方丈貴恵のレビュー一覧
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ネタバレ正直、エピローグまでは★3〜4でした。
3人を幼馴染の復讐の対象とし、幽世島へロケにきた主人公と一行。しかし、マレヒトと呼ばれるこの地に伝わる異形の存在に対象が先取りされてしまう。復讐を自分の手で成し遂げるため、マレヒトの犯行をとめ、マレヒトは誰に化けているのかを追究していくストーリー。マレヒトという存在を扱った特殊設定ミステリで、その設定も緻密になされているため、本格ミステリとして十分楽しめる本作である。しかし、エピローグまで異形の存在の本能的な動機がミステリ好きとしては刺さらず、またマレヒトの蛮行というだけでは物足りなかった。
エピローグ、特殊設定を用いたミステリだけで終わらず余韻を味わえる最期は救われました。 -
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ネタバレ設定を受け入れるのに若干時間を要しました…というか登場人物たち特殊設定に順応するの早すぎない?特に主人公!なんてツッコミを入れつつ読みましたが、まあ竜泉家の一族は不思議な事への耐性が強いんでしょう。
暗号を解読して発見した文書により、マレヒトの能力が開示されていくシーンはワクワクしましたし、一見単純に見えた暗号がマレヒトには解読不可能なものだったこと、それが犯人当てに直結する点は非常に巧みだと思いました。
読者への挑戦付きの本格ミステリとのことで、論理によって犯人を導き出すことが十分に可能であり、フェアなミステリだと思います。私はマレヒトの仮死状態にするという能力を誤解していたせいで、見当違いの推理をしてしまい、犯人当ては失敗しましたが…
マレヒトが2人いる可能性も考えはしたのですが、わざわざ島に戻る理由なんてないよなぁと思っていました。しかし、生殖を目的に島へ戻ってきたという事実にゾッとしました。マレヒトの雄と雌が揃うことで、指数関数的に増殖してしまう未来は想像しただけで恐ろしいです。しかし、泳げないという弱点さえ知っていれば対処のしようはあると思います。竜泉家の財力を用いて、時空の裂け目をなんとかして封印して欲しいです。 -
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大好きな警察小説アンソロジー。
一話目は米澤穂信さん。
可燃物の葛警部が登場。同期の手柄話を聞いているはずが…。という話。
二話目は方丈貴恵さん。
シリーズ作品のような設定だけど、そうではないらしい。
怪異好きなせいで出世を逃がしたキャリアが意外と名探偵。
今後シリーズ化しそう。
三話目は荒木あかねさん。
新作待ってた!
警察署内での拳銃自殺事案が発生。ところが拳銃が行方不明になった。それを探す話。
荒木さんらしい作品だった。
四話目は松嶋智左さん。
予期せず『ヤギノメ』の続編で嬉しい。
ストーリーは『相棒』のドラマにありそうな感じで面白かったけど、意外と弓木さんの活躍は薄かったかな。
五話目は芦沢央さん。
現職警察官ではなく、退職後に探偵となった2人の話。
イジメに絡んだ調査だけど、ラストがちょっとボヤッとしてたかな。
これも他短編で出てきた登場人物の話らしい。
自分的には、荒木さんの新作読めたのとヤギノメ続編が胸アツだった一冊。 -
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真実を追求して「絶対に犯人を逃さない」探偵・草津と、事件を上書きして隠蔽し「絶対に犯人を逃す」仕事人ヒミコ。
2人が同じ事件に関わった場合、果たして勝つのはどちらなのか?という異色の推理対決のお話です。
草津さんは以前事故に遭い、車椅子での生活を余儀なくされたため、助手の霧島さんが行なった調査結果を草津さんに伝え、その場で事件を解決するといういわゆる安楽椅子探偵です。
わたしも草津さんと一緒に調査結果をフムフムと聞いていたのですが、まだ説明途中にも関わらず草津さんには謎が解けてしまい、その早さに毎回呆然としてしまいました。
