重松清のレビュー一覧

  • 舞姫通信

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    テーマは自殺。なかなかないテーマの小説でもあったので興味深く非常に考えさせられる作品だった。
    17歳で亡くなったタレント城真吾の呆気ない死に方は、自分の裏をつかれたような感じでまた面白かった。

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    2021年06月24日
  • 峠うどん物語 下

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    峠にある斎場の向かいのうどん屋が舞台。
    中学生の淑子を中心に、人間の心の中の深いところを揺さぶられる話。
    斎場の向かいのうどん屋にくるお客さんってどんな人だろうって想像してしまう。
    私だったらどんな気持ちの時にこのうどんを食べたくなるのか、ちょっと考えさせられた。

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    2021年06月14日
  • カシオペアの丘で(下)

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    読むのに時間がかかった。長かった。一人称が何度も入れ替わり、理解するのに時間がかかった。でも、それはそれでよいと思う。一人の、いやたくさんの人の人生が描く物語なのだから。

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    2021年06月08日
  • トワイライト

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    ネタバレ

    タイムカプセルを開けて、哀愁にふけって今と昔の落差に葛藤してそれでも前に進む話なのかなぁと、最初のほう読み進めていて思っていましたが、読み進めて行くうちにどんどん胸が締め付けられ、苦しくなってきました…。
    私自身は全然世代ではないのですが、自らの置かれているリアルの状況に少し振れる部分もあり…。そんな時に読むもんじゃないですね。

    しかし、これこそが重松清…等身大のリアル。やりきれなさ、葛藤、それぞれの登場人物の想いが、交差し、決して本当の意味で理解し合うことはできないのも重松さんの小説らしくて大好きです。どこどなく同作者の「流星ワゴン」を思い出しました…。


    小学校の卒業記念に埋めたタイム

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    2021年06月05日
  • 卒業

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    100ページの作品が4つ収録
    いずれも何かしら考えさせられる内容でした
    著者のあとがきでは連作ってことでしたが
    それはあまり感じられませんでした

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    2021年06月04日
  • ゼツメツ少年

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    ネタバレ

    p.223
    エミさんは「おとなをナメんな」と、笑いながら、そっけなく言った。

    恵美がでてくるとは!
    また、きみの友だちを読みたくなりました。

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    2021年06月03日
  • ルビィ

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     小さい頃「帰ってきたウルトラマン」というテレビ番組があって、主人公がピンチになるとウルトラマンに変身することができました。初代ウルトラマンのようにスプーンをかざしてなりたいときになれる方がずいぶんいいなと思ったものです。
     ルビィの主人公2人は、相手に「シンクロ」しないと乗り移ることができません。残念だな〜と思いながらの読書でした。シンクロするまでのお膳立てがむず痒く少しうるさく感じました。
     とはいえワタシの涙の蛇口をよく知っている重松さん、通勤車内でまたもや泣いてしまいました。

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    2021年05月31日
  • 希望の地図2018

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    小説『希望の地図』から7年。本作は、主として日本列島で発生した災害被災地のルポである。自分も、阪神淡路、東日本と「大震災」と名付けられた災害を、同時代を生きる一人として経験する生き証人になった。明治生まれの祖母は関東大震災を経験していた。昭和生まれの自分は、現実感を伴わなずに彼女の話を聞いていたことを思い出す。平成の30年間は災害の時代だったと、改めて思う。中でも福島原発が原因の放射能汚染は、人々の生活に今なお悪影響を及ぼしている。災害からの復興に、若い世代が立ち上がってくれている、そこに希望がある!

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    2021年05月18日
  • ポニーテール

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    こころがじんわり温かくなった。
    フミ、マキ、お母さん、お父さん、ゴエモン二世。それぞれがいろいろな思いを抱えながら、少しずつゆっくり家族になっていく。読み終わった後も、じんわりと温かさが広がっていく一冊。

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    2021年05月13日
  • 卒業

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    じーんと胸打つ物語
    4編の短編小説です

    ■まゆみのマーチ
    母親の臨終の間際に再開した兄と妹。
    母親はずーと妹を甘やかしていた。
    小学校で自由奔放にしていた妹。授業中でも歌を歌ってしまう妹。一方で、優等生だった兄。
    しかし、いま、自分の息子は登校できない状態に。
    そんなとき、まゆみのマーチといわれるその歌詞が驚愕。
    ジーンときます。

    ■あおげば尊し
    ガン末期を自宅で過ごす父親。
    父親は教え子からも嫌われる教師だった。
    自らも教師となり、小学生を教える立場に。
    その生徒たちに「死」を教えようと、父親の現場を見せることに。
    「死」について考えさせらえます。
    そして、出棺に流れるあおげば尊し
    これ

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    2021年05月02日
  • 赤ヘル1975

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    赤ヘルになって初優勝した1975年。
    カープの話というより、戦後30年の広島という街のお話。
    600頁超でボリュームも内容も読み応えあり。⚾️

