あらすじ
悪意は拡散する――。衝撃の結末が待ち受ける、『告白』以来の学校ミステリ!
この作品を書けたことで、小説家として次のステージに一歩進むことができました。
――湊かなえ
県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
イヤミスの女王によるイヤミス小説を読んでイヤな気持ちになるのは、全くもって誉められたことである。はず。
うわぁ、感じ悪い自分さえ良ければ教師。
自分の子供可愛さのあまり完全自己中のモンスターペアレンツ。
自分の向き合うべき方向性が間違っている生徒。
いやぁ、実社会もこんなんだろうか?
おそろしや。
もしかしたらもっとなのかな?
でも、意外や、意外な結末で、
終わったらなんだかちょっと気持ちいい。
とはいえ、すぐに同じ作家のものは手に取れないくらいにはヤられたのだが。
Posted by ブクログ
『入試をぶっつぶす』
進学校の高校入試に焦点を当てた作品。
教師、生徒、OBと登場人物が沢山出てくるが、読みやすくてスラスラ進めることが出来た。
学校で起こるトラブルがネット掲示板にライブ中継される。
怪しい人が多すぎて誰が犯人なのか推理する楽しみも。
Posted by ブクログ
最後の最後まで誰が首謀者かわからなく、どんどん読み進めたいと思わせるのがさすが湊かなえだと思った。
過去は通過点とは思いたいが、過去の栄光に縋っていたいという人間の真理をついていた作品だった。また、人間誰でもミスは犯すもの、しかしその小さなミスが他の人の人生を著しく変えてしまう、責任の取り方やミスをどう捉えるかも大切なんだな、と思った。
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多分3度目。
1度目はかなり昔に、2度目は長女の高校入試の頃に、そして今回3度目は長男高校入試の最中に。臨場感たっぷり。ミステリなのに3回も読めるなんて記憶力に不安が、、、。
県内有数の名門高校の入試業務中に色々な事件が、、、。大事にしたくない管理職、自分のミスを認めず人や物のせいにするベテラン教師、同窓会会長の立場を利用して好き勝手に振る舞う受験生の保護者、、、問題のある大人がいっぱい。
でも私も、何かミスしてすぐに素直に謝れるかな?隠そうとしないかな?自分勝手に振る舞ってないかな?私も気付かないうちに加害者になってるんだろうなってドキリとしちゃう湊さん作品。
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んーー!!満足感!
きっと、誰もが経験したことのある高校入試を中心に、それぞれの正義感がぶつかったストーリー。
男女の問題、親子の問題、イジメの問題、キャリアの問題、人の数だけ悩みがあって、その解決方法は無限にあるけど解決はしやんのやなって感じた!めっちゃ考えさせられました!!!
Posted by ブクログ
県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者?
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この作者は、学校ものを描くと結構おもしろい。
なかなかスリル満点で、読み応えがあったと思う。
何度も読み返しています!
誰が首謀者なのか、最後の最後まで全く分からないのがいい。
しかし、読み返してみると、幾つも伏線がはられていて、回収をしていくのが楽しい。
さらに、個性豊かな登場人物がどんな人物だろうと、それぞれのパートから想像していくのも面白い。
こんな感じで、何度も読み返しています!
