重松清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイムカプセルを開けて、哀愁にふけって今と昔の落差に葛藤してそれでも前に進む話なのかなぁと、最初のほう読み進めていて思っていましたが、読み進めて行くうちにどんどん胸が締め付けられ、苦しくなってきました…。
私自身は全然世代ではないのですが、自らの置かれているリアルの状況に少し振れる部分もあり…。そんな時に読むもんじゃないですね。
しかし、これこそが重松清…等身大のリアル。やりきれなさ、葛藤、それぞれの登場人物の想いが、交差し、決して本当の意味で理解し合うことはできないのも重松さんの小説らしくて大好きです。どこどなく同作者の「流星ワゴン」を思い出しました…。
小学校の卒業記念に埋めたタイム -
Posted by ブクログ
じーんと胸打つ物語
4編の短編小説です
■まゆみのマーチ
母親の臨終の間際に再開した兄と妹。
母親はずーと妹を甘やかしていた。
小学校で自由奔放にしていた妹。授業中でも歌を歌ってしまう妹。一方で、優等生だった兄。
しかし、いま、自分の息子は登校できない状態に。
そんなとき、まゆみのマーチといわれるその歌詞が驚愕。
ジーンときます。
■あおげば尊し
ガン末期を自宅で過ごす父親。
父親は教え子からも嫌われる教師だった。
自らも教師となり、小学生を教える立場に。
その生徒たちに「死」を教えようと、父親の現場を見せることに。
「死」について考えさせらえます。
そして、出棺に流れるあおげば尊し
これ -
Posted by ブクログ
<突き刺すために読む、突き刺さった部分を確かめる>
全話、刺さる。痛い、とても。
それぞれの主人公(もしくはその友達、息子)の周りには、鋭利な空気が満ちている。呼吸するたび中からボロボロに傷付いてしまうような、苦しい環境の中で、彼らは生きている(最後のは少し違うけど)。
でも、みんな逞しい。目も当てられない程に押しつぶされても、無くならない。絶対に火が消えない。だから、最後まで読む事が出来る。
いじめが鮮明に描写される。曖昧な表現が無い。想像したくないのに、浮かんでしまう。いじめにハッピーエンドは無い。そんな当然を改めて思う。
人間は間違うんよなあ…どれだけ気を付けても、一 -
Posted by ブクログ
ゆるす/ゆるされる、に関する4編。
紆余曲折を経て、いろいろなことを考え、そして落ち着いていくお話。
まゆみのマーチ。
まゆみちゃんはいい子だ。
本当に純真で、いい子なんです。結果として周りの人たちを明るくしていたはず。
でも、先生の一言、行動で変わってしまう。いい子だからなおさら悲しい。
大人は軽い気持ちで行動を起こしているのかもしれないけれど、本人にとっては一生消えない傷になってしまった。
罪深いのはまゆみちゃんではなく、おとなだ。
追伸。
お母さんだったらどう思うとおもう? 目をつぶって考えてみて。
とてもいいアドバイスだ。
感情的になっているから、冷静に考えられないのだろうけれど、
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。