あらすじ
女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。だが、理穂とメールで連絡を取るうちに思いがけぬ訃報を聞き……。(「ポイズンドーター」) 母と娘、姉と妹、友だち、男と女。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる。名手のエッセンスが全編に満ちた極上の傑作集!
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後味悪〜い短編集。もちろんどんでん返し。
色んな登場人物の視点から書かれてるから短編なのに読み応えある。
特に好きなのは「マイディアレスト」。「蚤取り」の改題で、これを知った時ゾクッたな…
残虐なのに痛快w
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めちゃくちゃ面白い。
湊かなえワールド全開
一気にこの世界に引き込まれる1行目から、最後の最後まで読者に最後を悟らせない文章力と、ゾワゾワさせる描写さすがすぎる
湊かなえの語り手が変わると印象が180度変わるこの書き方ほんとに好き一人称小説の良さが全開にでてる
被害者意識というか被害妄想を表現するのが巧みすぎる
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上手くいかないことがあったときに「これは小さいころに親から愛されなかったから」「世間からズレてる親の遺伝子を継いでしまったから」と家庭のせいにしがちな自分に気がついた。
きっと、母の実家はそこそこ裕福だったのだと思います。自分が子どもの頃と同じような感覚でもてなしの準備をしたはいいけれど、同じようには事が運ばない。むしろ、こんな狭い部屋に住んでいることをわざわざ知らせたような形になり、どこかで帳尻を合わせようとした。それが学歴の話だったのかもしれません。
「要は、お互い、人付き合いに関しては、超面倒臭がりだってこと。大切な人は人生に一人だけいれば充分」
彼女の苦しみは、結婚ですべて解消されたということか。もともと、私ほどではなかったということか。それとも、無意識のうちに悲劇の連鎖を繰り返そうとしているのか。
もう、何を言っても弓香に通じる気がしない。きっと、この人は根の部分では苦しんでいないのだ。女優としての人気が下がったり、役に恵まれなかったりと、人生が上手くいかないと感じる時だけ母親のせいにして、苦しんでいるフリをして、ダメな原因はすべて自分の外にあるのだと、無意識のうちに自分に思い込ませようとしているのだ。
母親のことを面倒だなと思っていても、姑よりはマシ。嘘だと思うなら、弓香も結婚してみればいい。同居なんてしたら、遅くとも一週間以内には、お母さんはとてもいい人だったんだなって思うようになるはずだから。たくさんの人がそうやって、娘を卒業して、母親になるんだよ
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昨今、「親ガチャ」「毒親」というワードが一人歩きしているけれど、思い通りにいかないときに外的な要因=親を引き合いに出して、うまくことが進んでいるときは、まるで自分一人の力で達成したかのように言う若者が多い。一人で生まれ育った人なんていないのに。
母親は子どもに苦労をさせないように、傷つかないように、守ってあげたいと思うあまり、干渉してしまうけれど、毒親の境界線はどこなのだろうか。
むしろ毒を持っているのは子の方なのでは。子の歪んだ感情が毒親にしているのではないか。
若者に分類される私でもそのように感じる書籍だった。
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6編の短編集で、母と娘がテーマとなっています。
親と子の関係が人間性を歪めてしまい、事件を起こす。
どれも娘主観で物語が進み、一見すると親の「歪んだ愛情」「過度な愛情と自己投影」が原因に見える。しかし、事件の真相が客観的に暴かれると、それは「娘」の問題であった。という価値観の反転に驚かされます。
さらに
巻末の清水由佳子さんの解説でも、反転しました。
「読者の自分も、一歩違えば毒親毒娘になれる。誰しにも起こりえる日常である。作者は、無様な登場人物たちを見下げ突き放すのではなく、それでもなお生きようとする人間への愛が読み取れることが魅力である」
私も、子どもを叱るたび「これも必要なこと」とただ割り切っていました。親として当然だからという理由で、相手を見下げていなかったか。反省です。どの親もどの子も無様でないことなんてないよな。自分も気を引き締めなおして、毒ごと喰らっていこうと思いました。
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見える面でしか、判断できない。当たり前だけど。全体を俯瞰できるのであればもっと違った結末があったのかもしれない。読み終わると本当にオセロのようにひっくり返された。複雑な気持ちになった。
