重松清のレビュー一覧
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重松清のようにニュートラルにものごとを見れるようになりたいな。このエッセイのおかげでいままで読んだ重松清の物語が愛おしくなった。
・大きな言葉/小さな現実
「指導」や「教育」ってたしかに大違いだ。かつての上司から言われた「知らない言葉は辞書で確かめろ」のアドバイスに辞書を手元におくようになったオイラはとても共感。
・不幸せとの付き合い方」
結婚して間もないころ、嫁に「『サザエさん』んちみたいな家族っていいよね 」と言ったら「幻想に決まってるじゃん」と返された。たしかに我が家は嫁の言うとおりになったけど、彼女の教えのおかげでいまに幻滅したり絶望したりしないで小さな喜びを見つけられるようになった。
・「嫌い」と「苦手」について
「嫌い」は一方的な拒絶、だな、たしかに。「苦手」は自ら努力する余地があるもんな。それにしても重松家の四歳の次女はスゴい。
・観てから文句言いなよ
誰かが判断したことに対してその根拠も確かめない、ってことが多い気がする。コメンテーターの言葉を自分の言葉のように話す人とか。
・僕は昔「ポン」と呼ばれていた
「どげん苦労してでもええけん、キヨシに仕送りをしてやりたかった」を自分に重ねて泣きそうになった。オイラの親父もそうだったのかもしれない。でもそういう話ってお互いに避けちゃうからわからないままだ。そんな話がいつかできるといいな。 -
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季節の話が書かれている本なのかな〜これはまとめて春夏秋冬と読んでいきたいなと思っている。
めぐり雛、の話は私も子供を産んで雛人形を買いに行った4年前を思い出した。父母が健在なので子供も連れて楽しく探した記憶があるんだけど、お雛様ってその家族ごとにいろいろな思い出をたくさん持っていくものなんだなぁ、と思った。我が家にはパパはいるにはいるけどなかなかそういうことにパパの思い出がない家かも。
最後の「つばめ記念日」の話もお母さんがワーキングママだと共感できるのかなと思った。子供がいながら保育園から30分電車で揺られるってちょっと壮絶すぎて気が狂いそう(笑)私なら無理です。
島小僧、の島の男の人たちの上下関係も私にはあまり馴染みがなくて面白かったな。
世の中には小説がたくさんあってずっと聴いてても飽きないな。 -
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夫が仕事で運転中に交通事故で即死、助手席の上司も即死。『かあちゃん』は責任を感じて、上司のために償う日々を、笑わない生活を始める。何十年も。
そこまで背負う必要あるんだろうかとも思ったけど、30年後に被害者の孫がその様子を見て『忘れないことが大事』と気付く。自分がいじめてしまった友人に会いに行く決断をする。
お話は、その孫の中学生活で関わる『母親』たちが描かれている。
育休明け中学教師が、家事育児仕事に翻弄される様子がリアル。子供ってすぐ熱出すし、夫は『迎えに行けない』と平気で言うし。お母ちゃんは大変な職業だなーと改めて思う。
最後がキレイにまとまってるけど、なんかキレイ過ぎて興醒めして星4つ。 -
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購入後に奥付を見ると21年前だった。当時の定年は60才。まだまだカラダが充分元気な頃と思う。
孫にブラブラしていると言われるとショックを受けると思う。作者もまだ若く、自分の父親世代を書いたとのこと。戸建のニュータウンは建て替え等あり、まだマシかも知れない。古い団地などは老年の家庭が増え、建て替え出来ずにゴーストタウン化しているとも聞く。内容的には、良くあるホームドラマに近い。
都会の割に緑があり、数年前に男性長寿日本一になったところに住んでいて、私も主人公達と近い世代だが、どこの集まりに行っても60代の男性に会わない。定年すぐ後、皆んなは何処で何をしているのだろう? -
