重松清のレビュー一覧
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ネタバレ先生目線、生徒目線の話があり、先生もの立場や考え方が違って読みやすかった。
「ドロップスは神様の涙」では厳しいヒデコ先生が女の子を1番想っていてくれてほっこり。
「にんじん」では過去ににんじんを嫌っていたことをずっと忘れられずに辛い思いをしていた先生が「先生」になったにんじんに会うことで前を向くことができてよかったなと。にんじんも6年のときに先生に出会ったことで先生よりも良い先生になれたのだと思った。「泣くな赤鬼」では先生っていつまで私たちの先生なのかなと考えさせられ1番感動した。
私の先生はどんな想いで「先生」をやっているのだろう -
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TVerでドラマをやっていたので、読んでみようとおもって。(ドラマはみていません)
親子の確執と、人生の見つめ直し。
私も父にはあまりよい思いは持っていない。
思い返すなら今では信じられないような言葉も投げられた。
それは考え方の違い、わかりあえることのない考え方に、そしてもう人生の終わりが見えているにもかかわらずおやじの威厳を、マウントを取りたいという気持ちが背景にある。私も子を持つ親として、そのような父にはなりたくない。自分への戒めも含め、改めてそうおもった。
親は自分の命に代えてでも、子を守りたい。そして子の幸せを願う。
だからこそ、勢いをつけて国が、自然が、環境が壊れていく今この日 -
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小説『とんび』は、昭和の時代を背景に、不器用ながらも深い親子の愛を描いた物語である。主人公のヤスは頑固で融通が利かないが、家族を誰よりも大切に思う情の厚い人間だ。そんな父のもとで育ったアキラは、周囲の人々の温かい支えを受けながら、まっすぐに成長していく。
特に心に残ったのは、母の死をめぐる場面である。事故のきっかけは幼いアキラにあったが、息子に罪の意識を背負わせたくないという強い思いから自分のせいだと嘘をついた。そこにヤスの不器用でありながらも深い愛情を感じた。もし自分が同じ立場なら、同じ選択ができただろうかと考えさせられた。
また、アキラが進路や結婚について父に報告する場面も印象的だった -
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ひとを責める言葉には二種類ある。
“ナイフの言葉” と “十字架の言葉”。
“ナイフの言葉”は胸に突き刺さる。刺された時にいちばん痛いのは刺された瞬間。
“十字架の言葉”は背負わなくちゃいけない。それを背負ったまま ずうっと歩く。どんどん重くなってきても降ろすことなんてできないし 足を止めることもできない。生きている限り その言葉を背負いつづけなきゃいけない ─。
中学二年の九月四日 同じクラスの藤井俊介(フジシュン)が自殺した。原因は
いじめだった。 彼は遺書を残した。
そこには四人の名前があった。
親友になってくれてありがとう。と書かれた僕(真田 裕)。いじめたグループの中心にいた三 -
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いじめによって自殺に追い込まれたフジシュンという中学二年生が最後に書いた遺書には、親友として「僕」の名前が書かれていた。しかし実際には「僕」は親友だとは思っていなかった。それどころかいじめを見て見ぬふりをして彼を死なせてしまった傍観者であった。というところから始まる話。フジシュンの遺族と彼の遺書に名前の書かれた者たちが彼の死をめぐってそれぞれに十字架を背負っていく。
とても苦しく考えさせられる話であった。特に遺族の気持ちを考えるとたまらなかった。私も若くして病気で兄を亡くしているから、子を亡くした両親の気持ちを痛いほど想像させられたし、当時の表情もありありと蘇ってくる。重松さんの書く遺族の心 -
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「ケロ先生」を読み始めて
あぁ、この保育士さんと恋に落ちて紆余曲折あって再婚するのか。と白けた気分になってしまったけれど全く違う展開でした。
少しずつ成長していく美紀。義実家との関係。そして、新たに出会う人々。どれも温かく、心に染みるエピソードでした。
