重松清のレビュー一覧

  • 青い鳥

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    うまく喋れないからこそ、ほんとうにたいせつなことしか言わない。
    私は人と自分から関わることが苦手だ。だからこそ、ほんとうにたいせつな人にしか自分から関わりを持てない。ずっとそれをよくないことだと思っていたけれど、別に悪くないのだと励まされた気がする。
    たくさんの生徒がいて、たくさんの寄り添い方があって。きっと私も今までひとりぼっちにならないように先生が寄り添ってくれてたんだなと思った。高校生の間に読めてよかった。私も自分の寄り添い方を見つけて、それを実践できる大人になりたい。

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    2025年12月24日
  • 十字架

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    重松清さんの父親の描き方がすごく好きだ。

    息子を自死で亡くした家族と、遺書に書かれた同級生の悲しみ、苦しみが読んでて胸が痛くなるほど伝わってくる。読んだ後は自分も十字架を一緒に背負ったような感覚になる。

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    2025年12月21日
  • 十字架

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    中学生の頃に読んで再読。学生時代とはまた違った目線から見られたと思う。
    いじめを題材にした本で、いじめの傍観者に焦点をかなり焦点を当てている。
    いじめていた3人には腹は立ったが、実際自分がその場にいても傍観者になってしまうだろうと思った。だからこそかなり心にグサグサきた。
    親になっていないから実際にわからない感情もあった。だけど残された家族の気持ち、親の学校や生徒に対する気持ちは想像はすることができた。
    中学生から大人まで勉強になる一冊だと思う。

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    2025年12月10日
  • ブランケット・キャッツ

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    猫が登場する小説を読むと本来犬派の自分もどんどん猫に傾いていく。本当に猫は色々と分かっているのだろうか、感情があるのだろうかという疑問もわくけどきっと飼えば帳消しにしてしまうくらいかわいいのだろう。でもだから安易に飼うことはできない、家族全員が生涯面倒をみる覚悟で家族として迎えないといけない。子供のいない夫婦が犬や猫を飼うというのは寂しさを埋めるということもあるけど猫側からしたらどうなのだろう、それが人生、いや猫生と割り切るのだろうか、いやいや猫はそこまで深くは考えず受入れるのだろうな。

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    2025年12月07日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇

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    ネタバレ


    私は来月で40歳になる。しかし、一方では、少年時代は、振り返ればまだ続きそうなところにあるという気分からも抜け切れないでのである
    晩年の父は、よく、俺の一生は間違っていたかなとつぶやいた。私は、遠からず、自分もそう思うようになる時期が来ると思う

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    2025年12月05日
  • くちぶえ番長

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    読みやすいし、誰かにおすすめするのにとても向いている本だと思った。
    学生時代のお話だから、大の大人が読めば思い出と一緒に思い出すことは多いかもしれない、
    ただ、まだ20の私が読んでも、思い出したくない思い出も、その時の感情も鮮明に思い出せてしまうので、もう少し経ってからこの本と出会いたかったかなとも思う。
    すごくリアルな話だけど、うまいことおはなしになりすぎて、うーん。って感じ、言葉にするのが難しいけど、なんかあと一個あれば?減らせば?良かったのかなーみたいなモヤモヤ。後味がなんとも言えなかった。

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    2025年12月04日
  • 峠うどん物語 下

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    こんな時の帰りには蕎麦やラーメンじゃなく、やっぱりうどん屋さん。おじいちゃんやおばぁちゃんが居てくれるのもいい。

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    2025年12月03日
  • 峠うどん物語 上

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    食いしん坊の私は美味しいうどんのお話だろうな〜くらいの気持ちでしたが、場所の設定も主人公の祖父母の性格も、面白い。もちろん、物語も。そして、かけうどんが食べたくなります。

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    2025年12月03日
  • 青い鳥

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    久しぶりに読む重松さんの作品は昔ながらに暖かく、感動するものでした。ただ、少し出来すぎていたり、感動を誘っている感じも否めません。ただ、それでも涙腺が弛むのはさすが。吃音のヒーローの話、感動して読ませていただきました。

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    2025年12月01日
  • 星のかけら

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    ⭐️星のかけら
     生きるって、なんか、すごいー。!」と素直にそう思える。重い内容を一気に読ませる重松さんの筆致に感動。「生きてる人は、みんな、自分の力で歩いていかないと、だめなの」フミちゃんの言葉を大切にしたい。何度も読み返したい作品!