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久々の重松作品。
相変わらず涙腺を崩壊させられました。
許す、許されるという大きい核を中心に家族愛や友情を描いており、登場人物が同年代であることから自分に置き換えて読んでしまいました。
シュンが病にかかることから、止まっていた時間が大きく動き出す。普段何気に生活しているが、こういう大きなキッカケがないと人間なかなか動き出すことは出来ないのかもしれない。
4人それぞれが主人公で、各々が一人称で語られることでそれぞれの本音や気持ちが読み取れるようになっている。個人的にはユウちゃんに肩入れしたくなりました。
あと子供はいかん。もう涙腺が。。。
親目線になると、弱くなります。 -
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ビタミンFもそうだけれど、登場人物たちの年齢に近づいて初めて、この小説の良さがわかってくる気がする。
大人になって、まるでおとぎ話のような純度100%の疑いようのないハッピーエンドの話よりも、一筋の光の中にもほろ苦さがあるような話の方を好むようになった。
例えばそれは、昔は苦手だったふきのとうを、大人になっておいしいと感じてむしろ好んで食べるようになったのに似ていると思う。まだそれでもビールの苦さは私にはわからない。もしかしたらそれももっと歳を重ねればその良さがいつかわかってきて、かえって好んで飲むようになるのかもしれない。
この話も、みんなが予想できるような完全無欠のハッピーエンドではなくて、先をうっすらと照らす光は見えているけれど、ほろ苦さも同居しているような話だった。
残念ながら今の私では、まだこのほろ苦さの良さを深くまで味わうことは出来なかった。もちろんそれは文章が悪いというわけではなく、苦さを理解できるほどに成熟しきっていないからだと感じた。
この話の登場人物たちと同じくらいに年齢を重ねた時この本を読み返せば、もしかしたら見える世界は変わってきているのかもしれないと思う。そしてその時には、ビールの良さもわかるようになっているのかもしれないとも思う。 -
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1.著者;重松氏は、出版社勤務を経て、フリーライターとして活躍。ドラマ・映画・雑誌等で手広く活動した後、執筆活動に入りました。「ビフォア・ラン」でデビュー。「ビタミンF」で直木賞・「エイジ」で山本周五郎賞・「十字架」で吉川英治文学賞等を受賞、他にも著書多数。矢沢永吉(歌手)、広島カープのファン。
2.本書;郊外のニュータウンで定年を迎えた山崎さん(主人公)が朝の散歩を通じて、知り合った地域の定年仲間4人と共に自分の居場所を探す日々の哀歓を綴った小説。七章構成(第一章;定年ゴジラ~第七章;家族写真)。仲間達(元広告営業マンで世話好きな町内会長の古葉さん、元転勤族で今は物産巡りを趣味とする野村さん等)と交流する中で、それぞれの人生がリアルに語られています。人間描写の機微に好感。定年ゴジラは、用済みのニュータウン模型を踏み潰していく様子が由来。
3.私の個別感想(心に残った記述を3点に絞り込み、感想と共に記述);
(1)『第二章;ふうまん』より、「本人達にはそんなつもりはないのかもしれないが、山崎さんにはきっと野村さんにも、わかる。現場の第一線で働く若手の冷ややかな視線にさらされてきた。考え方が古いんですよ、時代が違うんですよ、もうあんた達の仕事は通用しないんです・・まなざしに乗って、声のない言葉がいつも聞こえていた」