残念ながら、わたしには安楽椅子探偵の素質はなさそうですΩ\( º﹃º` )チーン
探偵と仕事人の対決という発想は斬新で面白かったのですが、推理の難易度としては北山猛邦さんと同じレベルで結構高めだったので、推理モノを何度か読んだことがある方におすすめしたいです。
評価は、物語が個人的には☆3だったのですが、特に最後の章でこのトリックをよく考えついたものだと感心いたしましたので☆4にしました。
もし安楽椅子探偵の草津さんよりも早く謎を解く自信がある方がいらっしゃいましたら、ぜひこの作品を読んで挑戦してみてください(๑•̀ㅂ•́)و✧グッ -
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ネタバレ「盾と矛」
犯人 対 警察 なのかと思ったら
「犯人を絶対に捕まえる」探偵 と
「どんなことをしても犯人を逃す」仕事人
だった。
推理・頭脳担当の車椅子探偵と、腕力・暴力担当の助手
証拠や事実を捻じ曲げてでも犯人を無実にする仕事人
実はこの3人は中学の同級生
『事件は犯人が分かってからが本番だよね』
普通なら動機やら犯行方法やらが解明される事なのだと思うけど
仕事人が絡んできたと悟るなり愉悦に浸る探偵。そこからがお互いの仕掛け合い。
仕事人による新たな証拠の捏造やら事実の捻じ曲げやらが、仕事人と探偵側で繰り広げられ、事件そのものが変貌していく設定。
確かにこの切り口は今までなかったなぁ。
これを、「面白い」と思えるか、「これはない」と思うかで、この作品の評価は異なると思う。犯人がどうしてすぐ仕事人に連絡取れるのかとか、重箱の隅を突き始めたらこの物語の良さが無くなる。
エンタメとして読むなら面白い!
さらに全部で3章の話が別々なのかと思いきや、最終第3章で細かい伏線が見事に繋がりエンディングに向かうのは凄い。
奥多摩の古田唐村(こたからむら)で起こる事件が、全ての出発点だった。
仕事人の事情がわかる最後はほろっと…
キャラはみんなとんがり過ぎてるくらい良い!
車椅子で歩けない頭脳探偵は、助手の現場聴取報告を聞き終わる前に犯人を当てるし、どんなときでも常に「最適解」を導く仕事人は、力も強いし、頭脳明晰で、しかも女性!!
いろんな人の視点から話が進むし、設定がもう、あまりにもあり得ない設定だから、これは映像化向きなんじゃないかなぁ
それにしても仕事人のキャラが良かっただけに、あのラストは残念すぎる
シリーズになって欲しかったなぁ
続編、出るらしいですね。
仕事人どうなんだろ? -
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依頼人(犯罪者)を無罪にするためには、証拠の捏造・さらなる犯罪も厭わない仕事人氷見。氷見が暗躍する事件を解決しようとする名探偵草津と助手霧島。
3人はかつて同じ学校の友人だった。
車いす探偵に代わって現地調査を行った助手からの報告を受け、あっという間に犯人を指摘する草津。
ただし、その間に氷見による証拠の改ざん等が行われ、かつての旧友とやり合いながら、犯人を諦めさせ自白させる-というパターン。
いくつかこのパターンの短編が続いたのち、最後にこれまでの事件が繋がってくる。
ひとつずつの設定は目新しいものではないのに、組み合わせるとこうなるのか!という驚き。面白かった。 -
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この一冊にこの作者のこの作品。
どの作品も重厚でした。
贅沢な一冊です。
作家さんてすごいなぁ、と特に感じたのは
一話あたりのページ数です。
この短いページ数でこの内容を紡ぐことができて
さらには登場人物たちのキャラクターをたたせる。
どのお話も人物たちのキャラクターが現実にいるような
リアルさがある。
物語の構成もしっかりしていて、この頁数で
よく物語のまとめができるな。
と、そういう観点からもおすすめします。
一話がしっかりしているので、一話読み終わると
本を一冊読み切った感じがして、
次の話にすすんだとき前の話を思い出すのが
難しかったくらいです。
