重松清のレビュー一覧
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およそ20年前に書かれた本なので60歳定年のことや、家族の通信手段が家電であることなど、時代の流れを感じる内容が散見されるものの、サラリーマンが定年後の生活をどう過ごすかといった問題は未だに尽きないテーマです。
ここに登場する人物たちは 、高度成長時代に東京の郊外に造成されたニュータウンに、移り住んだ人々のその後の物語でもあります。定年後の夫、父親の典型的な悩みである家庭内の居場所を模索する過程も面白かったのですが、ニュータウンという街の在り方も一方では取り上げていて、自分たちの育った頃を思い出して感慨深いところでした。ニュータウンと言われた街がオールドタウン化していく様は、拡大から縮小してい -
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Posted by ブクログ
シュンのガンが段々と体を蝕んでいく。
幼馴染み4人、そして4人に引き寄せられた、『ゆるされたい人』『ゆるしたい人』たち…
息子の哲生に自分がガンであることを打ち明ける場面
シュンの誕生日プレゼントを皆が渡す場面では、涙がじわっと出てきた。
『ひるまは星はみえない
でもあさもひるも雨の日もそこに星はある
おとうさんも、会えないけどいるから。
あかあさんとてつおのことをずっとみているから』
上巻は序章だったのだと思わされるほど濃い一冊だった。
幼馴染み、心の奥でずっと生き続けている思い出。
大人になると一番遠い関係になる、そのリアルな関係の描かれ方が心にぐさっと来た。
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Posted by ブクログ
16年前に書かれた本の単行本化。
なぜここまで寝かしていたのか、
時代の流れと共に話も賞味が過ぎてしまうかのよう。
ただ、そこは重松清。普遍的なテーマも勿論織り込まれている。
イノベーションルームという左遷部屋に追い出された主人公。
そこにいたのはかつてのエースと言われた同期、
自ら志願してそこにやってきた若手社員。
そして感情の全てを捨てたかのような上司。
一筋縄ではいかない人間が押し込まれた部屋で、
突如として送られてきた謎のメール。
登場人物たちをオズの魔法使いに例えるその内容。
触りからはワクワクさせる展開でしかないのだが、
もう一捻り欲しかったというのが正直な感想か。
それでも、 -
Posted by ブクログ
重松清『希望の地図2018』幻冬舎文庫。
平成は自然災害の時代だった。1991年に雲仙・普賢岳で発生した火砕流による大被害、1993年の北海道南西沖地震で奥尻島を襲った大津波、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2014年の御嶽山噴火、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨被害。全国の被災地を巡り、被災地の素顔を伝えるルポルタージュ。
少しずつ復興を遂げる被災地であるが、まだまだ道半ばであり、福島第一原発事故の被災地に至っては故郷を諦めて捨てざるを得ない。そんな中で、東京オリンピックなどと浮かれる政府の考えが全く解らない。何が『お・も・ -
購入済み
シビアで暗いが引き込まれる・・
暗く重くて深く。真面目に会社勤めをして、妻と他愛ない会話を交わし、汗だくで帰宅した息子と風呂に入る。平凡な日常だが愛しい日々。40歳前にガンを発病し、余命幾ばくかを告げられた俊介の残された人生。遺される家族のこれから。忘却の果てに残していた『カシオペアの丘』の想い。振り切った過去が人生の終末で優しく甦る。残りわずかな未来だからこそ、さまざまな感情が愛まみえる。さすが重松ワールド。素晴らしい。
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