重松清のレビュー一覧
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シュウジは普通の、極めて普通な優しい中学生で、それでも中学生に背負わせるにはあまりに酷な重荷を背負わされる。
ヨブと同様、心は極限まで追い詰められる。謂れもなく。
けれども、ヨブの前に現れた神は、シュウジの前には現れない。
現代の作家重松清が、デウス・エクス・マキナを出すわけがない。
でも、神はいないのではなく、存在している。シュウジの前に現れないだけだ。
神はずっと視点として存在し、シュウジを「お前」と呼びながらじっと見ている。
助け舟を出すことなく、ただただ見ている。
シュウジが追い詰められていく過程は、巧みだけれど現実味はない。ヤクザもエリの義父もある種テンプレといえる。
けれども、神が -
Posted by ブクログ
話の節々に、煮え切らないいつもの重松節が絡みついて、うーん、ちょっとね。
という感じだけど…
最後の一節はよかった。
ビストロからの帰り道は、その酔いかげんを保ったまま、散歩気分で歩いた。
手をつなぐでも肩を寄せ合うでもなく、けれど誰も割り込めない微妙な距離を、とりとめのな
いおしゃべりが埋めていく。
若い頃の思い出話ではない。それはさすがに出来すぎになってしまう。老後の話は興醒めだし、話題をテレビや新聞から無理に探すぐらいなら、満たされた沈黙を味わったほうがずっといい。
結局、話すのは、どうということのない確認や連絡ばかりだった。
「明日の朝は、ご飯だからね。納豆、今日までだったの忘れて -
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亡き父が作ろうとしていた自分史・・・
父の生前の僅かな繋がりを頼りに、父との記憶を甦らせていく洋一郎。父の生きて来た道を巡る旅は、洋一郎自身の人生と向き合う旅でもあった。
上巻で朧げだった物語の輪郭が、下巻で頁を捲るごとにどんどん鮮明になって来た。そして重松清さんがタイトル『ひこばえ』に託した意味がひしひしと伝わって来る。
心に響くフレーズがたくさんあった。
単体で読むより物語の内容と繋げて触れる方が響くと思うので、ここでは敢えて割愛。
また、七夕の笹飾りに人生の今までの願い事を沢山書くシーンが印象的だった。
何だか願い事って、その時の心の鏡みたいだ。
気付けば息子の幸せばかり祈っていた -
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ネタバレ駆け抜けて、最後苦くてあったかい余韻を残してった。重松さん、やっぱ好き。
シュウジはずっと「ひとり」だと自分を思ってたと思うけど、私はシュウジの人生を外野からのぞいていて、色んな人を救ってたし救われてたと思うよ。
アカネに子どもっていう生きがいを与えて、エリも救って...逆にアカネに救われて、エリを生き甲斐にして、神父に見守られ、みゆきに助けられ...「ひとり」同志支え合って生きていたと思う。本当に「ひとり」なんてこと、ありえないんだと思う。
ずっと語り手が誰か気になってた。そっかーー、まぁそうしかないかぁ、最後に少しでも救われてよかった。 -
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人が住んでこその「家」。
長く住んできた家、住み慣れた家には住人の想いが詰まっている。
両親の死後、実家の処分を巡って兄と対立する女性を中心に、「家」に対する人々の想いを描くヒューマンドラマ。
◇
水原孝夫は、自社が管理する空き家の定期的なメンテナンスに出向いていた。間もなく還暦を迎える孝夫だが、心配事が2つある。
1つは息子のケンゾーのこと。
若い頃は戦隊ヒーローの1人として俳優活動をスタートさせたケンゾーだが、番組終了後パッとしない。同じ戦隊仲間がアイドルや俳優として華々しい転身を遂げたのに比べ、遊園地や商業施設のアトラクションで細々と役者活動を続けるケン -
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教師と生徒の物語を読んだ。
不完全な教師ほど
不器用な生徒ほど
気になってしまう。
子どもの成長が何より嬉しいのがいい先生なのか。
子ども達の個性を見い出し伸ばすのがいい先生なのか。
協力、団結で学級の凝集力を高めるのがいい先生なのか。
目に見えるデータ化できる値をアップさせるのがいい先生なのか。
背中で人生を語るのがいい先生なのか。
コミュ力の高い先生がいい先生なのか。
わからない。
この本でいうなら「ドロップスは神さまの涙」の
養護教諭が魅力的だ。
「にんじん」には背筋がゾクゾクした。
「泣くな赤鬼」では赤鬼先生のかわりに涙が流れた。
先生と生徒、子どもが大好きな重松清先生。
いっ -
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ネタバレ『人は、死にたくなるほど辛い思いをした時、それとも死にたくなるほど辛い思いをした時に誰も助けてもらえない時、どちらで絶望を感じるのか』(省略)
読んだ直後は即後者を選んだ。
あと一歩前に出たら空(くう)、なんなら崖の淵に足半分出ちゃってる様な、少しでも重心をずらしてしまったら終わるそんな状況を想像したから。
でもこの状況の時にはもう既に虚無かとも思い直した。やっぱり分からない。
『寂しさは、両方で分かち合うものではない。自分は寂しがっていても相手も同じように寂しがってるとは限らない片思いみたいに。相手がそばにいないから寂しいのではなく、そばにいない相手が自分が思うほどに自分のことを思ってくれ
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