重松清のレビュー一覧

  • なきむし姫

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    【要旨】霜田アヤは、二児の母なのに大のなきむし。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。
    ところが哲也は一年間の単身赴任となって、アヤは期間限定のシングルマザーに。そこに現れたのは幼なじみの健。
    バツイチで娘を育てる健は、夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて…。
    子供と一緒に育つママの奮闘を描く、共感度満点の愛すべきホームコメディ!

    泣き虫の二児の母のアヤ、単身赴任となる夫の哲也、シングルファザーになって再会した幼馴染の破天荒の健、カズくんの母親の強気な留美子さん。
    どのお話もちょっと綺麗ごとすぎる気もするし、結局幼馴染の健ちゃんだのみで、泣き虫アヤの成長は

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    2016年04月16日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

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    物語の本筋には関係ないけど、こんな一節がとても印象に残った。
    「子どもの『もしも』は未来に向いている。(中略)おとなの『もしも』は過去にしか向いていかない。」
    むむむむー、、、奥が深すぎるけど、妙に納得してしまった自分は、もはやおとなになってしまったのだろう。

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    2016年04月09日
  • ブランケット・キャッツ

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    ネタバレ

     家に居つくと言われる猫が、様々な家を渡り歩くなんてことが可能なのか、そのストレスは如何許りか、傾げた首が戻らない。少なくとも、うちの猫たちにその適性がないことは確かである。

     が、この本の中の猫たち(ブランケット・キャッツ)は賢い。「生きていればいろいろある」酒に酔った人がよく吐くセリフだけど、その「いろいろ」に含まれている全部をまるっと分かっているかのように、借主に寄り添う。

     当然ながら、3日間猫と暮らしてみたところで、悩みの解決にも哀しみの癒しにもならない。嫌な人が嫌じゃなくなるわけでも、子どもができるわけでも、仕事が見つかるわけでも、はたまた幸せになれるわけでもない。

     でも、

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    2016年05月14日
  • 半パン・デイズ

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    東京から、田舎に越してきた小学生が主人公のストーリー。いくつものテーマがあるが、一貫しているのは小学生の頃に起きたあの頃のアレコレ。何故か自分自身にも当てはまるであろうエピソードがいくつも盛り込まれているように感じるのが重松清の素晴らしいところかも。
    ・身体障害者の友達
    ・近づきにくいチンコばばあ
    ・父親たちの世界

    小学生→中学生になる瞬間、
    少しずつ見えてくるものが一気に増えてくる時期のあのころの感情が湧き上がる。やはりこの人の作品はとても好きです。

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    2016年03月06日
  • 季節風 冬

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    それぞれ色が違うけど、どれも深みがある作品ほっこりさせるのがうまい作家さんだなー。その年の初雪、じゅんちゃんの北斗七星、バレンタインデビューがすごく好き。北斗七星のは号泣!

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    2016年03月01日
  • 見張り塔から ずっと

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    短編3作。中でも「カラス」が好き。共感とは言い難いけど、どこか心に突き刺さるものがある。重松さんが持つ繊細さや感受性、またその表現力といい他の作家とは一味違う読者の心揺するツボがある。
    この作品は重松さんがまだ小説家として駆け出しの頃に書かれたもの。現在の活躍からも分かるように、非常に将来性を感じられる作品。

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    2016年02月29日
  • 送り火

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    架空の私鉄「富士見線」を舞台にした短編9編を収めた2003年発売に発売された文庫本です。

    あとがきに「それぞれ独立した話だが、書き手としてはひそかに縦糸を通しておいたつもりだ」と書かれていましたが、私鉄沿線という素材を使いながら「人の暮らし・幸せ」という共通テーマを持たせたオムニバスな作品だなと思います。

    自分自身の具体的な日常生活につながりながら、「家族とは」「親子とは」など振り返って考えせてくれるものでした。

    お勧めの一冊です。

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    2016年04月16日
  • アゲイン 28年目の甲子園

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    重松清さんは好きな作家ですが、ココ最近作品を読んでいて、以前のようなキレが無くなってきたように感じてましたが久々にヒットでした。読み進むにつれてティッシュが目の前につもっていきます。。そうそう、重松さんの作品はこういう感じなんです!!

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    2016年02月23日
  • カシオペアの丘で(上)

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    ネタバレ

    よかった。
    結構大容量の小説。
    登場人物はそんなに多い訳ではないし、そんなにすごく複雑な物語を書いているのでもないはずなのに、長い。
    でも、「長い」という感じはしません。
    なんていうか、すごく、丁寧で優しい感じがします。

    一部、ほんのすこし、やらせ感がない訳ではないけれど、でも、基本的に、すごく自然で、すごく優しくて、やわらかい。

    ガンでなくなっていく友人・家族の話を中心に描いた物語なんだけど、なんていうか、重松さんも、どなたか近しい人を、ガンの形で失ったこと、あるのかもしれないな。そんな風に思えるお話でした。
    静かにやさしくて、現実的なんだよね。

    上に書いた、「やらせ感」は(笑)。

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    2016年02月18日
  • カカシの夏休み

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    三作。
    カカシと呼ばれ生徒から舐められている先生と、問題児。問題児は実は家で虐待を受けていた。父親も悪気はなくどうしていいかわからない状態だった。ダムに沈んだ故郷を、友人の死をきっかけに再会した四人でみにいく話。
    元教え子である妻を亡くし、カツラをかぶっている教師の話。
    殺人者扱いされた姉と弟の話。
    面白かった。

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    2016年02月13日
  • 峠うどん物語 下

