湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ素晴らしい伏線回収で、後半はページをめくる手が止まらなかった。初めは、3人の物語がそれぞれの目線で描かれることに慣れず、少々読むスピードが遅くなってしまったが、一節がちょうど良い文量なので比較的読みやすかったと思う。
後半で、3人の繋がりに気づいた時には、思わず声を上げ、紙切れに登場人物の関係図を殴り書きしました。笑ちなみに私は梨花が紗月の交友関係について商店街で尋ねて回っていた時、"希美子"という名前が出てきた時にカラクリに気がつきました。まさに私がすごく好きなパターンの展開!『かがみの孤城』のように、一見同じ時間を生きているように思える主人公たちが、実は時代が違う、というような世界線がすごく好きです。
美雪目線のみだと、とても切なく悲しいのですが、紗月と梨花目線も加われば、温かい気持ちになれるミステリーだと思います。
そして単純に「雪月花」で表される3人の名前は素敵だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
目つきが悪くて余計に先生に怒られるの私すぎた。小説にしてくれてありがとう。
競争や対立はなくし一様にしようという力が働く反面で、個々は大事にするという矛盾するような風潮が、ルッキズムを醸成したのか?
そういった弊害的な面を描いているのは『死にがいを求めて生きているの』と同様だった。
美しくあることが、自分を肯定する手段や他者からの評価を得る分かりやすい手段として生き残ったのかもしれない。
1章目の医師が、本人の美の基準に口出ししない、みたいな話をするがそれが本質的に感じた。
美しくあることが幸福に転がる場合、それは自分の美の基準に照らした結果なのだろう。
そこに他人の物差しが加わった途端、美の基準は再現なく増殖してしまい、何にも到達しなくなる。
有羽は、「お母さん」の愛でできた自分の体が好きだったのに、教師や家族の可哀想だという自然や言葉で、おそらく本意ではない行動をとってしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は美容整形肯定派。とても考えさせられる考察のし甲斐のある本だった。
有羽⇒自分自身の容姿に自信があった
だからそれを失ってしまったことで自信を喪失
→世間一般からの「美しい」「幸せ」が誰にでも当てはまるわけではない
→美容整形が誰にでも「幸せ」をもたらすわけではない
→容姿というものは「自信」の大きな要である
⇒でも、健康面で考えると「太っている」のはマイナスなのでは?
・気分が落ち込みやすくなる
⇒実際に有羽は、結構すぐにちょっとした要因で自殺してしまう
・体が動かしずらくなる、生活しずらい
⇒けがをする確率が上がる
有羽の中学の時の担任
⇒太っていて、今まで辛い思いをしてきたけど自分のことを「容姿」関係なく愛してくれる人を見つけた
⇒幸せ
*有羽との違いは何か?
⇒有羽は思春期だった、若かった。やはり人間小さい時に受けた影響がその後の人生に大きな影響を及ぼすと思う
⇒世界が狭いから(自分の見えている世界がすべてだと思ってしまうから)
以前「自殺をした人は逃げた人じゃなくて逃げられなかった人だ」という言葉を聞いたことがある
有羽は自分の「お母さん」からの評価(小さい世界)をもろに受け取ってしまい傷ついてしまった。
そして自分に「自信」がないからこそ、「逃げる」選択が取れなかった。
大人だったら、「逃げる」という選択肢があることを知っていたかもしれないが、有羽はまだ若く、できなかった。
有羽の高校の時の担任
⇒思春期の子供にとって、どれだけ近くの大人が影響を及ぼしうるのか
自分自身「容姿」で辛い経験をしたことがある彼女にとって「太っている」ことは悪いことだった
だから有羽も辛いに違いないと考える
彼女は自分自身の信念に従って動いている
→自分は「良いこと」をしていると信じている
しかし結果として有羽を追い詰める要因となる
→客観的に呼んでいるから、この担任の行動が「よくない」ことであることは明らか。しかし、自分自身が知らず知らずのうちに他者にこういう干渉の仕方をしていないか、考えさせられる。
多様性が唱えられる時代において、「容姿」を一つの基準として人に優劣をつけるのはおかしいのでは・・・?
→でも「内面」よりも先に「容姿」が目につくのも事実。
→でも、なりよりも「自信」があるという雰囲気が大切なのでは?
→自分自身に対してのゆるぎない自信を身に着ける。これが、内面よりも容姿よりも人を引き付けると私は考える。
→どんなに美人でも冷たい印象を受けるととっつきにくい。よく見るとブスだけど愛嬌があるとかわいい。
⇒もちろん容姿は大切だがそれよりも自分自身に対してゆるぎない自信を持つこと
そうすれば人生を楽しく生きることができるのでは・・・?
