湊かなえのレビュー一覧
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表題の通り、手紙のやり取りだけで、語られるミステリー。
3編の短編+後日譚という構成です。
手紙でそんなところまで書くか?って思うところはありますが、手紙のやり取りが続く中で明らかになっていく真相という展開です。
■十年後の卒業文集
学生時代の事故の真相、その時の人間関係が徐々に明らかになっていきます。
手紙を書いている人物は成りすましなのか?
■二十年後の宿題
小学校時代の恩師の依頼でかつての教え子に会いに行き、それを手紙で報告する物語。
二十年前、先生の夫は川で溺死。その真相とが明らかになっていきます。
これは、よい感じで終わってよかった。
■十五年後の補習
国際ボランティアとして海 -
Posted by ブクログ
震災を経験した4人の女性の話。トンガ王国で過ごし過去と未来を見つめ直す過程に自分を重ねる。震災がなければ良かったのに、と何度この小説を読みながら思ったろうか。
「楽園」震災で死んだ双子の毬絵、生き残った雪絵はトンガに行きマリエと名乗り生活をする。トンガの綺麗さと母親の冷酷さ、雪絵が雪絵として生きていこうと決めた姿が眩しい。
「約束」ボランティアでトンガに来た理恵子、追ってきた婚約者と向き合う話。婚約者に嫌悪と憎悪が湧くが、震災時に抱え込んでしまった物をトンガで昇華させれて良かったと思う。
「太陽」震災でボランティアに来てくれた人に会うためトンガに来た杏子。シングルマザーで「楽園」に出てき -
Posted by ブクログ
親の心子知らずとは言ったもので、小さい頃、嫌だな、とか、口うるさいな、娘をコントロールしのうとするなと思っていたこともよくあった。
近頃になり、「毒親」と言う言葉が浸透してから、「ああ、毒親だったんだ」なんて、自分が感じていた事に名刺がついた気がしていた。
しかし、年齢を重ね、母親の気持ちを理解しようと努めていると、黒から白に変わるように親ゆえの心配ということ、親と娘は血が繋がっていても、生まれ育った環境、時代背景、築いてきた人間関係も違うのだから価値観が違うのは当たり前ということが分かるようになり、母親という存在の見方も変わった。
家族だからこそ、分かってほしいと思っていたり、自分の