重松清のレビュー一覧
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ネタバレ新宿から郊外へと伸びる架空の私鉄「富士見線」を共通の舞台に、様々なストーリーを繋ぎ合わせた短編集。
ニュータウンに住んでいた重松清ならではの都会と廃れつつある郊外の対比が王道ではあるものの、「流星ワゴン」に似たファンタジー感がどのエピソードの根底にもある。
ただどちらかというと死者の霊や呪いなどゾッとするストーリーが多く、ハートフルなストーリーが多い重松清作品の中では意外な1冊だった。
個人的にはタイトルにもなっている「送り火」が胸を締め付けられて、悲しくも温かいお話でお気に入りでした。反対に、小さい子供ができた今、「漂流記」はファンタジーではない怖さを感じたのでしばらくは読まないと思う、、汗 -
Posted by ブクログ
この本はのめり込むように読めてしまった。話の展開のスピード、わかりやすい特徴的な登場人物、印象的な特徴的なフレーズ。この3点からとてもスピーディーに読めてしまった。
話の展開については、起承転結がきちんとなされていてとてもわかりやすいものになっていた。疲れている時にでもスラスラ読めてしまう優しさがあった。
登場人物については、オズの魔法使いのキャラクターとの対比がなされており、キャラの特徴付けがきちんとなされているおかげで濃いキャラクターのイメージが出来上がった。
特徴的なフレーズについては、ニワトリは一度だけ飛べるというタイトルにもなっているフレーズがところどころ散りばめられており、印象を残してくれるものになっていた。
以上から、疲れていても面白さを味わえる小説でとても楽しめた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災直後に実際の取材を基に作られたドキュメンタリー小説の続編‥
かと思いきや、こちらは小説の体裁ではなく作者自身が実際に各地を取材した内容を纏めたもの。
前作を読んでいたのでてっきり主人公達が成長した体で、実際の被災地の現状を書くのかと思っていたのでちょっぴり残念。
前作からの間に大阪や岡山といった台風被害の街や熊本地震など「被災地」と呼ばれる場所は増えており、その地も取材対象になっている。もちろん過去の阪神淡路大震災の傷跡も‥
「被災」はまだ終わっていないことや「被災地」と聞いて東北以外にもあることへ頭が行くか?ということ、メディアが映し出す「悲惨な」被害以外の「小さな」被害を想像できるか?など、ハッとさせられることも多かった。
良く言えば全体的に重松清らしい文章なのだが、悪く言えば重松清らしい文章過ぎて、被災という現実が少し(文学的な)虚構の世界にあるような感覚があった。 -
Posted by ブクログ
シュンのガンが段々と体を蝕んでいく。
幼馴染み4人、そして4人に引き寄せられた、『ゆるされたい人』『ゆるしたい人』たち…
息子の哲生に自分がガンであることを打ち明ける場面
シュンの誕生日プレゼントを皆が渡す場面では、涙がじわっと出てきた。
『ひるまは星はみえない
でもあさもひるも雨の日もそこに星はある
おとうさんも、会えないけどいるから。
あかあさんとてつおのことをずっとみているから』
上巻は序章だったのだと思わされるほど濃い一冊だった。
幼馴染み、心の奥でずっと生き続けている思い出。
大人になると一番遠い関係になる、そのリアルな関係の描かれ方が心にぐさっと来た。
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Posted by ブクログ
16年前に書かれた本の単行本化。
なぜここまで寝かしていたのか、
時代の流れと共に話も賞味が過ぎてしまうかのよう。
ただ、そこは重松清。普遍的なテーマも勿論織り込まれている。
イノベーションルームという左遷部屋に追い出された主人公。
そこにいたのはかつてのエースと言われた同期、
自ら志願してそこにやってきた若手社員。
そして感情の全てを捨てたかのような上司。
一筋縄ではいかない人間が押し込まれた部屋で、
突如として送られてきた謎のメール。
登場人物たちをオズの魔法使いに例えるその内容。
触りからはワクワクさせる展開でしかないのだが、
もう一捻り欲しかったというのが正直な感想か。
それでも、十二分に楽しめた。
ワガママはこの辺にしておきましょう。
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