重松清のレビュー一覧
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「見張り塔からずっと」
家族の終焉。
重松清さんと言えば、心情を描くのが抜群に上手い。だから心があったまるものは、普通の小説よりももっとあったまる。が、決して暖かいものだけではない物語になると、より辛い気持ちになったり、悲しくなったりしてしまう。本作は、間違いなく後者に該当する中編集です。収録されているのは、以下です。
1.カラス
発展の夢を断たれた住宅地ツインヒルズ・ニュータウンの住人たちの鬱屈と歪んだ「復讐」を描く中編。
土価が天井知らずの高騰を見せるバブルに購入したマンションがあっという間に価値が下がり、売ったとしても赤字確実。住人たちは、何故このマンションを買ってしまったの -
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本篇の登場人物である作者を通して、この世の苦しみから逃れるために、物語の中に登場し、話が進められてゆく。
現実なのか、物語の世界なのか。
現実であるなら、あまりにも悲しく、物語の世界なら物語の世界だけにしてほしい。
再度に、自らの命を絶とうとする少女がおもう「一番」を踏み二次られたことの絶望に対して、同行していた少年の父親は
「君に思う一番である『夢』、『希望』、『正義』、『優しさ』、『思いやり』は一番ではない。本当の一番は『生き続ける事』。
明日を考えると怖くなる。しかし明後日はどうだ、一年後はどうだ。生きているということは何かを信じる事なんだ」という。
大切に思うことを踏みにじられ、い -
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質的には高い作品です。物語の中にどんどん引き込まれていきます。しかし、怖いですね。
「カラス」はニュータウンのマンションで起こる現代版村八分、大人のいじめを加害者の立場から描いた作品です。陰湿な喜びを感じながら、一方でいつか自分が被害者になることを恐れる、そういった加害者心理を上手く描き出しています。
「扉を開けて」は5年前に赤ん坊を亡くした夫婦と生きていればその位になっただろう子供の係わりを描いた作品です。子供の幻影を見る奥さんの侘ない精神状態と、それを援け、繋ぎとめようとする夫。精神の危うさが上手く描き出されます。
「陽だまりの猫」はマザコンの夫と19で結婚した「何も出来ない」妻と姑 -
Posted by ブクログ
最近、私が買った本を娘が先に読むことがチョクチョクあります。
この本もそう。受験勉強から逃避したい娘が半日で読みきってしまいました。
読後の彼女の感想は「さわやかな青春小説、違った。。。みどりの日だった。」とのこと。確かにね。
舞台は多分、広島県福山市。時代は大阪万博の頃。
私にとって、近い場所、近い時代の小説です。今はあまり聞かなくなった方言(広島弁)も随所に出てきます。
主人公のヒロシやライバルでガキ大将のヨッさん。運送屋の社長のおじさんと娘の優子ちゃん、社員のシュンペイ。みんなが色んな悩みを持ちながら生き生きと描かれています。
なんだかとても懐かしい。そして爽やか。そんな読後
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