重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一番好きな作家さん 重松清さんの「ファミレス」。
家族についての物語。
ファミレス、、
ファミリーレストランであり、ファミリーレス、、、
主人公は中学教師の料理好きな男性。
その料理仲間の二人。
料理の先生。
中学生の教え子。
それぞれの家族が個性的。
子供が巣立って夫婦二人(しかも奥さんは本の中に離婚届を忍ばせている)。
お互いバツイチ同士で、連れ子と暮らす夫婦。
子供はいないけれどおしゃれに暮らし、その後は別居が続く夫婦。
不倫の末、事故にあい、子供たちを祖母に任せて入院中の母。
美味しそうな料理とともに、それぞれの人生が絡み合います。
重松氏が40後半から50歳にかけての思っていることが、詰まった一冊。
大切な一冊になりました。 -
Posted by ブクログ
もともと友達の多かった恵美ちゃんは、ある時事故で足に不自由を抱えることになり、大きく人生が変わっていく。そんな恵美ちゃんと彼女を取り囲む人のお話。それぞれの視点から十人十色の視点が斬り込まれている。
読んでいく中で、少し胸の痛くなる場面が多かった。それは感動というより、生々しいものを見てしまった時のようなグルグルとしたもの。人の成長を感じるとともに、過去の自分の経験を思い出させ、少し苦しくなった。でも、登場人物の1人1人に優しいところが書かれていた。決して、悪者にはさせていなかった。
きっと、人間ってそうなんだろう。全てが悪な人間はいない。どこかで必ず自分を見つめている。ズキズキしながらも、ただ、ホッコリもするそんな小説だった。 -
Posted by ブクログ
ある日イジメを苦にして自死を選んだ同級生。その同級生から遺書のなかで「親友」と名指しされていた主人公と、その周辺の人物をめぐる小説。最初に思ったのは、コレはフィクションであるが、現実でもあるということ。じっさい、「文庫版のためのあとがき」では、現実に取材したできごとである旨が語られている。イジメによる自死は時折耳にするが、その場合、遺書に名前が登場するとまではいかなくても、かならず苦しむ同級生や遺族が存在するのだ。わたしはふだんそういうことに眼を向けてこなかったとハッとさせられた。自死はたんに1人が死んで終わりという問題ではない。本書のタイトルにもなっているとおり、一生「十字架」を背負っていかなければならない人もいる。そういうことをまず考えさせられた。本作はそのほかにも考えさせられる要素が多く、たとえばイジメの傍観者としての問題。直接攻撃はしていなかったとしても、見過ごしていたことは「悪」ではないのか。どこまで責任を持つべきなのか。自分の行動ひとつで、もしかしたら生命を救えていたかもしれない。ただ、だからといって、自分自身おなじ立場ならなかなか止められないであろう。また、本作は遺族側の物語も登場する。息子の自死は、遺族にとっても一生つきまとう問題である。いつまでも赦さないことははたして正しいのか。「親友」とどう付き合うことが正解か。どの問題も、一朝一夕には答が出せないであろう。深く考えさせられると同時に、ふだん自死の報に触れることはあっても、じつはなにも考えていなかったこともわかり、おおいに反省させられる作品でもあった。
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ネタバレ同僚に勧められて。かなり久々の重松清作品。中高生のころはよく読んでいたが、家族に関する重めのストーリーが多く、だんだん読むのがつらくなって、最近は読んでいなかった。
今回もはるちゃんとナンユウ、どちらも複雑な家庭環境におかれた高校生を中心に話が進んでいく。はるちゃんの達観したような醒めた部分とナンユウの道化の部分とがバランスのとれた相棒として描かれている。
走馬灯の絵師というファンタジックな設定ではあるが、伝えたいことはとても現実的で人間くさい話だなと思った。記憶が見える人は何か特別な条件があるのかと思いきや(複雑な家庭環境とか)葛城さんは父親から遺伝しているし、大仏さんはなんだかいろいろ突飛だし、そこは腑に落ちないような、別に必要ない部分のような。ちょっともやっとはした。
走馬灯のことなんて日頃考えたこともなかったけど、亡くなった父や祖父に走馬灯は見えたのかなと思いを馳せることができた。都合のいいことばかりではないかもしれないけど、幸せなシーンが少しでも多いといいな。
あとがきまで読んで、父も作者と同じ大腸憩室出血になり、後にふうちゃんと同じ膵臓がんであっという間に亡くなったので、なんだか偶然のつながりも感じる、不思議な読後だった。 -
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幼すぎる我が子を失った父親と、もうすぐたった一人の母親を失ってしまう少女の、巡礼の旅の物語です。
主人公はたった一歳だった幼い息子を亡くした父親。とあるきっかけから一度目の結婚の時に分かれた妻が連れて出ていった娘と共に、時折旅に出る。東北の恐山、北海道の奥尻島、北海道の知床…それらは亡くなった息子を悼む旅であり、そこで亡くなった誰かを悼む旅であり、がんに侵されてもう長くない母親と向き合う娘とめぐる巡礼の旅。旅先で出会う人もまた、大切な誰かを失った人々だった。彼らや彼女らの在り方を見て、感じて、己もまた自分の在り方を見つめていく。旅の終わりは、同時に別の旅路へと続いていく。
じんわりと染み出すような感情が見える、深く静かな何かを描き出すような物語でした。一言で言うなら、旅の物語。旅先で色々な景色を見て、いろいろな人と出会って、一瞬の邂逅の中で何かに触れて、何かを掴んでは、別れる。人生という大きな旅の中で、誰かを想ってする旅はまた一つ違う意味を持っているような気がします。亡くした息子を悼む旅でもあり、息子を亡くした己を納得させる旅でもあり、娘と父親になりそこなった少女を見守る旅でもあり、一人の人生の終わりにそっと寄り添うための旅でもある。大切な人を亡くす前と、亡くした後では、同じ人生を歩くことはできないのだなとしみじみ感じるような物語でした。
今までいたはずの誰かがいないという形で、いる。それは自分の中に影を残すという意味でも、本当にそうだと思います。
気になるのは、今後の娘の飛鳥のこと。いくらしっかりしているとはいえ、まだ未成年で未発達の少女に、こんなにも早くこんなにも多くのことを背負わせてしまっていいのだろうかと苦しくなります。彼女にも、落ち着いて心と翼を休めることのできる居場所を見つけてあげて欲しいものです。 -
Posted by ブクログ
内部告発っていうリアルなテーマをベースにした企業サスペンスで、かなり引き込まれる一冊。リストラ部屋に集められた主人公たちが、お互いに敵なのか味方なのか分からないまま話が進んでいく感じが絶妙で、読んでる側もずっと疑いながら読み進めることになる。
途中で出てくる「オズの魔法使い」とか「ニワトリ」に例えた謎のメールも不気味で、これが何を意味してるのか気になってどんどんページをめくってしまう。一発逆転を狙う流れもちゃんと盛り上がるし、展開に勢いがあって一気読みしやすいのも良かった。
最後のエピローグもきれいにまとまっていて、読み終わったあとにちゃんと余韻が残るのも好印象。全体的にテンポよく楽しめる作品だった。
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