三人の女性、梨花、美雪、紗月を主軸に家族との関わりが丁寧に描写されている。三人ともそれぞれに悩みや葛藤があり、それが生々しくも描かれて三人への読み手の気持ちの入りを自然と促している。そしてラストに近づいていくと読み手に明らかになる真実はその瞬間に立ち会った時に思わず手をとめ見返したくなるほど見事であり三人の物語がどのような結末を迎えたのかをぜひ読んでほしい。ネタバレをするのも勿体無いのでレビューとしてはわたしが今年読んだ本の中ではだいぶ満足度が高い素晴らしい作品でぜひ読んでほしいという思いに留めておく。
わたしは特に紗月の話が好き。