サクラチル
もともとがドラマの脚本だっただけあって、小説にした時の読みやすさがちょっと欠けているというか、
登場人物が〇〇先生ばかりで誰が誰だか覚えるのが大変でした。
性別や年齢を覚えられず、若い男性だと思っていたのに成人した娘を持つ女の先生だったりして、
戻って読み返したりしたのですが、ドラマの出演者一覧を検索して覚えたら一気に集中できました。
湊さんらしい複雑さと面白さ。
伏線が美しく回収される喜びを感じます。
そして最後、ネット上のすべての誹謗中傷にこの仕掛けがあればいいのにと思わされます。
Posted by ブクログ
匿名の怖さやネットの使い方、入試に対する学校側の対応、学歴社会に対する意見など現代の日本が抱える様々な問題に触れられていて沢山考えさせられた。
Posted by ブクログ
色んな人も書いてるけど登場人物の多さよね
学校を舞台にしてたらこの登場人物だけでは少ないと感じるまである
「高校入試」と言う規模感で言えば小さいものだけど中学生にとっては今後の人生を左右するというのが上手く作用していた
ましてや「一高」この高校に入りさえすれば!のような神様的扱いであるが故
大人達からの圧力やプレッシャーもあるのほんとに大人の厄介さみたいなものが描かれてる
自分の子どもなのに無理に勉学を強要させさらに今では「毒親」や「モンペ」と呼ばれる親についてが出てきているようだった
先生によっても考え方は全く違うし先生という前に1人の人間ということも考えなけれいけない
自分の通ってた高校も「入試」で何かあったってのは聞いた事ないけど生徒達が厄介すぎたから余計この作品を読んで先生という立場に同情してしまった
実際校内で窃盗が起きるなんて事もあったからほんとに大変だっただろうなって
物語についての話をするかね!面白い!
入試において不正があったのではないか、度々話題になる問題の流出という大問題がどうなっていくのかってのがとてつもなくハラハラする
Posted by ブクログ
おもしろくて一気に読めてしまうけど、誰もが思う「登場人物おおすぎ」!
ああ〜これに関しては誰かがどこかで違和感もってたな、くらいにしか思い出せず、ゆっくり読み返しながら読み進めるしかない( ◠‿◠ )
高校教師だった湊かなえさんだから書けた作品なのでは。
Posted by ブクログ
公立高校の入学試験を舞台にしたミステリー、というよりはサスペンス、ドラマの脚本を小説に再構成したというのも納得する多くの登場人物に多くの視点、情景を人物像をイメージしながらなんとなく感情移入というよりも観測者として物語に関わる読みを読み手はした方が良いと思う。
出てくる人物は色々と癖があり、課題を抱える子どもたち、事なかれ主義に見える管理職、意見や思想の違う教職員、我が子のために入試に介入してくる保護者。グチャグチャのこの世の嫌なところが煮詰まったような人物たちが「高校入試」という閉鎖空間で様々な関わりと、行動、思いのぶつけ合いをするのはある意味クローズドサークルものという側面もある。
今作は基本的には「誰が」「何のために」を焦点にそれぞれの視点の情報を読み解いていく。推理をするよりかは状況に浸り流れに乗って読み進める方が楽しめる、ライブ感を愉しんだ方が良い。その中で繰り広げれられるのは愛憎なのか、復讐なのか、自己保身なのか、問題提起なのか、様々な入り混じりを感じながら社会の課題を読み手自身で考えた方が良い。
読んでいく中で終盤になると、ある人物の見方が大きく変わる、今まであまり介入してこなかったからこそその人物の秘めている思いや、立場による振る舞いを感じさせる。わたしはその場面、その語りがとても印象に残った。
Posted by ブクログ
元々、テレビドラマ用の脚本として書いたものを著者が改めて小説化したらしい。
登場人物が多くてどうしてもごっちゃになってくるが、先生側もなかなか普通じゃなくて著者らしい。
母親の応援メールで携帯が鳴ったのは皮肉だが、その教室だけ携帯電話に関する注意書きがなかったのは、この手の問題であるあるで頭が痛い笑
あちこちでそれぞれの問題を抱えていて読ませるには読ませるのだが、ドラマの方が登場人物も分かりやすいし面白そうだなと思ってしまった。
Posted by ブクログ
この作品、ドラマで初めて見て。
湊かなえ先生の作品の中でも私が一番好きな作品です。
イヤミスの女王の湊先生の中でイヤミスではない話なんじゃないかなぁと思います。
時事的な、考えさせられる話で面白いです。
Posted by ブクログ
「入試」という題材が既に面白い!と思い読み始めたらまさかの教員側の奮闘がメインの話。頻繁に切り替わる視点に多少の読みづらさを感じるも、入試システムの杜撰さがある意味面白くて途中まで犯人云々も忘れて読み進めていた。これが現実でも起こり得ることだと考えると怖い。
Posted by ブクログ
420p
次の展開が毎回気になり読み終わった時には、あぁ終わっちゃった、と感じる続きが気になる本でした。結果、悪人こそいなかったけどそれぞれの背景や想いがあってこその行動。
それが入試という学生には人生左右させられる場面でその行動を投じるとは…。
ドラマは見てはないけど見たくなりました!
