方丈貴恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
殺人がご法度とされる犯罪者御用達のホテルを舞台にした4つの連作短編。
それぞれのエピソードが独立しつつも関連しており、短編ながらきちんと謎解きの満足感を得られる。2話目でホテル探偵・桐生の過去が明かされる「エピソード0」が挟まれることで、奥行きが増している。
重すぎず軽すぎず、サクッと読める印象だった。
●元ネタ
映画『ジョン・ウィック』のコンチネンタルホテルと同じ設定で、作中でもオーナーがそれに憧れてこのホテルを作ったと明記されている。上階のバーが『ババヤガ』という名前である点も鑑賞済みの人は思わずニヤリとすると思う。さらに最終話で、各犯罪組織の王が集う「ザ・セヴン」が登場する展開 -
Posted by ブクログ
いや〜、面白かった。
犯罪者御用達ホテル。
守るべきルールは2つだけ。
ホテルに損害を与えない。
ホテルの敷地で障害・殺人事件を起こさない。
なのに、殺人事件が起こり、その謎をホテル探偵こと桐生が解決していく。
桐生がアミュレット・ホテルで働くまでを描いたエピソード0を含め、4編からなる。
犯罪者しか利用しないから、トリックもなかなか複雑。それをいろいろな観点から桐生が解決していく様子は本格ミステリそのもの。
特異設定が犯罪者御用達のホテルって言うのも、なかなか面白い。
ただの探偵かと思ってた桐生の本来の姿が暗殺者って言うのも、ちょっと意外だったけど、それも含めて、桐生がかっこいい。
オーナ -
Posted by ブクログ
完全犯罪請負人の黒羽は、目覚めると病院のICUで人工呼吸器に繋がれた自分を見下ろしていた。黒羽は幽霊になってしまったのだ。思い出すのは3月14日にビルの屋上から何者かに突き落とされたこと。
その後、幽霊である自分が見える小学六年生の少女音葉と出会う。音葉は3月14日に両親を何者かに殺害されていた。
同じ街で同じ日に起きた二件の殺人事件。犯人は同一人物ではないであろうかと推測した黒羽と音葉は、協力し、犯人を探し始める。
といったあらすじ。
幽霊と小学六年生の少女がバディを組むなんて、今まで読んできた小説の中にはなかった斬新な設定でした。
幽霊ということで、警察署や建物の中に誰にも見つかることな -
Posted by ブクログ
これが最後の仕事になる、の共通センテンスからスタートするショートアンソロジー。
ショートで色んな作家さんがかく中でインパクトを、となるとどうしてもドキッとするような内容に寄る。
そのなかで違う角度で楽しませてくれたのは
・半分では足りない/呉勝浩
→うぉぉーーー読み直したよ!
・闇バイト/柿原朋哉
→タイトルと違ってちょっとほっこり
・天岩戸の真実/高田崇史
→この作者さんテイスト満載
あとストーリー好きだったのは
・悪魔との契約/須藤古都離
→オチ!良き!
・魔法少女ミラクルミルキー/一穂ミチ
→ヒーローも魔法少女も辛い仕事。。。
・時効/米澤穂信
→この長さで収まる起承転結具合が秀逸! -
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Posted by ブクログ
ネタバレ初読みの作家さん。何かの雑誌で見て読みたいと思ってた本。出だしの幽霊と子どもの組み合わせでダメかも、と思いつつ最後まで読んだけど、やっぱダメだった。苦手というか、私には合わない。帯に『伏線、伏線、また伏線!』とあったけど、こういうどんでん返しが続く系の話は苦手なのかもしれない。推理についていけないんだよなー。なんかこじつけっぽく感じちゃうし。こんなサイコパスな人達ばっか嫌だよ。いくら姪が殺したと思わせないようにしなきゃ、と思ったからと言って、こんな大がかりな変なことしないでしょ。まぁフィクションですけど。結局音葉が新しい家族とうまくやれていると分かったのは良かったけど。