湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ激重作品だったが、いつもの湊かなえ作品のようなダークさではなく、かすかな暖かさも感じれる作品でした。
宗教2世の話で前編が政治家を殺した暁の手記、後半が宗教2世の環境で苦しみながら作家となった星賀の話。
不遇な家庭環境で孤独を感じていた二人だが、お互いの同じ境遇に共通の想いを抱え、暗い世界の中にある一筋の光に縋って生きていく。
宗教自体は、人々の心の拠り所としてあって然るべきものではあるが、人の弱みに漬け込んで搾取する団体と化すると、本当に当事者が幸福なのか。
本当は星賀が、宗教団体からの解放と自分の人生を取り戻すために政治家を殺そうとしていたが、暁は星賀は生きるべき、希望の星という想いを抱え -
Posted by ブクログ
・土地に狂わされた(あるいは狂わされたと思っている)人たちの話
・彩花の描写を読んでいると、タワマン文学のキャラ造形(特に麻布競馬場の)には湊かなえイズムが流れているように思う
・ピエロ的な立ち回りをする小島サトコを筆頭に、単一の価値観では一概に善悪を判断できないというか……その複雑さゆえに対立が生まれているんだろうけど、二項対立で生まれる分断とは毛色が違うとはっきり感じた。単純な対立の方が意外にも解決の糸口がないというか。
個人的な感想としては、彩花の暴力描写になるたびに胸がひゅっとした。腹が立って死にそうなときに思いきっきり物を投げれたら、と思ったことがあるけど、それを実行している人を見