●感想(1)⇒私も若い頃には、先輩に仕事のやり方を否定されると、「考え方が古いんですよ、時代が違うんですよ、もうあんた達の仕事は通用しない」と、心の中で反芻したものです。所で、良い仕事をするには、ハード面とソフト面の技術が必要と考えます。ハード面は道具、ソフト面はやり方です。パソコン等の道具は訓練である程度修得できます。しかし、仕事の進め方等の道理は書物だけでは難しいと思います。やり方・考え方は、先輩が実務を通じて身に付けたノウハウを伝授して貰うのが一番です。私も、“現地現物第一”、“気を見て森を見ず”・・などを体験事例を交え、仕事のコツを沢山教えて貰いました。若い時には感情に走る時もあるでしょうが、「人皆師匠(学ぶ)」の気持ちが大切です。
(2)『第五章;憂々自適』より、「定年退職後、暇を持て余し人恋しさを募らせて、妻の出かける先々へ用もないのについていく、車のボンネットに貼りつく濡れ落ち葉のような夫。妻にとっては最もうっとうしい存在なのだという。山崎さんも常日頃から『濡れ落ち葉にだけはならないでよ』と奥さんに釘を刺されている」
●感想(2)⇒昭和前半生まれの定年退職者は、“月月火水木金金”状態で働いてきた人が多いと思います。会社中心の生活で、いきなり定年を迎え、自由時間が一杯出来て、さて何をやろうという人もいます。定年後の生活は、趣味なし人間には、辛いかもしれません。しかし、現役時代に思い描いた自由を手に入れた事に喜びと感謝を込めて、一日ボーと過ごしても良いと思います。五木寛之氏は言います。「孤立を恐れず、孤独を楽しむのは、人生後半期のすごく充実した生き方」だと。一方、奥さんは永年家庭を守ってきたのです。夫としては、いつまでも召使扱いせず、やりたい事をやらせてあげるのが恩返しです。自分の下着の在り処もわからない旦那さんは、言語道断。自分の事は自分でしなければなりません。
(3)『第七章;家族写真』より、「娘たちはまず最初に母親に相談した。山崎さんに対しては、いつも相談ではなく報告だった。『お母さんはいいって言っているんだけど』と前置きして、話がこじれそうになると『お母さんちょっと来てよ、もうお父さん全然話がわかってないんだから』と援軍を求め、最後は奥さんが山崎さんをなだめて納得させる、その繰り返しだった。
●感想(3)⇒仕事人間と言われる人には厳しい話です。父親の留守がちな家での母娘関係、気持ちが通じる同性同士等の理由で、娘が母親を頼るのはもっともな話です。仕事に傾注し過ぎた父親に、積年のツケが回ってきたのです。しかし、何かしら侘しいですね。母娘も少しは父親の立場に配慮して、何でも両親に相談する素振り位して欲しいものです。男は意外と繊細かつ単純な生き物です。嘘も方便と言います。家族から、「お父さんあっての我が家だからね」の一言を期待するのは高望みでしょうか。
4.まとめ;本書は、定年後の散歩仲間との日常生活をを温かく描いています。彼らは人生の勝ち組の人達でしょう。恵まれた老後を送れる人々です。所で、私は勝者・敗者と区別するのは良くないと思います。世間には様々な生き方があるのです。身の丈に合った生活と幸福があれば、誰もがそれに感謝し、好しとすべきです。書中人物は、必死に働き、仕事の為に犠牲にしてきたものを回顧しつつ、自分の居場所を模索する日々です。しかし、先ずは定年退職で仕事・時間に追われた生活から解放された幸福感を噛みしめるべきです。そうしたくても出来ない人もいるんです。本書は、中高年だけでなく若い世代にも高評価の作品だそうです。男性の気持ちへの理解を願い、女性にも読んで欲しいと思います。 -
Posted by ブクログ
春は年度の変わり目であり、人生の転機を季節の移り変わりに重ねて感じやすいタイミングである。
それぞれのストーリーを読んで、私も沢山思い出した。大学受験失敗、不本意な異動、喧嘩別れした友人、肉親の死別、年度末の繁忙、実家を離れた時の寂しさなど。。
辛い出来事の後は、良いことに向かうものだが、私の場合は、春風が悲しみを一気に吹き飛ばすというより、三寒四温の気候のように、時間をかけて緩やかに変化していくものだった。春風は事態が好転するきっかけなのだろう。
第一話から胸を打たれ、涙が出た。そして最後まで読み終えた後は、レミオロメンの「3月9日」が頭の中を流れ続けた。(笑)
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