Posted by ブクログ
「入試をぶっつぶす!」
こんな張り紙を見たら教員はどう対応をとるのか。試験会場によって対応が違ったり、開示請求をしたら採点ミスが発覚。学校側は自分たちの名誉ばかり守ろうと対応する。しかし、受験生にとっては受験当日、1点、2点で合格が左右される、自分の将来等に関わる場合もある。
首謀者がなぜ入試をつぶそうと考えたのかの理由には納得してしまいました。とても考えさせられる本です。
Posted by ブクログ
文章が登場人物の視点で次々と入れ替わるためか中々人物が把握しづらかった。それでも最後は一気読みできた。受験生の親があんなだと子供も大変だろうな。
Posted by ブクログ
湊かなえのイヤミス感がなく、すっきりと終わった。
結局、高校入試の採点方法ミス〔というか受験番号書き忘れ)で不合格になり、人生がおかしくなったと思ってる兄弟が首謀者。
まわりの先生たちや生徒はその作戦にのった人たち。
登場人物多すぎてわけわからん。
Posted by ブクログ
たくさん先生が出てくるから不安で読み始めたけど、キャラがたってるのでサクサク、場面を想像しながら読みやすかった。
出てくる先生ひとりひとりが人間らしくて好きだった。
それぞれ自己中心的で問題も抱えてるけど、
でも先生って単に仕事なだけで、同じ人間なんだから。と気づく。
その反面、最後の荻野先生の行動や春山先生の決断は、先生としての生き方がもう骨の髄まで沁みていて、先生という生き物なんだ、とも思える。
それが良かった。
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読みやすいのに、重量感のある読んだ!!って感じのストーリー。
湊かなえの作品でしか得られない、読むのが止まらないそわそわ感と満足感。
他のもまた読みたいなと思った。
『読書』っていうより、小学生の時に夢中で読んでた時の『読む』ってことができるのが、私の中では湊かなえ。
久々読めたことが嬉しい〜!
Posted by ブクログ
登場人物と場面の移り変わりが多すぎて、冒頭の登場人物を何度も見返したりと、序盤は物語に入り込みにくかった。
湊かなえの急展開や最後のゾクッとする世界観を期待してたけど、平和な終わり方に安心しつつ、物足りなさも感じた。
高校入試って確かに大事な人生のターニングポイントだと思うが、時にはその人の人生を壊すことにもなりかねない。特に子どもの頃は世界が制限されてるから、その影響力はとても大きい。だからこそ、関わる大人の責任は大きいと、改めて痛感した。
Posted by ブクログ
見えないところで見えない力が働くのは、どんな場所や環境でもあると思う。自分が自分の時間なりお金なりを何かをつぎ込んだ場面でこんなことが起こると、それぞれに思うこともあるだろう。
Posted by ブクログ
もともと脚本が原作ということもあるのか、登場人物が多くてそれぞれの視点から描かれている文章が断片的に繋がっていくため、「これは誰だ?」といった具合に初めは読み進めるのに苦労した。
しかしさすがは湊かなえさんというかとても面白く、最後まで読み応えがあった。
教職経験があるので、作品のテーマに思うところも多かった。
Posted by ブクログ
自分が高校受験のときこのドラマが放送されたので、とても印象に残っている作品です。入試がテーマというのがおもしろく、とても新鮮に感じました。
登場人物が多いので、まず読み初めに相関図を把握されることをおすすめします。私はドラマを見たあとに小説を読んだため、どの俳優さんが演じていたかを見返すとスッと物語に入れたのですが、小説から入った方にはちょっと読みづらいかもしれません。
