重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分が年齢を重ねることで、これまで気がつかなかったこと、わからなかったことがストンと胸に落ちることがある。
あの時の父親の気持ちを想像してみる。
自分の子どもが自分とは違うタイプに成長してきた時に当時を振り返ってみる。
懐かしい仲間は、母親は、妻のそれぞれの気持ちは…。
そういう日常の些細なこと、多かれ少なかれ、たいがいの人に心当たりがあるでき事。
そういうのを表現するのが重松清氏は本当にうまい。
自分は重松氏よりほんの少し若いだけなので、いつも泣きそうになる。
重松清氏の作品は、とても読みやすいのでたまにすごく読みたくなる。
そして涙目になる。
大切な人をちゃんと大切 -
Posted by ブクログ
懐かしさもあるが生々しい。
重松さんは五年生当時のことを、日記をつけ、保存しているのかな。正確過ぎる。
四年生では幼く、六年生では大人になりかけていて•••。
そんな微細な感性を持つ、約50年前の五年生にスポットを当てている。
好きな作品ではない。
子どもとはいえ、僕も当時は当時で必死で毎日を送っていて、(もちろん、厳しい国々の人々とは比べものにならないが)今では封印しようとしている、自分の中の身勝手さや残酷さ、自己厭悪に陥りそうな自意識が、炙り出されているような短編集なので。
特に胸に刺さるのが⑦、どれだけ僕は、無責任な言葉と、相手の心を思いやらない子ども時代を送ってきたことか• -
Posted by ブクログ
イジメに合い、学校で家でそれぞれ居場所をなくした、中学二年のタケシと小学五年のリュウそれに少女のジュンの三人が家出する。
重く哀しい話であるが、送り主のタケシの手紙と、センセイと呼ばれる小説家の文章とが交錯し、現実と小説内が混然とすることで、その哀しみが軽減される。
三人が、センセイの小説の中の登場人物と会うことにより、化学変化を起こすような不思議な小説。
タケシが語る
「人間には誰だって、どんなときだって、物語が必要なんじゃないか、って。特にキツいとき、自分がこのままゼツメツしそうなほどキツくて、苦しくて、たまらないとき、頭の中で物語をつくりあげて、そこに現実の自分を放り込むことで救われるの
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