湊かなえのレビュー一覧
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同じ出来事でも、誰の視点で見るかで意味が変わる。
その残酷さを静かに突きつけてくる一冊。
母に認められることに執着する母と
その母に愛されるために自分を削る娘。
「私は母の分身なんだから、違う感情を持つなんて許されない」
その前提が少しずつすべてを歪ませていく。
お互いへの思いは見事に食い違っていて、母目線は
「私は愛情を注ぎ、娘を大切に育ててきました」
「私がどれだけ娘に愛情を注いでいたか」
と語るのに対し。娘視点では
「母から殺したいほど憎まれる」
「胸を切り裂かれそうな言葉を投げつけられる」と描かれる。
心配をかけまいと涙をこらえる娘の顔は
母には“愛想のない仏頂面”に映る。
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Posted by ブクログ
湊かなえは世界が5D位に見えているのではないかと毎度思わさせられる作品。
同じ出来事を、仕草、表情を、人にによっては全く違う解釈があって、それぞれの立場から話を聞くと全く別の出来事が起こっていたかのように思わさせる、不思議な二重構造みたいなのをつくる天才。
作者の頭の中が見てみたい。
人は自分が経験したこと以上のものを生み出すことは出来ないと、私は思っているので湊かなえがこんなにも人の解釈や立場、感情の引き出しがあることにいつも驚かされる。
作者本人ならどの立場の解釈なのか?と思うし、
全く別の解釈をする人がいることを理解することは簡単だけれど、さらにどんな解釈をするのかまではなかなか想像 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は美容整形肯定派。とても考えさせられる考察のし甲斐のある本だった。
有羽⇒自分自身の容姿に自信があった
だからそれを失ってしまったことで自信を喪失
→世間一般からの「美しい」「幸せ」が誰にでも当てはまるわけではない
→美容整形が誰にでも「幸せ」をもたらすわけではない
→容姿というものは「自信」の大きな要である
⇒でも、健康面で考えると「太っている」のはマイナスなのでは?
・気分が落ち込みやすくなる
⇒実際に有羽は、結構すぐにちょっとした要因で自殺してしまう
・体が動かしずらくなる、生活しずらい
⇒けがをする確率が上がる
有羽の中学の時の担任
⇒太っていて、今まで辛い思いをしてきた -
Posted by ブクログ
ネタバレ終始面白かった。さすが湊かなえ、という感想。淡々と一人と人が心情を語るところから物語が始まる、湊かなえらしい始まりで一気に引き込まれる。
物語は、小学4年生の子ども5人が遊んでいた時に、その中の1人が男に声をかけられ、プールの更衣室で殺害されるという内容だ。そして、4人で亡くなったエミリを見つけ、警察やエミリの家など、手分けして大人を呼びに行った4人の視点から、その時のエピソードやその後の人生が語られる。
エミリが殺害された後、エミリの母親は4人の少女に、犯人を見つけるか、それに相当する償いをしろと罵る。4人の少女は、償いに葛藤しながら人生を送るという、何ともイヤミスの女王らしいストーリー -
ネタバレ 購入済み
そうそうこいつがやったんだよねーと思いながら読んでたら、「まさかのそっち?」で、さらに読んでいくと「え君だったの、、?」と、もうずっと翻弄されている。
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湊かなえ作品といえば、なんといってもイヤミス、また各登場人物の内面に焦点を当てる描き方が特徴ですが、本作品も決して例外ではありません。ある家族の殺人事件をめぐり、家族関係、さらにはご近所関係が動揺していく様子に、読む側の気持ちは暗くなるばかり。登場人物はクセのある人ばかりですが、決して現実離れしていない設定なのがモヤモヤを引き立たせます。個人個人に視点が転換していく物語の描き方は、人物内の建前と心情の違いを明確に突きつけてくるため、人間関係が複雑化する現代を生きる読者は納得感と同時に恐怖感をも抱くのではないでしょうか。全体を通し暗い作品ですが、このモヤモヤ感、不快感こそ湊かなえ作品の醍醐味だな