湊かなえのレビュー一覧
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どろどろして苦々しくて、その中にふと仕込まれている温かさと、愛。
毒なのか、愛なのか。
それぞれの視点から事実をいくら読み解いても、真実はわからないものですね。
登場人物たちは皆、本当のことを言っている(言いたくないもの、忘れい事実はあえて言わない人もいる)ように思います。けれど、違う人の言葉で、違う形が浮かび上がる。
短編のミステリーなんて、そんなに深みが出ないのではないかとこれまで敬遠していましたが、さすがは湊かなえさん。どれもこれも味が濃い、それでいて、くどさはなく、腹の奥底に響くような苦みすらある。けれどもう一度味わいたくなるのが毒。 -
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ネタバレこれは、今までの湊かなえ作品とはちょっと違う。
介護が題材になった小説を読むのは初めて。
途中までミステリーらしい展開がなく、ヒューマンドラマっぽい感じなのに、描写の巧みさで飽きることなく読めてしまった。
そしてどんどんいろんな人のいろんな思いが交錯しはじめ、女のいやらしい部分が生々しく描かれ、湊かなえらしさもちゃんとあり。
邦彦や美佐の夫の現実逃避ぶりにはイライラする。
介護は女がするものっていう価値観にも、姑の嫁に対する態度にも。
弥生さんの日記が始まってからは、ハラハラしながらのミステリー展開。
結末の救われなさよ…。
それでも最後、弥生さんが強く生きていくことを決めた覚悟、美佐が -
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有名小説で、映像も大ヒットしたので、期待していましたが、期待を楽々越えるおもしろさでした。
教師の娘が学校のプールで亡くなった事件から関係者がそれぞれの視点で事件について語る。事件の裏にあるボタンの掛け違いが明らかになっていくが、それでも小さな子どもが命を落としてしまう憎悪がずっと粘りついて離れない。
加害者側の人間は被害者の母親である元担任から凄まじい復讐をされるが、その復讐すらも母親が仕組んだボタンの掛け違いを利用した完全犯罪となっている。(完全犯罪とは言えないかもだけど)
先日、湊かなえさんの暁星という小説を読んで、おもしろかったので、これも読もうと思いましたが、小説の構成が似てい -
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慄き、没入する最強の読書体験
絵で、写真で、見られないこその美しさと恐怖
想像した結末を二転三転させられる快感
覚書と前日譚で史郎が興奮してのめり込む感じ、
手先が震えて視線が集中し周りの音がぼやんと聞こえなくなるような感覚が、文章でこれだけ表現できることに驚いた
至の人間標本
独房での史郎の思考
面会室での真実
湊かなえの本の特徴でもあると思うが、
一人称視点の、自分が唯一の対話相手になる感覚が素晴らしく書き記されていて、
手紙、レポート形式だからこその真実と勘違いと嘘が、告白を最初に読んだ時の衝撃と重なった
史郎と至の愛を見せつけて終わるあたり、やはりイヤミスの女王は不動
こんなに -
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(後立山連峰)
なんだろう、なぜかスッと物語が入ってこなくて。
相性みたいなのがあるのだろうか。
でも、山の景色や土の蒸れた匂い、風の轟きや葉の擦れ合う音、鳥の鳴き声、遠くのパーティの話し声、喧騒、熊鈴の音、いろんなものが一気に記憶から湧き出てきて、それがもう物語以上に物語で……記憶の情景と感覚と、物語が交差する、滅多に得られない読書体験でした。
夢は逃げない、なんてことはなく。
別に今急がなくたって、何年か後でもできる。
でもそのときが訪れることはもうなかったこと……
いま動かなきゃ追えない夢があったり、登れない山があったり。
人生あまりに長くて、つい計画的に物差しで測りながら計算して物