方丈貴恵のレビュー一覧
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6人のミステリー作家による、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットのアンソロジー。
どの短編にも読者への挑戦状があり、問題編と解決編に分かれている。
巻末には、それぞれの短編に対して他の作家による推理も掲載されている。
普段ミステリーを読むと先が気になってどんどん読み進める感じがある。
このアンソロジーは読者への挑戦状があって、普段よりも自分で考えながら注意深くゆっくり読み、ときには戻ったりしながら読んでいたように思う。
自分で正解までしっかりたどり着けたものはなかったけれど、短編を読み終えるごとに全くの見当外れだったな、着眼点は悪くなかったな等思う楽しさがあった。
作品に対して別の作家 -
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アンソロジー作品。
問題編と解答編に分かれていて、豪華な作家陣の作品を自分でも推理する事ができます。また、参加している作家さん同士でお互いの作品の推理した回答が掲載されており、思考を覗き見するようで面白かったです。
普段、推理小説を読んでも推理しないのですが、この作品は問題編が比較的短く、自分でも挑戦してみようと思えました。いくつか挑戦してみましたが、少し真相に近付けたり、全く思い浮かばなかったり…と様々でした。推理に挑戦した結果、より丁寧に作品を読み込む事につながり、読後の満足感が上がったように思います。
推理が苦手な人も、気軽に挑戦できるのでおすすめです。
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ネタバレめちゃくちゃ面白かった。
竜泉家シリーズの完結作。ミステリ・メイカー2の試遊会に招待された加茂冬馬、竜泉佑樹を含む8人の素人探偵達。しかし彼らを待ち受けていたのは楽しい試遊会などではなかった。それぞれ人質を取られてしまいVR空間と現実世界で起こる事件を解決しなければならなくなってしまう。
竜泉家シリーズではお馴染みの読者への挑戦とクローズドサークル。さらに3部作の完結編という事もあり孤島とVR空間の2重のクローズドサークル、2つの読者への挑戦とボリューミーになっていて読み終わった後の満足感がすごい。
今回のトリックも先入観を捨てて考えなきゃいけないようなトリックだった。1作目の砂時計は1つしか -
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ネタバレめっちゃ面白かった。
主人公の佑樹は撮影のためにある孤島に行く事になる。そしてそこで幼馴染の死に関わっている奴等をまとめて殺す計画を立てていた。しかし殺す前にターゲットが殺されてしまった。過去に島で起こった不可解な殺人事件、言い伝えの謎、ターゲットを殺したのは誰なのかを解き明かしていく話。
竜泉家シリーズの2作目。シリーズではあるけど、今のところ前作からの繋がりみたいなものはあまり感じなかった。その代わり単体の作品として読んでもしっかり面白かった。
読んでてすごい怖かった。最初は過去の事件と同じ殺され方だなぁくらいの印象だったけど、そこに人ならざるモノが関わっていて他の生物に擬態することができ -
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ネタバレめっちゃ面白かった。
竜泉家の呪いの引き金になってしまった事件を解くために過去に戻る話。
SF×ミステリーでこんなのみんな好きでしょ。
いわゆるクローズドサークル系のミステリーでかなり好みな感じの作品。
次々と事件が起こる連続殺人で、しかもその中には不可能犯罪まである。さらに読者への挑戦もあり読んでて楽しい作品だった。
読者への挑戦があるから自分なりに色々考えてみたけど全然分からなかった。難しいけど解決編を読むと納得の内容だし、トリックにタイムトラベルが使われたモノがあるのもSF小説ならではで良かった。鵺の見立てがミスリードになっていたのも面白かった。
徐々に竜泉家やマイスター・ホラ、賀茂につ -
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ネタバレ面白かった。
完全犯罪請負人として活動していた黒羽烏由宇。しかし、ビルの屋上から突き落とされて殺されてしまう。病院で目覚めたと思ったら幽霊になってしまっていた。そんな時幽霊が見える音葉に出会う。音葉の両親そして、烏由宇を殺害した犯人を2人で追う話。
まず設定が面白い。完全犯罪請負人というのがまず唆られるし、幽霊になってしまうのもいい。幽霊という設定のおかげで事件を調べる時にストレスが少ないのもいい。見えないお陰で色々なところに侵入したり盗み見たりと何かと便利。音葉が小6なのも新鮮。こういう作品だと助手側がポンコツだったりしてストレスになったりするけど音葉が幼いおかげでそれが少ないし、小6とは思 -
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あなたは、『命を賭けたゲームに参加』したいでしょうか?