それぞれの作家さんの別の未読本に興味を
持つことができました。 -
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裏切りの捜査線
警察ミステリーをテーマにしたアンソロジー。
お見通し 米澤穂信
有名な芸能人のコンサートに殺害予告が届く。警察はコンサート会場付近の公園で過去に逮捕歴のある男を見つけ取調べをする。そして公園からは男が以前に持っていたものと同じナイフが発見される。
警察官の葛と丸山の酒の席での会話だが、警察官同士受け持っている事件の共有は出来ないが、偶然という形で丸山は葛に今回の事件の不満点を相談する。ある意味後味の良い作品であるが、米澤穂信独特の短編描写が見受けられとても面白い作品だ。
何故、「ナイフがその場所から見つかったのか」という一つの疑問から衝撃の理由に連なっていく。
メゾン・イニシェの怪 方丈貴恵
怪異、オカルトに執着する警官生駒と事件を受け持つ八条とのやり取りを通して、過去に殺人事件が起きたマンションで発生した事件を解決していく
生駒は時々鋭い指摘をするが、目線がオカルトに流れてしまい推理は的を得ない。八条は生駒の指摘を受けながら正しい道筋を組み立てていく。
最後、怪異についてもっと取り上げて少しオカルトチックに終幕した方が物語としてはオチを作れたのかと思う。警察ミステリーとは少し違った印象。
プライドの隙間 荒木あかね
警察署内で警察官の拳銃自殺が発生。そして死体の腰からは拳銃が盗まれている。警察官として日々の生活、特に拳銃の訓練に対して嫌な印象を持っている糸瀬は、余り表情は豊かではないが徐々に打ち解けてきた女性警官の高比良と共に無くなった拳銃の捜査を通して警察内部の陰険な部分と向き合いながら真相に近づく。
前日に荒木あかねの短編集を読んだばかりであり、今作のペアについても負けず劣らずの良いチームである。結末はシンプルだが人間関係を通じて面白さがあり、満足する作品だった。
家につく猫 松嶋智左
犯罪の匂い、雰囲気を嗅ぎ分けることの出来る刑事が些細な事でコンビニで買い物をしている老人の行動に疑問をもち、色々理由を付けながら老人の家を尋ねる。警察官の瞳と隼太かのペアがいきなり閉じ込められている所から始まり、謎の四人家族とのやりとりを取り上げる。
珍しい作風だと思うし、登場人物も面白いが、動機の部分が少し違和感があり犯人への恐怖感、緊迫感が物足りなかった。こういった作品はシリーズかされていると魅力がますので、後日調べてみたい。
コールバック 芹沢央
いじめ捜査を依頼された探偵。該当の学生を見張っていると同じように学生を尾行している男性を発見する。学生のいじめは行われているのか、そして、学生を尾行する謎の人物は何者か。
物語としては対象の学生が隠している真実を紐解いていく様な流れだが、ミッシングリンクがわかるとかなり深い話になる。子供は余りにも残酷であり、些細な事で人生を破壊された人間が、最後に驚きの行動をする。
警察を定年退職した正太郎が主人公であり、老年にある落ち着いた探偵である。若いバディ役ではなく、作風として終始重厚な形になっており今作にぴったりの探偵だ。
今作は、短編でありながらかなり骨太な作品。長編だったら何日間かはシリアスな作品を読みたくなくなる良作。定期的に摂取したくなる作風だし、もっと陰鬱な結末でもよかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ探偵と、犯人を逃がそうとするヒミコとの攻防という構図は面白い。お互いに証拠を捏造してでも一歩先んじようとする展開や、第三章でのヒミコのまったく予想外な行動には意表を突かれたけれど、どこかもうひとつ物足りなさも残る。各章で事件が一応は分かれていて攻防戦があっけなかったからかな。最終盤で明かされる事件のつながりによって、こじんまりした印象も持ってしまった。また、草津の足が不自由な設定も、探偵が勝手に動き回って物語を早く進めてしまわないための、少し作為的な足かせのように感じられてしまった。もし次回作があったとして、続きを読むかはちょっと微妙なところ。