重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キレる14歳、が流行語のように使われていたのは
どのくらい前のことだろう?
フツーの中学生エイジのクラスメイトが
通り魔事件の犯人だった…
この事件を中心とした
中学生の心模様を描く作品。
傍観者を装う者、被害者に肩入れする者
そして、加害者に感情移入する者
誰もがどの立場にもなりうるから
大人になろうとするこの子らが
そうやっていろいろ考えることは
非常に尊いことだ。
加害者少年は特別な子では無く
自分もそうなるのだろうか?と
キレるということについて
子どもなりに掘り下げるエイジや
普段は不良ぶっておちゃらけてるのに
お母さん思いで
理不尽な痛みを受ける被害者に対して怒りを抑えら -
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幼い子を亡くした親と、これから親を亡くす子が交叉する物語でした。
雲が空を流れるように、旅をし、流離い、日本各地の景色を目にします。さまざまな人と出会い、別れます。
あとがきで重松さんは、「「忘れる」のでも「乗り越える」のでもない、喪失感との折り合いのつけ方を探ってみたかった」と述べています。
本当に大きな喪失を前に、人は忘れることも乗り越えることもできず、ただ立ち尽くす・・・けど、生きなくてはいけない。その闇の深さに慄きます。
喪失が大きい程、その人の時間というのは止まってしまうんですよね。だからこそ、旅が題材に選ばれてるのがすごく自然に感じました。
なぜなら、人も水と同じで、止まってい -
Posted by ブクログ
高校生のうちに読んでおくべき本。卒業を控えた高校生達の日常を描いた物語。
よくありそうな青春モノ。学校の図書室のおすすめ文庫にありそうな本だなあ〜と少し思ったりもしましたが読んでみると一人一人の高校生活や進路、家族、恋愛に対する想いは主人公達と同じ18歳の私にとってほとんどの面で共感しました。
どんな事にでもひたむきに頑張る高校生活、素敵だと思いました。
そして意外にも話の中で重要人物として出てくるジン先生は単純な熱血教師役ではなく人としての弱い面も読み取れて面白かったです。
高校卒業までの日々を全うするヒントを掴めた気がしました。読んでよかったです。
大人になってから読んだらここまで感心 -
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峠のてっぺんにぽつんと立っているうどん屋の『長寿庵』
目の前に市営斎場が出来た為に屋号を『峠うどん』に変え、斎場に来た悲しみに戸惑う人々を迎え入れる。
重松先生の描く中学生というのは、どうしてこうもリアルなのだろう。
うどん屋の孫娘のよっちゃんは、読んでいて幼さが時折腹立たしいところもあったけれど、それは自分が大人として読んでいるからであって、自分がよっちゃんと同じ中学生の頃だったら、同じように「分かった風」を装っただろうし、分からない事だらけだったと思う。
特に人の生き死にやお別れというのは、大人になった今でも、何が正解なのかわからないし、軽々しくわかったとも言えない。
人それぞれ色々な -
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小説に仕立てた東日本大震災被災者へのインタビュー集
九つの章に仕立てられ、それぞれの章が報道、希望、転機、…とテーマを当てていくつかのインタビューでまとめられている。
wikipediaによると、本書に登場する田村章は著者重松清氏のフリーライターとしてのペンネームらしい。
其々のインタビューは短く、重松清氏の思いが田村章の言葉として綴られている。
数冊の重松氏の作品をこれまでに読んでいるが、本書はそれらの作品に比べ1章1章、1インタビューが重く、他の小説のようにスピーディーに読むことができなかった。
実際に重松氏が被災地の取材旅行に不登校の中学生を帯同したのかは定かではないが、きっと、重松 -
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若い世代が少なくなったニュータウン。その中にある東玉川高校も残り1年で閉校が決まっており、3年生しかいない。そこに転任してきた熱血教師はレッツ・ビギンの声を上げるが。。。
一番の主人公はネタロー。そこにドカ、ヒコザに紅一点のムクちゃんが絡みます。こうした場合、大抵は肉体派、知性派、癒し系の組み合わせになるのですが、この作品でも肉体派のドカと知性派のヒコザはドンピシャ。ただ癒し系はムクちゃん(とても好いキャラです)になって、主人公のネタローのキャラの収まりが一寸悪いような気もします。
いかにも重松さんらしいとても好い話です。
でも、らしすぎる。
一時は官能小説などにも手を染め、違う世界を探し -
Posted by ブクログ
市営斎場の前に立つ祖父母が経営するうどん店『峠うどん』の手伝いを続ける中学二年生の淑子。
お葬式の後、様々な気持ちを抱えて峠うどんにやって来る人々。それらの人々から伝わるあたたかくてたいせつなこと。
個人的には第5章の『メメモン』のお話が一番好き。ひいおばあちゃんとの思い出を思い出したミヤちゃんの姿、電車の中でこの本を読んでいたんだけど、涙が止まらなくなってしまった。
十年後、二十年後、今と変わらないいつもがあるわけじゃない。今いる家族がいないかもしれない。そんなこと考えたくないけどそれが現実で、それが生きるということで、言葉では伝えられないけど、たいせつな想いを伝えてくれた物語だった。