湊かなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
万佑子ちゃんなら、本ものの万佑子ちゃんなら
幼い頃に失踪した姉が「別人」になって帰ってきた――妹だけが追い続ける違和感の正体とは。足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー!
タイトルの意味が分かりませんでしたが、アンデルセン童話『エンドウ豆の上に寝たお姫さま』にちなんだもの、と割とすぐに分かります。
「ほんもの」とは一体何なのか。
万佑子ちゃんだと思っていたのは遥(であるべきだった子)で、失踪から帰ってきたのが本来の万祐子。
帰ってきたときにすぐ本当のことを教えてもらえれば良かったのですが、失踪前と同一人物だと言われたことで、結衣子の中の違和感-ベッドの下のえんどう豆のような-が大きくなってしまった。
万祐子ちゃんが失踪していた2年間の間に、万祐子ちゃんだった遥の記憶も自分の理想に近づけてしまったのかなと思います。
自分だけ真実を伝えられていなかったのも、結衣子にとって受け入れがたい両親の裏切りだったように思います。
小さい頃から万祐子ちゃんとの扱いの差を感じていた結衣子にとっては、誰も信用できなくなりもはや自分が本ものの家族ではないニセモノのように思ってしまう。
読後はモヤモヤ感が残りましたが、続きが気になり最後まで一気に読んでしまいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み終えて最初に感じたのは、ようやく過去と向き合い、これから明るく生きていこうとした瞬間に、バチンと電気を消され真っ暗になったような感覚。
正直、中盤までは展開が緩やかで盛り上がりに乏しく少し退屈。各章は短く読みやすいものの、物語全体のテンポには物足りなさを感じた。
一方、後半からは一気に引き込まれ、何気ない描写が最後になって効いてくる構成は見事だった。
特に印象に残ったのは、広沢という人物の描き方。深瀬にとって居心地のよい存在だった広沢。しかし深瀬は、彼のことを本当の意味ではほとんど理解していなかった。皮肉にも、彼の死をきっかけに初めてその人間性を知っていく。
そしてあの結末。これまで4人で共有していた秘密が、今度は深瀬一人で背負う秘密へと変わる。真実を打ち明けるのか、それとも墓場まで持っていくのか。どちらを選んでも苦しい未来が待っている。
結末を描き切らず、その後を読者の想像に委ねる終わり方もよかった。読後感はさすがの湊さん。
総合3.8点。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の千尋、すぐカーッとなるというか怒りっぽい感じはあまり好きじゃなかった(笑)
バラバラだった人物だったりピースが、本当に終盤までバラバラだなって思ってたのに最後の最後で一気にまとまっていく感じが心地良かった。どうなっていくのが全然わからなくて、知りたすぎて読む手が止まらなかった。
お姉ちゃんと彼、短い間だったけど年相応の幸せな時間があったんだなーっていうことが分かって少し報われた感じがする。
知ろうとする人、見たいものだけ見て生きていく人、全然性格だったり考え方の違う二人が協力して新しい日々をスタートしていく感じが良い。ハッピーエンドって感じでもないけどtrue end! -
Posted by ブクログ
ネタバレ担任による告白から始まる展開が印象的だった。
最初は起きてしまった事件を淡々と話しているだけだったが、HIV感染者の血液を牛乳に混入させる復讐が語られた瞬間から、生徒を取り巻く周りの環境にどんな影響が及ぼされるのかを想像して面白かった。
自分のことをヒーローだと思う思春期特有の感情が、家庭環境などの影響で歪んで発展してしまうのはあるあるだと思いつつ、少年による猟奇的殺人事件はたしかにその感情と結びついて暴走してしまうものなのかとも納得した。
登場人物はとても人間らしく、周りに注意された時に僕はもっとできる人間なんだと感じでしまうプライドが大きい少年や、自分の子育ては間違っていなかったのだと思い込みたい母親、自分と母親だけ特別で、そのほかの人間は全て馬鹿だと考えてしまう少年など、一部理解はできるが、どこまでもズレていて歯止めが利かなくなってしまい、このような事件を引き起こしてしまう展開がリアルであると感じた。
また、女教師の復讐が最後の最後まで続いていて、少年Aに対する最悪の形で復讐するラストに少し快感もあった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに読む湊かなえさんの作品
続きがどんどん気になり、一気読み。
それぞれの視点で読み進めていて、
どっちがフィクションかノンフィクションか分からなくなってくるが、それぞれの世界を一度読み終わってから再度読み返すのも、また見えてくるものも変わってくるような気がする。
過去に読んだ今村夏子さんの『星の子』も宗教2世の話だったので、それを思い出した。
子供の頃は、学校での人間関係もそうだが、
家庭も自分の生活のほとんどを占めるし、
特に親の存在は、見捨てられたら終わりと思うくらい
自分の全てのような気がする。
だからこそ、我儘を言ってみたとしても、最終的には親の言うことを聞くし、親が喜んでくれることが、例え他の友達の家庭とは違ったり、世の中的におかしいことだとしても、親が褒めればそれは良いことだと純粋に信じ込んでしまうんじゃないかと思う。
もしも2人の親が教会の存在を知らなければ、
もしも入会しなければ、また違う運命だったかもしれないけれど、親もまた救いたいものがあったからこそ縋ったのだと思う。
2人が出会えた上で、違う展開になっていたら
本当に幸せに暮らせたのかな…と想像をする。