重松清のレビュー一覧
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夫の影響でカープファンになり、元々重松清さんの作品が大好きで、カープに関する小説を書いてることを知ったので。重松清さんってもしかして広島出身…?と出身地を調べてしまうほど、細かく描かれていてすごかった(広島出身じゃなかった)。
勝征さんはぶっ飛んでるけど、悪い人ではない。あまりにもマナブが可哀想。でも私もあの選択肢を与えられたら勝征さんを選ぶかもしれないな。
ヤスとユキオのキャラもとてもよかった。最後の赤ヘル3ショットのシーンはうるうるした。
野球はにわかファンなので、野球のシーンは流し読み。もっと選手に詳しかったらもっともっと楽しめただろうな。
カープファンになって3年目、今年もカープは -
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中学校まではみんな仲良くみたいな風潮あって、なるべく友達が多い方がいいと思ってたのが堀田ちゃんとおんなじような感じで、クラスのかっこいいやつらと仲良い自分がかっこいいってちょっと思ってた自分が三好くんと同じような考えやったなーと思った。高校からはみんな仲良くって感じがなくなって仲良いやつだけでつるむ感じになったけどそれに早く気づいた堀田ちゃんも恵美ちゃんもすごいと思った。小中学校で気づけへんて。モトの悔しさはよくわかる気がした。1位になれない悔しさはなんとなく知っているからなんかな。由香ちゃん亡くなった時が一番泣いた。ブンが中学生とかの話で由香ちゃんが一切出てきてない理由はなんとなく分かっては
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マコトの純粋で真っ直ぐな心に何度も胸を打たれました。どんなに辛いことや大変なことがあっても決して弱音を吐かず、泣きたくなった時には口笛を吹いて自分を励ます姿は、同じクラスの友達よりもずっと大人びて見えます。口笛は単なる強がりではなく、彼女なりの「心を整える合図」として機能しているのが印象的でした。
子どもながらに理想を持ち、それに向かって一生懸命努力する姿勢は読んでいて本当に応援したくなります。重松清さんならではの子どもの心の動きを繊細に捉えた描写が秀逸で、大人が読んでも童心を思い出させてくれる素晴らしい作品です。
特に小学4年生くらいのお子さんには、マコトと同じ目線で物語を楽しんでもらえ -
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■サマリー
・冬をテーマにした12個の短編小説
・切なかったり、ホッコリしたりを感じられる
・フィクションなのにリアルな人間像がある
■所感
作者・重松さんの好きな季節は、「冬」だという。
天気も「曇り」が好きらしい。
これが、「晴天」、「真夏」が大好きな作家であれば、
ここまで切なかったり、ホッコリした内容の小説を
書けないのではないかと思われる。
どこか暗くて、ひねくれていて、一筋縄では
いかないような人だからこそ(勝手な予想であるが)、人の気持ちを理解した小説が書けるのだろうと思う。
冬がテーマであるため、やはりどこか切ない
気持ちになる内容が多かったように感じられる。
これで、春 -
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ネタバレ目の前にある死に向き合う心情を描いた短編集。
「その日」が来るまで過去を見つめ直し、人生の意味を考えるその時間は不思議なほどゆったりとした時が流れていた。
過去を見つめることは人生を見つめることであると感じさせられた。そして自身が死を迎えた先の未来を思うことの切なさに心が打たれた。周囲の人間としても死に向き合う大切な人との残された時間、過ごしてきた時間を大切にすることで自分の生きる意味を考えることができるのだと気付かされた。
自分はまだ身近な人間の死に直面していない。
いつか来るであろうその時に目を背けず歩んでいきたい。また、自分もいつ死が来るかはわからない。大切な人との大切な時間に感謝をし、 -
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季節風シリーズ「秋」
秋という季節に似合うしっとりとした話に心が温かくなった。
「ヨコヅナ大ちゃん」で
大ちゃんの「人間って、なんでお腹が空いちゃうの?」の問に
「明日、がんばるためだ」と答えるおじいちゃんと
