重松清のレビュー一覧
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ひとを責める言葉には二種類ある。
“ナイフの言葉” と “十字架の言葉”。
“ナイフの言葉”は胸に突き刺さる。刺された時にいちばん痛いのは刺された瞬間。
“十字架の言葉”は背負わなくちゃいけない。それを背負ったまま ずうっと歩く。どんどん重くなってきても降ろすことなんてできないし 足を止めることもできない。生きている限り その言葉を背負いつづけなきゃいけない ─。
中学二年の九月四日 同じクラスの藤井俊介(フジシュン)が自殺した。原因は
いじめだった。 彼は遺書を残した。
そこには四人の名前があった。
親友になってくれてありがとう。と書かれた僕(真田 裕)。いじめたグループの中心にいた三 -
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いじめによって自殺に追い込まれたフジシュンという中学二年生が最後に書いた遺書には、親友として「僕」の名前が書かれていた。しかし実際には「僕」は親友だとは思っていなかった。それどころかいじめを見て見ぬふりをして彼を死なせてしまった傍観者であった。というところから始まる話。フジシュンの遺族と彼の遺書に名前の書かれた者たちが彼の死をめぐってそれぞれに十字架を背負っていく。
とても苦しく考えさせられる話であった。特に遺族の気持ちを考えるとたまらなかった。私も若くして病気で兄を亡くしているから、子を亡くした両親の気持ちを痛いほど想像させられたし、当時の表情もありありと蘇ってくる。重松さんの書く遺族の心 -
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「ケロ先生」を読み始めて
あぁ、この保育士さんと恋に落ちて紆余曲折あって再婚するのか。と白けた気分になってしまったけれど全く違う展開でした。
少しずつ成長していく美紀。義実家との関係。そして、新たに出会う人々。どれも温かく、心に染みるエピソードでした。
季節のイベントが軸になっているので、1人で静かにアルバムをめくりながら過去に思いを馳せている。そんな気持ちになりました。
長いようであっという間でもある10年という月日。
それでも、やっぱり何かは変わっていて、失われたものもあって。
見えなくなっても、忘れてしまったように見えても、無かったことにはならない大切な時間なんだと思います。 -
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今日、大隈講堂で開催された最終講義・特別教室「それでも僕らは、ことばでつながっている」を聴講したが、その中で「棺桶に入れる本を一つ選ぶとしたらこれ」と仰っていた。
ご本人にとってもそれくらい特別な想いのある作品を最終講義の後で読んでみた。
講義メモより①
「言葉は思いよりも絶対に小さいはずだ。思っていることを全て言い切れる事なんてほとんどない。だから言いたい事が言えなくても気にしなくて良いんだ。」
この言葉は、この作品で言いたかった事に繋がっていると感じた。
講義メモより②
「「優しさ」を別の言葉に言い換えると「親切」「寛大」などが挙がるだろう。けど、そこには含まれない「優しさ」があるはず -
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季節風シリーズの「春」
別れの春、旅立ちの春。不安や希望に胸を膨らませながらそれぞれの春を迎える人を描いた短編集。
都会に旅立つ息子へのメッセージをポンカンに記してそっとカバンへ忍ばせる両親、
その両親の最期の旅立ちへ向けて同じようにポンカンへメッセージを残す息子を描いた「拝復、ポンカンにて」と、
変わってしまった故郷の風景に切なくなりながらも、公衆電話のダイヤルの音を蘇らせる「ジーコロ」に心を揺さぶられた。
私にとっても懐かしい昭和の情景は、二度とは帰って来ないけど、思いはいつでも心に残しておくことができるんだ。
そして、時々それに浸るのも良いなと感じた作品でした。 -
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生徒と先生を題材にした短編集。
どの作品も読みやすくて、理解しやすい内容で安定感抜群でした。
個人的には、【白髪のニール】がすごく刺さりました。
「ロールする」という耳慣れない言葉が、カッコよくてすごく気に入りました。生きていると、大変なことや挫けそうになることがあり、ロールしたくないこともあると思いますが、それでもロールしていかないといけない。世の中の大人たちもきっとみんなロールしていると思って、それを想像して勇気づけられて、私は今日もロールし続けます。
(めちゃくちゃロール連呼してしまったw)
以下、気に入ったフレーズと、短編の感想。
【白髪のニール】
p39(赤ちゃんが産まれると -
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重松先生の作品は高校生の頃によく読んでいたのですが、やはり面白いです。学生時代の言葉遣いというか、思考回路というか、とにかく子どもの頃特有の言動の表現方法がすごくうまいな……と思っていましたが、大人になった今さらにその生々しさを感じました。
お話も面白いです。私の学生時代ではいじめをする、される、傍観するといった経験はありませんでした。ですが、きっとどこかであるんだろうなというようなあくまでも他人事になってしまう私達にまるで訴えかけるような……。実際に重松先生自身が息子さんをいじめで亡くしてしまった方にインタビューをしたときに生まれたストーリーであったようで、最後のあとがきが1番染みました。