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    永遠の別れである『死』と向き合うことを考えさせられる静かで温かい物語。
    中学生の淑子の視点で語られるため、どちらかというと淡々と物語は進行していく。しかし、その一線が置かれていることが、送る人の悲しさと寂しさを重く読む側に伝えてくる。そして、祖父のつくるうどんの美味しそうなこと。寒さの厳しい今日この頃、あったかいうどんが恋しい。

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    2016年02月06日
  • 峠うどん物語 上

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    中学二年生の淑子が、祖父母が営むうどん店の手伝いを続けることで、学校では教えてくれない人生の大切なことを学んでいく連作長編小説。
    味に自信があるのに、店は斎場の真ん前という設定が面白い。頑固一徹の祖父のこだわりはうどんだけではなく、人として生きる道にも厳しく、明るくおしゃべりな祖母の一言にも優しさと厳しさが同居している。あったかいうどんが食べたくなる、そして命の大切さを改めて知る物語である。

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    2016年02月04日
  • エイジ

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    キレる14歳、が流行語のように使われていたのは
    どのくらい前のことだろう?

    フツーの中学生エイジのクラスメイトが
    通り魔事件の犯人だった…

    この事件を中心とした
    中学生の心模様を描く作品。

    傍観者を装う者、被害者に肩入れする者
    そして、加害者に感情移入する者
    誰もがどの立場にもなりうるから
    大人になろうとするこの子らが
    そうやっていろいろ考えることは
    非常に尊いことだ。

    加害者少年は特別な子では無く
    自分もそうなるのだろうか?と
    キレるということについて
    子どもなりに掘り下げるエイジや

    普段は不良ぶっておちゃらけてるのに
    お母さん思いで
    理不尽な痛みを受ける被害者に対して怒りを抑えら

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    2016年09月05日
  • なきむし姫

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    重松清のなきむし姫を読みました。

    ブンとチッキの母であるアヤは大人なのに大のなき虫です。
    ところが、アヤの夫、哲也は1年間の約束で大阪に単身赴任してしまうことになります。
    子供二人とアヤは生活していくことが出来るのでしょうか。

    そこにアヤと哲也の幼なじみ健が引っ越してきて、アヤの悩みの相談に乗ってくれるのですが...

    ワンパターンの物語でしたが、楽しく読みました。

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    2016年01月19日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

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    えーちゃんカッコいい。気が強い人じゃなく、頭がいい人じゃなく、こんな優しくて芯のある人になりたい。正論だけど優しくない。痛いとこつかれてる気分。

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    2016年01月02日
  • きみ去りしのち

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    幼い子を亡くした親と、これから親を亡くす子が交叉する物語でした。
    雲が空を流れるように、旅をし、流離い、日本各地の景色を目にします。さまざまな人と出会い、別れます。

    あとがきで重松さんは、「「忘れる」のでも「乗り越える」のでもない、喪失感との折り合いのつけ方を探ってみたかった」と述べています。

    本当に大きな喪失を前に、人は忘れることも乗り越えることもできず、ただ立ち尽くす・・・けど、生きなくてはいけない。その闇の深さに慄きます。
    喪失が大きい程、その人の時間というのは止まってしまうんですよね。だからこそ、旅が題材に選ばれてるのがすごく自然に感じました。
    なぜなら、人も水と同じで、止まってい

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    2015年12月04日
  • 季節風 春

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     出会い、別れ、故郷、旅立ち。色々な思いを抱えてうきうきしたり憂鬱になったりする季節である春を生きる様々な人間模様を繊細に書いていて、とても心を洗われたような気がした。「さくら地蔵」と「めぐりびな」は泣いた。

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    2015年11月29日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

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    亡き妻の故郷に引っ越した三人の家族。田島(私)、美嘉、亮太。妻の圭子と生前に関わって来た人達との出会い、妻の思い出に降れて成長していく。

    私も登場人物たちと同世代(40)ということもあり、共感できる部分がたくさんありました。ある程度、大人になってまわりが結婚すると、なかなか、つるむ相手が出来ない。自分が独身だったりすると、独身同士でつるんだり。

    都合の悪いことを他人に押し付けようとする宮島パパの態度は、誉められたものではないけど、大人になるって建前や見栄、虚栄心と如何に向き合うかと言うことなのだろうな。

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    2015年11月27日
  • 空より高く

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    高校生のうちに読んでおくべき本。卒業を控えた高校生達の日常を描いた物語。

    よくありそうな青春モノ。学校の図書室のおすすめ文庫にありそうな本だなあ〜と少し思ったりもしましたが読んでみると一人一人の高校生活や進路、家族、恋愛に対する想いは主人公達と同じ18歳の私にとってほとんどの面で共感しました。
    どんな事にでもひたむきに頑張る高校生活、素敵だと思いました。
    そして意外にも話の中で重要人物として出てくるジン先生は単純な熱血教師役ではなく人としての弱い面も読み取れて面白かったです。

    高校卒業までの日々を全うするヒントを掴めた気がしました。読んでよかったです。
    大人になってから読んだらここまで感心

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    2015年11月24日
  • 峠うどん物語 下

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    峠のてっぺんにぽつんと立っているうどん屋の『長寿庵』
    目の前に市営斎場が出来た為に屋号を『峠うどん』に変え、斎場に来た悲しみに戸惑う人々を迎え入れる。

    重松先生の描く中学生というのは、どうしてこうもリアルなのだろう。
    うどん屋の孫娘のよっちゃんは、読んでいて幼さが時折腹立たしいところもあったけれど、それは自分が大人として読んでいるからであって、自分がよっちゃんと同じ中学生の頃だったら、同じように「分かった風」を装っただろうし、分からない事だらけだったと思う。

    特に人の生き死にやお別れというのは、大人になった今でも、何が正解なのかわからないし、軽々しくわかったとも言えない。
    人それぞれ色々な

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    2015年11月12日