重松清のレビュー一覧

  • きよしこ

    Posted by ブクログ

    重松清の作品は、「流星ワゴン」以来、2作目。

    「流星ワゴン」はとてととても面白かったし、多くの作品が高く評価されているのも知っている。
    けれど、なぜか次の作品を手に取ることがなかった。
    それはたぶん、彼の平明で抑えの効いた文体が、なんとなく児童文学的に響くことと、その影響か、(完全に僕の穿ったモノの見方と歪んだ性格による偏見ですが、)物語自体が嘘っぽく感じたからだと思う。

    その点、この「きよしこ」は、作者の自伝のように読めるので、嘘っぽさがなくなり、吃音の少年の辛かった思い出が、非常にリアリティをもって迫ってくる。
    おかげで、ほとんど全てのエピソードで目に涙が滲んでしまった。

    思えば、出

    0
    2023年11月28日
  • 峠うどん物語 下

    Posted by ブクログ

    下巻では上巻よりもよっちゃんの顔見知りやおじいちゃんの親友など、よっちゃんの割と近くで生きる人たちの死が多くあったように感じました。
    上巻ではよっちゃんがおじいちゃんおばあちゃんのうどん屋を手伝いながら、斎場を訪れる人たちによって色んなことを学んでいたが、下巻ではそれが遂に身をもって実感しているという感じ。

    柿の葉うどんが下巻では物語の主軸を担っていたと思う。おじいちゃんと親友の最後のアメイジング・グレイスの話は特に印象深かった。

    「お父さん、俺、医療センターに勤めて十五年だよ。十五年間に何人の患者さんを看取ってきたと思う?百人じゃきかないよ。ぜんぶ立ち会った。俺が聴診器をあてて、脈をとっ

    0
    2023年11月27日
  • 峠うどん物語 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中学の時に、友達のお母さんが病気で亡くなった。
    私は曽祖父〜ひ孫の4世代の家で育ち、遺族側としてのお葬式は中学生になるまでに3回も経験していたので、遺族以外の立場でお葬式に参加したのはそれが人生で初めてだった。
    泣いている友達と他の参列者の中で、会ったことのない人の死を悲しめなくて、かといって会ったこともないのに興味本位で「最後のお別れ」列に並ぶクラスメイトにはいい気がしなくて、なんとも言えない気持ち悪さがあったのを思い出した。

    ああいうときに峠うどんに行くんだろうな、と読みながら思い出した。

    0
    2023年11月23日
  • ひこばえ(上)

    Posted by ブクログ

    久しぶりの重松清さん。
    少年少女の悩める心に向き合った作品が多い作家さんだが、今回は現代の家族が抱える問題を描いた作品。

    「ひこばえ」とは?
    伐った木の切り株などの根元から新たに生える芽のことを「ひこばえ」と呼ぶ。もともとは、太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて孫が生まれる=孫生(ひこばえ)という意味。ひこばえは、眠っていた芽(休眠芽)が起き出したもの。


    『ひこばえ』上巻
    長谷川洋一郎は小学2年生の時の両親の離婚を機に、父親が2人いて苗字が3度変わる人生を歩んでいた。洋一郎も55歳になり初孫誕生が間近になったある日、母と離婚以来、音信不通となっていた実の父親の訃報が届く。

    父は生前「自

    0
    2023年11月22日
  • 疾走(上)

    Posted by ブクログ

    救いのない話だった
    短い生涯を走り抜けた少年
    最期は大切な思い出とその人を守るために死んでいってしまった

    0
    2023年11月19日
  • カシオペアの丘で(下)