「明日の自分を、今日より元気で幸せにするためよ」と答えるおばあちゃんが素敵だった。
また、おじいちゃんの「カッコいいとか悪いとか、他人が勝手に決めることにびくびくするな」
「カッコいいっていうのは、自分で自分が好きになる瞬間のことだ」の言葉には私自身も力をもらった。
難しい年頃の娘を持つ父親の不器用な心情を描いた「田中さんの休日」は、ラストのほっこり感が印象的だった。
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久しぶりに重松さんの作品を読みました。やっぱり好きです。
曰く「ゆるす/ゆるされる」をテーマとされたそうですが、裏表紙の内容紹介にあるとおり「精いっぱい『母ちゃん』を生きる女性と、言葉にできない母への思いを抱える子どもたち」のお話でもありました。
第1章に1番泣かされました。500ページを超える長編なのでこのままこのお母ちゃんのお話が続いたら目が腫れてしまうと不安になりましたが、2章以降の主人公は主に中学生たちになったので泣き通しという事態は避けられました。
一言で母子と言っても多種多様。
個人的にはあまり好きになれない母親もいたけれど、どの母親も子どもを大事に思っていることは同じでした。 -
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父親として
私自身が娘2人を持つ父親として物語を読んだ。
また、自分が子供だった頃の父はどうだっただろう、と思い出しながら読み、ノスタルジックな感情にもなった。
SFではないが、タイムスリップものの物語である。
個人的には元々この手のものは苦手ですが、こういう設定だからこそのストーリー展開と、それによって得られる学びがあり、なるほどなと。
【特に印象深かった一節】
”やっとわかった。
信じることや夢見ることは、未来を持っているひとだけの特権だった。
信じていたものに裏切られたり、夢が破られたりすることすら、未来を断ち切られたひとから見れば、それは間違いなく幸福なのだった。”
ひとつの幸 -
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感動した
という言葉さえ煩く感じる。
静かに読後感を噛み締めたい一冊。
無神経な先生、親切だって人を傷つけることを想像もしない人たち、分かりやすく悪いヤンキー高校生、私は障害とか気にならないよ系女子、みんな身近にいたなぁ…もしきよしがクラスにいたら、私はどの立場で彼と接しただろう。
この本を 読んだ と言うには、一度読んだだけでは足りないと思う。
この少年の物語は、まだ私の中では他人の話であり、単に読んだ本の記憶でしかない。
でも、繰り返し読むことで言葉がこころの芯まで染みてきて、いつか、腹の底にしっくり収まる時がくる。そんな予感がする。 -
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東日本大震災で傷ついた人たち、それを慮る人たちを主人公とする7編。この中で「おまじない」は「NHK国際放送が選んだ日本の名作」に紹介されていた本を読んでいたことが分かり、2年ぶりの喜びの再会!だった。40年前に津波被害の街に小学校4年で住んでいた女性がボランティアで訪問し、子どもたちのブランコでおまじないをする姿に過去の自分とケイコちゃんを思い出すシーン。心締め付けられる感動を覚える。その他、(トン汁)幼い日に母を亡くした3人兄姉弟と父親のトン汁作りをめぐる思い出も忘れられない。(しおり)は津波で行方不明になり、高校に入学できずじまいになった同級の学友の思い出。(カレンダー)は被災者のために
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昭和の田舎の父親と息子の物語。
子供の頃に重松清の作品は複数読んでいたがしばらく離れていて、今回約10年ぶりに読んだ。
そういえば、この昭和のにおいのする語りが苦手になって、あまり重松作品を読まなくなったのだということを思い出した。令和の今となると、やはり時代性を強く感じてしまう内容ではある。今だったらこういうやり方は通用しないだろうな、とか。
ただ、親子の心情を描く物語として、とても良質だったと思う。主人公の心中描写も丁寧で、感情移入はできなくとも没入して最後まで心地よく読むことができた。時代が変わったいま読んだからこそ、親子というものの価値やあり方、普遍性を考える良いきっかけにできた。
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