今まであまり考えたことのなかった空き家問題、日本にこんなに空き家があったんだ。
    頭の回る石神井さんもそりゃ利用するわ。でもこの人正論ばかりでズルいイメージがあったけど、最終的には憎めないんだ。

    やはり同じ境遇の正之さんにはかなり感情移入してしまった。
    タラレバの話になればやり直せるのに、いい父親、いい夫になるのに。後戻りはできないのはわかってるが最後の思い出作りはあっけなくも迫るものがあった。

    自分が子供のころ住んでいた家はまだあるが、いずれは老朽化して壊す日が来るのだろうけど、その時は美沙と同じ気持ちになり泣いてしまう気がする。見たくないなあ。

    物語の

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    2025年06月07日
  • とんび

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     不器用でガサツで口の悪いヤスさん。
    事故で奥さんを亡くし、男手一つで息子のアキラを育てる。
     私自身の育った年代と近いせいか、昭和のザ・頑固親父の姿が愛しくもあった。
     周りの人たちの人情深さも昭和の懐かしい匂いがした。
     不器用だけど、熱くて泣き虫なヤスさんの生き様に心を打たれた。

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    2025年06月07日
  • きみの友だち

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    「うつむいてから顔を上げるでしょ、その瞬間って、けっこう笑顔になってるの。」
    「わたしたちは他の子よりたくさんうつむいてきたから、二人でいたら、たくさん笑えたの。」
    きみの言葉で前向きになれた。

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    2025年06月06日
  • カシオペアの丘で(上)

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     小学4年生のシュン、ミッチョ、トシ、ユウの4人が思い描いていた遊園地「カシオペアの丘」
     年代が私とドンピシャで、とても身近に感じた。

     30年後、少年時代の事故が元で車椅子生活になったトシは「カシオペアの丘」の園長になり、小学校教諭の妻のミッチョと共に暮らす。

     経営不振で寂れた「カシオペアの丘」へ訪れ、幸せなひとときを過ごす川原さん夫婦と幼い娘。
     その1年後に娘は妻の不倫相手に殺害されてしまう。

     冒頭から衝撃的で心がざわざわしたが、それに輪をかけるように、シュンの病気、トシとのわだかまり、ユウの思いが荒波のように押し寄せる。
     「生と死」、「家族」、「友情」、「夢」など人生の紆

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    2025年06月01日
  • カモナマイハウス

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    勝手に子ども向けの本を書かれる方だと思い込んでいたのでこの作品を読んで驚きました。
    小説を書くということは相当な知識が必要なんだと改めて思うとともに50代の自分と主人公の年代が同じ。両親が亡くなり空き家。実兄とトラブル中。似ている部分があり様々な事を考えさせられる内容でした。
    小説ではトラブルが変化しながらなくなんとなく進んでいきます。しかし自分が問題としている事の解決のヒントにはなりません。
    やはり現実は解決したいと願っていますが、相手側の考えを説明してくれる人もいませんので分からない事だらけなのです。
    でもただ一つ言えるのは、無理して解決しなくてもいいんじゃないかと思えるようになった事。時

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    2025年05月31日
  • ステップ

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    本音と建前の入り混じった、心温まる話。
    ↓以下ネタバレです

     美紀は、とうとう中学生へ。心と体が大きく変化する年齢。正直、健一だけではカバーできない部分も出てくると思う。そんなとき、一つ屋根の下に「同性の先輩」がいたほうがいい。

     物語が、健一目線で進む。美紀は、健一から見た美紀が描かれている。
    美紀の本音は書かれていない。スピンオフで「ステップ・美紀の章」があったらいい。美紀の本音が知りたくなった。

     自分に大きな悲しみがふりかかったとき、その悲しみを消し去ろうとしたり、心に空いた穴を違う何かで埋めようとする気持ちはわからなくもないが、悲しみや寂しさを消すのではなく、心に持ったまま共に

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    2025年05月31日
  • 旧友再会

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    なんだかせつない、このようにせつない気持ちにさせてくれる重松先生、ありがとうございます。せつないとかなつかしいとか、読み手の気持ちが動く素晴らしい作品です。どこかで出会ったことがあるような気がするのよ、どの物語に出てくる中年おじさんが。良い作品です。

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    2025年05月30日
  • ステップ

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    30歳で旅立った妻への想いを胸に、夫と娘が歩む日々の物語。

    最近同じようなテイストの本ばかり読んでるからか少し食傷気味ですが、大切にしたいと思う言葉が散りばめられていて良かったです。

    この本は亡くなった妻の両親や家族がお話に密接に絡んできて、主人公である二人に影響を与えるのがリアルなところと思いました。

    以下、いいなと思った文章。


    p239美紀がおとなになったらーーと、ふと思う。みんなとうまくやっていくことが一番大切なんだと考えるひとより、一所懸命がんばることのほうを大事にするひとになってほしい。
    →自分が周り見るタイプだからか、刺さりました。周りと足並みが合っていなくたって、一生懸