    Posted by ブクログ

    感情移入しすぎて、胸が苦しい。

    何があっても人は生きていかなければいけないし、生きたくても必ず命は終わる。

    気持ちをまとめるのに時間がかかりそうです。

    ただ、命は子どもに引き継がれていく。
    罪までもが。難しいものですね

    0
    2023年11月19日
  • 峠うどん物語 上

    Posted by ブクログ

    大好きな重松さんの作品の中で未読だったため読んでみたのですが、やはり私は重松さんの作品が好きだなと改めて感じました。
    2014年と約10年前の作品であったのには驚きました。あらすじなどは見ずに読み始めたのですが、ただのうどん屋の話ではなく斎場の真ん前にあるうどん屋の物語であると分かった時はかなり衝撃でした。
    あまり見た事のない設定だったので不思議な感覚でしたが、自分にとってはこの作品を通して良い経験が出来たのではないかと感じました。
    重松清にしか書けない人間の様々な感情がありました。

    1つ難点あげるとすればこの本を読んでいる間は一生うどんが食べたくなること!!笑

    0
    2023年11月16日
  • 季節風 春

    Posted by ブクログ

    短編集なので、通勤時間に読みやすいなと思って読み始めましたが、、、涙涙で、電車で読むには向いてません。
    この作家さんの本は他にも読みましたが、主人公の気持ちや感じ方、考え方が私自身の気持ちと重なり合う部分が多く、感情移入してしまいます。
    この短編集では『目には青葉』という物語が私のお気に入りです。主人公と私自身が似ていて、何度も読んでしまいました。
    春らしい素敵なお話がたくさん入っているのでおすすめです。

    0
    2023年11月15日
  • 赤ヘル1975

    Posted by ブクログ

    重松清の長篇作品『赤ヘル1975』を読みました。
    重松清の作品は、9年前に読んだ『最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙』以来なので、久し振りですね。

    -----story-------------
    一九七五年――昭和五十年。
    広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。
    やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。
    カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。
    まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。
    ------------------

    0
    2023年11月13日
  • ひこばえ(下)

    Posted by ブクログ

    人は、ある日を境に得るものより失うものが多くなる。それまで与えられ、または自らの意思で得たものの多くが蒸発するかの如く失われてゆく。それら全てが存在を示す証であって、失う度に心には穴があき、心許なさが募る。失ってしまうのは人との繋がり、心の穴は寂しさ、この過程を老いという。あいた穴の埋め方で老いた時の居場所や居心地が変わるのだが、それは人との繋がりを如何に保って行くかということ。最たるものは血の承継。これだけは何事にも揺らぐことのない、逆に言えば決して断つことのできない、理屈抜きの繋がりなのだ。
    「おい、息子。わかったようなこと書いてんじゃねーぞ。」
    「やっぱり干物ですよ。水分の抜き方が大切っ

    0
    2023年11月09日
  • ひこばえ(上)

    Posted by ブクログ

    人は、ある日を境に得るものより失うものが多くなる。それまで与えられ、または自らの意思で得たものの多くが蒸発するかの如く失われてゆく。それら全てが存在を示す証であって、失う度に心には穴があき、心許なさが募る。失ってしまうのは人との繋がり、心の穴は寂しさ、この過程を老いという。あいた穴の埋め方で老いた時の居場所や居心地が変わるのだが、それは人との繋がりを如何に保って行くかということ。最たるものは血の承継。これだけは何事にも揺らぐことのない、逆に言えば決して断つことのできない、理屈抜きの繋がりなのだ。
    「おい、息子。わかったようなこと書いてんじゃねーぞ。」
    「やっぱり干物ですよ。水分の抜き方が大切っ

    0
    2023年11月09日
  • ひこばえ(下)

    Posted by ブクログ

    とても心が温まるお話だった。ぜひ色んな方に勧めたい作品。
    何度も目頭が熱くなって、会社のデスクで泣きながら読んだ小説は初めてかもしれない。


    ここからはレビューではなくただの1人語りです。


    私の両親は私が小1の頃に離婚している。離婚してからは母親の実家で暮らしていたので、離婚後の父のことは何一つ知らない。養育費すら入れてなかったらしいので、消息不明。生きてるとは思う。今何歳なのかも知らない。あまり父の記憶もない。