女性に科せられた境界を揺さぶる
最近よく目にするようになった、いわゆる毒親モノですが、この作品は著者による意図的な母/娘という境界への揺さぶり、そしてその揺さぶりの先に見える、女性の苦しさを描いていると感じました。単に毒親叩きには留まらない作品だと思います。
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心を動かされる小説は面白い!親の洗脳によって、娘たちは大切な物を失っている。子供の「ごめんなさい」の意味も考えさせられるな。どの立場で考えるかによってこの本の楽しみ方は変わる。文句なしの星5。
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4話分入っていて、短編なので飽きずにサクサク読めた。
1つ目の話は小説家を目指す3人の話
スタート地点は一緒だったはずなのに、自分もこんなに頑張っているはずなのに、、と相手の活躍を見て妬んだり羨んだり。はたまた自分の方が格上だと思っているうちは相手を下に見てばかにしていたり。
ほんとは他人と比べることなんて無いはずなのにどうしてもそう思ってしまうことはあるよなと自分にも心当たりがありました。ただ、一概に妬み嫉みが悪くはなく、それをバネに自分も頑張ろうと思えるかどうかが人間の成長への繋がることを再認識しました。
2つ目の話は同じアパートに住む子どもたちの話
ほとんど最後まで女の子視点から語られる。
が、最後1ページくらいは男の子視点。そこで全てが女の子側の勝手な解釈だったことがわかる。ただ、この話はじゃああの時男の子が階段に座ってお腹すかしてそうだったことや勉強教わってたことなどなんだったんだろう?と感じてよくわからなかった
3.4つ目の話は特におもしろく感じたけど、感想はまた気が向いた時に書きたいと思う、
Posted by ブクログ
よかった、自分は優しくない。と思った。
あなたは優しくない。
まさにその通り。
優しい人なんて本当に滅多にいない。
優しいと言われる人の大体は、人に興味がなくて無害、無関心で、気が弱く多くのことを押し付けられる人のことを言う。
そんな人を、『押し付けてもいい人』と表すと、その人を利用しているのがバレてしまうから、うまく誤魔化すように『優しい人』って表現する。
そうやって、押し付けて利用する人が大半なんだろうけど、たまにその優しい様を勘違いして本当に優しくて素敵な人だと思って近付かれることがある。
でも近付けば化けの皮が剥がれて、ただの無関心で偽りの優しさだったと気付く。
その時に裏切られた、と思われて、攻撃の構図が生まれるのだ。
本人からしたら勝手に勘違いをされて心外だろうけど、その相手も同じことを思っている。
『これまで優しかったじゃねえか、いきなり何だよ』
優しさが引き起こす悲劇。
優しいだけが正義じゃない、罪にもなり得るのだ。
最後の短編の『毒親』の話もまた、面白かった。
相手が話す話の内容で、苦しんでいて助けを求めていると勝手に誤解してしまう。
本当のことは分からない。その人のことならその人にしか分からないし、その人の家庭のことならその家庭にしか分からない。
物語を読んでいて、最近あった某番組のヤングケアラー問題が脳裏を掠めた。SNSで話題になっている時から正直、違和感はあった。何も知らない外野がひとつひとつのシーンや言動を論って、叩く対象のコンテンツに仕立てあげようとしているような気がして。
例えそこに正義が本当にあったとしても、それが正しいやり方なのか。
前述しているように、私は当事者間のことは当事者間でしか分からず、限られた情報だけを頼りに他者が善悪の判断を下すことはできないと思う。
だからといって、無視して放置するのではない。
当事者から明確なSOSがあった時、その時に手を差し伸べられたらいいと思う。
SOSが出せない人もいると思う。それならば普段からSOSの出し方をそれとなく伝えることもできる。
独りよがりにならないように、見誤らないように、付かず離れずにそばにいることが、愛だと思う。
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〜印象的な話〜
「ベストフレンド」
途中まで主人公の漣涼香が大豆生田薫子を妬み恨んでいるのかと思えば、実際には直下未来が殺害予告のブログを書き、行動に及んだと気づいた時、先入観の恐ろしさに驚いた。
漣は大豆生田のことを羨ましくも思っていたが、実際には強く尊敬し、心から親友と思っていたことを知ってしまうと、あまりにも無念で打ちひしがれた。
これがイヤミスなのかと衝撃だった。
だがイヤミスのはずなのに、文章の構成に感動したからなのか、極上の読後感だった。
不思議な体験ができ、光栄です。