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    2021年05月02日
  • ナイフ

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    <突き刺すために読む、突き刺さった部分を確かめる>

     全話、刺さる。痛い、とても。

     それぞれの主人公(もしくはその友達、息子)の周りには、鋭利な空気が満ちている。呼吸するたび中からボロボロに傷付いてしまうような、苦しい環境の中で、彼らは生きている(最後のは少し違うけど)。

     でも、みんな逞しい。目も当てられない程に押しつぶされても、無くならない。絶対に火が消えない。だから、最後まで読む事が出来る。

     いじめが鮮明に描写される。曖昧な表現が無い。想像したくないのに、浮かんでしまう。いじめにハッピーエンドは無い。そんな当然を改めて思う。

     人間は間違うんよなあ…どれだけ気を付けても、一

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    2021年05月01日
  • 疾走(上)

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    著者の作品は、好きでよく読みます。ほのぼのとした作品。涙を誘う作品。大人の御伽噺のような作品。おじさんである著者が、どうして少年少女の気持ちがわかるのか不思議にさせる作品。共通する部分は決して居心地の悪い、不安感を誘うような作品は読んだことがありません。私が知らないだけかもしれませんが。この作品は、ズバリそんな作品だなあと感じます。上巻を読み終わった段階では全く救いがありません。でも、著者の筆力は読ませます。違和感から逃げることができずに読み進めます。下巻でも展開が楽しみです。

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    2021年04月15日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    心が優しくなる本。
    元は児童文学だったそうですが←ここ知らずに買いました。でも大人でも十分に楽しめたし猫好きにはニヤニヤする一冊。
    ノアが起こした奇跡というより、子供達が自分達で考えて行動していく。見習いたいと思う部分もありました。
    転校生のお話で、転校生は誰とも幼馴染にはなれないけど親友にはなれる…と言う一文が大好きです。

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    2021年04月14日
  • 卒業

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    登場人物の感情が大袈裟すぎることなく、リアルに描かれていて、すらすらと読み進められた。

    思春期の子どもとその親がよく抱えている出来事を通して、家族愛を感じることができる

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    2021年04月01日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

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    500ページ越えのストーリー。「希望は世界のどこかに転がってるぜ」得意な事も苦手な事も勝ち組も負け組も価値観は一つじゃない、道は必ずあるからと思わせてくれる物語でした。この作者はどの話しも人間描写が上手いなあ。納得して考えさせられて、気づかされて、読み進めるうちにのめり込んでました。ラストは希望のthe end。楽しい読書時間でした。

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    2021年03月25日
  • 卒業

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    ゆるす/ゆるされる、に関する4編。
    紆余曲折を経て、いろいろなことを考え、そして落ち着いていくお話。

    まゆみのマーチ。
    まゆみちゃんはいい子だ。
    本当に純真で、いい子なんです。結果として周りの人たちを明るくしていたはず。
    でも、先生の一言、行動で変わってしまう。いい子だからなおさら悲しい。
    大人は軽い気持ちで行動を起こしているのかもしれないけれど、本人にとっては一生消えない傷になってしまった。
    罪深いのはまゆみちゃんではなく、おとなだ。

    追伸。
    お母さんだったらどう思うとおもう? 目をつぶって考えてみて。
    とてもいいアドバイスだ。
    感情的になっているから、冷静に考えられないのだろうけれど、

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    2021年03月23日
  • ルビィ

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    もう20年も前に
    なるでしょうか
    重松清さんの「講演」を聞きに行ったことがある
    ー今の少年少女たちに必要なのは
     先生でもなく、両親でもなく、
     その人たちとは違った価値観を持っている
     三人目の大人
     それも 思いっきり個性的な
     できれば 変っている人
     おじさん か おばさん
     だと 思う

    というフレーズを
    聞きました

    それ以来
    重松清さんの作品を
    読むたびに
    その言葉が思い起こされます

    この作品でも
    ルビィに寄り添って
    一緒に 行動して
    一緒に 考えて
    一緒に 悩む
    売れない中年作家さんを
    そのように見立てて
    読んでいました

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    2021年03月18日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    大人が思っているより、子供は多くを知りすぎて、それを胸の内に抱えている。大人の会話を盗み聞きした、胸のザワザワ感を思い出した。

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    2021年03月08日
  • ルビィ

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    生きることに対して少しずつ熱が冷めていく。大きく評価される事もなく、生きる理由が見つからず、かといって死ぬ理由もないので今日を繰り返す。明日もきっと、変わらない今日のはずで、ゆったりとした失望がどんどん心を不感症にしていく。そしてふとした拍子に死に転がっていってしまう。あり得ない事ではない。
    そんな毎日だから、無条件に自分の生を肯定することはやっぱり難しいのだけれど、それでも生きなきゃな、という気持ちを思い起してくれるような作品だった。

    同時に重松清に思春期前後の子供達の描写描かせたらやっぱり凄いな、と思った。

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    2021年03月05日