“ロシアンルーレット”という『ゲーム』があります。ただし、『ゲーム』とは言っても、それは、”回転式拳銃に1発だけ弾薬を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引く”という危険極まりないものです。一つ間違えば、というより、非常に高い確率でそこには死と背中合わせになる世界があります。とても『ゲーム』などという呑気な言葉で語れるものではないと思いますし、そのような『ゲーム』には絶対に参加したくありません。
しかし、そんな拒否権が許されない場合もあります。それが小説の中の世界であればもちろんのことです。そ -
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何者かにビルから突き落とさた完全犯罪請負人こと黒羽烏由有(くろば うゆう)は、気がつくと幽霊になっていた。普通の人からは姿が見えないが、なぜか自身の姿と声を認知できる少女・音葉(おとは)と出会う。音葉は、両親を何者かに殺害されていた。二人はバディとなり、黒羽の殺人犯と音葉の両親の殺人犯を追うが…
幽霊が主人公の話だと「ゴースト」「シックス•センス」、少女と成人男性のバディものだと「レオン」といった名作映画が頭にちらつきつつ、読み進めた。作者の方丈貴恵氏といえば“特殊設定ミステリ”の書き手として有名だが、本書では幽体離脱という超常現象設定を活かしつつ、多重解決に挑んでいる。あまりにも入れ子構造 -
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令和3年の交通事故発生件数は30万5,196件、これによる死者数は2,636人。そんな数を見ると交通事故による死は決して他人ごとと片付けられるものでないことが分かります。大切な人を失う突然の事態。『検視により事件性がないと判断され』れば、それは遺族として受け止めざるを得ない現実なのだと思います。
しかし、交通事故の連絡を受け駆け付けた先で、父親からこんな言葉を聞かされたとしたらどう思うでしょうか?
『あの子が死んだのは事故なんかじゃない』
さてここに、『小中高と同じ学校に通っていた』幼馴染の死に疑念を抱く一人の男性が『復讐』を誓う先の物語があります。『十か月もかけてじっくりと復讐の準 -
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あなたは『竜泉家の呪い』を知っているでしょうか?
(*˙ᵕ˙*)え?
“人または霊が、物理的手段によらず精神的あるいは霊的な手段で、悪意をもって他の人や社会全般に対し災厄や不幸をもたらさしめんとする行為”を指すという『呪い』。悪魔の『呪い』によって白鳥に姿を変えられた王女が描かれる「白鳥の湖」など、私たちは幼い頃から『呪い』というものに対して漠然とした恐怖の感情を抱きながら生きています。
一方で科学技術の発達によって、かつては摩訶不思議とされた事ごとも科学技術の力で解き明かされるようになりました。『呪い』さえも笑って吹き飛ばしてしまえる時代になったと言えそうですが、実際にはそう単純な -
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ネタバレクローズドサークル本格ミステリであり、タイムパラドックス、時空移動ありのSF要素もあるという、新しいタイプの作品。
2018年、加茂は妻の伶奈が原音不明の間質性肺炎に罹り、命の危険に晒されている。
時空旅行装置の人工知能「ホラ」により、伶奈の祖先の竜泉家でかつて起こった「死野の惨劇」による呪いが玲那を苦しめていることがわかり、なんとかして殺人事件を解決しようと58年前に遡るお話。
バラバラ殺人等々、次々と事件が起こっていくが、家系図を追いながら読むのが大変でした。
読者への挑戦状は、完敗でした…
タイムリープを利用した本格ミステリは初めて読みました。
大どんでん返しとかではないが、じっくりと楽