湊かなえのレビュー一覧

  • 豆の上で眠る(新潮文庫)
    童話「えんどうまめの上にねたお姫様』からこんな風に話を膨らませられるんだな。

    途中からまさかと推測していたら、その通りの展開になった。本ものを知り見分けることができる妹の凄さと、そのゆえ本ものとは何かが分からなくなる葛藤。「本ものって、何ですか——。」
  • 告白
    友達からの勧め

    映画化もされ、なんとなく毛嫌いしてずっと読んでいなかった。
    複数の視点からわかる心情や考え方、話し方全てが歪だったと思う。
    大人と子供の差というのは年齢を重ねて生まれる考え方の差や余裕の差だけなのではないかと思う。
    中には大人でも度々人生で何を学んできたんだと思う様な人もいるが、そ...続きを読む
  • 人間標本
    2重3重、それ以上に読み手を嘲笑するように欺いてくる
    小さな違和感を残しながら、信実は…いやいや本当の信実は…と次々に裏切ってくる

    ギフトと呼ばれる才能を持った者同士だけがわかり合える苦しみが痛い
    芸術家の脳内とはなんと恐ろしいものなのかと、おののきながら読み進めていたけれど、本当に恐ろしいのは湊...続きを読む
  • ユートピア
    湊かなえさんの作品の中では登場人物が多い印象で、最後にどうなるか、ちょっと読めなかった。
    主人公の3人は、地方都市に確かによくいそうなイメージ。上手い。
  • 山女日記
    山の懐の深さは、ちっぽけな人間の悩みや迷いなど全て昇華させてしまうほど壮大なものなのだろう。自分は体力に自信がないし、一緒に行ってくれる仲間もいないので、本の中の世界で体験させてもらう事としよう。
  • ブロードキャスト【電子特典付き】
    中学生時代では、駅伝の県大会で優秀な成績をおさめた町田。良太が駅伝メンバーに選ばれなかったことが心に引っかかりながらも、陸上強豪校である青海高校に合格する。

    しかし、合格発表の帰り道で交通事故に遭い、脚の手術や長期間のリハビリで、陸上として活躍する目処が立たなくなる。

    陸上部への入部を諦めていた...続きを読む
  • 往復書簡
    初めて湊かなえさんの作品読めた
    短編三編集
    告白とかもっとメジャーなやつあっただろうにこれが家で積読されてました
    読めてよかった
    どんでん返し系なのかな?と読みながら理解はできたけど初めの二つはあまりハマらなかった まーおもしろい
    最後の「十五年後の補修」がすごいぞわぞわしたし好きだった 何回もひっ...続きを読む
  • 人間標本
    『イヤミスの女王』湊かなえの作品。
    タイトル通り、人間を標本にするという作品。
    家族を想う気持ちが連続殺人を引き起こす。

    読んだ後というか、序盤の描写から心が苦しくなってしまった。作品のための殺人なんて…と。
    その序盤を乗り越えると、どんでん返しの連続。
    史郎はなんのために至を手にかけたのか。

    ...続きを読む
  • リバース
    イヤミスの女王なのに、最後うっかり油断した。
    ラストのはちみつのシーン、読みながら、やめろーやめてくれー!って頭の中で鳴ってた。
    コーヒーを飲むこと、そして人のためにコーヒーを淹れることが人生の喜びであったのに、またしても大切なものを失って深瀬はどうなるのか、、、
    自分だったらとてもじゃないけど精神...続きを読む
  • 贖罪
    一気読みでした!同級生が亡くなってその母からの言葉に縛られた月日・・・。あの日エミリを殺した男、真実を知った時の男の気持ちも知りたい(それが描かれないからいいんだ、とも思うのですが)。ドラマ化されてたの知りませんでした。キャスト見たら超豪華!観たかったなー。
  • Nのために
    読む前と読んだ後ではタイトル、表紙の見方が大きく変わる作品でした。
    愛とは時に歪んでおりそこには正解、不正解もない。
    暴力や依存も当事者にとっては大きな愛の証明であると、、、
    考えさせられる作品です。
  • 残照の頂 続・山女日記
    山登りと人生って通じるところがありそう。つらい道でも一歩一歩踏み出していけば前に進んでいる。うんと時間が経てば、こんなに遠くに来ていたのだと思えるはず。
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー
    6つの短編からなる短編集といいつつも、この短さで姉妹の確執(いや妹の方は姉を母とともにバカにしている)を描いた「マイディアレスト」や脚本家を目指す男女3人の妬み、嫉妬を描いた「ベストフレンド」などなど。どの作品も各登場人物の視点で語られていくうちにラストへたどり着くとそういうことだったの?!と驚いた...続きを読む
  • 少女
    人が死ぬのを見てみたい高校生ってどんな高校生だろうと思って読み始めた。2人の主人公の女子高生の動きが交互に描かれていて心情の変化も目まぐるしいのでついていくのが少し大変だった。
    それでも先を読みたいと思わせてくれる湊かなえはやっぱり流石だなぁと。
  • 高校入試
    一つひとつの出来事や一人ひとりの行動が連鎖して物語に影響を与えていく構図は読んでいて面白かった。
    実際、入試の時の先生たちのストレスは半端ないと聞くし、教員を目指す身としては見逃せない題材だったなと思う。入試に限らず学校現場の負担が減っていくことを願いたい。
  • Nのために
    純愛ミステリーというあまり手を出してこないジャンルでしたが楽しめました。
    お互いが勘違いやすれ違いをしながらも、お互いのことを思った結果がなんとも切なく言い表わしがたいものでした。
    一人一人の主観て物語が進んでいくので、交錯するところや嘘が垣間見えて面白いです
  • Nのために
    これは本当にフィクション?実際にありそうな話しで想像力を借り立たせる読み応え抜群でした。
    それに加えて真相が読者しかわからない構成 素晴らしすぎる!
    「もやもや」はするがそれもまた狙いなのであろう。Nの意味が最後にならないとわからなかったのは完敗でした!
  • 母性(新潮文庫)
    湊かなえさんの作品ではよく視点が変わるのですがこの本もそうでした。母性とはなんなのか愛とはなんなのかと考えさせられる話でした。
  • リバース
    ミステリー書評
    読書レベル 中級
    ボリューム 338頁
    ストーリー ★★★
    読みやすさ ★★★
    トリック  ★★★★
    伏線・展開 ★★★★
    難易度   ★★★
    読後の余韻 ★★★★★

    一言感想:ミステリでも特にイヤミス好きな方、コーヒー好きな方にオススメの作品です!

    性格が暗めな主人公、そして終...続きを読む
  • 落日
    「ずっと、そうだと思ってた。でも、そうじゃなかったことが、水の中に落ちてわかった。水面すれすれのところにわずかに頭を出している石の上に立っていたんだって。わたしは今どこにいる?何故ここにいる?次はどこへ向かえばいい?どうすれば、誰も傷つけずにこの川を渡りきることができる?それには、知るしかなかった。...続きを読む