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あとがきに書いてあるとおり。
「帰りたい場所」「歳をとること」「死」
三遍とも死が関わる話だから、すべて軽い気持ちでは読めない。全ての話でわたしは涙が溢れた。
カカシの夏休み・帰りたい場所は、故郷から実家がなくなった自分にはとても共感できるノスタルジーがあった。
ライオン先生・歳をとることは、この三遍の中で特にグッとくるものがあった。良い人や熱い人であることを通してきた自分が、長年貫いてきた中で、それが本来の自分であったのか、無理をしてきた節があったのだと気づく時。それでも私はライオン先生がとても好きです。
カカシの夏休みとライオン先生、共に感じたのは子供の頃見てたカッコいい大人、正しい大人 -
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夫の影響でカープファンになり、元々重松清さんの作品が大好きで、カープに関する小説を書いてることを知ったので。重松清さんってもしかして広島出身…?と出身地を調べてしまうほど、細かく描かれていてすごかった(広島出身じゃなかった)。
勝征さんはぶっ飛んでるけど、悪い人ではない。あまりにもマナブが可哀想。でも私もあの選択肢を与えられたら勝征さんを選ぶかもしれないな。
ヤスとユキオのキャラもとてもよかった。最後の赤ヘル3ショットのシーンはうるうるした。
野球はにわかファンなので、野球のシーンは流し読み。もっと選手に詳しかったらもっともっと楽しめただろうな。
カープファンになって3年目、今年もカープは -
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マコトの純粋で真っ直ぐな心に何度も胸を打たれました。どんなに辛いことや大変なことがあっても決して弱音を吐かず、泣きたくなった時には口笛を吹いて自分を励ます姿は、同じクラスの友達よりもずっと大人びて見えます。口笛は単なる強がりではなく、彼女なりの「心を整える合図」として機能しているのが印象的でした。
子どもながらに理想を持ち、それに向かって一生懸命努力する姿勢は読んでいて本当に応援したくなります。重松清さんならではの子どもの心の動きを繊細に捉えた描写が秀逸で、大人が読んでも童心を思い出させてくれる素晴らしい作品です。
特に小学4年生くらいのお子さんには、マコトと同じ目線で物語を楽しんでもらえ -
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■サマリー
・冬をテーマにした12個の短編小説
・切なかったり、ホッコリしたりを感じられる
・フィクションなのにリアルな人間像がある
■所感
作者・重松さんの好きな季節は、「冬」だという。
天気も「曇り」が好きらしい。
これが、「晴天」、「真夏」が大好きな作家であれば、
ここまで切なかったり、ホッコリした内容の小説を
書けないのではないかと思われる。
どこか暗くて、ひねくれていて、一筋縄では
いかないような人だからこそ(勝手な予想であるが)、人の気持ちを理解した小説が書けるのだろうと思う。
冬がテーマであるため、やはりどこか切ない
気持ちになる内容が多かったように感じられる。
これで、春 -
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季節風シリーズ「秋」
秋という季節に似合うしっとりとした話に心が温かくなった。
「ヨコヅナ大ちゃん」で
大ちゃんの「人間って、なんでお腹が空いちゃうの?」の問に
「明日、がんばるためだ」と答えるおじいちゃんと
「明日の自分を、今日より元気で幸せにするためよ」と答えるおばあちゃんが素敵だった。
また、おじいちゃんの「カッコいいとか悪いとか、他人が勝手に決めることにびくびくするな」
「カッコいいっていうのは、自分で自分が好きになる瞬間のことだ」の言葉には私自身も力をもらった。
難しい年頃の娘を持つ父親の不器用な心情を描いた「田中さんの休日」は、ラストのほっこり感が印象的だった。
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久しぶりに重松さんの作品を読みました。やっぱり好きです。
曰く「ゆるす/ゆるされる」をテーマとされたそうですが、裏表紙の内容紹介にあるとおり「精いっぱい『母ちゃん』を生きる女性と、言葉にできない母への思いを抱える子どもたち」のお話でもありました。
第1章に1番泣かされました。500ページを超える長編なのでこのままこのお母ちゃんのお話が続いたら目が腫れてしまうと不安になりましたが、2章以降の主人公は主に中学生たちになったので泣き通しという事態は避けられました。
一言で母子と言っても多種多様。
個人的にはあまり好きになれない母親もいたけれど、どの母親も子どもを大事に思っていることは同じでした。 -
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感動した
という言葉さえ煩く感じる。
静かに読後感を噛み締めたい一冊。
無神経な先生、親切だって人を傷つけることを想像もしない人たち、分かりやすく悪いヤンキー高校生、私は障害とか気にならないよ系女子、みんな身近にいたなぁ…もしきよしがクラスにいたら、私はどの立場で彼と接しただろう。
この本を 読んだ と言うには、一度読んだだけでは足りないと思う。
この少年の物語は、まだ私の中では他人の話であり、単に読んだ本の記憶でしかない。
でも、繰り返し読むことで言葉がこころの芯まで染みてきて、いつか、腹の底にしっくり収まる時がくる。そんな予感がする。