湊かなえのレビュー一覧

  • 白ゆき姫殺人事件

    Posted by ブクログ

    湊かなえさん著「白ゆき姫殺人事件」
    いつか読もうと何年か前から本棚でずっと眠っていた作品、なおなおさんに薦められてやっと読む手を伸ばせた。ありがとうございます。

    作品は著者の十八番、多人数の独白形式で多角的に真実に迫っていくミステリー。
    今回の作品、物語自体には特に叙述的なミスリード等があるわけでもない。
    しかし平行して描かれていく「資料」の頁、ツイッター形式のSNS「マンマロー」という投稿サイト、これを読み込むのに頭を相当使う。
    ハンドルネームから登場人物を割り出せるが、誰が何をツイートしたのかでその意図やその人の人格の表裏が見え隠れする。
    凄く複雑で、かつ現代的な感覚が斬新に思えた。

    0
    2025年08月13日
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ湊かなえさんの本。
    うまく説明できないけどすごく好き。
    いつかはこれをうまく人に説明できるようになって、人に読んでもらいたい。

    0
    2025年08月13日
  • 夜行観覧車

    Posted by ブクログ

    かなり昔のドラマ化を見て、小説も読みたいなと思って何回も読んだやつ。少しドラマと違うところがあるけどやっぱり面白い。何度読んでも面白い。

    0
    2025年08月12日
  • カケラ

    Posted by ブクログ

    ナツイチで見かけて気になったのと、イヤミスを読んでみたくて購入。私自身太っていることがコンプレックスなので、美容外科が舞台なの面白そうって思ったことも理由。なんだろう、なんとも言えない気持ちになったけど、自分を好きな自分でいれるようにダイエット頑張ろうと思いました笑

    0
    2025年08月11日
  • 白ゆき姫殺人事件

    Posted by ブクログ

    美人社員がどうして殺されてしまったのか。その関係者への取材という形で物語が非常にスピーディーに進んでいく。

    -自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。-(抜粋)

    些細な出来事や噂話から、人物像が作り上げられてしまう。それはSNSが発達した現代ではより加速していると思われる。

    私はこのようにありもしないことをでっち上げ、それを楽しむような人はもちろんだが、そのような人たちから被害者を守ろうとする人々も、結局同じ土俵に上がってしまえば、被害者を傷つけていることに変わりないことをこの物語から感じた。
    たとえそれが善意だとしても、他人から提供される自分

    0
    2025年08月10日
  • 少女

    Posted by ブクログ

    由紀と敦子に関わった人達が、次々に繋がっていきながら、伏線がどんどん回収されていくストーリーはお見事でした。

    2回目を読むと"こんなところにも伏線が…!!"と新たな発見があり、もう一度楽しむことが出来ました。

    女子高生を魅了する『リズ』の存在も大きかったなぁ。

    0
    2025年08月10日
  • 贖罪

    Posted by ブクログ

    心にずしん、と来る。
    ある1人の少女が殺される事件の現場に居合わせた4人の少女。
    犯人に会っていたのに顔を証言できず未だ未解決の事件。その少女たちに被害者の母親が言った、「お前たちを復讐する」という重い言葉。
    すらすら読めて面白い。

    0
    2025年08月09日
  • 山女日記

    Posted by ブクログ

     
    私は苦手な人に対して「嫌だな」という気持ちを持っても長く保つことができない。マイナスな気持があっても気づかずに生きているのだが、湊かなえさんは、呑気に暮らしてるはずの
    私の心のひだを一枚一枚めくっては、ほらこんなに…と見せてくる。嫌な作家だ。
    だが、山に登るにつれて登場人物の心にあるわだかまりは浄化されて清々しく終わるので、こちらも気持ち良くなり、短編を読み進めていく。
    と思えば、最後が苦いものもあって要注意だ。

    0
    2025年08月08日
  • 贖罪

    Posted by ブクログ

    4.0/5.0

    一つの殺人事件の目撃者になってしまった子供達が、その後、その事件による罪の意識に苛まれながら生きることを強いられ、更なる悲劇へと繋がる。
    事件の当事者(加害者、被害者、被害者遺族など)ではなく、その場に居合わせてしまった人々の罪の意識、という点にフォーカスが当たっている点が面白くもあり、辛くもあった。

    一つの事件をきっかけに、登場人物全員が不幸になる救われない話ではあるが、全編通して面白く読んだ。

    0
    2025年08月08日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    他人の嫉みや恨み、それに振り回される人たちの視点がリアルに描かれていて非常に面白かった。

    -地に足着けた大半の人たちは、ユートピアなどどこにも存在しないことを知っている-

    もしかしたらユートピアなんて存在せず、自分の現状に満足していない人たちが求めているだけなんじゃないか。理想だけでなく、今ある現実を大事にすることの大切さを感じる一冊だった

    0
    2025年08月03日
  • 落日

    Posted by ブクログ

    一家殺害事件の真相を追うほどに、過去の事件に対し裁く事は何なのかを考えるほど、少し胸が痛くなった。
    そして、引きこもり兄さんが可哀想に感じた。

    衝撃だったのは、最後の解説で記されていた。
    湊かなえさんは新作を作る際に、編集者から投げかけられる一言を鍵に作っていくのだという。
    今で言うとCHATGPT並みのスキルでしょうか。いや、それ以上の才能ですよよね。

