湊かなえのレビュー一覧
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物語には引き込まれ、読み終わると思わず冒頭部分をもう一度読み返しました。切ない物語。
この物語は安倍元首相のあの事件を題材にしています。ですので、カルト宗教と政治の癒着、二世問題をもう少し深く切り込んでくれるのかなと思っていました。でも、その部分はかなりあっさりしていて、それよりも結果的には恋愛小説に終わってしまっていたように思います。
前半の主人公Aと後半の主人公Bの母親は共にカルトにはまり毒親となる。その母親には翻弄されるけれど、あの事件を起こさざるをえないほどのものがあったとは感じ取れませんでした。
結局著者は何を訴えたかったのか、分かりませんでした。
太田愛さんの『天上 -
Posted by ブクログ
主人公の美佐、叔母の弥生さん、その夫の公雄さん、弥生さんの姑、学生時代の恋人邦彦、邦彦の妻の奈穂さん、邦彦の母菊栄さん、菊栄さんの姑邦子さんが主要な登場人物。
美佐に役所から叔母の家がゴミ屋敷状態だと連絡が入り、一時過ごした叔母の家に戻って、弥生さんの日記をこっそりと読むことから弥生さんの過去の生活を知り、弥生さんと菊栄さんの家事交換の中で起こる公雄さんの母親の死、美佐が奈穂さんの家事代行を買って出ることから徐々に美佐と邦彦の別れや公雄さんの自殺の真相が明かされて行く。
姑の嫁いびりが何代にもそれぞれの家族に起こり、物語りの低層に重苦しいトーンで流れていて、結末に美佐と邦彦それぞれの夫婦が再ス -
Posted by ブクログ
イヤミス期待で読み始めたけど、この作品はイヤミスではなかった。
ただ、複雑に計算された構成で書かれたストーリーで、たぶんもう一回読み返してやっと分かる気がする。
人って、みんなそれぞれ生い立ちも、生い立ちによって培われた性格もバラバラでそんな人々が集団となって社会は動いていく。
当たり前のことなんだけど、この本を読んで実は「その集まった人々」は同じ方向を向いているようで実はみんな自分のことを考えてそして行動して。
それが傍から見ると綺麗に整頓していて一つにまとまって集団が動いているように見える。
それがリアルの生活の実態なのかなあと思った。
何か一つ、ボタンのかけ違いがあれば大きく崩れてしま -
Posted by ブクログ
人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな。
6人の少年が殺され、人間標本にされる異様な事件が起こります。大学で蝶の研究をする榊史朗は、息子を含む6人を殺したと自首します。芸術だからでは片付けられない理解し難い考えが語られます。
起こってしまった事実は1つでも、後からわかるいくつもの真実に苦しくなります。「信じられなかったこと」がわかったときの絶望感がものすごく、後味が悪いです。
蝶の名前がいくつも出てくるので、その羽の紋様がどんなものかが気になり、スマホで調べながら読みました。実写化はどうかと思いましたが、作品を見てみたいので怖いもの見たさで見ます。