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湊かなえ節というか、彼女らしい内容。「毒親」という言葉がブームのようになり、関連書籍もたくさん出版された。大半は子どもの立場から書かれた書籍だ。母の立場からは読んだ中では「毒母ですが、なにか」(山口恵以子著)ぐらいだろうか。殺人犯にすら普通は良い面と悪い面の両方がある。親にも子どもにもいろんな面があり他人からの見え方も違う。著者は元々スッキリした善悪は書いてくれない作家である。その切り口は親子だけでなく友人知人にもおよび、どの人物も客観性を欠いた人間に見える。それが世の真実なのだろう。読者が登場人物たちに同情をよせることを拒否するような内容を面白いと思うかどうかが評価の分かれ目だろうか。
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高校生の時ぶりの再読。最近、カケラや告白、Nのためになども再読し、やっぱり湊かなえさんは面白いなと改めて実感し、当時は入り込めなかったこちらを再チャレンジ。するとめちゃくちゃ面白くてすぐ読み終えてしまいました。短編集で、どの作品にも母娘関係が深く関わっています。私も昔は、親のことを毒親と言っていたのですが、今思えば私が悪い部分もあったのではないか、と思います。視点や考え方次第で同じものでも全く違く捉えることもできます。善や悪、長所や短所…。物事なんて、すべて表裏一体なのかもしれません。
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表題の通り、「毒娘」「聖母」のテーマを扱った2作が収録されていて、内容としても読み応えのある作品だった。
よく「毒親」とは聞くけれど、母の心子知らずと言うように、一歩引いて見ると「あれ?子供の方がアレじゃない?」という見え方あり、言葉のかけ違いやコミュニケーション不足による思い込みですれ違ってしまう親子の姿が描かれていた。
他にも何作か毒のある作品がありましたが、
小説家になりたい主人公が才能のない新人に最優秀を取られてしまう話が好きでした。
湊かなえさんはやっぱり面白いな〜
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2013年頃の短編集。タイトル通り、女の執念で近親者が続々と命を落としていく。イヤ度大。フィクションでありながら、正面から殺人を扱ってこれだけ熱狂的なファンの支持を得られるのは、やはり凄いです。
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湊かなえさんの作品を久しぶりに読みました。
自分もこうなる可能性があるな、と心にグッとくる(突き刺さるような感覚)ような話が詰め込まれてました。
それぞれの視点で読み進めていくと、そのときはこっちはこんな気持ちであっちはそんな気持ちだったのかと思うことが多く、実際も自分自身の見えかたと周りの人見え方ってだいぶ違うなあと思うことがあり、案外小説の中だけの話ではないかもなあ…と。
書き方がそれぞれの心情を交互に書いていたり、インタビューのような形式で書かれていたり、短編集で読みやすいですが、飽きずにサクサク読めます。
小説の読み慣れてない方で湊かなえさんの作品に触れたい方にはオススメです。
Posted by ブクログ
短編集で読みやすかったです。
表題作の『ポイズンドーター』『ホーリーマザー』を一番期待して読んだのですが、自分ああまりピンと来ませんでした。
しかし、『マイディアレスト』『優しい人』は非常に面白いと感じました。マイディアレストは蚤取りに夢中になる狂った様子を展開に絡めている点、優しい人は貧乏くじを引き続けて苦しむ人がいることを前提に社会が成り立っている、優しくない人もいるがそれは悪では無いというメッセージがとても印象に残りました。
友人に進めるならこのふたつですね!
Posted by ブクログ
バイト先の後輩から借りました!·͜·ᰔ短編だったから読みやすかった!
話自体は短く完結するものばかりだったけど、それらの1個1個で展開がひっくり返って、ちょっとモヤモヤするような読後感があって、短編でもしっかり湊かなえを感じました。
特に最後のポイズンドーターとホーリーマザーが印象に残った。
昨今、毒親や親ガチャという言葉が増えてきた。SNSの発展に伴って皆周りと比べてしまう様になって、自分の置かれた環境を嘆く人が増えているんだろうけど、この2つの短編はそれに一石を投じる内容だと思った。どこかで自分もポイズンドーターになっていないか、ヒヤヒヤさせられました。
私は辛さを感じる基準は人それぞれだから吐露する分にはいいかなって思ってたけど、この作品で「浅瀬で溺れている人が大袈裟にすると、沖で溺れている人が軽んじられる、気づかれない」って書かれてあって、自分の考えが甘かったなと反省しました ·ࡇ·
私はすぐに弱音を吐いてしまうタイプだけど、もっと強くならなければいけないなと思いました^_^
ただ、ホーリーマザーを読んでも、私はポイズンドーターの主人公が所謂「毒娘」だとは思えなかった。