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    2025年05月26日
  • ビタミンF

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    主人公がみんな同年代で、今の自分と同じように悩み、これから直面する可能性が高そうな出来事に臨んでいく姿は、なにも感じるなというほうが無理。
    この作家さんの作品は、何気にはじめて。

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    2025年05月23日
  • カシオペアの丘で(上)

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    幼馴染4人の、大人になってからの関係性再構築のお話

    詳細な感想は下巻の方でまとめて

    以下、公式のあらすじ
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    重松清のすべてがここにある。渾身の長編小説
    平凡だけど、幸せな日々だった。これからもずっと幸せでいられると信じていた。

    丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった――。肺の悪性腫瘍を告知された39歳の秋、俊介は2度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。「王」と呼ばれた祖父がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪(しょくざい)の物語が、静かに始まる。
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    2025年05月19日
  • くちぶえ番長

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    小学4年生という最上級生でもなく、かといって低学年でもない楽しいことも、辛いことも、嬉しいことも、悲しいことも経験した一年の物語。
    読みながら自分の少年時代にタイムスリップして思い出と重ね合わせながら読んでいました。

    読後もほっこり心が暖まる物語です。

    弱きを助ける番長になると宣言した強いけど心優しい転校生の女の子マコトと学級委員で優等生で何事にも気弱なツヨシ。マコトとの出会いからツヨシが少しずつ成長していく姿が気持ちいい作品です。

    とても読みやすいと思ったら、雑誌「小学四年生」に連載していたそう。大人が読んでも楽しめました。私にはちょうど良かった⁉︎笑

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    2025年05月18日
  • ビタミンF

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    家庭における中年男性視点での短編集。
    ある意味での寂寥や孤独を抱えながらも、夫として、父親として生きていく中で、ありそうなお話ばかり。

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    2025年05月17日
  • また次の春へ

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    東日本大震災にまつわる短編集。いったいどれだけの人が日常の幸せを奪われたのだろう。ツライ。どの作品も考えさせられることばかりで被災者と被災者を思いやる人の考え方の違いに驚いた。あの日を忘れず巡ってくる春が希望の光に満ちていますように。

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    2025年05月15日
  • きよしこ

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    つい転校回数を比べてしまった
    (小学校では負けたけどトータルでは同点(勝ち負けではない))

    きよしこの成長が泣けてしまった

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    2025年05月13日
  • 定年ゴジラ

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    ネタバレ

    重松清さんの24年前の作品を読みました。タイトルまま。東京郊外のニュータウンで定年を迎えた4人のおじさんを軸に、さまざまなストーリーが描かれています。とはいっても、おじさん達だけの内容ではありません。それぞれの家族とのやり取りが丁寧に描かれていて、パートナーや子どもとのコミュニケーションについて考えさせたり、共感するシーンも多いです。特に、主人公である山崎さんと奥さん、2人の娘さんとのやり取りは心に響きました。4人のうちの1人、野村さんの破天荒なキャラも大好き。ふうまん、雪かきのシーンも印象的でした。

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    2025年05月12日
  • とんび

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    言葉と態度が逆に出てしまう気持ち分かるなと思う。
    そんな不器用なヤスさんを支える周りは本当に優しい。
    健ちゃんを一番に大切にするって言葉は感動した。

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    2025年05月09日
  • その日のまえに

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    ネタバレ

    いつか誰にも必ず訪れる「その日」
    自分が余命宣告された場合、妻がされた場合。
    それぞれ考えながら読んだ。
    一日一日を大切に生きなければと思った。

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    2025年05月08日
  • せんせい。

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    これまでに出会った先生達を思い浮かべながら読み進める中で、せんせいも一人の人間で、私たちと接しながら日々成長してくれたのかな、と感じた。

    白髪のニールとにんじんが印象的だった。特ににんじんは、日常生活の中ではなかなか触れることができないだろう先生の、聖職者とは思えない人間の醜さを感じられて、人生で忘れられない一作になると思う。

    久しぶりの重松清作品だったが、老若男女楽しめる作品だと感じた。子どもの頃から変わらず思っているが、どうしてこの人は大人であるにも関わらず子どもの感情をここまで的確に描くことができるのだろうか。年を重ねるごとに子どもの頃の気持ちを忘れてしまっているような悲しさを時々感

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    2025年05月01日
  • 流星ワゴン

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    感動よりも残酷が強い。
    分岐点で何か変わろうとしても、現実は変わらない。ワゴンは過去をたどるだけ。
    そういう意味では、リアリティがあり、自分の生き方・考え方、親、妻、子どもとの接し方も改めて考えるようになりました。

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    2025年05月01日
  • 定年ゴジラ

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    定年を迎えたニュータウンで暮らすおっちゃんの日常を描いた小説。自分も数十年後にはこんな感じになるのかと思いながら読んだ。
    まぁまぁ面白い。男性の方が読んでいて共感できて面白いかもしれない

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    2025年05月01日