重松清のレビュー一覧

  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    嘘ばかりつく両親のいないオサム、幼くして兄を亡くしたノブ、親の再婚で新しく兄弟の出来るハム子。家族の形はそれぞれで、ひとりっ子の事情もそれぞれ。
    オサムが団地にやってきたことをきっかけに三人のひとりっ子同盟が展開していく。
    やっぱり重松さんには泣かされる。

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    2019年12月03日
  • カシオペアの丘で(下)

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    シュンのガンが段々と体を蝕んでいく。

    幼馴染み4人、そして4人に引き寄せられた、『ゆるされたい人』『ゆるしたい人』たち…


    息子の哲生に自分がガンであることを打ち明ける場面

    シュンの誕生日プレゼントを皆が渡す場面では、涙がじわっと出てきた。

    『ひるまは星はみえない
    でもあさもひるも雨の日もそこに星はある
    おとうさんも、会えないけどいるから。
    あかあさんとてつおのことをずっとみているから』



    上巻は序章だったのだと思わされるほど濃い一冊だった。

    幼馴染み、心の奥でずっと生き続けている思い出。
    大人になると一番遠い関係になる、そのリアルな関係の描かれ方が心にぐさっと来た。



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    2019年11月24日
  • なきむし姫

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    子育て中の今、読んで良かったと思った本でした。ケンの「子供に1人目も2人目もない」という言葉が心に響きました。子供達を大切に育てていこうと改めて思わせてくれた一冊でした。

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    2019年11月23日
  • 定年ゴジラ

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    あらすじ
    開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージーは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を捜す四人組の日々の哀歓を温かく描く連作。

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    2019年11月05日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    16年前に書かれた本の単行本化。
    なぜここまで寝かしていたのか、
    時代の流れと共に話も賞味が過ぎてしまうかのよう。
    ただ、そこは重松清。普遍的なテーマも勿論織り込まれている。

    イノベーションルームという左遷部屋に追い出された主人公。
    そこにいたのはかつてのエースと言われた同期、
    自ら志願してそこにやってきた若手社員。
    そして感情の全てを捨てたかのような上司。
    一筋縄ではいかない人間が押し込まれた部屋で、
    突如として送られてきた謎のメール。
    登場人物たちをオズの魔法使いに例えるその内容。

    触りからはワクワクさせる展開でしかないのだが、
    もう一捻り欲しかったというのが正直な感想か。
    それでも、

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    2019年10月30日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

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    登録を忘れていた本

    東北旅行のお供に持っていったのに
    福島、仙台を実際に歩いたら読み進められなくて
    数ヶ月後に読み終えた

    そのくらいに震災のツメ跡をところどころに感じてしまって‥ 帰ってからも、その光景を思い出したり
    当時の映像を思い出しちゃったりで
    ストーリーも泣きポイント多くて泣けちゃう一冊でした

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    2019年09月28日
  • 定年ゴジラ

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    歳をとったら、田舎や郊外のニュータウンではなく、

    人が集まる都会に住みましょう。

    二世帯住宅は、やめときましょう。

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    2019年09月10日
  • ファミレス 上

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    ネタバレ

    映画「恋妻家宮本」の原作。
    でも、途中まで気づかなかった!

    映画は宮本が中心だけど、原作はあと2人の男性がいる。
    熟年離婚!?下巻が気になる。
    重松清は正統派、真面目なイメージだったけど、これは結構砕けてる感じ。国語教師の宮本が出てくることもあって、言葉遊びが多くて面白い。
    重松清のイメージが変わった。

    出てくる料理の美味しそうなこと!

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    2019年09月02日
  • 希望の地図2018

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    重松清『希望の地図2018』幻冬舎文庫。

    平成は自然災害の時代だった。1991年に雲仙・普賢岳で発生した火砕流による大被害、1993年の北海道南西沖地震で奥尻島を襲った大津波、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、2014年の御嶽山噴火、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨被害。全国の被災地を巡り、被災地の素顔を伝えるルポルタージュ。

    少しずつ復興を遂げる被災地であるが、まだまだ道半ばであり、福島第一原発事故の被災地に至っては故郷を諦めて捨てざるを得ない。そんな中で、東京オリンピックなどと浮かれる政府の考えが全く解らない。何が『お・も・

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    2019年08月14日
  • カシオペアの丘で(上)