    いい別れ方をしなかったようで、離婚して25年以上経つがいまだに母の前では父の話はタブーだ。
    母からは嫌と言うほど父の悪口を聞かされた。何かと「ここが似ている」と嫌味ぽく言われ

    0
    2023年11月09日
  • なきむし姫

    購入済み

    いつもの重松
    ワールドでした
    読みやすく、一気に読みました。
    読み終えて、ほのぼの感は残りましたが、物足りなさも感じました。

    #ほのぼの #ハッピー

    0
    2023年11月06日
  • 峠うどん物語 下

    Posted by ブクログ

    最初の短編に出てきた柿の葉うどんのエピソードが下巻のテーマなのだろう。終戦、大水害を経て生きてきた人々が中心に描かれている。町医者の矜持としての喪中はがきは、やや現実離れしていたかも……。淑子の祖父の親友・わびすけ。ヤクザになってしまった親友との心のつながりが、最終章「アメイジング・グレイス」で明らかになったのが良かった。高校入試の日に自殺した同級生を想う淑子のように、下巻はどこかふわふわした読後感で、涙することもなかったな~

    0
    2023年11月02日
  • 峠うどん物語 上

    Posted by ブクログ

    長寿庵という峠のうどん屋の真ん前に、市営斎場が建設された。衝撃的なオープニング。しかし、うどん屋は移転せずに、店名を替えて葬送と共に続けることを選択した。主人公で中学生の淑子の、祖父母が営むそのうどん屋を手伝う中で人生の終焉という現場の経験を積む。核家族という言葉が陳腐化された現代では、死は遠いところ、目に触れないところにあるのだ。5章の連作短編という構成だが、それぞれにほろっと読ませるのは、さすが重松氏だ。

    0
    2023年10月28日
  • おじいちゃんの大切な一日

    Posted by ブクログ

    工業、ものづくりの現場がわかる本として秀逸。
    重松清の確かな文章に支えられて、ものづくりって良いな!と思わせてくれる。

    自分も子供の頃、何でも工場でロボットが簡単に作れると思ってたクチなので、大人になって建設現場や工場で人が行う作業の多さにとても驚いた。
    工場作業員、現場作業員、と言うと下に見る人たちがいるが、そんなことないんだぞ。めちゃめちゃすごいんだぞ、誰にでも出来ることじゃないんだぞ、君たちが仕事で使うスマホやパソコンや快適なオフィスだって、全部この人たちがいないとできないんだぞ。
    もちろん現場作業に伴う危険や労働人口の減少もあり、自動化や無人化が進むことは必然なのだけど、その前段階と

    0
    2023年10月11日
  • かあちゃん

    Posted by ブクログ

    様々な家庭の『母』がみせる親子関係に、惹き込まれました。
    『償いとは何か』、『優しさとは何か』。
    各章で描かれる母親の姿に胸を打たれました。

    0
    2023年10月08日
  • くちぶえ番長

    Posted by ブクログ

    マコトがかっこいい。勇気があって優しくて行動力がある。マコトに影響されてクラスのみんなが変わっていくところがいい。ピュアで小学生らしいモヤモヤと成長を感じるお話だった。

    0
    2023年10月07日
  • 星のかけら

    Posted by ブクログ

    小・中学生向けなのかな…さくっと読めてしまう量だけど、さすが重松さん、最後は泣けました。「生きてる人は、みんな、自分の力で歩いていかないと、だめなの」結局はそうなんだよね〜。

    0
    2023年10月03日
  • その日のまえに

    Posted by ブクログ

    短編7編収録。ヘビーな内容もあり。読後、いろいろ考えさせられます。

    ラスト3編は、末期がんの妻がなくなる「その日の前に」、なくなった「その日」、「その日のあとで」という仕掛けの連作。

    こんなに読みやすい文章を書ける作家はそんなにいないと思うけど、ネーミングセンスがイマイチだと思う(この作品に限らず)。高校教師の「ぷくさん」とか、ちょっと笑ってしまった。

    0
    2025年12月09日