重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この『ひこばえ』は帯を読んだだけで心が惹かれた。『ひこばえ』というのは樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。 太い幹に対して、孫に見立てて「ひこばえ」という。
父親と息子、そしてその息子の様々な物語。『流星ワゴン』『とんび』に続く、父と息子を描く3部作の完結編?なのかな。
主人公は還暦前。幼い頃に離婚したあと、音信不通だった父の訃報が届き、既に骨壺に入っている父親の生きてきた足跡が少しずつ明らかになってゆく…このあらすじだけでも、面白いでしょう?
読み進めるページが少なくなるのが惜しいほど面白かった。僕の息子らにもいつか読んで欲しいな。 -
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この『ひこばえ』は帯を読んだだけで心が惹かれた。『ひこばえ』というのは樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。 太い幹に対して、孫に見立てて「ひこばえ」という。
父親と息子、そしてその息子の様々な物語。『流星ワゴン』『とんび』に続く、父と息子を描く3部作の完結編?なのかな。
主人公は還暦前。幼い頃に離婚したあと、音信不通だった父の訃報が届き、既に骨壺に入っている父親の生きてきた足跡が少しずつ明らかになってゆく…このあらすじだけでも、面白いでしょう?
読み進めるページが少なくなるのが惜しいほど面白かった。僕の息子らにもいつか読んで欲しいな。 -
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重松清といえば『とんび』『流星ワゴン』など家族愛をテーマに描いた小説で人気ある作家だが、暴力や殺人もテーマにした『疾走』のようなダーク重松とも呼べる作品がある。
この『木曜日の子ども』も賛否両論あるような非常に暗い作品だった。
主人公は子連れの女性と結婚し、中2男子の父親になった中年男性。新居を構えた場所は、7年前に中学生が給食に毒物を混入させ、同級生複数を毒殺した事件のあった街であり、その中学校に息子が転入するところから事件が呼び覚まされる‥息子がその時の犯人に似てると噂になり‥中学2年生、14歳という微妙な年齢は子供でなく、身体も大きくなり、場合によってはモンスター化してしまう。子供のコミニュティに親が口出すことなんて不可能だ。無力感しかない。再婚して急に父親となった主人公に感情移入して、何ともやるせなかった。
架空の事件ではあるが、給食に毒物を盛るという話には、和歌山カレー異物混入事件を思い出してしまった。給食とかお祭りの飲食物って、性善説で口にするから、場合によってはめちゃくちゃ怖いよなぁ‥ -
Posted by ブクログ
うんまあ面白かったよ。赦しが大きなテーマになってて、そこに友情や親子の愛や憎しみや惜別やなんやらが壮大にごった煮になっている感じの物語。心揺さぶられる描写はいくつもあったし、特に息子との関係と青春時代のふたりのあたりは泣けた。でもね、末期ガンで余命幾許もない人物を中心に据えての物語はやっぱり嫌いだよ。それを超えてきてくれる程の力はなかった。幼馴染っていいよな、とは思ったよ。俺にはいないからね。我が子と会えたのが一番の幸せってのは同意するし、色々な思いが沸き起こってきたけど、やっぱり物語として許せない思いは強かったな。物語の中で死んでいくのと、そのひとが死んでいくのを物語にするのとは違うと思っていて、後者は好きじゃないよ。
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Posted by ブクログ
むかし、私が小学2、3年の頃、近くの森の高い木に奇妙に動くピンク色の物体があった。友達と「気味が悪い、何か得体の知れないものかも知れない」と怖がった。真相はストッキングが引っかかっていただけなんだが、不思議を不思議と思える心が子供にはあった。そんな信じる心を、閉鎖的な田舎の故郷で試される短編の名手による長編。
嫌なとこも好きなとこもひっくるめて故郷を建て直す話で、読みどころ、泣きどころは最後のクライマックスに。過疎化、閉塞感、利権争いなど、いろいろあるだろうが、帰れる故郷があることは幸せなのかも知れない。故郷を持たない私には、羨ましい限りだ。 -
Posted by ブクログ
■サマリー
・心の中で考えていることが文字になっている。
・短編8つで構成される人のつながりを示す小説。
・おもしろいのは最初と最後のお話が関連を持つ
こと。
■感想
こういうこと、心の中で考えることがあるなぁということが文字として
表現されている。これには重松さんの小説を読んだ人にしか分からない驚きと感動がある。
心情を巧み表現しながら8個の短編で構成された本書。
正直、最初と最後の物語以外は感情移入しなかった。
ただ、最初の「いいものあげる」と最後の「再会」は特別で、子ども時代の心の動きと大人になったときのそれとの微妙な違いが、どうしてこんなにうまく表現できるのかと唸ってしまう。
小学生の時に思い描いていた大人になったときの自分像と大人になった現実の自分とのギャップ。
どこでどう間違ったのかと思うことだってある。
小学生の時に好きだった子がいて、大人になったとき、その子がどんな人生を歩んできたのか思いを馳せることがある。
そんな切ない心の情景が描かれているのがとても良かった。
■心に残った本書のフレーズ
全然うまくいかない人生でも、価値がないとか、意味がないとか、生きててもしょうがなかったとか、そんなことないと思う。
うまくいかなくても、いいこと、あった。
誰かに好きになってもらえたら、その人の人生はやっぱり幸せなんだよね。
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