湊かなえのレビュー一覧
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ネタバレ湊かなえさんらしい作品だなと思いました。
人それぞれ視点が違い、視点が合わないからこそ悲劇が起きてしまう。どこかで一度でも理解しようとする人がいれば防ぐことができたのではないかと感じました。
太っている人に対して何も考えずに痩せろというのはやり過ぎだと感じますが、100キロオーバーで膝も故障しているとなるとそう言いたくなるのもわかります。
色々考えさせられる作品でした。
美容整形のイメージとして、ただ患者が気にしているところを治す(整形)するだけだと思っていましたが、間違っていたみたいです。
最後の友利先生の解説もとても良いものでした。 -
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久しぶりの湊かなえさんでしたが…やっっっぱり大好きーーー!と思えました。するする読めてテンポがいいのに、独特の雰囲気をずっと感じられて大満足。さらに短編集なので異なる環境のお話をたくさん読めて超お得。
各話に必ず「えっ?!」って驚かされるポイントが用意されてて、そのどれもが予想を超えるので「くるか…?くるか…?!」とハラハラドキドキしっぱなし。この感覚が本当に大好き。
不穏な仕掛けもあれば優しい仕掛けもあって、そのバランスが最高でした。
特に「ダイヤモンド」が最初っからずっと不穏で1番好きでした。他の話と比べて展開を予想しやすい話かと思ったら、斜め上の結末で湊さんさすかだーーー!モノローグ -
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人と人を行き交う書簡で紡ぐ三つの連作と+α。高校時代をともにした者たちの「十年後の卒業文集」、恩師と生徒の「二十年後の宿題」、同級生であり恋人であるふたりの「十五年後の補習」、そして「一年後の連絡網」、各々の物語を描く。三者三様、手紙の特性を生かした作品。手書きの文字と文章だけで人物を判断すること、事実の解釈は人それぞれで思い違いや錯誤があること、会話ではないゆえに感情の虚偽も吐露もなし得ること。
どの作品も俊逸なのだが、やはり「一年後の連絡網」で脈絡なく触れられる数行に、往復書簡を通じた結果が描かれ、便りを伝える連絡網として本作品ではもっとも好きな書簡である。 -
Posted by ブクログ
湊かなえさんが描く青春小説で、さすがと思える制作側に詳しい叙述が新鮮。
中学時代、駅伝の全国大会を目指すもあと一歩力及ばず。エースの友人とともに一般受験で陸上の強豪高校に進学するも交通事故で夢を絶たれる。
屈折した気持ちを持ちながら高校の放送部に入るが、当初見下していた気持ちから次第に熱量に感化され再び全国を目指す。
放送部での脚本作り、ドラマ撮影をめぐる役割やスタッフの動き、ノンフィクションとドラマの違い、そこに学年間の軋轢やクラス内のイジ、陸上部時代の駅伝メンバー選考にかかわる謎も折り重なって展開。
報道作品への批評場面や作品制作にか変わって主人公が成長していく様が爽やかに描 -
Posted by ブクログ
公立高校の入学試験を舞台にしたミステリー、というよりはサスペンス、ドラマの脚本を小説に再構成したというのも納得する多くの登場人物に多くの視点、情景を人物像をイメージしながらなんとなく感情移入というよりも観測者として物語に関わる読みを読み手はした方が良いと思う。
出てくる人物は色々と癖があり、課題を抱える子どもたち、事なかれ主義に見える管理職、意見や思想の違う教職員、我が子のために入試に介入してくる保護者。グチャグチャのこの世の嫌なところが煮詰まったような人物たちが「高校入試」という閉鎖空間で様々な関わりと、行動、思いのぶつけ合いをするのはある意味クローズドサークルものという側面もある。
今作は -
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女の情念とまで強い言葉ではないが、湊かなえのとらえる女性像はとても現実的で、目を背けたくなるときがある。
ドロドロしているわけではないが、そこには登場人物が女性だからこそ説得力のある独特の感情が確かに存在しており、柔らかいナイフでゆっくりと斬られているような痛みを感じる。
本作は3人の似ているようで少しずつ違う女性が織りなす物語で、典型的なミステリではなかったが、何が起きたのかを予測しながら読む作業はしっかりミステリ然としていた。
よくぞまあ主人公の名前を最後までうまく伏せていたものだ、なるほどこういう見せ方もあるのか、と驚いた。
とにかく登場人物が多くて頭を切り替えるのが大変だったが、エッセ