重松清のレビュー一覧
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おじいちゃんが定年退職の日に、エリカちゃんはおじいちゃんの仕事場に連れて行ってもらい仕事をしている姿を見る。おじいちゃんのいつもの優しい姿とは違う真剣でおっかないほどの迫力ある姿を見て、そして心に想うこととは。巻末の刊行にあたってを見てびっくり。本来はある工作機械メーカーの社員さんとその家族さん向けの配布用に作った本であったこと、刊行した理由は3.11の後に何かできないかと考え、この本を刊行することで印税を全て将来にわたって全額あしなが育英会に募金することにしたということでした。この本の絵を描かれたはまのゆかさんの印税も含めてと言うことなので、お二人と私的にこの本を作成された工作機械メーカーさん(メーカー名はあかさないと言う条件で)も素晴らしいと思いました。
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小学5年生、という、まだまだ子どもだけれど大人への入口に足を踏み入れる年頃の少年たちが主人公の短編集。
どの話も子ども時代を思い返して切なくなったり恥ずかしくなったり。
我が子を思うと、こんなに繊細なことを考えたり感じているのか?感じてないよね!と思ってしまったけど、思い起こしてみれば自分もこのあたりから中学時代くらいは一番わかってる感があったかもしれない…
母親としては、お母さんのお見舞いに行く少年の話が良かったな…バス運転士さんというちょっと怖く感じる大人との交流、気にかけつつもおせっかいすぎない運転士さんが良かった。
まさに小学5年生、な娘にも読んでもらったけど、これは当事者世代が読むのはなかなか恥ずかしかっただろうなぁ。でも、他の人の心の機微を知るという良い体験になったのではないかと思う。 -
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「許されたくても許されない人生と、絶対に許せないという気持ちを持ち続けて生きる人生のどっちが辛いか」。
難しい…
でも前者は自分に選択の権利がないのに対して、後者は許すか許せないか選べるんですよね。
トシは、自分の母親を寂しい人生だったと言いました。
それはシュンやクラセンを許せないまま亡くなったから。
心の底ではゆるしてやりたい相手を、ずっとゆるさないまま生きていくのは寂しいことだから。
誰かを憎んだり恨んだりするのを支えに生きるのって、それはやっぱり寂しいことだから。
本当にそう思います。
自分自身悔しい思いをして、ある人を強く憎む気持ちがあります。
でも、その気持ちだけで生活するのは辛く寂しい。
時間の経過とともに忘れることで、自分のキズを癒して、いつか許すことができる人になりたい。
そんなことを思いました。 -
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葉桜
色々動くが何も肝心なことは動かない。小さい時はそうだった。適切な動き方がわからないし、動ける範囲にも限界があった。
おとうと
…別にたいしたことないよ、もっときれいなの、いっぱいあるよ…オレ、知ってるから、今度アッくんに見せてやるから…
友だちの友だち
この設定なら、中編くらいで楽しめたかも。短編すぎて浸りきれない。死は重い
カンダさん
子どもから見えにくい大人の恋愛。カンダをカタカナにしてるとこに現れている。けど、破談の理由が赤裸々でそのムードが壊れた。中学生になって、次の彼氏にははまらなくて、カンダさんにも興醒めして、というのは思春期らしい。
雨宿り
ただでさえ短いのに場面が変わって忙しい。一個ずつ山場やオチがついてまとまる
もこちん
男子もバカだけど、ちょっとませた女子もまぁややこしい。あの全能感が男子にとっての黒歴史みたいに残るのだろうか。
何小、フォーエバー
気の毒。なんで最後いい感じに締まったのか謎。
プラネタリウム
こんな風にモヤモヤムラムラするのって男子だけなのかな。
ケンタのたそがれ
境遇には同情するが、問題行動ってこういう背景も大いにあるんだろうなぁ。母親を責められないが、子どもはこの境遇の苦しさから非行に走るんだなぁと感じられた。生活に満たされていたら、悪いことする暇がないんだな
バスに乗って
河野さんがなんか言ったら泣けてた。ありきたりだけどその方がよかったなぁ
ライギョ
ライギョは、釣れたんだろうか。障害は、まだ小学生の理解には及ばないところもある。障害よりもまず、人権意識を育てることが重要で最短。
すねぼんさん
シチュエーションがちょっと独特
川湯にて
これも独特。母の心情の深いところは子どもには見えない。でも浅いところは見えるのが切ない
おこた
独特
正
委員選出の設定がうまくて、コンプレックスや見栄が綺麗に浮かぶ。こんな設定に遭遇したことはないけどすごい共感できる。自分もこんな小癪な子どもだった
どきどき
チョコが内心ほしい気持ちと滑っていく時間がテンポよく進んでいく。バカだと思ってたあいつが貰えて自分は…この世の終わり、自分はこれからもずっと…ってなるよね男の子
タオル
人が死ぬ、生きていくってことを実感するのは、葬式じゃなくてもっと違うタイミングであればいいと思わされた。
あとがきより
少しキャラを引き気味にして、小学5年生の少年が佇んでいる風景を描きたかった。いつの時代でも、どこの町でも、小学5年生のいる風景は、決して薔薇色に光り輝く時ばかりではないにしても、それでもやはり、かけがえのない美しさを持っていてほしいと願っているし、持っているはずたと信じてもいる。
5年生、もしくはそれ以降の男子は悩みがいっぱい。境遇はそれぞれでも、悩み葛藤する場面はどれも共感できるものばかり。子どもにも勧めたいけど、男子にしかわからないかもしれないし、なんだか女子にはこの胸の内を悟られたくない。そして実際の5年生はこの情景や心情をどう受け取るだろう。過ぎ去ったからこそ、美しく感じられるのかもしれない。
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本州の西の端の小さな街で生まれ育ったシュウ、コウジ、ヤスオは1980年ごろに中学生となる。親の離婚、交換日記、高校への進学や、大人の女性に憧れ、ギターで流行歌からちょっとズレた歌を歌い、様々なイベントを当時の流行していた歌とともに思い出していく連作。
重松清というと重くるしくて理不尽な不幸の連続というイメージが有り、これを含め何冊も買って寝かしていたが、この作品はそういう雰囲気ではなかった。
コウジのように親が離婚してしまうわけでもなく、ヤスオのように思い切り弾けるわけでもなく、馬場くんのように引っ込み思案でもない平凡なシュウは、作者のいち部を反映したものなのだろう。
しかしそこは重松清である。それぞれのエピソードに出てくる人たちはいろいろな背景があり、一筋縄ではいかない人生であり、高校の途中で駆け落ちをしたり、事故で生死をさまよったりということになる。
それぞれのテーマとなっている曲も1980年前後の邦楽中心の、当時を生きた人なら知っている、その後に生まれた人にも、Youtube等で聴けるような曲が選ばれており、若い人たちにも読みやすい作品であろう。
どこかで重い雰囲気になるんじゃないかと、若干警戒、もしくは期待していたところは有ったが、そういう作品ではなかったね。気楽な重松清。
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