この2人に足りなかったのは対話だと思います。娘側は嫌だと思うならもっと自分の気持ちを言うべきだし(子供が親に反抗するのは難しいのかもしれないけれど)、親は親でなぜそれがダメなのか、決めつけることなく、子供だとしても1人の人間としてまず扱うべきだったんじゃないかと思います。
今でも親には感謝してるつもりだけど、私も自分が親になって初めて、本当の意味で親に感謝したり、親の大変さが分かったりするんだろうな〜とこの本を読んで思いました。毒親、毒娘にならないように、健全な親子関係を築きたいものです。
Posted by ブクログ
ホーリーマザーを読んでも、娘が悪いとは思えない。
「あなたのためを思って」という言葉が嫌い。
娘がそれを望んでいるかどうかは知り得ないのに、
自分の過去の経験から、同じ思いはさせたくないという思考に至り、押し付けがましい態度で子どもを縛る。
子どもの自主性はどこにあるのか。
母親から生まれても、同じ遺伝子を持っていても、全く別の人間なのに。
どうして他者として尊重してくれないのか。
子どもは親の思うようには育たない。
私は娘の弓香が可哀想に思える。
Posted by ブクログ
自分が思う自分と、他人から思われてる自分とは全然違うんだろうな
と、湊かなえさんの作品はいつも、ある種の戒めのような気持ちになる
子供からみたら、放置するのが聖母かもしれない、でも子供から大人になったらそれは毒親なのかもしれない
難しいな
Posted by ブクログ
短編集は普段あまり読まないのですが
こちらの作品はどの話も面白くて引き込まれて、どのラストも素晴らしかったです。
女同士の妬みも、男と女の勘違いも、、ラストの毒親も。
母親でもあり娘でもある私にとって分かる部分が多すぎて…毒親にも毒娘にもなりたくないなと考えさせられました。
湊かなえさんの描く人物はどの物語も人間味があって裏も表もあって面白いです。
Posted by ブクログ
この作家は人間の嫌な部分を浮き彫りにするるのが上手い。
心配性の親と毒親は紙一重。特にシングルマザーは自分がちゃんとしないと!という思いからか娘を手元に縛りつけておこうとするんじゃないか?娘が成人になった後でも、他に拠り所がなくて娘に固執するんじゃないのか?
私の母がそうだったみたいに、自分で自分の人生を楽しめるようにならないと、娘だけに頼る母親が出来てしまう。
そんな事を考えながら読んだわ。
Posted by ブクログ
イヤミスの女王湊かなえのポイズン短編集。
「善」と思って相手にしていた事が相手にとってそれは「悪」であって、そのすれ違いにより大きな事態に発展したり。。
よく言われる''毒親''は世間から見て当たり前にそう思われるから呼ばれているけれども、娘目線は''毒親''だけど世間から見た分にはそう思えないという場合は判断が難しい(判断するものでも無いけど)。
例えば、母が我が子に危険な目にあって欲しくないから「暗くなる前には帰ってきなさい」とかける言葉も子によっては色んな受け取り方があり、''毒親''と言う人もいれば''優しい母''と言う人もいる。。
''毒親''があるなら''毒娘''などもあるよね。
んー感想が難しい。
Posted by ブクログ
毒親?毒親と叫んでいる娘は毒娘か?立場が変われば見方も変わる。先入観もあり、娘の立場で読み進めると毒親と思っていたけど、親の目線に変わると…わからなくなっていく。
Posted by ブクログ
毒親ならぬ毒娘と聖母がテーマの表題作を含む、母と娘を題材にした短編六作品収録。粒ぞろいの作品のなかで、個人的なお気に入りは「マイフレンド」。物語構成・感情描写・台詞回し・叙述的ミスリード、この作品のを読むと湊かなえ氏は天才なんだなと感じる。
Posted by ブクログ
表題作の「ポイズンドーター」と「ホーリーマザー」は、「毒親」という問題について娘側と母側両方の立場から考えさせる構成になっていたが、母の立場になったことがない私にはどうしても娘の方に感情移入してしまった。もしも「ホーリーマザー」が友人視点ではなく弓香の母視点で描かれていれば、弓香の母の心情にも寄り添えたのかもしれない。
どの話でも語り手によって物事の捉え方ががらりと変わるところや、他人の心をさも理解しているとばかりに勝手なことを言う語り手たちの醜さにぞっとした。
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1作目から後味が悪くてさすがイヤミス…となった。
表題作は立場によって見え方が180度違くなることを明確に表現していたと思う。ただ人によって感じ方は異なるからどちらが正しいがないのが難しい。
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『告白』以来の湊かなえさん作品。全話で人が死に、どろどろした感情がうずまく。短編とは思えない読み応えと、インタビュー形式や警察の取り調べ形式の文体が印象的だった。
タイトルにもなっているポイズンドーター・ホーリーマザーの通り、多くの短編で母親が存在し、物語に大きく影響する。
いつか母親になるかもしれない自分の内側をみつめる作品になった。