湊かなえのレビュー一覧

  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    めちゃくちゃ面白い。
    湊かなえワールド全開
    一気にこの世界に引き込まれる1行目から、最後の最後まで読者に最後を悟らせない文章力と、ゾワゾワさせる描写さすがすぎる
    湊かなえの語り手が変わると印象が180度変わるこの書き方ほんとに好き一人称小説の良さが全開にでてる
    被害者意識というか被害妄想を表現するのが巧みすぎる

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    2025年10月12日
  • 白ゆき姫殺人事件

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    この本で初めて「オムニバス形式」というものを知りました。ネット上の書き込みのように、登場人物それぞれの視点で語られるため、同じ「殺された人」や「被疑者」に対してまったく違う印象を受けました。
    優しい、重い、意地悪、怖い、ほがらか――人によって語り方が変わるたびに、人物像が少しずつ違って見えて、とても面白かったです。
    最後に主人公の視点から真相が明らかになると、実際に会わないと本当の人柄は分からないということが強く伝わってきました。現代のSNS社会にも通じるテーマで、読み終わった後もしばらく考えさせられる作品でした。

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    2025年10月10日
  • 花の鎖

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    無関係のような3人の女性が繋がってゆくお話。
    登場人物が多いので誰だっけ?となるところも多かったけど、頭の中でどんどんパズルがはまっていくような感覚がすごくよかった。え!そういうこと?ということはこれは、あれは…みたいな感じで。
    内容を忘れないうちにもう1回読みたいと思えた。初めて!高山植物に詳しかったらもっと楽しく読めたかも、と思うので、2回めはお花の名前を検索しながら読みたい。
    悲しいお話だし、絶対に許されない、許したくないと思いつつ、強く美しく生きる女性3人が素晴らしかった。

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    2025年10月09日
  • 母性(新潮文庫)

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    なんかすごいもの読んだ。

    「母性」のタイトルが示すように、母と娘の関係性を通して親子愛を描いたもの。
    かと思いきや、そこは湊かなえ作品。そうは簡単に行かない。
    親離れできない娘が母となった時に果たしてどうなるのか。
    なんて単純な話ではなかった。
    読み始めてからなんか不穏なものが常につきまとっていて、背中がゾワゾワムズムズしながら不安と友達になって読み進めた。
    母目線のパートと娘目線のパートがあるが、母目線のパートで示されたものを娘目線パートで答え合わせをする感じ。
    ではあるのだが、はたしてそれは真実なのか。そんな事も読みながら感じてしまい、やっぱり背中がムズムズする。書き方上手いよなぁ。先が

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    2025年10月08日
  • カケラ

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    面白かった。

    物語としては各パート毎に話し手が変わり、聞き手の美容外科医の美人女医が、まるでカウンセリングを行うかのように話し手だけがずーっと喋っている、という構図。

    物語の根幹にあるのは、ある1人の女性の自殺である。
    聞き手の女医が、その女性の死を調べようとしているのか、少しずつ関係者をリレーしていくように謎に迫っていく。
    美しさや醜さ、幸せや不幸せとは何なのか考えさせられる一冊。

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    2025年10月06日
  • 花の鎖

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    ネタバレ

    読み進めていくうちに繋がっていくそれぞれの関係…真実に気付いたときの気持ちよさ…
    内容は胸糞といえば胸糞だけど、でも結果オーライというか、きれいな終わり方だと思う。
    あちこちにきんつばが出てくるから、次はきんつば用意してから読みたい笑

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    2025年10月04日
  • 白ゆき姫殺人事件

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    ネタバレ

    この手のミステリーは必ず別の犯人がいる。
    そのように読み進めていた。
    犯人がまさかの。。。
    最後の城野美姫の章により全てが覆された。
    先入観、SNSの怖さを書いた本だと私は感じた。
    ぜひ小学生の読書感想文のテーマにしていただきたい。
    子供達が人の外側のところだけで判断せず、本質を見抜けるような素晴らしい教材になると思う。

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    2025年10月02日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    ネタバレ

    上手くいかないことがあったときに「これは小さいころに親から愛されなかったから」「世間からズレてる親の遺伝子を継いでしまったから」と家庭のせいにしがちな自分に気がついた。



    きっと、母の実家はそこそこ裕福だったのだと思います。自分が子どもの頃と同じような感覚でもてなしの準備をしたはいいけれど、同じようには事が運ばない。むしろ、こんな狭い部屋に住んでいることをわざわざ知らせたような形になり、どこかで帳尻を合わせようとした。それが学歴の話だったのかもしれません。

    「要は、お互い、人付き合いに関しては、超面倒臭がりだってこと。大切な人は人生に一人だけいれば充分」

    彼女の苦しみは、結婚ですべて解

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    2025年10月02日
  • 母性(新潮文庫)

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    ネタバレ


    ずっと母親から愛され続けていたいと思い続けてる女が子供を産むと、こうもグロテスクな人生を歩むのかとゾッとさせられるストーリーでした。
    火事の時に孫を助けろと言う母親に対して「子供なんてまた産めば良いじゃない!」と言い返してるところに絶句。
    母親主観の時と娘主観の時のエピソードの違いにも心を潰されるような感じがする。
    全部私が被害者だって感じの書き方が本当に気持ち悪くて、湊先生らしさが溢れ出てて引き込まれました。

