湊かなえのレビュー一覧
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ネタバレ1.聖職者
・先生のセリフが地の文で書かれている→先生の回想の中の人物の会話を鉤括弧で書かれている。回想場面に有効
・先生としての私と一児の母という私の中での葛藤。警察に突き出す↔︎HIVに感染させる。「先生」は生徒のためにいまさら警察に蒸し返すことをしないと言ったが、それは本当か?どちらが重いのか?
・現代の少年法の脆弱性
2.殉教者
・そのクラスにいた生徒視点の回想。Aくん、Bくん→具体的な名前へ。A、Bとしたのは少年法の匿名性への揶揄?
・先生からの目線と生徒からの目線の比較
・クラスにカーストのような空気が出始める→それを楽しみだす生徒たち。今までの学級小説と何が違うのか→弾圧されて -
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ネタバレ父の仇討ちをしたかったのではない。
──俺はただ、星を守りたかっただけ。
2026年本屋大賞ノミネート作であり、近年『旧統一教会問題』や山上徹也氏の事件もあった為、刊行当時から話題となっていた本作。
僕自身もずっと気になってた作品でしたが、やっと読む事ができました。
本作は前編と後編の二部構成。前編は永瀬暁による手記=暁闇(ノンフィクション)で、後編は作家・金谷灯里による小説=金星(フィクション)という設定で進んでいくが、後編の『金星』で描かれているのは『作家・金谷灯里』としてではなく『金谷灯里=星子』としての視点で描かれた半生だったように思う。
物語を一度読み終え、本作にあった -
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ネタバレ手記「晩闇」と小説「金星」の順番で物語が進行していく。晩闇はリアルタイムで事件が起こる様子を手記形式で取り上げているもの。手記の反応や父の小説、母のスピーチの原稿など第三者目線で淡々と進められていく。
「金星」は真逆の雰囲気で、まさかの暁と星賀との哀しい恋愛小説になり非常にびっくりした。同じ宗教二世という切っても切れない共通項が引き起こす事件だったのだともう一度読み返したくなる作品だった。
「晩闇」には星賀のことは一切書かれていないが少しだけ匂わせている描写があり、そこも素敵だなと思った。
最後星子よりと書かれていたが星子ってどういうことー!?となってしまった。
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ネタバレラスト2ページが衝撃すぎて…えっ…すっご………っと声出た。
湊かなえはあまり好みでない気がして読んでこなかった。イヤミスの女王と聞いて、後味悪いのかな?と思いきや、ラストで怒涛の伏線回収、古川を通して深瀬の心情や、沢山の広沢の友人知人から広沢の話を聞くことで広沢がどんな人間で何を考えていたか、段々と明るみになってきてからは涙が止まらなかった。が、感動のハッピーエンドで終わらないのがイヤミスの女王と呼ばれる所以なのか??ラストの衝撃はすごかった……どんでん返しをさらにどんでん返ししてくる。おもしろすぎた………余韻がすごい。
深瀬と古川の心理描写はとても興味深く読んだ。自分自身も中高で地味なグル -
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ネタバレ個人的に思う湊かなえのすごさは、物語の構成力だと思う。事件を起こした主人公の手記と、それに呼応するように描かれる小説。
後半の小説で初めて明かされる暁の言動、行動の一つひとつがとても優しい。
その優しさが、本人の手記ではなくもう一人の片割れのような人物が描く小説から初めて読み取れるという構成が、湊かなえ自身が暁に優しく語りかけ抱きしめているような感覚で涙が止まらなかった。
そして、日本国内の誰もが知っている某宗教団体の事件を彷彿とさせ、現実世界の大きな問題にも目を向けさせるような内容。
小説の世界から現実に戻ってくるような感覚ではなく、物語を読んだ後に抱いた感情がそのまま心に残り続けている。 -
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ネタバレまぁ地獄。地獄しんど面白い。子供たちを取り巻く貧困や家庭内での問題がテーマで、未来を切り拓くために彼女達は残酷な選択をする。作者のあとがきにもあったように、こういったことは世界のどこかで起きているのではなく、すぐ自分の近くの現実でも起きてきて、今この瞬間にも苦しんでいる子どもがいるのかもしれない。そういったことを考えさせられる。未来の自分と名乗る者から手紙が来る…そんなワクワクするような導入からこんなに重いテーマになるとは流石です…。まだ湊かなえ作品の中でもかなり重い部類なのではないでしょうか。章子、ありさ、真珠(文乃)、篠宮先生今後のみんなに幸あれ…篠宮先生はハッピーエンドかな?「ママ」こと
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すべて愛なのだ。しかし、愛と正義は同じベクトルを持つとは限らない。ただ星を守りたかっただけ。みんなそれぞれに、それぞれの星を守りたかっただけ。
愛光教会その下部団体を含めて、どこまで蔓延っているのだろう。逃げられない、どこにでもいて、どこまでも追ってきて怖い。
手記とフィクションの2部構成で、フィクションは宗教2世として同じ体験を持つ者どうし、温かい気持ちになれる時間もあってよかった。
ラスト3行は、ページを遡って確認した。軽い衝撃で感情が溢れたが、一度読んだだけでは理解が足りてなくて、これは丁寧にゆっくり再読しないといけないと思った。ただ、最後は「暁星」が見えたのではないだろうか。
初、湊 -
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ネタバレ冒頭、担任の森口の1人語りがしばらく続く。生徒2人が森口の4歳の娘を殺害した。修哉が発明した電流の流れる財布で感電させられ、その後意識を取り戻したが直樹によって冬のプールに沈められて亡くなった。その復讐のために、森口は犯人2人の飲んだ牛乳に、HIV感染者である夫の血液を混入させたと告白し、冒頭の語りのシーンが終わる。話の途中、たまに意味のわからない部分があるが、物語が進むにつれて回収されていく。
直樹は、HIVを家族に移さないようにと異常なまでの潔癖症になり、次第に精神を病んでゆく。直樹の母親は、自分にとって都合の良い解釈しかせず、息子の侵した罪からも目を背こうとする。直樹は母親から見放され -
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ネタバレ
綺麗で、怖い。
そして、おそらく多くの人は絶望を強く感じるだろう。
私はその中でも「綺麗」という感覚が一貫して残った。
なぜこれほどまでに残酷なものを、美しく描けるのか。
一つは蝶や、人間標本の作品一つ一つの描写だろう。作品の背景、つまりは標本になった男の子たちの背景 が作品として表されている事もそうだ。
そしてそれとは別にもう一つ、登場人物一人ひとりの思考や行動が、道徳的には逸脱しているにもかかわらず、それぞれの内側では一貫した合理性と整合性を持っている。それも綺麗と感じた。
この物語における「人間標本」とは、単なる観察対象ではない。
それは権威と才能の象徴であり、それに対する羨望