湊かなえのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いつものことながら、良い意味で「思っていたのと展開が違う!」という見事などんでん返しというか、そっちか!という感じでした。
最も心に残っているのは、シュークリームを2人で半分こしたシーンです。悲しく切ないストーリーの中で、あの瞬間だけはあまりに幸せで、暁の優しさも星子の思いやりも、すべてが凝縮されていたように思います。
過酷な運命を描いた作品でありながら、読み手として嫌な『怒り』ばかりが募るわけでもなく、しっかりと最後まで読み進めることができました。それはきっと、物語のどこかにほんの少しの救いや希望が感じられたからなのではと思っています。どんなに闇の深い人間ドラマであっても、そこにかすかな -
Posted by ブクログ
ネタバレ宗教二世として育った暁と星賀の密度の濃いお互いへの気持ちがテーマだったと思う
暁は、何かを分ける時に、きれいな半分ではなく、星賀や弟の輝生に少し多めに分けてしまい、それを半分だと心の底から信じている。
普通であれば良い人、と捉えられるのだが、搾取されて自分を犠牲にすることがデフォルト設定にされているようで気持ちが重くなる。
そして、その人間性が垣間見えるたびに、新興宗教や境遇に搾取されてしまったものが浮かび上がるようで、苦しくなる。
暁の自分よりも相手を思える気持ちが最後まで、どうしても報われなくて、ただひたすらに苦しい方向に人を愛してしまうことに辛くなった。
それでも、「ただ、星を守り -
Posted by ブクログ
たった一つの殺人事件をきっかけに、関わった人たちの人生が少しずつ、そして確実に狂い始める。
「なぜこの事件は起きたのか」
「負の連鎖はどこから始まっていたのか」
その答えは、最後のページまでたどり着いて初めて見えてきます。
読み進めるほどに胸が苦しくなり、「しんどい」と感じる場面もありましたが、それでもページをめくる手が止まりませんでした。
タイトルの意味を改めて考えさせられる、読み応えのある一冊です。
ちなみに「贖罪(しょくざい)」とは、善行を積んだり、償いを行ったりすることで、自らの罪や過失を償うこと。
この意味を知ると、タイトルの重みがより深く心に響きました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレだれが善で悪なのか区切れないよ私には泣
これは若気の至り程度で収まりきれるものなのかな??
子供の意思を尊重してあげられなかった事、少しでも理解を示そうとしなかったことが全ての要因かなあ
母親の愛情を受け取れなかったというだけでこんなにも婉曲してしまう子供ってやっぱり怖すぎる
主犯たちの深淵にあるものは母親からの愛情の欲求・強い承認欲求だからこうなってしまったのも母親に責任があるんだと思う。だから私は先生が最後に言った言葉は真実だと思ったよ
修哉はただただ他人に期待しすぎてるところがあったり色々と不器用だけど、周りがちゃんとしていればこうはならなかったと思うから可哀想
自分の才能を活かせるとこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ暁星、、どんな話だ?龍が表紙だから龍にまつわる話なのか?と前情報一切なしで読み始めた。
まず物語の抜粋から始まり手記へ移る。
正直手記は頭の中に「?」が浮かぶところも多く、父親の死や母親が戻ってきた際の怒りや悲しみに心は揺さぶられながらもあまりのめり込んではいなかった。
しかし後半よ。たまげた。
新たな登場人物と手記の書き手に似た名前の人物との物語。終盤に進むにつれてどんどん前半との繋がりが緻密になり、最後の最後で一体化した。
人生で本をすぐ2周したのは初めてかもしれない。
1周目何気なく読んでいたあの手記をもう一度読み、また後半の物語との繋がりを何個も見つける。
全てを知った後にする伏 -
Posted by ブクログ
最初から最後までずっと苦しかった。最初はただ復讐のことを書いている本なんだと思って読んでたけど途中から始まる金星を読み進めていくうちににふたつの物語が繋がっていってでも最後まで暁が1人で全て背負って殺してしまうっていうのがこれは父の敵討ちでも宗教への恨みでもなくただ星を守りたかっただけっていうのが読み終わってから理解できた。もっと自分は今思ってることをはっきり言語化したいけど言葉にできないくらいの感情。読み終わってからこれが安倍元総理が殺害された事件に基づい書かれている作品だと知ってこんなふうに別の登場人物に置き換えて新たな物語を作るのが素晴らしいと思った。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ余韻が凄い。一気読みしてしまったんだけど、呆然としちゃって、感想をすぐにまとめられなかったしまとめたくなかった。言語化するのも大事にしてるんだけど、読後の満足度と切なさと面白さの海にしばらく浮かんでいた。
暁の手記を終章までいって、「金星を読んだあとをおすすめします」を見た瞬間にうわ〜!!おもしろ!!と思わず声が出てた。早く先が読みたくてたまらなくなった。それだけ期待値が高まった状態でも、なんと引き込まれることか。
フィクションとノンフィクションの交わっていく感じが、本当に絶妙だなと。
「俺はただ、星を守りたかっただけ。」この一文を読むだけでこんな胸が締め付けられるとは。
しっかり金星を