重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
36、37、38歳という中途半端な中年なりかけの男性が主役の短編集。
仕事ではまだまだ若いと思っていても、若手社員からはオジサン扱い。
家庭では妻との関係にマンネリ化、夜の営みも昔のように求め合うことはなく、定期的な一種の作業のよう。
そんな関係性があってもなくても、リスペクトがなければ、夫婦生活は破綻する。
【パンドラ】
中学2年の娘、穂奈美が万引きをした。それだけでもショックなのに、男と一緒で、そいつはコンドームを万引きした。
もう子供じゃないと思っても、そう思えない、孝夫。
愛する娘が知らない奴とセックスをしていることがショックでならない。
それは、妻に対しても思い始め、自分より前にどんな男と関係を持っていたのか、もちろん、聞けないし、聞かないけれど気になる。
自分の初体験の女性に電話をかけようか迷う。
友達に制された、「思い出なんて、パンドラの箱みたいなものだ」「開けない方がいいんだよ」
まさにその通りだと思った、パンドラをあけて、ひとりでショックを受けた若き自分に言ってあげたい。笑
~親は身勝手だ、ある時期までは早く大きくなれと願い、ある時期まではこのままでいて欲しいと祈る~
ホントこれ。
【母帰る】
・37歳 拓己、妻、娘小学生2人
・姉、息子、元夫浜野さん
→2年間の不倫の末、療育費を払う約束で離婚
・父、母
→2人は10年前に離婚、母は別の男性の内縁の妻となり、そのパートナーに先立たれアパート暮らし
こんな状況の中、10年間孤独な一人暮らしを続けた父が姉にお願いをした。
「母に帰ってこないか、と聞いてくれ」と。
拓己と姉は、父がボケてしまったのではないかと心配して、九州の実家に帰った。
拓己「1人だけ残されて、他の男性と暮らした母を恨んだりしないのか」
父「子供を1人前にして、親の務めが全部済んでからのことだ。自分のやりたいことをやったらいい。」
父「ただ、33年も連れ添った母をひとり暮らしのまま、死なせるわけにはいかんのじゃ」と。
「拓己は37歳じゃろ、もう大人じゃが(そんなこともわからんのか)」 -
Posted by ブクログ
時間軸が同じ様々な家庭でそれぞれ「その日」に向き合う短編集。
1つ1つ考えさせられるお話だったけれど、特に「ヒア・カムズ・ザ・サン」にとても感情移入してしまい、最初の数ページは電車で読んでいたけど泣きそうになってしまって結局閉じることに…
今過ごしている日常や元気で身近に居てくれる周りの人たち。全部当たり前じゃないんだなと改めて考えさせられました。
この本を勧めてくれた人が居るのですが、その人は若くして大切な家族を亡くしていて……当時はどんな気持ちで、そしてどんな気持ちでこの本を読んだのかなと考えると更に胸がぎゅっとなりました。
家族、友達、自分、環境をもっともっと大切にして、後悔を全く残さない!というのは難しいけれど、それでもできるだけ後悔のない選択をして
生きていきたい。
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Posted by ブクログ
星4.2
重松さんは、とんびが良かったので、他の作品も読みたいと思ってました。
読みたい熱が高まってから、読みました。
小学校を退職した女教師が、かつての教え子達に手紙を書く所から物語は始まります。
返事は少なかったのですが、少ない返事の中のかつての教え子達に再会して行きます。
生徒達が卒業する時に、いつも言っていた言葉。
子供達をめだかに例えての言葉なのですが、再会した教え子は今でも覚えていて胸が熱くなります。
震災の復興を交えて話は進み、ラストへ。
期待が高まった分、正直、思ってた程の感動ではなかったのてすが、それでも素敵な物語が味わえます。
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Posted by ブクログ
短編連作集。
学生だった時の私がこの本に出会えてたらどう感じていたんだろう。
友だちと一緒にいたいから、自分を偽ってにこにこしたり、話を少し盛ったりしてみんなを笑わせる。そんなことをしていた気がする。
それは無理していたのかもしれないけれど、でも当時の自分は『無理して頑張ろう』と思っていたわけでもなく、自然に、気付いたら、″そうしていた″。
そうしないと、逆に自分でいられなくなるとどこかで思っていたような気がする。
あの時の私は友だちと一緒にいることが大事だった。
そして、恋愛も大事だった。恋愛ばかり考えていた気がするし、新鮮な世界で周りのことを考えられていなかったような気もする。
それと同時に友達も恋愛のことばかり考えていて、休み時間のたびに私のことを置いてく子もいた。
今考えると『青春だなあ』と思うけれど、当時は置いて行かれて寂しかった記憶が蘇る。
でもきっと、私自身も、友達も悪気はなかったと思うし、『今』を楽しく生きていたんだと思う。
そんなことを思い出すような、
そして、学生の時に読んでみたかった一冊でした。
2026.9.9(水)
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