湊かなえのレビュー一覧
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映画を先に観ていた。役者さんたちの演技が凄まじく胸に迫るものがあったが 物語としては過激で辛辣な目に遭う女性の姿ばかりで「未来って何?」と思うようなものだった。
ただ暗くてつらい。今よくある、目を引く過激な絵面ばかりだった。
原作を読んで、雰囲気の違いに驚いたのと やっぱ映画かなりオーバーだし違うものになってんじゃんと思った。原作の方がぜんぜんよかった。あとがきを読んで、作者の込めたメッセージが伝わってきてなおさら読んでよかった。
私が「オーバーじゃない?」と感じたことが日常である人生もあるということ。思っていたよりも貧困な家庭は多く、自分という存在を侵される日々に耐えている子供たちは存在するということ。
そういう人に手を差し伸べるべき、と諭しているわけではない。ただ想像してほしいだけ。
あきこのような、ありさのような、この物語に出てくる登場人物たちのような子供が自分の街の何処かにいるかもしれないということ。自分と同じように等しく「未来」があるのだということ。自分を消したくなるような目に遭いながらも、生きていれば、そこには未来の自分が存在する。
映画と違って原作は暗さだけでなく上に向いていく何かを感じられて良かった。
あと湊かなえの本は読みやすいなと改めて思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはまた重い話であった。自分の親も相当酷いと思っていたが、まだまだ想像力が足りなかったようだ。
宗教二世の話と言ってしまえば単純だが、その内面は複雑を極めるのだとしみじみ。特に娘からの告白の手紙を集会で読ませるとか常軌を逸している。
暁と金星の繋がりは被害の共通点から始まっているように思うが、ラストは互いを思いやる心が一致していて切なかった。『白夜行』の二人に似ているような気もしたが、あちらは性被害や犯罪が絡んでくるので、ちょっと違ったベクトルだと思う。というか、やはり財産や関心をすべて宗教に注ぎ込んでしまう神経が理解出来ず、なぜ子供より優先するのか!という怒り心頭。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先が見えない暗闇から始まり、このまま物語が絶望のまま終わってしまうのかと悲嘆していましたが、
読み終える頃には一筋の光が見えて、涙がでました。
また、特におもしろい仕掛け?だと感じたのは、「金星」を読む前後の終章の印象の違いです。
わたしは終章→金星→終章の順番で読みましたが、
初めて終章を読んだとき、星=弟のことなのかと思い、守れなかった後悔のように感じました。
しかし、金星を読後は、家族愛とはまた違った深い愛を感じて、過去への後悔ではなく、未来への希望へ向けた言葉に感じました。
言葉の力をまざまざと感じました。
読むたびに印象が変わりそうな、内容も仕掛けもおもしろい物語でした。 -
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学生の頃映画で話題になった「告白」の作者の作品。
YouTubeのおすすめに出てきたので購入。
さえない主人公の深瀬がコーヒーショップで知り合った美穂子と交際する事になり、日々のさえない生活に彩りが出てきた。ところがある日彼女から一枚の封筒を渡され、私に内緒の後ろめたい過去はないかと問い詰められる。恐る恐るその封筒の中身を確認すると
「深瀬和久は人殺しである」
それをきっかけに主人公は交通事故で亡くなった親友の生涯を、あの忌まわしき事故の真相を知るために動き出すミステリー小説。
そうだった。湊かなえのこの感じは告白を見た時も同じ感情にさせられたのを思い出した。
最後で全部持ってかれた。またやられた。
物語の進行も上手だし、気持ち良すぎる伏線回収も良い。個人的に主人公の心理描写に共感しっぱなしだった。最後の最後でタイトル回収も素晴らしかった。本屋大賞の作品とかで話は面白いけど文章が独特な作品を見た後だけに地味かもしれないけど文章や物語の構成が上手だと読み進めやすいし満足感がすごい。ベストセラーを出し続ける作家さんってやっぱりすごいと思ったし納得させられた。
オススメの作品。
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ネタバレオーディブルにて
前半の永瀬の手記は陰鬱な展開でつい流し聞きしてしまった。
後半の金星の手記は前半の永瀬の手記の内容から、
