重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学校の先生が主役や大事なわき役となって登場する
六篇の物語集。短編集です。
重松さんの書く話は、
年を取って読むたびに沁みる度合いが深まるように感じます。
人生経験の多寡によって、印象が変わるような小説なのかもしれない。
今作も、ぐんと沁みて、目に涙が滲んで、
その熱さを感じるような作品が多かったです。
また、読みながら、自分と教師という関係について、
振り返りさせられるようなところもあるんです。
僕はそういえば中学校は野球部で補欠だったけれど、
ぞんざいな扱いだったなぁとか思いだすわけです。
それで、その顧問の教師と20年以上たって、
道端で出くわしたことがあるのですが、
きっとあの先生 -
Posted by ブクログ
徹底した綿密な取材と、被災者に真摯にそして謙虚に寄り添う著者の姿勢が溢れた、震災関連小説の白眉といえる。
題名にも記された希望という言葉が随所に。
「生き残ったことには、やっぱりなにかあるんだなと思うんです。だから、とにかく生きよう、生きてゆこう、というのが『希望』なのかもしれません」
「がんばれる人だけが、がんばってください。無理のできない人は無理する必要はありません」
「夢は無意識のうちに持つものだけど、希望は、厳しい状況の中で、苦しみながらも持つものなんですよ」
「『人事を尽くして天命を待つ』―その原動力を、ぼくは希望と呼びたいのだ」
「希望というのは、未来があるから使える言葉なんだよ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ旅行の間に読もうと思って本屋をうろうろしてたら、ふと目に入った本。帯に映画の告知が入ってて、キャストが面白そうだったのもあって購入。
もう、旅行のバスの中でいっきに読んで、おいおい泣いた(T_T)あやしかったやろなー。。
現実的ではない設定やし、離婚した夫婦・親に離婚された子どもがそこまでつながるか?というのは妙な気がするが、やっぱり「甲子園」「高校野球」と聞くと浮かぶ「一生懸命」「ひたむき」というフレーズがこのストーリーにも当てはまる。
自分が好きで一生懸命打ち込んだことや、高校時代のチームメイトとの思い出は、やっぱりいくつになっても素晴らしい記憶なんだと思う。
結局、坂町とさなみはどうな -
Posted by ブクログ
女子中学生が主人公。いろいろ人生に大切な事が書かれていて、さすが重松さん!是非子供にも読んでもらいたいと思うが、大人目線からの感想だろうか、中学生くらいの人はどう思うか興味深い。
催事場前の「峠うどん」をやっている祖父母のお店を手伝う中学生が主人公。死の話を暗くなりすぎず、女学生の目から立ち合い、話が進む。
じいさんのいぶし銀さは、そもそもいぶし銀じいさんがいなくなった今良さがわかるのかと心配になるが、私世代としては「人に大切な何か」が沢山つまった物語。
言葉に出さない言葉。裏の意味を読み取って気遣う心も良いな。人が人を思う心を感じる。
この著者の作品の中では一番好きかも。 -
Posted by ブクログ
市営斎場の前に建つ峠うどん。(斎場が後から出来た)
不愛想で不器用な職人気質の祖父と口が達者で愛想の良い祖母。仲の良い夫婦が営むうどん一本の店。両親から文句を言われながらも店の手伝いに勤しむ中学生の孫の淑子。
店に現れるのは通夜や葬儀帰りの人々。終わればさっさと帰るほどの「義理」でもなく、かと言って泣き腫らすほど親くもない人達。「ちょっとしか知らない人が亡くなったときは、うまく泣けないから陽気に騒ぐしかない」そんな人々を丹念に描いた重松さんらしい暖かな連作短編。
死という題材。重松さんならそれを正面から重く描くこともできたはずですが、この作品では当事者では無い中学生の娘の目を通すことによりサラ
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