    購入済み

    シビアで暗いが引き込まれる・・

    暗く重くて深く。真面目に会社勤めをして、妻と他愛ない会話を交わし、汗だくで帰宅した息子と風呂に入る。平凡な日常だが愛しい日々。40歳前にガンを発病し、余命幾ばくかを告げられた俊介の残された人生。遺される家族のこれから。忘却の果てに残していた『カシオペアの丘』の想い。振り切った過去が人生の終末で優しく甦る。残りわずかな未来だからこそ、さまざまな感情が愛まみえる。さすが重松ワールド。素晴らしい。

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    2019年07月21日
  • なきむし姫

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    誰も悪者はいない。教育ママも破茶滅茶で扱いにくいが悪い人ではない。個性豊かな登場人物と主人公だけでなく読者を泣かせる技倆を著者は持っている。2019.7.10

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    2019年07月10日
  • たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)

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    出来はさほど良いとは思わないのですが。。。
    一徹な老人、真っ直ぐで賢くて活発な少女、いじめられる少年、いじめる少年、高慢ちきだがどこか寂しげな少女、ちょっと頼りないお父さん、明るくパワフルなおばさん。老朽化が進み、高度成長期に溢れてた明るい未来など影もなくなったノスタルジックな団地。重松さんがお得意のパターンがずらりと並びます。ですから途中までは初読にもかかわらず既視感など感じながら読んでました。
    最後でぶっ飛びましたね〜。満艦飾のフェスティバルみたいなハッピーエンド
    最初から『流星ワゴン』的なファンタジー要素はあったのですが、それにしても少々矛盾があろうが無理筋だろうがとにかく突っ走る。重松

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    2019年05月20日
  • きみ去りしのち

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    1回目の誕生日を迎えたばかりの息子を亡くした父親と、母親を亡くそうとしている娘の旅。
    話はシリアスで重いものだった。
    でも最後に希望の光を見いだすことができた。

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    2019年05月19日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

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    ネタバレ

    絶望はするな。希望の器がまだ割れずにいるのはら、大丈夫。失望をバネに、また希望のストックを増やしていけばいい
    風景が変わる悲しさもあれば、風景が変わらない悲しさだってあるんだ
    住宅の7割が全壊してしまった街の現状を自分の目で見たことで、街の人々の悲しみや苦しみを噛み締めながらボランティアに取り組めた。報道を通じて知っていると言うレベルをこの目で見たに変えることで、地元の人々との距離が縮まったのだ

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    2019年05月18日
  • ファミレス 上

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    大人が料理を介して人と関わっていく。
    離婚の危機かもしれない展開、押しかけてきた妊婦とその母、母親が不倫で事故に遭い残された生徒。
    彼らが料理を通じてどうなっていくのか。
    下巻の展開に期待。

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    2019年05月09日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    子供は大人が思っているよりずっと大人で、大人は子供が思っているほどぜんぜん大人じゃない。
    世の中どうにもならないことは確かにあるんだけど、小学生にその諦観があるのがなんとも悲しく、寂しい。
    一人っ子にしかわからない寂しさと、孤独感、だからこそ感じる結束感がじんわりぐさっとくるお話。
    押し付けがましくない、でも明白なメッセージが伝わってくる、そんな一冊。

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    2019年05月01日
  • ファミレス 下

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    最後は話が気になり止まらなかった。
    『家族』の在り方とは、一家団欒とは。
    ご飯は何の為に食べるのか

    1番大事なのは知識による正論ではなく、優しさ。
    甘やかす優しさではない。
    正論と正論はお互い正しくてもぶつかってしまう
    でも、優しさと優しさは重なり合うと一つの大きな優しさになる。

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    2019年04月29日
  • 定年ゴジラ

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    重松さんの小説の中の住人は皆生きている。

    幸せとは胸を張って語るのではなく苦笑いとともに唇からこぼれ落ちるものなのだと、なぜかいま、知った。

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    2019年06月14日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    人間はだれだって
    生まれたばかりの頃は
    ものすごく大きな勇気を
    もっている。
    信じなきゃ始まらない。

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    2019年04月20日
  • 定年ゴジラ

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    定年後のおじさんの、定年仲間、奥さんや子供、とのたわいもない日常、時にはちょっとした事件、を描いた作品。
    人の心の機微や弱さを丁寧に表現しているので、共感しきり、また、将来への教訓と受け止めることしきり、だった。

    率直に言えば、盛り上がりのない話だったので、読む速度は上がらず、ちょっと読み進めるのは大変だった。
    が、終わってみればオチらしいオチはなかったのだか、人生について何か深い問いをもらったような、フランス映画のような不思議な味わい深さを感じた作品だった。

    仕事に熱中している若者というより、仕事の意味、生きがい、家族について考え始めたような、そんなおっさんが読むといいと思う。まさに私、

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    2019年04月14日