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    2025年11月24日
  • とんび

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    すごい小説だった。
    妻を亡くし、子供を立派に育て上げた愛すべき「ザ・昭和の男」ヤス。涙なしに読めない。

    個人的に刺さった箇所は2つ。
    ・保育園で母の写真を友達に破かれたアキラ。それに対して暴力で抗ったアキラ。そして、ケガをした我が子を抱きしめる母親。その姿を見て大泣きしたアキラ。幼い子にとって抱きしめてくれる母がいない苦しさ、悲しさ、寂しさ、虚無感、絶望を突きつけられる瞬間だった。忘れられないシーン。

    ・海雲和尚の手。母のいないアキラをみんなで支えているのだと、背中を温める海雲和尚。その人柄の温かさと、別れ際に会えないアキラの思春期の葛藤がもどかしい。

    読後に見た映画も再現性が高く、またよかったです。

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    2025年11月20日
  • ビタミンF

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    いろいろな家族の、その家族にとっての大きな事件のお話がお父さん(男性)目線で書かれてる短編集でした。
    他人の家族は幸せそうに見えがちだけど、みんなそれぞれ波乱は起こってるんだなと安心したり、奮起したりしながら読みました。男性(お父さんだったり、旦那さんだったり)の気持ちがのぞき見れたことはいい体験です。
    本の帯に書いてあった「泣ける」には至らなかったけど、「よっしゃ頑張るぞ」という気持ちになれました!

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    2025年11月14日
  • くちぶえ番長

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    ネタバレ

    私が小学生の時初めて読んだ小説。
    薄くて読みやすいけどすごく心に残る物語だった。
    ツヨシとマコトがまた再会できていたらいいな。

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    2025年11月14日
  • せんせい。

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    ネタバレ

    先生目線、生徒目線の話があり、先生もの立場や考え方が違って読みやすかった。
    「ドロップスは神様の涙」では厳しいヒデコ先生が女の子を1番想っていてくれてほっこり。
    「にんじん」では過去ににんじんを嫌っていたことをずっと忘れられずに辛い思いをしていた先生が「先生」になったにんじんに会うことで前を向くことができてよかったなと。にんじんも6年のときに先生に出会ったことで先生よりも良い先生になれたのだと思った。「泣くな赤鬼」では先生っていつまで私たちの先生なのかなと考えさせられ1番感動した。
    私の先生はどんな想いで「先生」をやっているのだろう

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    2025年11月14日
  • とんび

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    小説『とんび』は、昭和の時代を背景に、不器用ながらも深い親子の愛を描いた物語である。主人公のヤスは頑固で融通が利かないが、家族を誰よりも大切に思う情の厚い人間だ。そんな父のもとで育ったアキラは、周囲の人々の温かい支えを受けながら、まっすぐに成長していく。

    特に心に残ったのは、母の死をめぐる場面である。事故のきっかけは幼いアキラにあったが、息子に罪の意識を背負わせたくないという強い思いから自分のせいだと嘘をついた。そこにヤスの不器用でありながらも深い愛情を感じた。もし自分が同じ立場なら、同じ選択ができただろうかと考えさせられた。

    また、アキラが進路や結婚について父に報告する場面も印象的だった。ヤスの理想とは異なる道を選ぶアキラだが、自分の考えを逃げずに伝える姿には、父の背中を見て育った息子の強さと誠実さが感じられた。そして最終的に息子を受け入れるヤスの姿に、親としての成長も見て取れた。

    ヤスとアキラを支える周囲の人々の存在も温かく、二人が多くの人に愛されていることがよくわかる。現代ではヤスのような父親は少なくなったが、親子の絆の深さや、人を思う気持ちの尊さは時代を超えて変わらないと感じた。『とんび』は、人の優しさと親の愛の大きさを改めて教えてくれる作品だった。

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    2025年11月03日
  • 十字架

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    ひとを責める言葉には二種類ある。
    “ナイフの言葉” と “十字架の言葉”。

    “ナイフの言葉”は胸に突き刺さる。刺された時にいちばん痛いのは刺された瞬間。
    “十字架の言葉”は背負わなくちゃいけない。それを背負ったまま ずうっと歩く。どんどん重くなってきても降ろすことなんてできないし 足を止めることもできない。生きている限り その言葉を背負いつづけなきゃいけない ─。


    中学二年の九月四日 同じクラスの藤井俊介(フジシュン)が自殺した。原因は
    いじめだった。 彼は遺書を残した。
    そこには四人の名前があった。
    親友になってくれてありがとう。と書かれた僕(真田 裕)。いじめたグループの中心にいた三島武大と根本晋哉。
    そして ごめんなさい。誕生日おめでとうございます。と書かれた小川小百合。
    四人は一方的にフジシュンの思いを背負わされたままその後の人生をあゆむことになった。