金星の妄想的な物語かな?一目惚れした彼ともしかしたらこうだったらいいなっていうオタクの妄想話?って思って聞いてしまってたのに、
途中からどんどん正解のピースがはまっていって、
本当の物語にとんでもなく泣けてしまった。
一回目で暁闇の終章を聞いてしまった時は何の感情もなかったのに、
金星を聞き終わったあとに終章を聞くと涙が止まらなかった。
「ただ星を守りたかっただけ」
そもそもタイトルが泣ける、これは2週目が必須な話。
ネタバレ踏まずに聞けてよかった -
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車で4時間の運転中にオーディブルで前半を聞き、待ちキレなくなって後半を本で読む。某首相の暗殺事件の背景となった、某宗教団体を彷彿とさせる展開に、時事ネタやなーこの本は、とか思って鷹を括っていた。犯人の手記には、宗教2世が遭遇する不幸がこれでもか、と描かれ、幸せになったらその数倍もの不幸が毎回降りかかり、絶望感と遺恨から凶行に駆られていく暁に、読んでいて辛かった。
しかし、本作の圧巻は後半にあり。まさかの展開と告白を前にして、主人公の、想う人全てを背負う愛に敬服した。人は何をもって、人として生きていけるのか。どんな境遇においても失わない魂の高潔さとは何か。最後の一行はこの物語全ての救いだと思った。 -
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再読。
やっぱり面白い。
この物語はいろいろな母を描いた作品なんだな、と気付いた。
復讐を果たすシングルマザー、過保護なママ、子に虐待するも子からは心酔される博士ママ。
みんなそれぞれ問題があって、過保護なママには正にモンペと思うし、博士ママも子供が研究者としての足枷になっていたのに再婚してまた子供作って何を考えるの?と思うし。
だけど、みんな母に求めすぎじゃない?
何で母に構ってもらえないとおかしくなっちゃうの?
父も存在しているのに、この物語では全然子供に関与しない。
子供も父に意識を向けない、父が淡白でもそういうものと思っている。
この物語では母がおかしいから2人の少年は歪んでしまったのだと感じさせられるが、その間何もしない、見ぬふりをしている父はもっと重罪でしょう。
母に対する過剰な理想的とそこから乖離した時に振るわれる理不尽を感じた。
犯人を罰するという目的では、森口の手段は最高だったと思う。
もはや少年犯罪に限らないが、世の中の仕組みは犯罪者を罰するよりも更生させることが重視されているように思う。
更生なんてさせず、己の愚かさゆえに大切なものを失って自滅してもらうのが最高の復讐なのではないか?
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ネタバレ初めは、まゆこが誘拐された物語と見せかけて、実は幼いときにゆいこが誘拐されていてそれゆえに、幼少時の姉との血がつながりを感じない疑念を持つ場面であったり、につながっていくと思った。しかし、実際にはまゆこが順当に誘拐されており、犯人に関しては岸田妹ではなく後半に突然出てきた岸田姉であったと明かされる。しかも内容は偶然、勘違いが重なったものでもあった。想定していないところからパンチを打たれたような気分で不思議だが、それはそれで驚きはあった。 特に印象的なのはゆいこの幼少期から感じられる勘の良さ?的な部分で、幼少期の自分にはなかった裏側読む力、メッセージ解釈力が特に優れていると感じた。今、俯瞰でこのように感じてしまうのも、ゆいこの母の行動にゆいこが感じたように大人になっていくうちに、自分が子供だった時のことはすっかり忘れてしまって、大人目線の子供の概念に現在進行形の子供を当てはめるしかない、そのようにしか想像できないと言うところで、憶測でものを語るなとも言いたくなるようなものだった。 本筋の面白さ、複雑さは当たり前に楽しめた。
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「30歳の自分からの手紙」が届く‥ファンタジーもの?と思って読み始めるも、不穏で苦しい展開になり、読んでは気持ちが沈んでいました。
そのうちに、少しずつつながり始める展開に夢中になり、最後は「ああ、さすが湊かなえ!」と感嘆の思いで読み終えました。
あとがきにもあるように、これは「現在進行形で起きていることの、ほんの一部を切り取っただけ」ということに、とても心が苦しくなりました。
どこかにこんな思いをしている、そしてそれを周りに相談できず苦しんでいる子供がいる‥。
そして、負の連鎖が起きる‥。
読み終えた苦しさ、そして私は何ができるんだろう。