    0
    2025年08月03日
  • 贖罪

    Posted by ブクログ

    湊かなえさん「贖罪」
    久し振りのイヤミスの女王、湊かなえ作品。こちらもめぐおさんに貸して頂いた。
    ありがとうございます。

    今回の作品は5篇からなる連作短編集。
    一人の少女の殺人死が物語の中心にあり、その殺人の直前まで居合わせた当時同級生だった4人の独白から真相が描かれていく物語。人物像の生々しさが物語を更に暗く重たくさせている。

    面白い構成だなと感じさせられるのが、少女の死をきっかけに当時の同級生達みなが別々な理由で殺人に手を染めてしまうという因果。
    一見なんの因果関係もないように見えるのだが、タイトルの「贖罪」という言葉を考慮して考えてみれば、死のループを経緯した連関性を感じてしまう。

    0
    2025年08月03日
  • 白ゆき姫殺人事件

    Posted by ブクログ

    ミステリーとしてとても面白くて、読み終わった後の心のざらざら感もほぼなく、非常に読みやすい本だった。もっと精神を抉ってくるような女性がでてくる湊かなえ作品も好きなので、個人的には少し物足りなさもあった。
    証言者たちが自覚しないくらいの小さな悪意とそれを恣意的に切り取るライターによって、真実の周りに紙粘土みたいな嘘が貼り付けられて行って、事件がどんどんわかりやすい形に成形されるのがとてもメディアっぽいなと思った。

    0
    2025年08月01日
  • ポイズンドーター・ホーリーマザー

    Posted by ブクログ

    短編でも読み応え抜群でした。まず事件の内容があって、その後読み進めるとそれぞれの犯人の背景が複雑でした。

    0
    2025年08月01日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    女たちの胸の奥に渦巻くどす黒い感情を見事に描いてくれて気持ちいい。
    普段自分も感じているこの嫌〜な気持ちを文章にしてくれているのを読むことで、なぜか浄化されたような気持ちになる。
    なのでイヤミスを読むと逆に私はスッキリします。笑

    妬みとか、人からこう見られたいとか、そういう欲望から解放されたら、人間もっと楽になれるよな。
    私も「かっこいい人」「すごい人」でいたいと思ってしまっていたので、光稀やすみれの気持ちがわかる…。
    素敵な人ぶっちゃうというか、いいかっこしちゃうというか。
    時にそれがマウントになっていたり。
    結局周りの目を気にせずに自由に生きていくのが1番幸せだけど、コミュニティの中でそ

    0
    2025年08月01日
  • 残照の頂 続・山女日記

    Posted by ブクログ

    登山と女の一生、女の生き方が絡まって不自然ではないストーリー進行はさすがと言ったところ。ただ山の難所が多すぎる気がして、読んだだけなのに疲れてしまった感もある。装備の必要な本格的登山には憧れるけど、自分には無理だなぁと。
    それでも山ではあれこれ話せるとか、大声で歌う場面には共感できるし、天候に振り回され、人生に振り回されて、それでも進んでいく女性は強い。どんな人生にも価値があると改めて思わされた。

    0
    2025年07月30日
  • 山女日記

    Posted by ブクログ

    山好きは必読。そこに人間ドラマもあってよい。湊かなえさんで、山で、短編集でなくて、1人の人間にクローズアップした長編で書いてほしいなあ。

    0
    2025年07月25日
  • 往復書簡

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    手紙風のギミックを楽しむための作品かと思いながら読んでいると、作風に慣れてきた頃の「十五年後の補習」でやられた。
    秘密や闇を抱えながら、お互いを思い合ってきた2人がとても綺麗で美しかった。どうか幸せであれ。

    0
    2025年07月25日
  • 落日

    Posted by ブクログ

    実はドラマをNetflixで観たので、原作も読みたくなった。(あらすじに映画キャスティング)

    15年前に起きた「笹塚町一家殺害事件」を題材に、新人脚本家(吉岡里帆)と映画監督(北川景子)が事件の真相に迫っていく物語。

    ドラマを先に観ているから全て知った上で小説を読むという形になるが、ドラマはダイジェストだったというくらい、小説の描写は人物の感情などが細部まで掘り下げている感じがした。(こんなシーン無かったなあと思うこともかなりあった)

    北川景子の演じた映画監督の香が、何故昔の事件を掘り起こし映画にしようと思ったのか、吉岡里帆演じる脚本家の真尋の姉の死を何故隠したのか…この話を書くにあたり

    0
    2025年07月24日
  • 夜行観覧車

    Posted by ブクログ

    坂の上の高級住宅地で起きた殺人事件。幸福そうに見えた家庭でなぜ事件が起きたのか?
    坂の上の住人への羨望、妬み、坂の上から転がり落ちかねない(無自覚な)危機意識、同調圧力が、次第に夫婦、親子関係を歪めていく。
    追い求める価値感や幸福がすれ違い、相手が見えなくなってしまう。
    どん底の中でもともに食べ笑いあえるところに救いがあった。

    0
    2025年07月23日