季節のイベントが軸になっているので、1人で静かにアルバムをめくりながら過去に思いを馳せている。そんな気持ちになりました。
長いようであっという間でもある10年という月日。
それでも、やっぱり何かは変わっていて、失われたものもあって。
見えなくなっても、忘れてしまったように見えても、無かったことにはならない大切な時間なんだと思います。 -
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今日、大隈講堂で開催された最終講義・特別教室「それでも僕らは、ことばでつながっている」を聴講したが、その中で「棺桶に入れる本を一つ選ぶとしたらこれ」と仰っていた。
ご本人にとってもそれくらい特別な想いのある作品を最終講義の後で読んでみた。
講義メモより①
「言葉は思いよりも絶対に小さいはずだ。思っていることを全て言い切れる事なんてほとんどない。だから言いたい事が言えなくても気にしなくて良いんだ。」
この言葉は、この作品で言いたかった事に繋がっていると感じた。
講義メモより②
「「優しさ」を別の言葉に言い換えると「親切」「寛大」などが挙がるだろう。けど、そこには含まれない「優しさ」があるはず -
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季節風シリーズの「春」
別れの春、旅立ちの春。不安や希望に胸を膨らませながらそれぞれの春を迎える人を描いた短編集。
都会に旅立つ息子へのメッセージをポンカンに記してそっとカバンへ忍ばせる両親、
その両親の最期の旅立ちへ向けて同じようにポンカンへメッセージを残す息子を描いた「拝復、ポンカンにて」と、
変わってしまった故郷の風景に切なくなりながらも、公衆電話のダイヤルの音を蘇らせる「ジーコロ」に心を揺さぶられた。
私にとっても懐かしい昭和の情景は、二度とは帰って来ないけど、思いはいつでも心に残しておくことができるんだ。
そして、時々それに浸るのも良いなと感じた作品でした。 -
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生徒と先生を題材にした短編集。
どの作品も読みやすくて、理解しやすい内容で安定感抜群でした。
個人的には、【白髪のニール】がすごく刺さりました。
「ロールする」という耳慣れない言葉が、カッコよくてすごく気に入りました。生きていると、大変なことや挫けそうになることがあり、ロールしたくないこともあると思いますが、それでもロールしていかないといけない。世の中の大人たちもきっとみんなロールしていると思って、それを想像して勇気づけられて、私は今日もロールし続けます。
(めちゃくちゃロール連呼してしまったw)
以下、気に入ったフレーズと、短編の感想。
【白髪のニール】
p39(赤ちゃんが産まれると -
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重松先生の作品は高校生の頃によく読んでいたのですが、やはり面白いです。学生時代の言葉遣いというか、思考回路というか、とにかく子どもの頃特有の言動の表現方法がすごくうまいな……と思っていましたが、大人になった今さらにその生々しさを感じました。
お話も面白いです。私の学生時代ではいじめをする、される、傍観するといった経験はありませんでした。ですが、きっとどこかであるんだろうなというようなあくまでも他人事になってしまう私達にまるで訴えかけるような……。実際に重松先生自身が息子さんをいじめで亡くしてしまった方にインタビューをしたときに生まれたストーリーであったようで、最後のあとがきが1番染みました。
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あとがきに書いてあるとおり。
「帰りたい場所」「歳をとること」「死」
三遍とも死が関わる話だから、すべて軽い気持ちでは読めない。全ての話でわたしは涙が溢れた。
カカシの夏休み・帰りたい場所は、故郷から実家がなくなった自分にはとても共感できるノスタルジーがあった。
ライオン先生・歳をとることは、この三遍の中で特にグッとくるものがあった。良い人や熱い人であることを通してきた自分が、長年貫いてきた中で、それが本来の自分であったのか、無理をしてきた節があったのだと気づく時。それでも私はライオン先生がとても好きです。
カカシの夏休みとライオン先生、共に感じたのは子供の頃見てたカッコいい大人、正しい大人