ストーリーを知っているにもかかわらず先が気になりスラスラ読むことができましたが、個人的には湊かなえっぽさをあまり感じられない展開だと思います。そこを期待しているとあまりおもしろくないのかなと。
この作品はドラマで楽しむことをおすすめします。
小説を読み返したのをきっかけにTVerでドラマも見ていたのですが、初めて見た夫は嫌な気持ちになるから見たくないと言ってました(笑)
Posted by ブクログ
登場人物の相関図が最初にあるが、なんせ人数が多く、何度も相関図を見直しながら読んだ。途中もしかしたらという結末予想はできたが、犯人の告白含めて、それぞれの人相まで、想像できるような人物描写が作者の素晴らしいところ!採点作業なども興味深く(今はだいぶ変化してるでしょうが)受験シーズンに読めて良かった。
Posted by ブクログ
たった1日の1回の試験で今後の人生が左右されること。学校側はそれを理解し、責任を持って入試を行わなければならないことを痛感した。
学校側の都合でミスがあり合否が左右されるのはあってはならないことだし、それを防ぐための対策を厳重にするべきだと感じた。
皆同じ入試というものに向かっているが、ひとりひとりに色々な想いや背景がある。しかしその1日の結果のみで全てが決まってしまう。
シビアな世界ではあるがそれが入試だ。
登場人物が多くて、関係性を理解するのに時間がかかった。また、他の作品に比べて最後スッキリしなかったため★3
Posted by ブクログ
通勤などの移動時や昼休みに少しずつ読むからなのか、入れ替わり立ち替わりする話し手に慣れるまでに時間がかかった。
後から解説で原作はドラマ脚本とあり、納得しつつも先にドラマだったな、という感想を抱いた。
首謀者やその仲間に関しては意外性もあって良かった。
Posted by ブクログ
湊かなえ氏の作品は『リバース』『告白』以来に読む三作品目。
県下有数の進学校・橘第一高校(通称・一校)の入試で起きる事件を描いた物語。
役割を分担する教師たちそれぞれに、ひとつひとつを見れば事件と呼べないほど些細な出来事が次々に発生。各事件は伏線を回収するかのように、絡み合い膨張していき、犯人の手のひらで踊らされていることを理解した教師たちは、事件の収束を目指し行動を開始する。
登場する教師12名は、それぞれが隠している秘密や過去があり、それを緻密に描いているのはさすが湊かなえ氏といったところ。その反面、序盤から登場する人物が多く、冒頭の相関図を定期的に見ないといけないほどにややこしい。
しかし、教師含む多数の登場人物を覚え出した中盤以降は、急展開を迎える物語も相まってすんなりとストレスなく読むことができた。また、湊氏の代名詞であるイヤミスとは異なり、読後感はかなり晴々としたものだったように思う。
私は、作中でパッとした活躍をしない一校の校長先生・的場が覚悟を決めるシーンが大好きだ。その覚悟が分かる以下の台詞は、この作品を読んで良かったと思える理由のひとつ。
『気が付けば、闘った時期よりも、勝ち得たものを守り続けた時期の方が長かった。』
『守り続けてきたものが何だったのかのかも思い出せないようなら、潔く捨てればいい。』
保守的な行動を取りがちな現代の社会人において、自分にとって何が大切なのか、それに執着することは本当に自分のためになるのか、自分自身の原点に立ち返らせてくれるいい台詞だとしみじみ感じた。
高校入試という人の子の人生を変えてしまう一大行事。
私たちの生きる現実にも、高校、そしてその場所で教鞭を執る教師たちによって、人生を歪められたと感じる学生も少なくないのだろう。
責任を背負うことの意味、仕事に対するマインドを勉強できた一冊だった。