↑などなど、ノート6ページくらい自分で考えたうちの一部分。
他者の目なんて気にせずに生きていこうよ!って言いたいところだけど、そうもいかない世の中。
でも、この人生は私が主人公であり、読者である私のための物語なんだから、ハッピーエンドじゃないとだめだよね(笑) -
ネタバレ 購入済み
そうそうこいつがやったんだよねーと思いながら読んでたら、「まさかのそっち?」で、さらに読んでいくと「え君だったの、、?」と、もうずっと翻弄されている。
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Posted by ブクログ
ネタバレ物凄い作品かも知れない。
ここ三年ほどで一番読後に尾を引いた作品という印象。
何度でも読み返さないと、あちこちに散りばめられた伏線を回収できないように思えて、なんか何度も本を開いてしまう。取りこぼしたくない。そう思う。
私は普段は読まないジャンルの本をオーディブルで聴いたりすることが多い。
暁星も、実は最初、オーディブルで聴き始めた。
けれど途中でストップして、本を買いに走った。
声優さんの声が素敵だったんだけど。でも。
どうしても、文字で追いたかった。
”はんぶんこ”と
”星を守りたかっただけ”の意味がね。
そっかぁ……。
究極の愛だなぁ。
鏡、龍、魂、星、太陽。
宵の明星と明けの明星。
ノンフィクションとフィクション。
構成が本当に凄いな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ時の流れをテーマにした短編で面白かった。女性二人はタイムカプセルの話だったが、作風のように優しい読後感が残っている。万城目学さん、米澤さんは才能かなぁ着想が面白かった。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
読書は甘辛で行く。ソフトとハード。刺激と慰撫、頭とハート。その他いろいろで、ほろりとしたり、背筋が凍ったり、一日の出来事だったり何世代にもわたる大河が流れていたりする。でも日常の読書の味付けは甘辛が気分転換にいい。
この短編集は、甘辛がミックスされそれもいい塩梅な配合で出来がよく、読後のレビューも書きやすくて、ありがとうと一礼をした。時の流れをテーマにした短編でとても面白かった。
女性二人はタイムカプセルの話だったが、優しい読後感だった。
タイムカプセルの八年 辻村深月
教育熱心な担任の勧めで6年生は卒業前にタイムカプセルに記念品を入れて埋めることにした。だがそのカプセルは倉庫の隅に放りっぱなしになっていた。
同級生の父親で作った「親父会」はその噂を聞いて、探し出すことにする。教育熱心で子供たちに慕われていた先生の実像に今は多少不安があったが、何かと行事に顔を合わす父親たちは、探してまた埋めておくことにした。父親会の付き合いと、子供たちの成長振り、環境が変わってもお父さん同志何かしら暖かい繋がりがある話だった。
トシ&シュン 万城目学
「縁結び」の神様が配置換えになった。今度は「学問」と「芸能」も面倒を見る神社になった。
付き合っているらしい二人はどちらもトシと言う名前だったが紛らわしいので男性のほうはシュンと呼ばれていた。
小説家になりたいという男と女優を目指す女、夫々の目標が成就するように神様はヒントを与えたが。
ユーモアたっぷりに話は二転三転、読んでいて思わず心が軽くなる。これは面白かった。
下津山縁起 米澤穂信
A.D.873 遠江国に火山の噴火で、上津山に並んで下津山が出来た。下津山の横に沼が出来た。
A.D.1180 時が過ぎ麓で武士たちが戦った。
A.D.1783 旗沼の埋め立ての話が持ち上がったが中止された。
A.D.1885 二つの山を測量した結果、高さは3Mの差だと判明。
A.D.1966 旗沼で泳がないようにプールが出来た。
A.D.1989 圧電流・地電流について百科事典より引用。
A.D.2018 旗沼埋め立て工事を中止。
A.D.2191 人の脳波を知性とするなら、電気で動く機械に知性はないのかという命題から、交信してみたい思う森島博士。
A.D.2205 森島研究室のコンピュータに不明確な受信記録。
A.D.2256 ついに下津山の半分が削られる。
A.D.2299 研究所に解読不明な受信記録があった。
A.D.2753 研究所のコンピュータが更に受信、山からの発信はまだ人間を認知していなかった。
A.D.2574 すでにネットワークが見つからなくなっているということは人間の滅亡を意味したが。亡き森島博士の予言どおり「山との交信」成功
A.D.2873 山々の裁判で上津山は下津山を殺害で有罪判決。上津山は有機知性体(以後人間と表記)を誘導して下津山を殺害させた。上津山の標高についての嫉妬心が動機、としたが控訴する予定。
長い歴史を辿って、人と山の歴史を創造した。まさに作家の着想は素晴らしい。
長井優介へ 湊かなえ
高校卒業の日タイムカプセルがあけられた、中学三年生の時の事件が改めて姿を現す。何か腑に落ちないままに解決したかに見える強姦未遂事件。無罪にはなったが素行の悪い三人組が疑われた、しかし彼らには証拠がなかった。
今明かされる、それを知っていた人物。
面白かった。辻村さん、湊さんもほのぼのして纏まっているが、万城目学さん、米澤さんのユニークな作品は特に印象的、読んでよかった。