    重いテーマだった…。最初そこには ずっと悲しみとともに誰かの怒りがあった。
    なのに物語の最後にあったのは経過した時間とそれに比例して染み込んでいった静かな深い悲しみ。そしてフジシュンに対する残された者の背負った思いだった。

    立場のちがいをこえて 苦しい思いを長い年月 共有してきた人たちの労りや気づかいに少し救われる。
    しみじみと涙が出た。


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    2025年11月02日
  • はるか、ブレーメン

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    走馬灯を作る仕事に関わることになる高校生のはるか。
    幼馴染のナンユウ君とともに人の走馬灯を見ることで、人の記憶や想いに寄り添っていく。
    楽しい記憶もあれば辛い記憶もある。
    辛い思いも楽しい思いも一つの人生だと思うと、平等に人は思い出を受け入れないといけないのかなと思う。
    生きていれば後悔は必ずする。そう思うことで少しは肩の力を抜いて前に進めるのかな。
    人が生きることをテーマにした重松さんの作品は色々と考えさせられます。
    あとがきで重松さん自身も、病気で苦しまれている部分もあり、それを作品に活かす姿は流石だなと思います。

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    2025年10月30日
  • 十字架

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    いじめによって自殺に追い込まれたフジシュンという中学二年生が最後に書いた遺書には、親友として「僕」の名前が書かれていた。しかし実際には「僕」はフジシュンを親友だとは思っていなかった。それどころかいじめを見て見ぬふりをして彼を死なせてしまった傍観者であった。というところから始まる話。フジシュンの遺族と彼の遺書に名前の書かれた者たちが彼の死をめぐってそれぞれに十字架を背負っていく。

    とても苦しく考えさせられる話であった。特に遺族の気持ちを考えるとたまらなかった。私も若くして病気で兄を亡くしているから、子を亡くした両親の気持ちを痛いほど想像させられたし、当時の表情もありありと蘇ってくる。重松さんの書く遺族の心情は、輪切りにした心の断面を見せられているかのようで、リアルでビビッドだ。人の親になることが怖くなったほどだ。覚悟と責任を持たないと親にはなれない。

    いじめ、そして自殺は単に被害者、加害者だけでなく、残された遺族、いじめの傍観者、学校はもちろん、マスコミを通して多くの人にしがらみを与える。いじめについては私にも背負っていかないといけない十字架がある。忘れて過ごすことはあるが消えることはない。これからもその十字架を含め様々な苦しみを抱えながらも生きていくのだろう。

    田原さんの人間味があって遠慮のない感じが好きだ。彼は「僕」を含めたクラスの傍観者にとって、実はとても大きい存在だったのではないか。

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    2025年10月27日
  • ステップ

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    「ケロ先生」を読み始めて
    あぁ、この保育士さんと恋に落ちて紆余曲折あって再婚するのか。と白けた気分になってしまったけれど全く違う展開でした。

    少しずつ成長していく美紀。義実家との関係。そして、新たに出会う人々。どれも温かく、心に染みるエピソードでした。
    季節のイベントが軸になっているので、1人で静かにアルバムをめくりながら過去に思いを馳せている。そんな気持ちになりました。

    長いようであっという間でもある10年という月日。
    それでも、やっぱり何かは変わっていて、失われたものもあって。
    見えなくなっても、忘れてしまったように見えても、無かったことにはならない大切な時間なんだと思います。

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    2025年10月26日
  • きよしこ

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    今日、大隈講堂で開催された最終講義・特別教室「それでも僕らは、ことばでつながっている」を聴講したが、その中で「棺桶に入れる本を一つ選ぶとしたらこれ」と仰っていた。
    ご本人にとってもそれくらい特別な想いのある作品を最終講義の後で読んでみた。

    講義メモより①
    「言葉は思いよりも絶対に小さいはずだ。思っていることを全て言い切れる事なんてほとんどない。だから言いたい事が言えなくても気にしなくて良いんだ。」
    この言葉は、この作品で言いたかった事に繋がっていると感じた。

    講義メモより②
    「「優しさ」を別の言葉に言い換えると「親切」「寛大」などが挙がるだろう。けど、そこには含まれない「優しさ」があるはずで、僕はそれを表現しようとしてきた。」


    親切でも寛大でもない、絶妙な距離感を保った見守り感のようなものかも、ときよしこを通じて感じた。

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    2026年03月07日