    1番許せないのが父親なんだけど、不倫相手と駆け落ちしたくせにひょっこり帰ってきてるの本当に気持ち悪い。
    娘に親に暴力を振るわれた鬱屈を外にしか発散できなかった卑怯者と罵られててザマ

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    2025年10月01日
  • Nのために

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    パズルみたいな本
    それぞれがそれぞれのために、何が正義か。
    結局人生で大事なことは主体的な考えだよってことが言いたいのかなと感じた

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    2025年09月30日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    昨今、「親ガチャ」「毒親」というワードが一人歩きしているけれど、思い通りにいかないときに外的な要因=親を引き合いに出して、うまくことが進んでいるときは、まるで自分一人の力で達成したかのように言う若者が多い。一人で生まれ育った人なんていないのに。

    母親は子どもに苦労をさせないように、傷つかないように、守ってあげたいと思うあまり、干渉してしまうけれど、毒親の境界線はどこなのだろうか。
    むしろ毒を持っているのは子の方なのでは。子の歪んだ感情が毒親にしているのではないか。
    若者に分類される私でもそのように感じる書籍だった。

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    2025年09月30日
  • 絶唱(新潮文庫)

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    阪神淡路大震災を経験した人たちの物語
    彼らは傷ついてトンガへと辿り着く
    時間は経っても彼らが傷ついた事実は決してなくならないそんな厳しいことをトンガの人たちが優しく包み込む温かな小説だった

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    2025年09月28日
  • 白ゆき姫殺人事件

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    ネタバレ

    読みたてホヤホヤの感想です。
    直接的なネタバレになることは言わないけど、なんとなく反応でわかる人はわかっちゃいそうなのでネタバレってことにしておきます。

    まさか犯人あの人なの!?しかも動機それ!?
    って感じです。

    SNSの意見に左右されがちなこの時代、SNSの言葉がすべてじゃないと分かっていても信じてしまう。
    情報の取捨選択や先入観について考えさせられました。

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    2025年09月28日
  • カケラ

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    すげえって感じ。
    しかも、美しさに執着するのってどうなの、ということに対して悶々としていたのがひとつ、明るくなったような感じが得られる。

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    2025年09月23日
  • 少女

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    ネタバレ

    すっっっごく好きだった。

    視点がコロコロ変わるけど、それがまた、2人の似ているようで全然違う内面の対比が鮮やかになっていて、

    でも本当はお互いに、好きで尊敬しているんだ
    という部分もはっきり浮き彫りになり

    この時期だからこその、
    特有の不安定な中にある、親友の関係
    誰よりも相手を求めながらも、
    誰よりも相手に疑心暗鬼。

    不気味に美しい。

    そしてその不気味さが、死への興味への不気味さにも繋がっていく。

    なんとなく暗くて、でもなぜか夏の爽やかさがこちらにまで伝わってきて、じっとりと湿度が高い。

    最後、全ての人間関係が繋がっていって
    最悪の形でひとつの環になるのが最高


    面白い上にな

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    2025年09月21日
  • 絶唱(新潮文庫)

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    震災について考えることは多い。自分は被災したことがないため、他人事のように思ってしまう。震災を利用した商売だけはしてはいけない。

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    2025年09月19日
  • 少女

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    ネタバレ

    久々に面白くて一気に読んでしまった作品

    高校生くらいの思春期の時代って自他の境界がなくて、正直誰が喋っているのかわからずふわふわした理解で物語を読み進めてしまったけれど、あとがきを読んでアスタリスクの数でわかりやすくどっち視点なのか示されて居たとのことで納得、すごい

    "因果応報"
    がしっかり登場人物たちのなかで伏線回収されてて最後の最後まで目が離せなかったなあ

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    2025年09月18日
  • 往復書簡

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    ネタバレ


    手紙のやり取りで話が進む短編集、かと思いきや全て繋がっているストーリー。

    そことそこが繋がるの?!っていう驚き。

    湊かなえさんらしい、毒を孕んだ表現にうっすら嫌な気持ちにさせられるのが面白い。

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    2025年09月18日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

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    6編の短編集で、母と娘がテーマとなっています。
    親と子の関係が人間性を歪めてしまい、事件を起こす。
    どれも娘主観で物語が進み、一見すると親の「歪んだ愛情」「過度な愛情と自己投影」が原因に見える。しかし、事件の真相が客観的に暴かれると、それは「娘」の問題であった。という価値観の反転に驚かされます。
    さらに
    巻末の清水由佳子さんの解説でも、反転しました。
    「読者の自分も、一歩違えば毒親毒娘になれる。誰しにも起こりえる日常である。作者は、無様な登場人物たちを見下げ突き放すのではなく、それでもなお生きようとする人間への愛が読み取れることが魅力である」

    私も、子どもを叱るたび「これも必要なこと」とただ

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    2025年09月17日
  • 贖罪

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    湊かなえの作品は3作品目になるが、ページを捲る手が止まらず、あっという間に読み終わった。自分との相性が良いような気がする。

    登場人物の多くが何かしらの罪を抱えて、救いのない物語の中で、最後の2人でお供えをするシーンには胸を打たれた。

    現代において、経済格差は広がり続けており、お互いの偏見故に、誤解をすることも少なくない。しかし、広い見識を持って俯瞰することで多種な他人を受け入れていきたいと思った。

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    2025年09月16日